どこに? 消えたマルシェ・ド・ノエル [フランス・パリ]
牛よりロバかな・・・
あ、ロバはいるのに、お父さんがまだだ。
羊飼いは?
我が家で最優先は、東方の三博士。
12月の初めのお話。
新聞などでマルシェ・ド・ノエル(クリスマス・マーケット)の開催情報を見かけ、
気になる場所へ行ってみた。
Église Saint-Sulpice サン=シュルピス教会。
傾き始めた陽の光に照らされて、ほんのり温かみのある石の色。 そんな教会の鐘楼に・・・
・・・風を受ける人。 身にまとった布がバタバタとはためく・・・かのよう。
一枚目の写真を撮った位置から、CASIO(EX-H30)だと、ここまでズーム。
SONY(RX100)は先の鐘楼がめいっぱい。
すっかり日陰に入った『4人の枢機卿の噴水』。
この広場に、マルシェ・ド・ノエルがたつはずなのに・・・おかしい、見当たらない。
教会のファサード上階の廊下にも像。 今まで気がつかなかった。
冬の低い太陽の光を浴びて、浮かび上がってきたみたい。
せっかくだから、教会、見て行こう。
ポルタイユの上にあるレリーフも、スポットライトで像の陰影がくっきり。 美しい横顔。
冬のやわらかな光に包まれて。
夏と冬では太陽の傾きが異なるために、夏には照らされることはない。
だって、こんなに奥まったところにあるから。 右が先の兵士の像。
冬も曇りがちの日が多いゆえ、晴れの午後、貴重なタイミングに恵まれた。
この位置から正面に見えているレリーフには・・・
岩場にいるふたり。 左の天使の手には剣。
女性は右手に天秤、左手には大きな本を持って、
今にも襲いかかろうとする大波を振り返るように見ている。
タイトルも作者も年代も、まるっきり分からないけれど、
この日、この時間に、これらのレリーフの前に立つことができたことだけで満足。
夜の暗闇で見るイルミネーションの光とは、全く違う光の表現、感じ方。
まだまだ明るい中での光。
はて・・・いったいマルシェ・ド・ノエルは、どこに?
日付も確認したのに、どうして見あたらないんだろう。
確かに一昨年はここで開催されてたのに。 去年も来た時はなかった・・・。
パリで初めて見たマルシェ・ド・ノエルがここのだった。
でも、その時はひとり、用事の途中で立ち寄っただけだったので、
ふたりで一緒に見てみたかったのに。
ま、いいや、教会の中に入ろう。
ドラクロワのフレスコ画は修復中で足場が組まれていた。
見ることができたのは、天井画の『悪魔を討つ大天使ミカエル』だけ。
大きく手を広げて立つキリストの像の前には、捧げられたたくさんのキャンドル。
何かをやさしく包み込むように、温かく迎え、受け入れる・・・実際には難しいこと。
寛容さ、思いやりを忘れてやしないか、自分を省みる。
時間に追われて気持ちに余裕がなくなると、
まるくあるべき心がカクカクしてきてるのが分かる。
そのうちトゲトゲになってしまわないかと心配で、深呼吸して気分をリセット。
自分だけの力じゃない。 誰かに見守られて、今、ここまで来ることができた。
困難な時も、なんとか乗り越えられたのは、単なる幸運じゃないだろう。
見えないけれど、ありがとう。
サン=シュルピス教会を出て、ちょこっとお店に寄ってクリスマスの買い物をしてから、
裏道に入る。
アルプホルンの演奏にしばし、スイスの山を想う。
・・・って、写真で見ただけで、まだ行ったことはない。
大きな通りに出て・・・
・・・次に寄ったのは、
Abbaye de Saint-Germain-des-Prés サン・ジェルマン・デ・プレ教会。
入口には彗星と流れる滝のような電飾。
この付近も、マルシェ・ド・ノエルが開催される場所。 でもこの時はまだ屋台建設中。
中はとっても静か。 まだクリスマスの飾りの準備の最中だった。
白馬に乗ったキリストの絵。
下には金色の装飾付き文字で"LAPIDES CLAMABUNT"とある。 ラテン語のよう。
調べると、意味は「石が叫ぶだろう」。
聖書のルカによる福音書19章40節に出てくる言葉みたい。
その上には立体風なアーチに4人。
右から2番目のうつむいた女性の伏し目がちな表情がキレイだった。
その向かいには、十字架を背負って歩くキリスト。 後ろの女性たちの方を振り返っている。
この絵の下には、"FLETE ET SUPER FILIOS" ・・・「子供たちのために泣きなさい」。
聖書のルカによる福音書23章28節に出てくるらしい。
翼廊あたりの絵。 SONYだと暗くてもお任せ、押すだけ。
CASIOに比べると断然色がよくなった。
→ 以前来た時の写真のある記事。
以前、CASIOで撮ってブレて失敗した魚のいる柱頭も、
その上のオリーブの枝と鳩だってキレイに撮れた。 暗いところでのズームもへっちゃら。
写真を撮りながら、いつもいろんなことを考える。
教会の中は静かで、そこにいる時だけ、
日常から一歩脇に離れて、一時停止状態になれるからかもしれない。
後でブログを書くために調べていたら、
気になって撮ったものの中に、必要としていたヒントがあったりしてね。
教会を出て南を見ると、薄ら明るさの残る空をバックに、モンパルナス・タワーが。
通りの青と白のイルミネーションがちょっと寒そう。
モンパルナス・タワーの方に、行ってみよう。
信号待ちの三角エリアで。
先の写真はズームしたから近そうに見えるけど、実際の距離としてはこのくらい。
まっすぐタワーまで伸びる道は、Rue de Rennes レンヌ通り。
Boulevard Saint-Germain サン・ジェルマン大通りも
ブルーのイルミネーションが東西に続く。
レンヌ通りをウィンドー・ショッピングしながら、このまま食べて帰ろうか、なんて話になり・・・
・・・珍しく外食。 といってもインド料理。 モンパルナス・タワーの近くの店で。
メニュー料理の選択肢から選んだのは、
前菜にタンドリーチキン、メインが海老のカレー、デザートはHALWA。
飲み物には、マンゴラッシー。
HALWA ハルワは、食感は粒々。 セモリナのプディングのようなもの。
スライスアーモンドにピスタチオの粉、生クリーム添え。
かなり甘めで、サイズも大きい。 豆腐一丁・・・までは行かないけど近い。
タンドリーチキンにはナン、海老カレーにはバスマティ米がついてるし、
マンゴラッシーはピッチャーで出てきて、
食べごたえあり・・・というか、こんなに食べられないというほど大量。
メニュー 22ユーロ + マンゴラッシー 7ユーロで、ひとり29ユーロ。
(約2,442円) (約777円) (約3,219円)
肝心なこと、ピリ辛ホットにしてね、っていいい忘れた・・・。
フランス人に合わせたカレーは日本人には辛くないので、
ぜひ、注文の際に、ひとこと添えてみることをお勧め。
マルシェ・ド・ノエルについて調べ直すと、サン=シュルピスは、12月10日~24日まで。
12月1日とあった情報は、10日の間違いだったみたい。
ちなみにサン=ジェルマン=デ=プレは、12月6日~翌年1月2日まで。
時間があったら、リベンジしてみよっと。
日曜日もまた、記事アップ予定。
せっかく出かけたのに残念でしたね。
でも思いがけない発見や収穫があったみたいで何よりです。
リベンジも楽しみにしています。
by luces (2012-12-21 18:44)
画質のいいカメラは、低倍率ズームが多いですね。もう一つ、高倍率ズームのカメラと二つあると便利ですね。
by テリー (2012-12-21 18:55)
木のイルミネーションが ワイングラスのように見えます。
聖なる日が近づいてきましたがクリスマスマルシェは今が旬?
by ami (2012-12-21 20:53)
私も都内のクリスマスマーケットは開催日の前日に通りがかったりで、なかなか見られない^^;
もうあと数日なのにね。
今年は見られるかな~、どうかなぁ。
by noriko (2012-12-21 22:51)
タイトルを見て、スリリングなサスペンスかと期待しちゃいましたわ♪
ご主人と一緒にもう一度行けたかしら~
by めぎ (2012-12-22 03:12)
屋外のレリーフや彫刻って、光の当たる方向の違いで、まったく別物にみえるときってありますよね。
マルシェ・ド・ノエルは残念でした。どこに消えたのか。ガセネタだったのでしょうか。
by HIROMI (2012-12-22 16:29)
忙しさを楽しめるといいですが、イライラするのは困りますね~。うまく気分転換したいですね♪
by 母ちゃん (2012-12-22 19:12)
オレンジのスポットライトを浴びて浮かび上がるレリーフ綺麗ですね。
人が少ない広場も今頃はマルシェが開かれて賑やかでしょうね。
昨日、TVでギャラリー・ラファイエットやプランタンのイルミネーションと
ショーウィンドウが放映されてました。
ギャラリー・ラファイエットは写真で見た方が良かったです。
映像だとネオンみたいで興ざめでした。
写真を見てたらピリ辛のインド料理食べたくなりました。
by miffy (2012-12-22 20:51)
ごぶさたしてます。
写真が楽にきれいに撮れるのはいいですね~。
フランスでもカレー食べるんですね。
by JF (2012-12-23 15:55)
西日の加減が美しくてじーっとみていました。冬のパリを思い出します。
教会に入ると、なぜか自分に向き合える。そして自分を冷静に観察することができるよね。あれって、なんでだろ?教会だから?
by カエル (2012-12-24 01:50)
季節が違うと光の差し込む深さが違うので、新しい発見があったりしますよね。おや、こんな感じだったっけ? こんなのあったっけ?
嬉しい発見 ^^
それには、寒くても、やっぱり出かけないといけないですよね(最近ほんとに寒くて・・・ ^^; )。
2台のカメラ達、それぞれ、特徴を活かして頑張ってくれているんですね。クリスマスのフランスの教会なんて、いいなぁ~。すごく雰囲気あります。
マルシェ・ド・ノエル、楽しそうです。
どんなものが売っているのかな?
by moz (2012-12-25 06:46)
ご無沙汰しています。
なんとか生きてます(^_^;)
by 夢空 (2012-12-28 00:15)
→皆さま
『どこに? 消えたマルシェ・ド・ノエル』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 下降気味な経済を反映してか、マルシェ・ド・ノエルも縮小されてしまったのかしら・・・私としては、人が少なく歩きやすいし、物もゆっくり見られるからサン・シュルピスのは面白かったのにな。 ま、人が少なく、しかも見るだけの私のような人間が多いと売上伸びないか・・・。
→lucesさま
転んでもただでは起きない、みたいな私。 それなりに楽しく歩いて、美味しく帰りました♪ リベンジしても、結局はなかったのが残念です。
→テリーさま
SONYのズームでも十分撮る分には間に合うのですが、あれこれ細かい装飾が多いところや、見晴らしのいいところだと、双眼鏡代わりにもなるので、高画質&高倍率のペアで持ち歩きです。 コンデジは重くないのでいいですね~。
→amiさま
ホントだ、ワイングラスがたくさん並んでるように見えますね~。 となると、ワインボトルに見えるイルミネーションも欲しいところ♪ クリスマスマーケット、やっぱり12月中旬が旬かも。 一部は年明けて東方の三博士の日あたりまで続くのもありますが。 もうその頃には人々の関心は一斉に始まる冬のバーゲン♪
→norikoさま
多忙な日々の中、クリスマスマーケット、結局見られたかしら。 日本は大晦日やお正月に向けてさらに慌ただしいかな。
→めぎさま
ふふ、タイトル、読み返してみると、そうだ、サスペンス風だ~。 でも昨年も今年も、いくつかの情報元をチェックしてでのお出かけなのに、まったく見当たらないのは、キツネにつままれたかのようでした。 一番確実なのは、やはりパリ市のサイトですねぇ。
→HIROMIさま
光の力は侮れませんね。 何気ないものでも、光の当たり具合で、美しく輝きを増したり。 特に冬の寂しい風景の中の光は特別♪ ガセネタに振り回されたマルシェ・ド・ノエルでした・・・。
→母ちゃんさま
スケジュールが詰まって来ると、手帳を見るだけでも気分的にバタバタ。 頭の中で段取りを考えたり、必要なものをチェックしたり、行動にも余裕がなくなってしまいますねぇ。 忘れるのは美味しいものを食べる瞬間♪
→miffyさま
人が少ない広場はマルシェ・ド・ノエルが開かれることもなく、ひっそりしたままでした・・・。 このすぐ近くにサン・ジェルマン・デ・プレのマルシェ・ド・ノエルがあるので、はしょられたみたいですねぇ。 ギャラリー・ラファイエットのイルミネーション、元のデザインに戻ることはないのかなぁ・・・。 インド料理は、パンチのある辛さじゃないと食べた気がしませんね(笑)。
→JFさま
こちらこそ、ごぶさたしてしまい・・・。 遊びに来てくださってありがとうございます。 夏の終わりに画質重視のカメラを買ってもらい、楽々撮影を楽しんでます。 最近はどこの国でもインド料理屋さんは多々ありますがパリでは案外当たりが多いですよ。
→カエルさま
じっとレリーフを見てると、じわじわと傾く陽の動きが分かったり。 たまに教会に入って立ち止まるのもいい感じ。 キリスト教徒ではないけれど、その場をお借りして、お寺の縁側にでも座ってる気分を味わってます。 ふふ。
→mozさま
季節が違うと空気も光も異なるし、自然の姿も違うから、いろんな発見からいい刺激もらえますね。 葉っぱがなくなった木々の向こうの景色は冬の楽しみの一つです。 もともと暑いのより寒いほうが好きなんですが、単に寒いのより雪があったほうが断然ワクワク。 吹雪いてても外に出たくなります(笑)。 マルシェ・ド・ノエル、名前はロマンチックですが、クリスマス関連のものは数少なく、売ってるものはキッチン用品の実演販売だったり、防寒具だったり、インテリア雑貨、スペインのソーセージ、アフリカンアート・・・何でもアリです。
→夢空さま
お元気そうでなによりです。 また、ふらっと寄ってくださいね~♪
by Inatimy (2012-12-28 23:06)