教会と子牛と海の幸 [フランス・パリ]
珍しく晴れた。
青い空を逃すのがもったいなくって、外に出た。
次第に冬に向かってるのが分かる。
うっかりすると騙されてしまうけど、目に見える陽射しほど、もう暖かくはない。
暗い冬になる前に、できるだけ太陽の光を充電しよう。
パリの噴水は、芸術的。 これは『4人の枢機卿の噴水』と名前がついてる作品。
作ったのは、イタリア生まれのフランス人建築家・デザイナー、
Louis Visconti ルイ・ヴィスコンティ(1791-1853)。
7区の金色に輝く円屋根の建物、Invalides アンヴァリッド 。
そこにあるナポレオンのお墓のデザインをした人でもあるみたい。
パリの彫刻のライオンは、ライオンらしいライオン。
チェコのは、犬のような感じだったけど。
でもライオンより、この口からちょろちょろ水を吐くおじさまが気になる。
光を浴びた水も、目にまぶしいな。
噴水を作ったのは、ルイ・ヴィスコンティだけど、
4人の枢機卿の像は、またそれぞれ別の4人の彫刻家によるもの。
・・・手が込んでるのねぇ。
で、噴水の横に、ちらりと見えてる建物は・・・
修復中の Église Saint-Sulpice サン=シュルピス教会。
パリで2番目に大きな教会なんだそう。
右と左の塔のデザインが微妙に違う。 右の塔は未完成のまま現在に至るとか。
写真の人が集まってるあたりから、中に入れるみたい。
近づいていくと・・・
・・・目の前にこんな壁。 外にある像や装飾も迫力あり。
建物上の上部は白く見えたけど、この下の部分は茶色っぽい石なのねぇ。
天井には、花のような模様と・・・ラーメン鉢にあるような模様。
扉を開けて中に入ると・・・
・・・いきなり見どころ。 入って右側にある最初の礼拝堂。
ドラクロワのフレスコ画。 『神殿を追われるヘリオドロス』。
フェルディナン・ヴィクトール・ウジェーヌ・ドラクロワ・・・って長い名前をもつこの方は、
夏に行ったCimetière du Père-Lachaise ペール・ラシェーズ墓地に眠ってる。
(記事はこちら「来てはみたけど会えるかな」)
天井にある『悪魔を討つ大天使ミカエル』を挟んで、向かいには・・・
・・・『天使とヤコブの闘い』。
どうして、追われたり、討たれたり、闘ったりしてるのかなぁ・・・と気になるところ。
どれも、旧約聖書の『創世記』からのテーマなんだとか。
教会の中はこんな感じ。 後方の中央にしゃがんで、下から撮ってみた。
教会の椅子は、大好きな編み座。 “お蕎麦屋さんの椅子”♪
講壇は大理石と金色使いで立派。 窓からの光りを後ろから浴びて。
近くまで行ってみた。 側廊のほうから、こんな階段を上って講壇に立つみたい。
さて、さらに側廊を歩いて行くと、奥の回廊(周歩廊)へのカーブも美しい。
クロッシング部分の天井の装飾も忘れずに。
で、翼廊部分の床にあるのが、この線。
小説『ダ・ヴィンチコード』にも登場したらしい子午線・・・とガイドブックにあったけれど、
映画にも出てきたのかなぁ・・・さっぱり覚えがない。
映画を観たのが、オランダにいる時。 TVで。
台詞は英語と一部フランス語だったし、字幕はオランダ語だし・・・で、
詳細は、さっぱり分からなかった・・・。
子午線は、床をずーっとまっすぐに這い、
向こうの端にあるオベリスク(球ののった白っぽい塔みたいなの)まで続く。
小説では、この線がローズラインと呼ばれて、謎解きの重要なポイントだったとか。
でも、実際は小説とは全く関係がなく。
南側の側廊のステンドグラスの一部に光の穴があり、
夏至の正午には、先ほどの床の大理石のプレートを、
冬至の正午には、オベリスクに光が当たるらしい。
反対側に回ってみた。
椅子と椅子との間の通路、床に白っぽい大理石のある部分が線。
で、オベリスクには、こんな文字が刻まれている。
ラテン語とフランス語・・・どちらも分からないなぁ・・・。
ちらりと写りこんでる金色の丸いのがオベリスクの頂点。
いったい、どんな場面で出てきたんだろうねぇ・・・。
いつか機会があれば、ちゃんと小説も読んで、映画ももう一度見直さないとね。
子午線・・・暗い教会内でガイドブックを見たKamoさんが「こうし」線?と読んでた(笑)。
入口上にある、パイプオルガン。
回廊(周歩廊)の上にあるステンドグラス。
青い布をまとったのは、マリアさま。
ミサが行われてたようなので、終わるまで待ってから、回廊(周歩廊)を見た。
天井から差し込む光。
その光の下の回廊(周歩廊)には、こんな羽をもつ天使像。
その像の向かいには、先ほどまでミサが行われていた一番奥の礼拝堂。
ゆっくり周って、北側の側廊へ。
教会入ってすぐ左にある礼拝堂の窓。
ここには、聖骸布の写真があった。
くっきりと浮かぶイエス・キリストの姿には、いつもビックリ。
ステンドグラスは美しい。 特に青い色を使ってるものは好き。
天井画も壁の絵も。
ガイドブックに詳細がふれられてなくても、目に焼きつくものは多々ある。
この教会で、どれよりも私が惹きつけられたのは、これ。
本物の貝を使ってある。 オオシャコガイかな。
その下の彫刻部分にカニがいる。
もう一つの柱、ドラクロワの絵の礼拝堂のそばにある方には、タコがいた。
光が射す教会の中は、やっぱりいい。
さて、いつものように、あたりを散策してから帰ろうかな。
街歩きのお話は、また今度ね。
カニ好き? タコは?
ドラクロワの本名初めて知りました。
なっ長い!
by まぐろ (2010-10-13 04:20)
今日は寒かったですね~!
こちらは少し霞んでいたんですが、そちらは真っ青で素晴らしい空ですね。
教会も白くて美しいなあ・・・
by めぎ (2010-10-13 06:43)
素晴らしい時間をもたれましたね。
写真も自由に撮れて、行ってみたいです。
by laf (2010-10-13 09:04)
青空によく似合う風景です☆
街歩きも食べ物いっぱいですか(^.^)
もちろん、カニもタコも好き♪イカも~。
by 夢空 (2010-10-13 09:24)
教会内のお写真、どれも素敵ですね~^^見とれてしまったわ♪
特に、お蕎麦屋さんの椅子が整然と並ぶ写真が好きです^^
ダヴィンチ・コードは日本語訳版で見てもちょっと難解でしたよ~。
子午線のシーン、私も思い出せません^^;
by MOCOMOCO (2010-10-13 11:59)
陽射しがあるとステンドグラスが輝きますよね~♪ 美しい窓をゆっくり眺めてみたいです(^^)
by 母ちゃん (2010-10-13 20:38)
教会で一番美しい風景は、光が差し込む瞬間だと思います。
じっくり観察すると、たくさんの発見がありますね~(*^^*)
by noie (2010-10-13 22:01)
「四人の枢機卿の噴水」は見ごたえありますね。
ステンドグラスが素敵です。
by やよい (2010-10-14 09:02)
ドラクロワの絵が見たくてこの教会を訪れたのはもうずいぶん前になります。
「ダヴィンチ・コード」を読んだのはそれよりもずっと後だったので子午線の事全然思い出せませんでした。
写真を引っ張り出してきて写ってるのを確認してやっぱり見てたんだって^^;
光が差し込んだ教会は美しいですね。
ステンドグラスも太陽の光があればこそあんなに美しく見えるんですよね。
by miffy (2010-10-14 20:17)
素晴らしく美しい教会ですね。
なぜタコが?
by luces (2010-10-14 20:49)
とても繊細で美しい彫刻やドラクロワの壁画いっぱいの素敵な教会ですね。
『ダ・ヴィンチ・コード』はちゃーんと日本語字幕版で観たのに「知らない教会だ・・」という印象と子午線が引かれていた記憶しかないの。
もう一度見直して、画面の隅々もチェックしてみようかな。
by てんとうむし (2010-10-14 23:11)
最後の写真、とっても素敵ですね^^
心が落ち着きます。
by hatsu (2010-10-16 08:18)
サンシュルピス教会、私もドラクロワの壁画と天井画を見に行ったことが
あります。写真がどれもきれいに撮れてるので、感心してます。これを制作するために、ドラクロワは、近くに住んだんです。そこが今は、ドラクロワ美術館ね。
ダビンチコードは、本を読んだときのほうがわくわくしました。映画はイメージがちょっと違って。。。この教会に足早に入っていく修道僧シラスの不気味さを想像しながら読みました。シスターも出てきて。
オベリスクと子午線が、作者の想像力(創造力)をかきたてたんでしょうね。
by TaekoLovesParis (2010-10-16 08:34)
翼廊部分の床の写真をみて、瞬間に、ダビンチコード
連想しましたよ。ただ、やはり映画には結構無理があるな~~と
最初は違和感有りましたが、繰り返し観たら違和感もどこへやらでした。
by aranjues (2010-10-17 18:43)
→皆さま
『教会と子牛と海の幸』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。
牛(うし)と干支の午(うま)って漢字似てますよねぇ・・・ふふ。 私も最近ますます漢字に弱くなって気がする。 読めても書けない字が多いかも。 この教会に行った後の散歩話も、いずれアップしますのでお楽しみに。
→まぐろさま
私も、こんなに長い名前だったとは知らず。 いつも気になることを後から調べてて、私にとってブログは、その学習メモみたいな存在だったり(笑)。 ホント、知らないことが多くって・・・。
→めぎさま
寒くなりましたねぇ。 朝、息が白かったり。 この冬も長いのかしら・・・。 雪降るかな♪ 雪の積もった白いエッフェル塔を撮るのが目標(笑)。
→laf さま
ミサの最中は立ち入れない場所もあるので、静かに待ってます♪ 写真を撮る時もフラッシュなしで、他の人の邪魔にならないようにひっそり。 中もとても雰囲気の良い教会でした。
→夢空さま
歩きだすと見るものに夢中になり過ぎて、気がつけば飲まず食わずで追いかけてたりするので、気をつけるようにしてます(笑)。 大阪だったら、路上で焼いてたりするので匂いに負けて、海老やたこ焼きなんか、おやつにつまんじゃうんですけどねぇ。
→MOCOMOCO さま
お蕎麦屋さんの椅子好きなので、気がつくと、そればかり撮ってたり・・・ふふ。 ダヴィンチ・コードは、登場人物の相関図から下調べしないと、私覚えられないかも・・・。 いったい何故秘密にしなきゃいけなかったんだろう・・・って最後まで???マークでした。
→母ちゃんさま
ステンドグラス大好きなので、飛梁のある天井の高いゴシック建築の教会は特にひかれますねぇ。 ステンドグラス、文字が読めなくても聖書のお話が分かるようになってるんですって。 私向き~。
→noie さま
薄暗い教会の中に差し込む光は、さらに美しく見えますね~。 心がざわざわする時でも、なんだかゆったりできる感じで、好きです、教会。 置いてあるもの、飾られてるもの、芸術ですよね。 いろんな発見できますね♪
→やよいさま
噴水、存在感ある大きなものですよね。 日本にも小便小僧とか、鯉を抱えた子供とかの像のある噴水や、水が飛び跳ねるように見えるものとか、いろいろありますけど、国によって、噴水の好みも違うんですね~。 ベルギーだったか、オーストリアだったかでは、馬の口から水が出るもの、見た記憶も。
→miffy さま
ガイドブックにあった教会の解説に、ドラクロワと小説「ダヴィンチ・コード」の文字がちらっと見えたので、何かしら、と来てみたんですよ。 絵は思ったより大きくってビックリ。 床にあるプレートを先にいた人が写真撮ってたので、よくわからずに私も撮ったって感じなんですけどね。 あとでじっくりガイドブック読み返してみて、なるほど、そういうことだったのかと(笑)。 いつも後調べ♪
→luces さま
本当に、なぜタコが?です。 海老でもよかったんじゃないのかしら、なんてね。 吸盤のあたり、精密に再現されてましたよ♪
→てんとうむしさま
映画のどのシーンで子午線の話あったっけ・・・って感じで、さっぱり理解してない私。 あ、ルーブル美術館だ、ってところだけ分かった(笑)。 オランダのTVであの映画を見てる時は、まさかパリに住むことになるなんて・・・だったなぁ。
→hatsu さま
光が作りだす温かな雰囲気はホッとするところがありますね。 この先、暗くて長い冬だけど、この光を思い出そうかなぁ・・・。
→TaekoLovesParis さま
あ、サンジェルマンデプレのドラクロワ美術館って、この絵を描くために住んでた場所だったんですね~。 へぇ~。 さすがTaekoさん、よくご存知♪ 場所だけチェックして、美術館の中へはまだ行けてないんですけど。 近くにワグナーの家があったり、ランボーの家があったり、スゴイところですよね。 ダビンチコード、いつか、本も読んでみたいな。 映画と比べて、わくわくしたい♪
→aranjues さま
ダビンチコード、やっぱり何度も繰り返し見ないといけないなぁ。 最近繰り返し見たのはジョニー・デップの「アリス・イン・ワンダーランド」。 これも、私には難しい・・・。 でも、マッド・ハッターで、ブルージュのビール瓶の話を思い出して、にんまりしたりして。
by Inatimy (2010-10-22 22:02)
良いな=歴史の中に住んでるなんて羨ましい=!
by yuka (2010-10-30 17:37)