テーマパークのような・・・ [オランダ]
何かと曇りがちなオランダ。 晴れた日を狙って、夏休み気分。 高速道路を走って、アムステルダムを北上。
毎度おなじみ、走る車の中からの流れる景色。 風力発電の近代的な風車に、家々。 平らな緑の地に、ほとんど流れのない細い小川。 日本だったら、この背景に、どーんと緑の濃い大きな山が見えるのでしょうね。 山、懐かしい・・・。
１時間弱走ってやって来たのは、こんなところ。 船がいっぱい。 ここは、Hoorn ホールン という町。 ヨットハーバーをふらふら散歩。
来た道を振り返ってみたところ。 歩いてきたのは、並木道。 駐車場から、海沿いを歩いてヨットの係留されているこの場所までたどりつきました。 この道は、堤防のような役割。 右側、土手を下りた低いところに家並み。 水位と同じか低いところに家が建っています。
建っているのは、こんな家。 家の前にベンチを置くものいいなぁ。 海からの風を受けながら、木陰になったベンチでのんびり読書したり、友達とおしゃべりしたりして・・・。 ３階建ての家には、荷物を引き上げる滑車がついていますね。
たくさん浮かぶ船の中には、クルーザーの他に、小さな帆船のような船。 後ろには、錨。
並木道を左に曲がると、こんな可愛い家並みが。 rijtjeshuis ライチェスハウス（ロウハウス、テラスハウス、長屋）も素敵。 窓の上のモザイクがおしゃれ。 ここにも、家の前にベンチ。 天気のいい日には、ここで、日光浴もいいかも。
その家の前の道には・・・
こんな風景。 塔のようなものが見えます。 右側には海があり、帆船のマストが写ってますね。 この塔は、Hoofdtoren（ホーフト塔）と言うそう。 上の部分を拡大してみると、なんだか、人が並んでいるみたい。
塔の正面にまわると・・・
あら、普通の古い家のような。 １５３２年に建てられたのだそうです。 地階には、看板がいっぱい。 前には、テーブルと椅子。
今は、レストラン＆グリルバーになっている模様。 開店は、昼１２時から。 まだ少し早いので、また今度。
ぐるっと、反対側に回ります。 半円になってるんですね。 防波堤の上に立っているのは、２００７年に公開された青少年向けオランダ映画「Scheepsjongens van Bontekoe（ボンテクーの見習水夫）」の像。 １９２４年にJohan Fabricius ヨハン・ファブリシウス が書いた同名タイトルの本を、映画化したものです。（観てないけど・・・。）
この本は、ここホールン生まれの船乗り＆商人 ヴィレム・アイスブランツゾーン・ボンテクー Willem IJsbrantszoon Bontekoe（１５８７－１６５７）が、東インド会社の指令で書いたインドへの航海日誌から発想を得たのだそう。
ここから、国のモニュメントである桟橋 Houten Hoofd が伸びているはずなんですが、今は、工事中。 残念。
大きな船。 内側の港から、水門を通って外海に出て行きます。 バカンスかな。 遠くにもキレイな家並みが。
この風景の左側には・・・
切妻屋根のこんな町並み。 同じデザインではなく、少しずつ違っているのに、きれいに見えますね。
日本にもありましたね、テーマパークの長崎オランダ村やハウステンボス。 こんな感じの町並みが再現されていたような。
建ち並ぶ家の中には、壁の上のほうに、牛の飾りがあるものがあったり。 実はこの牛の飾りの家が、先ほどの見習水夫の像のところで触れた、航海日誌で有名な Bontekoe ボンテクー の生まれた家。 右は、その近所の、窓辺を花で飾ったホテル。
オランダに来なかったら、分からなかった人の名前は多数。 オランダ生まれの有名人、まだまだ知らない人が多いかも。 今や、アメリカ合衆国のギターリストで有名な、エドワード・ヴァン・ヘイレンもオランダのナイメーヘン生まれだと知ったのは、ごく最近。
歩いてきたところを振り返ってみたところ。 左に、船が出て行った水門。 中央にホーフト塔。 右側に、切妻屋根の町並み。
まだまだ歩く先には、切妻屋根が。 壁に、ライオン、船、人の顔などいろんな飾りがついてます。 ホールンの町の紋章である赤いユニコーンも。 左の建物は１６１６年に、右の建物は１６１８年に建てられました。
ふと横道を見れば教会らしき建物。 塔の先は、王冠みたい。 こっちのほうに、行って見ましょう。 狭い道を抜けて・・・
教会の横の扉の上に、あった像。 あ、これは、豚と一緒にいるから、もしかして、ヒエロニムス・ボスの絵にも出てきた、聖アントニウス？
右の写真は、教会の正面。 逆光なので、薄暗いですが・・・。 これは、De Oosterkerk または、Anthoniskerk と呼ばれている教会なのだそう。 やはり、聖アントニウスが、関係してたんですね。 通りから歩いてても見えるように、出っ張って、時計がついているのが面白いです。
教会のある通り。 たくさんアンティークショップが並んでました。 左の写真の中央にある、屋根に彫像がついた、お屋敷のような建物は、Foreestenhuis というそう。 フォレーストさんの家。
近寄ってみるとこんな建物。 Kamoさんが写りこんでいたので、猫になってもらいました。
いろいろプレートに説明がありましたが、要は、ふたりのForeest（フォレースト） さんの命令で建てられた建物。 ひとりは、Jacob van Foreest（１６４０－１７０８）で、家屋を命令。 東インド会社の支配権を握る人物で、西フリースラントの代表議員の書記。 もうひとりは、その息子 Nanning van Foreest（１６８２－１７４５） で、建物前面を命令。 こちらは、ホールンで一番リッチで上流階級のヘレントのうちのひとり。 ヘレント とは、市政を独占した都市有力者や大商人。
さらに歩いて・・・手持の古いガイドブックでは、このあたりに郵便局があるはずなんですが、もしかしたら、このライオンの紋章のある建物だったのかも。 今は、それらしいものは見当たりませんでした。 新しいガイドブック買わなきゃ・・・。
こちらもまた、アンティークショップ。 窓にかけられたレースのカーテンがオシャレです。
やがて、たどり着いたのが、広場、Roode Steen（意味は、「赤い石・赤レンガ」）。
中央に、像が建っています。 この像は、この町の出身で、東インド会社の協力者であり、ジャワを発見したクーン（J.P.Coen) 。 ・・・・・・つくづく、オランダは、東インド会社抜きにしては語れない国なんだなぁ・・・と実感。
正面の建物も、趣がありますね。 でも、それは、置いておいて・・・広場を右に抜けて・・・
まだまだぶらぶら歩きます。 建物見学。 こちらの建物は、１６６０年に建てられたもの。 中央には、大きな魚の装飾。色つきガラスや、小さな窓扉もかわいいです。
ここは、壁にある文字の通り、昔、KOFFIE（珈琲）・THEE（ティー）・TABAK（煙草）・SNUIF（嗅ぎ煙草）、SIGARLEN（紙巻煙草）などを扱うお店だったよう。 2階の窓の上には、モザイクで、HAVANA（ハバナ）、MANILLA（マニラ）、SMATRA（スマトラ） とあります。 今は、まったく関係のない店のよう・・・。
こちらは、１５６３年に建てられた、Sint Jansgasthuis 聖ヤン病院 の建物。 ルネサンス様式のとてもきれいな装飾の正面で、中央にJohannes de Doper（洗礼者ヨハネ）の像があります。 １８４０年までは病院として使用されていた建物で、その後、軍駐屯地のための衣料品店になり、１９２２年から、バターを扱うバターホール。 現在は展示スペースとなっている、と壁の説明板にありました。
上部の窓の上には、STOOM TABAK FABRIEK(スチーム煙草工場）とあります。 ここも、タバコ屋さんだったみたいで地階の窓の上に、TABAK（煙草）・SNUIF（嗅ぎ煙草）、SIGARLEN（紙巻煙草）の文字が。 １８７８年に建てられた模様。
しかし、今は、お酒やチーズ、お惣菜のお店 De Gekroonde Jaagschuit 。 意味は、「冠をかぶせられた引き船」。 右にある写真は、壁の装飾の拡大ですが、小さく、馬と船が見えますね。 このJaagschuit（引き船）は、馬が船引き道を歩いて船を引いていくことなのだそうです。 一言で日本語に置き換えられない単語って、外国語にはいろいろありますね。
ようやく、お昼。 すでに、かなり歩いています。 燻製サーモンのベーグル。（外で食べると言えば、私は、たいてサーモンものかも・・・。） カプチーノに、林檎のタルト生クリーム添え。 このタルトは、Kamoさんと半分ずつ。
午前は、こんな感じで、テーマパークのような町を散策。 で、午後は、当初の目的だった、あの場所へ♪ そう・・・あのRoode Steen 広場にあった・・・あの建物。
飛び出す絵本に出てきそうな景色♪
by ぴーすけ君 (2008-08-02 07:24)
そうですよね～、オランダにいると山が
恋しくなりますよね。(^^;)
どこまで行ってもまっ平らですもんね。
燻製サーモンのベーグルが食べたく
なってきましたよぉ。(>_<;)
林檎のタルト生クリーム添えも美味しそうです～
by blume (2008-08-02 11:18)
港にヨットにおもちゃのような町並み、とても素敵な所ですね。
建物の装飾や彫刻が凝っていてまた楽しいです。
ベーグルにタルトも美味しそう。
by luces (2008-08-02 11:25)
オランダの古い町並みも
ホントかわいく目を奪われますよね。
５月末に両親を連れて、日帰りオランダしたときも
両親がすごく感激してました。もっとゆっくり見せたかったな～
と思います。
Inatimyさんのオランダの記事とても丁寧なので
参考にどこか散歩に行けたらなーーなんて思っています（＾＾）
サーモン美味しそうです♪
by rino (2008-08-02 15:38)
街並みがとてもステキですね～
やっぱりいくら似せて作っても作り物と本物では全然違いますね。
切妻屋根の建物って好きです。
林檎のタルト美味しそうですね～
たっぷりの生クリームがヨーロッパらしいです＾＾
by miffy (2008-08-02 17:42)
オランダ生活、満喫されていますね^^
青い空と建物がきれい^^
by Ballacki (2008-08-02 22:02)
オランダって山がないんですか！知りませんでした。確か国土の殆どが干拓地で低地なんでしたよね。
切妻屋根、レゴブロックみたい！カクカクしてるところがたまらなくかわいいです！いいなあ、お散歩したくなってうずうずします～～！！
by bonheur (2008-08-02 22:03)
煉瓦造りの町並み、行ってみたいです!
by いさ (2008-08-03 00:54)
ヨットハーバーとカワイイ屋根の町並み、
ステキですね＾＾
風が気持ちよさそうだなぁ～♪
林檎のタルト、おいしそうですね。
by hatsu (2008-08-03 08:42)
オランダはさすが古くから貿易が盛んで、その面影が今なお残っていますね、吊り下げ滑車をオランダで見て、これはいいアイデアだなって思っていたら、ロンドンでもオランダ文化の流入が多いらしく、テムズ川沿いとか運河沿いの建物の上方をみると同じような滑車の付いている建物が結構あるのに気が付きました。
by いっぷく (2008-08-03 08:49)
こちらも煉瓦造りの建物がいっぱいだったのですね（笑）。
でも年季の入り方が日本とはぜーんぜん違いますね。80数年で歴史的建造物なんて云ってたら、オランダの人に笑われちゃう（＾＾；。
窓がたくさん大きく取られていて、ヨーロッパは本当に大きな地震が無いんだなぁ・・・って感じます。最近の日本では、採光を犠牲にしても耐震性を、ってことになっちゃってますものね。
by yk2 (2008-08-03 08:56)
素敵な街並みですね～♪
切妻屋根が並ぶ風景、オランダらしくて良いですね～。
長崎のハウステンボスは行ったことありますが、遠くに山が見えちゃうから、惜しいかな、絶対にオランダっぽく見えないんですよね～＾＾；
by MOCOMOCO (2008-08-03 16:29)
青い空に赤レンガが映えていいですねぇ。
船がいっぱい。
午後はどこへ連れて行ってもらえるのかなぁ♪
赤レンガ広場のどこどこ??
by てんとうむし (2008-08-03 17:31)
こんなに絵になる街づくりをしてきた人々、守ってきた人々は素晴らしいですね。すっかり変わってしまった日本の街並みを見ると少し寂しくなります。
面白い形のホーフト塔と教会の可愛らしい像が気に入りました。
by ミカチ (2008-08-03 19:57)
Inatimyさんといっしょに、オランダのいろんな建物を見て歩いている気がしました。kamoさんにネコになってもらいました、は、大笑い。
by TaekoLovesParis (2008-08-04 21:10)
オランダって山が見えないんだ～。
絵になる建物が沢山あって、写真を撮るのも楽しそうですね♪
by nao (2008-08-05 11:25)
ぴーすけさんのコメントと同じく、飛び出す絵本だぁと思いました☆サーモン、私も大好きっ、でもここらじゃなかなか食べられず・・(^_^;)
by 夢空 (2008-08-06 09:24)
→takemovies さま、くらいふさま、Krauseさま、yukitan さま、
yooko さま、chee さま、noie さま、toraneko-tora さま、
デザイン屋さま
nice! ありがとうございます。
→ぴーすけ君さま
こんな飛び出す絵本があったら、即買いですね～♪ 何度でも開いて眺めそう♪
→blume さま
オランダの南東部に行くと、ようやくなだらかな丘を見ることが出来る、ってくらいなので、山が恋しくなります。 特に、紅葉してる山♪
→luces さま
何気なくフラフラ散歩してても、あれこれ珍しくって、楽しくなります。 こちらでは、こういったベーグルやサンドを、フォークとナイフで食べることが多いので、最初は、ビックリしました。 「手づかみ」では、あまり食べないのか・・・と。 でも、難しいんですよね、切りにくくって。
→rino さま
丁寧だなんて言っていただけて、とってもうれしいです♪ オランダは小さい国ですが、地方によって建物も違うので、楽しいです。 アーネムのオランダ屋外ミュージアムは、家屋の違いが見られてお勧めですよ♪
→miffy さま
オランダに来てから、生クリームの虜です♪ 林檎のタルトの他、珈琲、ホットやアイスチョコレート飲料・・・といろいろ添えてます。 カロリーなんて・・・気にしないっ。
→Ballacki さま
大都会は迷子になるので、歩いて回れる町をのんびりと・・・ですが、これがまた、いろんな発見があって、楽しいんですよ。 知らなかったことが次から次へ♪
→bonheur さま
オランダの南東部にある３２２．５ｍがオランダの最高峰です・・・。 切妻屋根のレゴブロック、持ってますよ～♪ オランダ人がデザインしたもの♪
→いささま
オランダへも機会があれば、是非お越しくださいね。 チューリップの時期でなくても、オランダはとってもいいところです♪
→hatsu さま
オランダの風を感じるなら、この近くに、フォーレンダムという町があるので、そこもお勧めですよ～♪
→いっぷくさま
学校で習った東インド会社は、ずっと英国だと思っていたんですが、オランダや、他の国にもあったんだ・・・と大人になってから知りました。 ミュージアムカードのおかげですね♪ 滑車も現役で、昔の人の知恵や工夫は、スゴイなぁ・・・と、使われているところに遭遇するたび、立ち止まって作業を眺めてしまいます♪
→yk2 さま
建築途中の現場を見るたび、「これって大丈夫？」と地震大国で育った私は不安になるんですが、地震はないですねぇ。 家にいて、たまに揺れを感じて、ハッとするんですが、近くを大きなトラックが走っただけでした・・・って、それで揺れるうちのマンションはヤバイのかしら・・・。
→MOCOMOCO さま
私もハウステンボスに行った時のイメージで、オランダにやってきましたが、どこまでも、どこまでも、ずーーーーーーっと平らな地に、ビックリしました。 本当に、すごく平らで、山がないんです・・・。
→てんとうむしさま
ふふふ、午後は、とってもいいところへ♪ まだまだ足が棒になるくらい歩くからね～。 林檎のタルトに生クリーム付けた分、カロリー消費しないとね♪
→ミカチさま
スケッチするのに、いいところです♪ きれいな町並みで、絵になる建物もいっぱい♪
→TaekoLovesParis さま
いつかTaekoさんと歩いてみたいです♪ で、どこかおいしそうなレストランに寄って飲んだり食べたり。 あ、写真撮らなきゃ、って、皆で、それぞれが撮ってるところを想像すると、ちょっと可笑しくなったり♪
→nao さま
今の時代に、デジカメがあってよかった～って思います。 ついつい自分好みの物があるとすぐに撮ってしまうので、フィルムだったら、現像・プリントするのに、いくらかかるか、考えると怖くなります・・。
→夢空さま
サーモン、美味しいですよね～♪ 私も、外で食べる時は、滅多に家で食べられないものを！と思うので、サーモン狙いが多いです♪ でも夢空さんところ、鮎はたくさんいるので、うらやましい♪
by Inatimy (2008-08-08 06:44)