秋・街・ちょっぴり自転車 [オランダ]
秋の色、発見。
通りには、あちこちに落ち葉。 茶色くなった葉っぱや、ちょっと赤い葉。 黄色い葉っぱもあるけれど、中には、緑が残ったままで、強風によって飛ばされて来ちゃったものも。 オランダは風が強い。（ちなみにこれを書いている時も、外は風速60km/hほど。）
夏に比べると、芝生も色褪せ、寂しげな色。 その上に落ちた、リアス式海岸のように入り組んだ形の葉っぱも茶色。 この葉っぱを見るといつも思い出す。
ほろ苦い思い出？ いえいえ、甘～くまろやかな思い出。 心の中に湧き上がってくる、とっても懐かしい感じ。 でもあれは、秋じゃなくって、春だったなぁ・・・
・・・と、頭の中に何を思い描いているのかというと・・・・・・柏餅。 緑だけれど、こんな葉っぱに包まれてたっけ。 でもオランダにあるこの木は、柏ではなく、Eek エーク（樫、オーク）かな。
この木は、オークじゃなさそう。 葉っぱの形が違うものね。 キラキラと、重なり合う葉っぱの隙間からもれてくる陽の光も、夏に比べるとかなり柔らかい。
自転車で走ってる途中で、こんな赤い壁を見つけた。 オランダには、モミジはないし、山もないので、日本での紅葉の楽しみ方とは少し違うけれど、壁を這う植物の赤は美しくて、目で感じる秋。
この時、私の中に流れてた音楽はオフコースの『秋の気配』。 歌詞に出てくる“港が見下ろせる小高い公園”って、どんなところなんだろう、って今でも気になる。
全体的には、まだまだ緑も多いかな。 でも緑の間に隠れるように、ひっそりと秋の色。 水路の向こうに見えている道は・・・
・・・自転車や原付のための専用道路。 ここの水場には、年中、鳥さんがいっぱい。 カモやオオバン、アオサギも。
そうそう、先日紹介したサクランボのような実、現在、こんな感じ。 葉っぱも橙色に。 鳥さんは食べないのかなと思ってたけれど、先日、横を通るとモリバトが枝にたわわ。 何羽もとまって、ついばんでました。 熟すのを待ってたのね・・・。 食べ頃を見極めるとは、スルドイ。
新たな実も発見。 美味しそうな色。 何でしょうね、この植物。 とってもいい色♪
アムステルダムの街のにぎやかなところでも、秋の色。 背の高い建物にも、赤い葉っぱ。 一番上に出ている棒は、滑車とロープを使って荷物を引き上げるためのもの。 赤い色が壁にビッシリ、出来るだけ埋め尽くそうとしてるかのように、頑張って広がっているけれど・・・
・・・元を見ると、たった１本の幹から。 この建物は５階建て。 この地面から、あんなに高いところまで水分を行き届かせようとする力、すごいなぁ。
自転車置き場にも、ちらちら赤い色。
建物前の駐車スペースには大きな木が何本か。 枝を目いっぱい広げて木陰を作っていて、きっと夏は、車が高温になるのを多少防いでいるはず。 アムステルダムの街には、本当に緑が多い。 高い建物がたくさん並んでても圧迫感を感じないのは、このおかげなのかな。
木を見上げて、ふと、アメリカのピアニスト、ジョージ・ウィンストンのアルバム『AUTUMN』ってレコードを買ったことを思い出した。 もう３０年近くも前の話。 その中の「Longing/Love」って曲がとってもお気に入り。 いい曲だから、今でもTVの番組や何かで使われてるかも。
オータムといえば、松任谷由実の歌にも、そうそう、「Autumn Park」ってあった。 ちょっぴり哀しいような、憂愁っぽい・・・あ、“憂愁”の漢字の中にも、秋を見つけた。
この時計塔は、教会の塔。 秋の空は高いなぁ。
その塔を持つ教会は、Saint-Agneskerk 聖アグネス教会。 オランダ人建築家のJan Stuyt ヤン・スタウトによって、1919年～1931年の間に建てられたそう。 。 アムステルダムには珍しく、ここはカトリックの教会。
黄色い葉っぱに変身途中のプラタナス。 ぷらぷら、ぶら下がる姿が好き。
そういえば、クラッシックでも秋の曲があったなぁ。 ヴィヴァルディの『四季』の中の「秋」。 『四季』っていうと、「春」や「冬」のほうが強烈なイメージがあって、とっさに「秋」のメロディーが出てこない・・・でも、さわりを聞けば、あ、あれね、ってすぐ分かる。
「客が来ないニャ・・・。」 猫の店番。 白い靴下、短いね。 磨り減った入り口の敷居が、建物の古さを物語ってる。
お日様がよく当たる場所は、葉っぱが黄金色。 たくさん並ぶ自転車だけど、私の場合、自分の自転車はすぐに見つけられる。 だって、他のより、ずっとサドルが低いから。 背の高いオランダ人は足が長いもんね・・・。
上田敏が訳したポール・ヴェルレーヌの「落葉」は、学校の教科書で知った詩。
“秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの 身にしみて ひたぶるに うら悲し。”・・・と続くもの。
そのままダイレクトに秋の雰囲気が伝わってきて好きだった。 元のフランス語の詩、文字を追うと、韻を踏んでるのが分かる。 きっと音がキレイかも。 朗読で聞いてみたいなぁ。
何気なく撮った写真も、意味ありげ？
柵の扉の赤丸のプレートには、〝INRIT VRIJLATEN” インリット・フライラーテン。 直訳は「入り口を自由にする」。 出入りするから、この入り口の前には自転車止めたり物置いて塞いだりしないでね、ってお願い。 だから、この自転車は、この位置に・・・ふふ。
ドイツ語は "FREIHALTEN" って単語だったかな。 住んでた近所のお家のガレージ前に、その文字があって、気になって辞書を引いたことがある。
バスの中から見たOlympisch Stadion オリンピス・スタディオン（オリンピック・スタジアム）の前には、I amsterdam のオブジェ。 １０月１８日（日）には、アムステルダム・マラソンが開催される。 ここがスタート＆ゴール地点。 かすかに見える電光掲示板には、開催日まで残り何日かという表示。
そして・・・上の写真を撮った翌日、木曜の朝は・・・
・・・青い空にうろこ雲。 いわし雲？ 夏が入道雲だとしたら、秋の空は、やっぱりこれね。 朝の空気は澄んでいて、しかも、かなり冷たくって・・・
・・・芝生には霜。 車も凍ってた。 まだサマータイムも終わってないのに、もう冬の気配。 この日の最低気温は氷点下。 我が家の庭には、まだ朝顔とヒメヒマワリが咲いてた・・・。
週末は、その先にある遠い春を夢見て、球根でも植えようかな。
・・・・・・と、こんな感じの秋のオランダでした。
マルクトで 柿 も買っちゃった ♪
日本も秋色？
「あれが～あなたの 好きな場所～♪」ってのは、若き頃の小田ぢい（＾＾が横浜山手の“港の見える丘公園”を思い浮かべて書いたって聞いてます。ローズガーデンがあるので、今頃の季節はバラが咲いてるハズ。でも、もう随分長いこと行ってないなぁ～。
ジョージ・ウィンストンも懐かしい名前。だけど30年前は大袈裟でしょ～。25～26年くらい前だよ～・・・って、大して変わらないか（笑）。ウインダムヒル・レーベルってレコードのジャケット写真が綺麗だったものねー。今回のいなち・み～さんの撮って来られた様な自然の景色を見て『AUTUMN』を思い出すのは、すごくよく分かる気がする。僕はそのレーベルの創設者だったウイリアム・アッカーマンってギタリストの『ブリックレイヤー家の美しい娘』（http://www.youtube.com/watch?v=auQNLn0LLkY&feature=fvw）って曲が今でもとってもお気に入りで、素朴な自然の美しい光景に触れると、ごく自然にそのメロディが頭の中に流れます。
by yk2 (2009-10-17 08:33)
秋から冬へ向かっていますね＾＾。
by Krause (2009-10-17 15:15)
観光で訪れたヨーロッパにはプラタナスが多かったように思います。あれを見るとまさにヨーロッパだぁ～って気になりますね(^^)
by 母ちゃん (2009-10-17 20:42)
ヨーロッパの紅葉のイメージは…（赤より黄色の方が多そう）
壁に這うツタの葉や、石畳の上に舞い落ちるプラタナスの葉。
秋の実も、どれもこれも可愛いですね。
年齢のせいなのかなあ…今は秋が凄く好きです。
（昔は春が一番だったのだけど。）
空も高いし、空気も綺麗。日が段々短くなるのも風情がある。
by Roseblanche (2009-10-18 08:37)
考えてみるとあの大きなオランダ人と
小ぶりな日本人と自転車が同じサイズってのも
不思議ですね
by MANICAT (2009-10-18 10:16)
秋の気配というか、すっかり秋ですね。
日本からヨーロッパに行って違和感を感じるのは、
冬でも芝生が緑なことです。
日本は完全に茶色になりますからね。
寒さに強い種類なんでしょうね。
by Jalana (2009-10-18 11:19)
秋ですね～。
日本とは違った木々が並ぶ道、すてきだわ＾＾
by ぴーすけ君 (2009-10-18 14:06)
「秋の気配」を頭の中で歌いながら、読んじゃった(^_^)
自転車置き場の一枚、すごく好きです。
遠い異国の秋を堪能させていただきました。
店番のにゃんこ、白い靴下というより、足袋かも♪
by pica (2009-10-18 14:20)
“港が見下ろせる小高い公園”は私も好きな場所♪
ここ↓のことみたいですね～^^
http://ladybeetle.blog.so-net.ne.jp/2008-11-29
秋の音楽・・秋の音楽ってゆーと、って考えても
"あーきのゆぅーうーひーにー。てーるぅやぁま、もーみぃーじぃ♪"と
チャイコフスキーの「花のワルツ」しか思い浮かびませんでした。
『ファンタジア』に出てくる秋の場面は、ちょうどInatimyさんのこの記事の雰囲気にぴったり。
私の記事にyoutube貼り付けたので、時間があるときに覗きにきてね♡
by てんとうむし (2009-10-18 15:47)
すっかり 秋色の町並みですね。
１枚目の写真は柏の葉に似ていますね。
柏餅を連想する気持ちがわかります。
プラタナスのぶら下がっているものは 実なのでしょうか?
by ami (2009-10-18 17:58)
真っ赤な蔦が絡まるレンガの建物がなんとなく好きです＾＾
秋の歌といえば「秋桜」かな～
私はヴィヴァルディの四季の中では「秋」が一番好きです～
白靴はいたニャンコ可愛いですね～
木曜日に行った阿蘇では少し紅葉が始まってました。
今年は寒暖の差が激しいので紅葉が綺麗かも・・・
by miffy (2009-10-18 21:14)
家の近所も、秋がちらほらしてます＾＾
『秋の気配』、いい曲ですね。
今youtubeで聞きながら、コメント書いてます♪
『Autumn Park』も大好き♡
秋は心がふるえる曲がいっぱいですね～。
ピンクの実、可愛いですね。
by hatsu (2009-10-19 06:07)
いやいや 秋色 綺麗ですね。
こちらより一か月早いですね。
by 匁 (2009-10-19 07:32)
ヨーロッパはたくさんの緑があって本当に癒されます。その中にしっとり秋が感じられて素敵なお写真でした。
by rino (2009-10-19 19:40)
赤い壁、綺麗ですね。
日本家の壁には、合わないかも。
秋が楽しいですね。
by laf (2009-10-20 06:30)
真っ赤な葉が目を引きますねー建物とも合っていて素敵です。
ジョージ・ウィンストン、懐かしいーー私もＬｏｎｇｉｎｇ／Ｌｌｏｖｅが一番好き♪
霜が降りたなんて、冷え込みが厳しいのですねー。写真日和ではあるけど。笑
そんなに駆け足で冬にならなくても･･･って思っちゃいますね。
体調にお気をつけ下さい(^-^)
by nao (2009-10-20 10:44)
私の庭も徐々に秋色に変わってきていますが、
さすがヨーロッパの秋は紅葉が綺麗だなあ♪
特に壁のツタの真っ赤な色具合はすごいですね！
数年前ドイツに行ったときもその鮮やかさに惚れ惚れしてしまいました。
やはり急激に冷えるほうが、紅葉は美しいのでしょうね～＾＾
by MOCOMOCO (2009-10-20 16:19)
→皆さま
たくさんのnice! ＆ コメントありがとうございます。
コメントへの返事が遅くなりました。 無事に秋休みを終えて、エネルギー充電。 気持ちが秋冬の季節に追いつきました♪
→yk2 さま
そうそう、港の見える丘公園♪ 横浜には仕事で日帰りでしか行ったことがなく・・・いったいどのあたりなんだろう、と中華街でひとり急いでランチしたのでした・・・。 行きたいなぁ。 ジョージ・ウィンストン、あのピアノの音色とリズムは、右手と左手で別々の旋律を奏でるなんて絶対無理の不器用な私にとっては、まさしく憧れ。 随分昔の話で、２５～２６年って四捨五入すれば約３０年でしょ～？ ウィリアム・アッカーマンの曲、聴きました♪ バックが紅葉の景色で、これも秋の雰囲気でしたね。 こんな風に弾けたらいいな、と今からギターを習ってみたい気分に・・・。
→Krause さま
秋から冬へ・・・それが、もうすっかり寒くって・・・。 外は10℃・・・長い冬に突入のよう。 日曜から冬時間に入りました。
→母ちゃんさま
そうそう、プラタナスとかマロニエ、ポプラの木が多いんですよね。 逆にイチョウ並木やヤナギを見ると日本だなぁ・・・って感じます。 国によって木も異なりますね～。
→Roseblanche さま
欧州の紅葉は、やっぱり黄色のイメージかな。 でも、オランダは強風がよく吹くので、色が変わるのを楽しむ前に飛んで散ってしまうのもあります・・・。 今、街路樹の紅葉が見事で、オレンジ色の葉っぱが地面に絨毯のように積もっています♪ 私も秋が好き♪ 生暖かい風の春より爽やかで涼しげな風の秋がいいです♪
→MANICAT さま
ふふ、自転車のサイズね、実は、S・M・Lとあるようですよ。 私はもちろんSなんですが、それでも一番下にサドルを下げてもギリギリ足がつくくらいです・・・。
→Jalana さま
芝生が緑なの、私も気になってました。 チェコって冬の間は、野は土の色しかなく茶色。 オランダの野の緑色がとっても恋しかったです。 植物関係の分野に詳しいオランダなので、寒さに強い品種作ってるのかも。
→ぴーすけ君さま
私にとっては並木といえばイチョウ。 で、ギンナン、茶碗蒸し、というつながり♪ 近所に短くて小さなイチョウの街路があったけど、オスだけだったのか、実がなりませんでした・・・。
→pica さま
「秋の気配」いい歌ですよね～♪ 色が変わった街を歩いてると、ついつい寄り道が多くなって、あ、いけない、こんな時間、と本来の目的地に慌てて移動・・・。 このお店、前を通ってばかりで、まだ中に入ったことがなく。 今度入ろうかな～。 冬になったら雑貨屋さんへの寄り道♪
→てんとうむしさま
“港が見下ろせる小高い公園”は、やっぱり、とっても素敵なところなのね～。 行ってみたい♪ カメラ小僧になって、たくさん撮るかも・・・。 『ファンタジア』のyoutubeも見たけれど、本当、まさしくこんな感じだぁ。 目を凝らして見ると、もしかしたら、姿が見える？なんて気がしてきた♪ こちらは、今週最高気温が15℃と、平年の11℃より少し高め。
→ami さま
柏餅、とっても好きなんです。 普通のこし餡以外にも、近年はみそ餡も出てきて味の幅が広がりましたね・・・あぁ、食べたい。 プラタナスのぶら下がっているのは実なんですが、中に何かが入ってるわけでもなく・・・。 見ていたら、順に新しい実ができているのか一年中ぶら下がってるようですよ。
→miffy さま
「秋桜」といえば、さだまさし♪ あの歌は、しっとりとしてていい雰囲気ですね。 昔、実家に父が買ったそのレコードがありました。 ヴィヴァルディの四季は、いつも真っ先に頭に浮かぶのが「冬」・・・よくスキー場で聞いてたからかな。
阿蘇の紅葉・・・その言葉だけでも、浪漫。 目の前に鮮やかな風景が浮かびそう。 キレイだろうな～。
→hatsuさま
「秋の気配」いい曲なんですが、よく歌詞を読んでみると、悲しい歌だったり。 ♪こんなんことは今までなかった。 僕があなたから離れてゆく・・・♪ですもんねぇ。 なんだがとっても客観的に自分を見てる男性よね。 不思議。
→匁さま
季節は日本より一ヶ月以上先を歩いてる感じでしょうか。 今頃の平均気温は最高で11℃ほどらしですが、今週は寒さもマシで、15℃まであがるよう。 コート着てる人もいたり、なぜだか、まだ半袖の人もいたり・・・。
→rino さま
ドイツの方も、街路樹の色が変わって、落ち葉も増えて、雰囲気が変わっている頃でしょうね。 道端で売ってる焼き栗、おいしいだろうなぁ・・・オランダにはないいんですよ、これ。
→laf さま
日本の家の黒い瓦屋根＆白壁にあうのは、私のイメージでは柿なんですね♪ 熟れた柿の色が、とっても映えて。 あ、実りの秋だから、葡萄狩り、ミカン狩り、お芋掘り、と楽しいイベントもいっぱいでしょうね、日本♪
→nao さま
この時期、気温差が激しいと、すぐに霧が発生するのも幻想的です。 緑の野の低いところを漂うモヤがなんだかテーマパークのアトラクションの中にいるかのようでわくわく♪ 長い冬がもうすぐそこまで来てます。 霧が凍ってできる樹氷、今年も見られるかな。
→MOCOMOCO さま
地面が黄色やオレンジ色に染まるほどの落ち葉がたまった大通りは、思わず、カメラ、カメラ、と取り出して撮っちゃいますね～。 赤いツタも、私も昔最初見たのはドイツの田舎でした♪ 強風が吹かないうちに、秋の写真撮りためないと♪と慌てて撮った写真たちなのでした。 お花屋さんでは今、小菊の鉢植えが美しいです♪ あとね、シクラメン。 フリルのようになった花びらのシクラメンに、心揺らいでしまいました・・・。
by Inatimy (2009-10-28 18:12)