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動物好きにはたまらない展覧会に行った [フランス・パリ]

 家にがいても、正直なところ、他のも気になる。

 街で姿を見かければ目で追うし、声もかけたくなる。

 一番可愛いのは、うちのだ、と思っててもね。

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 今年の4月は、曇りや雨の日が多め。 

 流れの速い雲の合間に晴れた青空が見えた日、展覧会に出かけた。
 場所は、Grand Palais グラン・パレ

 の終わる頃、Paris Photo パリ・フォトを観に来た時は、
 あまりにも長い行列に断念して入らなかった建物。

 このガラスの明るい屋根の下で・・・

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 ・・・と思ったんだけど、観に来た展示の入り口は、北東角。 そうだよね、美術作品に太陽の光はマズイよね。

 "Beauté Animale" 《動物の美》 

 その名の通り、動物に関する絵画彫刻などの作品ばかりを集めたもの。
 7月16日まで開催。

 左は、François Pompon フランソワ・ポンポン(1855-1933)の
 "Tête d'orang-outang" 1930 の一部。 『オランウータンの頭部』
 実物は、とっても滑らかな曲線で、両手でその顔を包み込みたくなるような作品だった。

 右は、Theodore Gericault テオドール・ジェリコー(1791-1824)の
 "Tête de lionne" 1819頃 の一部。 『雌ライオンの頭部』

 この画家の絵で、私がルーヴル美術館で撮った馬の肖像画にも再会。

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 展覧会に行く前に買った左の冊子の表紙は、
 オランダの画家 Paulus Potter パウルス・ポッテル(1625-1654)の
 "Tête de mouton" 1654 の一部。 『羊の頭部』。 
 首につけた数字のプレートに画家のサインがあるのも面白い。

 中央、上のチケットは、
 Alexandre-Gabriel Decamps アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン(1803-1860)の 
 "Le Singe peintre dit Interieur d'atelier" 1833 頃。 『猿画家』

 : 英国の芸術家・彫刻家 Henry Moore ヘンリー・ムーア(1898-1986)の
     "Tête" 1974。 『頭部』。 Gravure pour l'album Les Moutons

 サイ: ドイツの画家 Albrecht Dürer アルブレヒト・デューラー(1471-1528)の
      木版画 "Rhinoceros" 1515 の一部。 『犀』

 カバ: 先にオランウータンの作品で登場したFrançois Pompon フランソワ・ポンポン
      ブロンズ像 "Hippopotame" 1918~1931。 『カバ』
      可愛い。 オルセー美術館にあるそう。

    展覧会にあったポンポン『白熊』は、オルセー美術館からではなく、
    国立自然史博物館のものが移されてきていた。

 ウサギ: ドイツの画家 Hans Hoffmann(1530頃~1591?)の
       "Lièvre entouré de plantes" 1591頃 の一部。 
       『植物に囲まれた野ウサギ』
       アルブレヒト・デューラー『野ウサギ』から着想を得たものらしい。

 展覧会のどの作品も、動物、特に羊や牛などはその品種まで解説プレートにあった。
 特にお気に入りだったコーナーは・・・

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 ・・・。 こんな感じでズラリ。

 左上: スイスの彫刻家・画家の
     Arberto Giacometti アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)の
     "Le Chat" 1951 『猫』。 でも実際に展示されてたのはこれによく似た色の黒いの。
     玄関に欲しいな。 尻尾に家のカギをぶら下げたりして、使えそうだ♪

 左中: Théophile Alexandre Steinlen
     テオフィル・アレクサンドル・スタンラン
(1859-1923)の
     "Chat sur un fauteuil" 1878 『肘掛椅子の上の猫』。 
      展覧会に来たのは、冊子で、この猫を見て、実物に会いたくなったから。 作者は、黒猫のポスターで有名な画家。

 右: Pierre Bonnard ピエール・ボナール(1867-1947)の
    "Le Chat blanc" 1894 『白い猫』。 目が色っぽい・・・。

 下: スペインの画家 Francisco de Goya フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)の
    "Querelle de chats" 1786 『猫の喧嘩』

 他、ロバ、犬、鳥、コウモリ、カブトムシ・・・と、いろいろ。
 作品を追って楽しく観てると、あっという間に出口だった・・・。 面白かったなぁ。

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 グラン・パレを出て、シャンゼリゼ大通りの片隅のベンチでジュースとおやつ。

 Pont Alexandre III アレクサンドル3世橋にも寄って。 
 この日もエッフェル塔はいつもの場所に。

 になり観光客が増えてきたので、人込みを少しでも避けてセーヌ川岸に下り、東へ歩く。
 川沿いにポツポツある鉢植えアイリス 
 昨年は咲き始めていたのに、まだツボミさえ出てなかった。 

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 川沿いからやって来たのは、Place de la Concorde コンコルド広場。 

 オベリスクエッフェル塔、旗の立つグラン・パレの屋根噴水の見えるこの角度の風景が好き。

 広場は一部工事中なので、遠回りしてJardin des Tuileries テュイルリー公園へ。

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 コンコルド広場側の公園の門を入ってすぐ左にあるのが本屋さん。 

 ここは、植物に関する本や雑貨などを販売するお店。

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 八角形の噴水盤の周りで、太陽に向かって寝椅子に腰掛ける。 
 右隅にちらっと写ってるような角度の大きな肘掛椅子ね。

 この日の気温は、最低3℃最高12℃。 というには寒すぎる。
 それでも太陽の位置は確実に冬より高く、わずかな光でも暖かく感じる。 

 でも、すぐに太陽が雲に隠されてしまうと、風の強さもあって、やっぱり寒~い。
 というわけで、こっそり手にはミニカイロ

 正面に見えてるのは、Musée de l’Orangerie オランジェリー美術館

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 公園地図には、Roseraie バラ園とあったエリアけど、まだまだ。 他の白い花が咲いていた。 

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 カフェテラス席にも人の姿はほとんどなく、
 手書きメニューの黒板には、4月だというのにヴァン・ショー(ホットワイン)が。

 芝生には、フランスの彫刻家・画家のHenri Laurens (1885-1954) の作品。 
 アンリ・ロラン? アンリ・ロランス?

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 公園の中央を走る道は、時折吹き抜ける強い風にあおられて白い砂が舞い上がる。
 なので、それを避けるように、ちょっと脇の菩提樹の木々の合間をふらふら。 

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 池には・・・

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 ・・・ここにも。 合鴨がぴーぴーと鳴いて忙しく泳ぎまわっていた。

 寒いけど、。 なのに寒い・・・。 頭と体が混乱するなぁ。

 続きは、また今度。

 

 あまりに寒い春なので、とうとう風邪ひいてしまいました。
 季節の変わりめって、苦手だなぁ。
 皆さん、体調崩されませんように。


nice!(43)  コメント(17) 
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コメント 17

angie17

「ウチの子が一番!」の気持ち、分かるわ~。
以前、猫さんが居た時は、そう思っていたし、
今でも写真を見ると、可愛いな~と思う。
完全に親バカですね(笑)
by angie17 (2012-04-25 00:22) 

めぎ

ほんと、寒いですよね~そして、ここ数日雨が多くて。
今日は移動中思いっきり土砂降りにやられてしまいました。
着いたら晴れてて、ほんと、ついてない・・・
どうぞお大事にね。
by めぎ (2012-04-25 01:32) 

ぷーちゃん

『肘掛椅子の上の猫』、
こんなのがいたら
見てみたいニャー。
by ぷーちゃん (2012-04-25 07:23) 

夢空

風邪の症状はどうですか。
お大事にしてくださいね。

by 夢空 (2012-04-25 09:52) 

MOCOMOCO

こちらも気温差が激しくて、数日前はストーブ焚いてたのに昨日は夏日。
うっかりしてるとホント風邪をひきそうです。
ゆっくり休んでどうぞお大事にしてくださいね^^
色っぽい目の白猫ちゃん、手足が長~い♪
by MOCOMOCO (2012-04-25 12:28) 

アールグレイ

晴れていて、気持ちの良さそうなお写真に見えますが
そちらは寒い春なんですね。
もう少ししたら、暖かい日々になって、薔薇も咲き出すでしょうね^^
もともと犬や猫、鳥など大好きなんですが
犬を飼うようになって、なおさらいろいろな絵や写真に目が向くようになりました。
本屋さんの前も素敵ですね^^
by アールグレイ (2012-04-25 16:06) 

バニラ

合鴨の赤ちゃんがとってもかわいい~♪
昨日は20度以上の汗ばむ初夏の気温。 今日は15度の肌寒さ… 雨も降ったし。 こちらもなかなか身体が付いていかない毎日です。
by バニラ (2012-04-25 18:06) 

カエル

風邪大丈夫?
日本も上がったり下がったり大変じゃ!早くなおるといいね。
バク、カバ、羊が写真家と思った。動物だけの展覧会って面白そうだなぁ。
いろいろあって羨ましいな。
by カエル (2012-04-25 19:13) 

TaekoLovesParis

テュルリー公園の新緑がきれいですね。
こんなたくさんの木々を眺めながら、椅子でのんびり~。
いいなぁって思うけど、寒かったのね。
面白いユニークな企画の展覧会ですね!
サイは、いかにもデューラー、硬質で緻密な感じ。
ムーアの羊もいいなぁ。ゴヤの「猫の喧嘩」は、1月末まで東京上野、
西洋美術館に展示されていたぶんね。
by TaekoLovesParis (2012-04-25 22:16) 

yk2

ボナールのネコはオルセーのガラスケースから脱走中(笑)なのですね。

いつだってポスター作家って紹介のされ方ばかりだから、スタンランのタブローは初めて見たかも~。とっても珍しくない?。クロネコもびっくり!?(笑)。
by yk2 (2012-04-25 23:26) 

luces

ゴヤの猫、ネコの喧嘩なのに劇的ですね。
by luces (2012-04-25 23:50) 

母ちゃん

水辺の写真は暖かみを感じるんですが、13度だと確かに寒いですね~。
by 母ちゃん (2012-04-26 06:03) 

miffy

スタンランの猫ちゃんホント可愛い♪
私もこの子に会うためだけにも展覧会に出かけちゃいます~

先週はこちらも気温差が激しかったですがやっと薄手の洋服でも大丈夫になりました。
風邪は治りましたか?
お大事になさってくださいね。
by miffy (2012-04-26 20:53) 

noriko

風邪はよくなった?
ピエール・ボナールの白猫、うぅぅぅーん・・・と伸びをしている様子がいいなぁ♡
猫がいない生活にも、やっと慣れて来たけど、こうやっていろんな姿を目にすると、やっぱり恋しくなっちゃうな。
by noriko (2012-04-26 22:09) 

HIROMI

パリにはネコが似合うイメージが。
昔々(昭和)、「素敵な子猫チュッチュ パリの休日」という
相良眞二郎さんの写真集を見て、そのイメージが強くて。

…ああ、ネコ飼いたい。
by HIROMI (2012-04-28 16:35) 

Bonheur

動物画って私も大好きです。
猫やうさぎなどは、じーーっと見入ってしまいます。
スタンランの猫さん、あんよを伸ばしてこちらを見て、可愛いですね~。
現地にいたら、私もこの子に会いに美術館へ行っちゃうとおもいます。
また久々にパリの美術館巡りをしたくなりました~♪
by Bonheur (2012-04-29 11:42) 

Inatimy

→皆さま 
『動物好きにはたまらない展覧会に行った』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 相変わらず一日中曇り晴れ雨の繰り返しというコロコロ変わる春の空のパリ。 日本はGW突入なんだなぁ・・・オランダは30日女王の日だ・・・などとカレンダーをめくりながら、もう1年の3分の1が終わっちゃったことに焦り(笑)。

→angie17さま 
「ウチの子が一番!」と思っておきながら、よその猫を目で追うなんて、デートしてるのにそばを通りかかった女性の後ろ姿に目を奪われるおじさま的感覚かもしれないなぁ・・・(笑)。 ふふ、今日の我が家の猫も可愛い寝顔♪

→めぎさま 
最高16℃と少しは気温が上がったものの、強風で。 中庭の木が倒れてこやしないかとハラハラ。 せっかく室内からベランダに出したチェリートマト、風で花がやられちゃった・・・ついてないわぁ。

→ぷーちゃんさま 
昔泊まった小さな宿にこんな肘掛椅子に座った猫がいて、ふとその時の旅を思い出したり♪ 

→夢空さま 
風邪から徐々に回復し、ほぼ治りました~。 私の場合いつも喉から始まる風邪で、春と秋にかかりやすいんですよ・・・。 季節の変わり目は苦手・・・。

→MOCOMOCOさま 
日差しが出ると明るくて、日の出は6時半ごろ、日没は9時過ぎ。 なのに寒くって、からだががついて行けなくて。 たっぷり食べて眠ったので、ほぼ回復です♪ 色っぽい目の白猫ちゃん、のびしてるところかな~なんて観てました♪

→アールグレイさま 
コロコロ変わる空なので、おひさまが出るのを少し待って写真を撮ったりしてたんですよ。 日差しだけ見ると暖かそうなんですけど風が冷たくって。 我が家の猫が一番♪と思っていても、ふふ、犬も好きです♪ 散歩してても、犬の後を付いて行ったり。 

→バニラさま 
合鴨の赤ちゃん、この頃が一番かわいいんですよね~。 まるまるしてて、常に動いてて♪ 気温差が激しいと、なかなか体が付いて行けなくて大変。 バニラさんも体調お気をつけてくださいね。

→カエルさま 
たくさん食べて、たっぷり眠って、風邪からほぼ回復♪ 動物だけの展覧会は、待ってました♪って感じで楽しかった~。 オランダにいた頃ミュージアムに行っても牛ばっかり狙ってたりしてたことがあってね(笑)。 別の日は、鳥に注目してたり。 いろんな企画展が目白押しで、ついつい遊び呆けて疲れがたまって・・・あぁ体調崩さないようにしなきゃ。

→TaekoLovesParisさま 
一日中天気が良くって気温も上がっていたら、もう最高の公園日和なんですけどねぇ・・・この日はかなり寒くって。 動物ばかりの絵画や彫刻、とっても濃密でした♪ 古いものばかりじゃなく最近の作品もあって。 ゴヤの「猫の喧嘩」、Taekoさんの記事で観たやつだ~と思って観てたんですよ(笑)。 面白い展示が他にもあれこれあって見逃せない、と早く風邪治しました~。

→yk2さま 
オルセーから脱走中の動物、かなりいるんじゃないかしら(笑)。 スタンランの猫の絵、珍しいですよね~。 昨年の夏に市庁舎で開催された印象派の頃のパリ展で『ふたりの若い洗濯女』っていうのは観たけれど油絵じゃなかったし。 スタンランの描く猫、他にもあるかしら・・・と好奇心そそられ探してる最中なんですよ~。

→lucesさま 
猫の喧嘩ですら絵になる、って凄いなぁ・・・って感じです。 ゴヤの描く絵はあまり好みじゃないけど、この猫のは別かも♪

→母ちゃんさま 
最高13℃でも、風があると体感温度が2~3℃下がるから、ぷるぷるでした・・・。 春なのになぁ。

→miffyさま 
スタンランの猫、可愛いですよね~。 他にも可愛いロバや七面鳥、キリン、ドードーなんかもいて、とっても楽しめました♪ 風邪、ほぼ治り、また出かける計画練ってます(笑)。 ダメですねぇ・・・パリっていろんなイベントがあって。

→norikoさま 
年々、風邪の治りが遅くなってる気がするけれど、今、ほぼ回復♪ 久々に梅がゆ食べたよ~。 我が家の猫はかなり甘えん坊で、すぐに猫団子を要求してくるし、出かけるとすねるし、餌を口に入れてよ、って言うし、大変だけどやっぱりいると楽しい~。 

→HIROMIさま 
猫といえば、『猫のミヌース』っていうオランダ映画があるんですが、それもおもしろそうですよ~。 家に猫がいると、相手するのが大変だけど、ぷにぷにした肉球触り放題で、猫肌のぬくもりが何ともいえず落ち着きます♪ 

→Bonheurさま 
動物の絵画や彫刻の展覧会も動物園に行くのと同じくらい、とても楽しめました。 いろんな表情や瞬間をとらえていて、巻き毛の犬の彫刻は毛先の様子まで生き生き♪ 多忙でなかなかまとまった休みが取れず、パリの外へ出られない我が家ですが、それでも十分楽しめる企画展や催しが山ほど♪ 
by Inatimy (2012-04-30 16:21) 

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