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島から島へ、岸に渡って丘上る [フランス・パリ]

 パリの窓は小さい。

 縦に長いのに、幅が狭い。

 建物が多くて、街の風景も縦長。 

 でも、その上に広がる空の大きさは、どこの国も同じなんだな。

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 話は前記事の続き。
 5月初め、植物園の後にセーヌ川沿いを歩き、サン・ルイ島に渡った日のこと。

 フランスの画家 ロートレック(1864-1901)の作品に目が止まる。
 右の額は、よく見かける"Divan Japonais" “ディヴァン・ジャポネ”。 

 ロートレックって、ちゃんと書くとすごく長い名前だったんだね。
 Henri de Toulouse-Lautrec アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックだったとは。

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 その下には、ミュシャもある。

 オーストリア帝国領のモラヴィア(現在のチェコ)生まれの
 Alfons Maria Muchaアルフォンス・マリア・ミュシャ(1860-1939)。

 そういえば、昔、スペインで名前の中のマリアに惑わされた。 
 男性の名前にもマリアと入るなんて。 
 山田太郎花子・・・みたいな感覚だもの。 男性、女性、どっち?って。 

 でも聞いてみると意外と簡単で、要は順番らしい。 例えば、
 ホセ・マリア・ロドリゲスは、男性で、
 マリア・ホセ・ロドリゲスは、女性。 

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 ロートレックの左隣には、フランスの画家・リトグラフ家の
 Jules Chéret ジュール・シェレ(1836-1932)のも。 

 スペイン人には、日本人の名前の方が、男女の区別が分からないそう。
 なので、〇〇子とか、語尾に " - ko" とつくと女性の名前かな、と教えたら、
 これね ♪ と見せてくれたのが、Masahiko だった・・・・・・そうか、男性にもつくんだった。

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 お店の横には、翼のあるドラゴンのいる門。 

 ここは、Hôtel de Chenizot オテル・ド・シュニゾ という邸宅だったよう。

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 他にも、じっと眺めていたくなるような、面白いショーウィンドーがいろいろで。
 バスタブの形の石鹸受けとかいいな。

 セミの形の石鹸、面白~い。 
 ちょっと使ってみたい気がするけど、やっぱり怖い・・・。

 夏でもパリセミの声は聞いたことがない。 でも、フランスにはいるんだってね。

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 閉まってるお店の格子シャッターの隙間から。 ここは、お肉屋さん。 

 タイルの壁に、気になる木製の扉。 大きなのと、左の小さな扉2つ。
 きっと、冷蔵室で、肉がぶら下がってたりするんだろうな・・・なんて想像。

 ずっと昔、電気式の冷蔵庫の前には、で冷やす冷蔵箱というのがあった。
 オランダお城古い運河沿いの家の見学で、台所で見たそれは、
 一見、木製の家具だったけど、まさにこんな密閉できそうな扉だった。 

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 店内にぶら下がるのは、赤いプレート。 

 前記事の最初の写真も、こんなプレートだったの、覚えてるかな。
 通りにあった2軒のお肉屋さんで見かけて、どちらも気になるので撮っておいたもの。

 牛のメダル? 品評会か何かで賞を獲った牛なんだろうな。
 の他に、ネットで検索すると、青、緑、白、黄色などもあった。
 ちょっとカッコいい。

 ・・・なんて歩いてる間に、あっという間に、サン・ルイ島の西の端。

 途中、長い行列のできるアイスのお店がいくつかあった。
 なんだろうね、とふたりで話していたけど、
 どうやら有名なBerthillon ベルティヨンのお店らしかった。 と、反応が薄い我が家。 

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 サン・ルイ島の西の端から先へは、
 Pont Saint-Louis サン・ルイ橋 を渡って、Île de la Cité シテ島へ。

 橋の上から見えたのは、セーヌ川右岸のサン・ジャック塔に、パリ市庁舎
 そして、歩いてる橋のたもと付近の川岸には、座って並ぶ人・人・人・・・。 
 水着姿で日光浴するおにいさんの姿も。 最高気温17℃と言えば、まだ肌寒いのに。

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 この日、シテ島は素通り。 公園の隅を抜けて左岸へ渡る。 

 Pont de l'Archevêché アルシュヴェシェ橋
 南端から見たノートルダム大聖堂は好き。

 そのまま通りを南下して・・・

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 ・・・オシャレなグレイの煉瓦の建物の前を。 

 1890年にムーア様式で建てられたもの。
 ベランダの手すりや柵の模様・装飾が魅力的。
 住むならどの部屋がいいかな・・・なんて想像したりしてね。 

 ギザギザに進んで・・・

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 ・・・眺めの良い通りへ。 こんな風景なら多少の坂道だって平気。

 Rue des Carmes カルム通り とその延長のRue Valette ヴァレット通り
 正面に見える丸屋根は、Panthéon パンテオン

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 広場に出てくると、
 Église Saint-Étienne-du-Mont サンテティエンヌ・デュ・モン教会も。

 近くまで来ることがあっても、まだ中には入ったことがない・・・。

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 パンテオンの正面に周って、ペディメント(三角部分)の装飾をズーム。
 前回来た時は、まだ前の乾電池式のカメラだったから、ここまでズームできなかった(笑)。

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 その前に広がるRue Soufflot スフロ通りは、この日、途中から先は車両通行止め。 

 規則正しく並ぶ街灯が好き。 
 エッフェル塔、近くにありそうに見えて、実は遠い。

 以前、このあたりを散策した時は、このスフロ通りからやって来た。

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 パンテオン、またね。

 この日は、閉まってた。

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 こんな服、いいな。

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 その後は、人込みを避けて裏道歩き。 

 Rue le Goff ゴフ通りで見たちょっぴりゴシックっぽい建物。

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 でもやっぱり、避けられず・・・。
 この日は、メーデー。 車両通行止めしてたのは、デモ行進があったから。
 延々と続く人の大群。 

 思わぬ人込みにもまれ、間をすり抜けてきたのは・・・

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 ・・・リュクサンブール公園。 ホッとするのもつかの間。 

 この時期の晴れた日の午後の公園は、恐ろしいほど人口密度が高かった。 
 ゆっくりできるような雰囲気じゃない・・・

 うんざりして、ようやく散歩終了。 メトロに逃げ込んだのでした。

 

 5時間あまり歩いたかな・・・。

こんなパリ島散歩、いかが?


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コメント 14

luces

Masahikoが男か女か、面白いですね。
日本人の名前で性別を見分けるのは外国の方には難しいでしょう。
最近は日本人でも分からない名前が増えていますから
ますます混乱しそうですね。
こんな良い景色を眺めながらの散歩なら5時間でも苦になりません。
by luces (2012-05-25 17:40) 

めぎ

窓に映る町並み・・・ちょっとゴーストみたい♪
パリの島歩き、ぜひぜひまたしたいけど、人が多い祝日の街歩きは年々しんどくなってきました。
ちょっと前の話だけど、今、コメント読み返してきて、肉屋さんで挽肉にしてもらうのか~なるほど、納得です。
こちらも鶏の挽肉は売っているのを見たことないですねえ。もも肉は骨付きのままだし。
by めぎ (2012-05-25 19:41) 

noriko

赤い看板は肉屋さんのものだったんだね。
木の扉の冷蔵庫がまだ残っているのも古いものを大切にする姿勢が感じられて素敵だな。

by noriko (2012-05-25 22:40) 

HIROMI

窓の風景もまた繊細で素敵ですね。
明らかに外から見る人を強く意識していますね。
しかし、言われてみると確かに窓がみな縦長!
by HIROMI (2012-05-26 02:20) 

母ちゃん

お子ちゃまたちのお友達で「子」のつく子はあんまりいないな~。
lucesさんのおっしゃる通り、今は名前が難しいんですよ! 




by 母ちゃん (2012-05-26 07:04) 

ぴーすけ君

今日朝の番組(にじいろジーン)で「オランダ」が紹介されていて
「あぁ~懐かしいなぁ~(Inatimy さんのブログってことですよw)」
ユトレヒトの紹介で「ミッフィー」ちゃんのお店、いわしの酢漬けをパンに挟んだもの、自転車、お花が人々にとって身近なことなどを取り扱ってました。最後にクイズでプラスティックの棒がでてきて「これはなんでしょう?」っていうのをやっていて「正解は”紙パックのヨーグルトの中身を最後まで無駄なくかき出すグッズ”」でした。
by ぴーすけ君 (2012-05-26 20:42) 

TaekoLovesParis

5時間も歩いたのね。すごい!
リュクサンブール公園の混雑が想像できないのは、私が5月、6月のパリに行ったことがないからなのね。一番いい季節なのに。
パンテオンまたね、の写真が、どうしてこうなってるのか、わからないです。建物(手すり?)が写りこんでる?
by TaekoLovesParis (2012-05-28 00:43) 

miffy

名前の最後にkoがついてると海外では男性だと思われますよね。
ホテルからのお知らせがいつもMrでした・・・
ムーア式のお家ステキですね~
ちょっと住んでみたいかも^^
写真の中の人々がミニチュアのお人形さんみたいですね。
by miffy (2012-05-28 23:25) 

plot

こんにちは!Daniele Silvestri の"La chatta"についてのコメント、見落としてました。ごめんなさい。
Inatimyさんの解釈、当たってます!
Google自動翻訳のアドレスはこちら↓
http://bit.ly/KnoAUs
記事と関係ない話でごめんなさい。
by plot (2012-05-29 01:00) 

アールグレイ

おはようございます^^
一緒にパリの街を散策したような気分で
楽しませてもらいました。
お花の石けんや小物など、かわいいですね^^
セーヌ川や建物、いつもながら素敵だなとその景色を眺めることです。
17度での水着での日光浴は寒そうですが(^_^;)
空は世界どこでもつながっていますね。
青い空に白い雲がプカプカと爽快な気分になりますね^^
by アールグレイ (2012-05-29 07:31) 

MOCOMOCO

グレイのレンガの建物、素敵♪ムーア様式っていうんだ~。
ベランダの柵につるバラを絡ませたら素敵、なんて想像してしまいました^^
by MOCOMOCO (2012-05-30 09:47) 

Inatimy

→皆さま 
『島から島へ、岸に渡って丘上がる』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 そうだ、今日から6月。 日本では衣替え? 気温差が激しいので欧州に来てから衣替えで衣服の入れ替えたりすることなく全部出しっぱなし・・・ふふ、楽かも。 

→lucesさま 
日本人の名前は創造的でどんどん進化してますよね~。 学校の先生とか、生徒の名前、大変かも。 植物園でさんざん歩き回って写真撮るのにしゃがんだり立ったりしてた上、その後の人混みで5時間結構堪えました~。 でもようやく坂のある地形に慣れてきたかも(笑)。

→めぎさま 
写真を撮る時、自分の姿が写りこまないようにするのに気を遣いますね~。 窓撮るのも角度が微妙で(笑)。 羊や馬や牛がいるのんびりしたところが向いてる私には、大都会のパリに住むこと自体がかなりしんどいですよ~。 どこ行っても人が多すぎ。 肉屋さんで挽肉、もっともな話ですよね。 でも、その肉屋さんがなかなかいい所が見つからなくって。 他の国ですけど、お前には肉は売れねぇ、って言われたこともあったしなぁ。 もも肉、すっかり骨付きが自分の中でスタンダードですね~。

→norikoさま 
赤いメダルばかり並んでるところを見ると、赤が一番いい賞なのかもね~。 木の扉の冷蔵庫、今も使ってるのかな・・・中には、肉とはまったく別のものが入ってたりしてね(笑)。

→HIROMIさま
縦長の窓だからカーテン生地も少なくて済むんだろうな~、なんてね。 階段も狭いし、引越しの時、窓から搬入・搬出出来るんだろうか・・・。

→母ちゃんさま 
最近は海外でも通じそうな名前もありますよね~。 日本の名前は、音が同じでも使う漢字でイメージが変わるので、バリエーションがありますね♪

→ぴーすけ君さま 
え~「オランダ」の特集? いいな~♪ ミッフィーちゃんのミュージアムも行った~。 いわし? 惜しい、あれはニシンの酢漬け~。 そうそう、皆が自転車でどこまでも走るからエコだし、お花も豊富で生活の中にいっぱい。 今思えば夢のようだわ(笑)。 紙パックのヨーグルトの中身を最後まで無駄なくかき出す棒は知らなかった。 いつも箱潰してチューブを絞り出すかのように、最後まで出してたから(笑)。 

→TaekoLovesParisさま 
青空に太陽が出て暖かい花や緑のキレイな5月の午後・・・公園には人があふれんばかりですよ~。 どこ見ても人・人・人で、こんなの公園じゃない、って思うくらい(笑)。 「パンテオンまたね」の写真、あれはショーウィンドーに映ったパンテオンを撮ってあるんですよ。 パンテオンの前に伸びるスフロ通りの薬局のショーウィンドーに木製の台にのった色つきの水晶玉のような球体が飾ってあって、その台が風景と重なってます♪

→miffyさま 
スペイン語圏だと名前が –Oで終わってると余計に男性だと間違われますよね。 -Aだと女性だから。 街歩きしてるとカッコいい建物がいろいろあって、そのたびにどんなふうに暮らそうか想像して楽しんでます♪

→plotさま 
いつも素敵な音楽の紹介ありがとうございます。 時折ふらっと伺っては楽しませていただいてます。 いつかお店に食べに伺いたいな~、なんて思いながら、メイコさんのお料理の本を見てニンマリしてます。  自動翻訳のアドレス、使ってみよう~っと。

→アールグレイさま 
あっちこっちのショーウィンドーで魅惑的な商品につかまって眺めてるから、なかなか前に進めないんですよね~。 冬の間は太陽が出てる時間が少ないし、少しでも晴れたら日向ぼっこが日常。 骨を作るためにも重要なんですって。 骨折してる人、日本より多い気がします。 

→MOCOMOCOさま 
私も上の階のアーチに沿ってツルバラを・・・と思ってたんですよ~♪ オシャレですよね~。 我が家の今のベランダは鉢植えがずらり。 だんだん狭くなってきました(笑)。
by Inatimy (2012-06-01 22:45) 

ネム

ホセ・マリアとマリア・ホセ・・・なるほど、なるほど☆
お肉屋さんの木製扉、古めかしくて想像が広がりますねぇ。
セミの石鹸は、使って溶けてきた所を想像してしまいました(^^;
by ネム (2012-06-03 22:09) 

Inatimy

→ネムさま 
アレクサンドルとアレクサンドラ、フランソワとフランソワーズという男性形・女性形を持つ名前というのも私には不思議のひとつだったり(笑)。 お肉屋さんの冷蔵庫の木製扉、カッコいいですよね~。 我が家にも欲しいところ。 あ、何に使おう。 セミの石鹸、形おもいっきりセミだものねぇ(笑)。 
by Inatimy (2012-06-06 18:43) 

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