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列車に乗って知らない街へ [フランス・パリの外]

 まだかな・・・まだかな・・・ 

 終わったら、一緒に遊んでくれるんでしょ?

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 いつもと違う街で、トラチに似た猫に出会ったのは、9月下旬のこと。
 2日間休みが取れそうだというので、パリから脱出。

 寂しがり屋の猫トラチに長い留守番は無理なので、もちろん日帰りでだけど。
 2日あると、多少遊び疲れても、次の日は家でのんびりできるから気が楽。

 なので急遽、前夜に行き先を検討し、ネットで列車の往復チケット予約。
 発券は、当日、駅の機械で。

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 出発駅は、Gare du Nord パリ北駅。 
 オランダ、ベルギー、ドイツ方面には、ここから高速列車のThalys タリスが走ってる。

 でも、この日乗ったのは、TER 地域圏急行輸送の列車。 
 日本でいうと、JRの新快速とか快速みたいなもの。 

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 Kamoさん撮影

 8時19分、パリ北駅を発車。 ブルーのシート。 乗った車両、ほぼ貸切状態。

 最低気温は12℃、最高気温は28℃の予想。 
 気温が低くて、緑の地に薄らと、もやが。

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 窓ガラスにへばりつくように、外の景色を眺める。 手前はトウモロコシ畑。

 建物が密集してない、広い、遠くまで見通せる、横長の風景だ。

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 前回、パリから出たのは、モネの庭を見にジヴェルニーへ行った6月の夏至過ぎ。

 あれから3か月間、私はずっとパリの中。

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 窓の外に広がる風景を見て、あまりにうれしくって、じんわりと涙が出た。

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 やっぱり私は、大都会向きじゃないな。

 列車の窓から眺めていて何だか違和感を覚えたのは、大地が真っ平らじゃないこと。
 起伏があるので、ずっとこんな景色が見られるわけじゃなく、
 すぐに谷間みたいな、周りを丘や堀に囲まれた場所を列車が走る。

 そんなの当たり前だよ、と思うかもしれないけれど、
 オランダはどこまでも平坦な土地だったので、ずーっとずーっと、大地が見えた。

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 途中で止まった駅は、とっても小さな駅。 

 高い位置からなのは、この車両が2階建てだから。 
 眺めがいいかしらと、上の階に座った。

 パリを出てに向かうこと、1時間半あまり
 やって来たのは・・・

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 ・・・ピカルディー地方にあるAmiens アミアン。 人口約14万人の街。

 パリの人口が約217万人だから、規模が想像つくかしら。

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 駅前には、背の高い塔。 Tour Perret ペレ塔。 といっても、住居&オフィスの建物らしい。

 建設期間は、1948-1954年というから、思ったより古い。 築50年越えてる。
 設計者は、Auguste Perret オーギュスト・ペレ(1874-1954)。

 おや・・・あの人ね。
 パリ8区のモンテーニュ通りにあるシャンゼリゼ劇場を設計したり、、
 パリ近郊のサンジェルマン・アン・レーにあるル・プリウレ礼拝堂
 画家モーリス・ドニに依頼され修復したベルギー人でフランスで活躍してた建築家。

 あ、だから、ペレ塔なんだ。 

 (礼拝堂の記事は、こちら「ル・プリウレのシャペルから」

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 どこに何があるか、前の夜に地図を見たので、だいたい頭に入ってる。

 駅前から、適当に小路をジグザグに抜けて行くと、こんな建物に。
 これは、私立高校の敷地内にある礼拝堂のよう。

 ここを左に進むと・・・

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 ・・・広場の向こうに、大聖堂が。 

 これが、Cathédrale Notre-Dame d'Amiens アミアンのノートルダム大聖堂。 
 1981年登録の世界遺産

 たくさん車がとまってる広場は、Place Saint-Michel サン・ミシェル広場

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 大聖堂のてっぺんにある十字架と、広場に建つ十字架を持つ像。 

 この像の台座には、Dieu le veut と刻まれている。
 「神の欲するままに」「神の思し召し」という意味のよう。 
 聖地エルサレムを回復するための第1回十字軍の結集の叫びだったとか。

 どうも、この像の人は、Pierre l'Ermite 隠者ピエールという人で、
 11世紀末に、このアミアンにいた司祭さま。

 ウィキペディアによると、十字軍本隊に先立ち、民衆十字軍を率いてエルサレムを目指した人。

 写真を見てて、ふと目についた台座の文字だけど、
あれこれ、調べてみるもんだなぁ・・・。

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 いつものごとく、大聖堂の外側にいる怪しげな姿を目で追う。

 ガーゴイルもたくさんついてるし、王様の姿もあったり。
 右端の王様の像は、楽器を持ってるそうなんだけれど、何だろうね。

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 ガーゴイルは、大聖堂の壁に雨水が伝い流れないように、
 壁からできるだけ離れるように突き出てる。

 中には、くるりと巻き角のさんのようなガーゴイルも。 
 雨降ったら、みんなの口から水が吐き出されるんだろうなぁ・・・見てみたい。

 一番、衝撃的だったのは・・・

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 ・・・このガーゴイル。 頭の上にも樋をのせ、さらに口にくわえた雨水の排水管・・・。

 お疲れさまです。

 昔の人の発想やユーモア感覚も、なかなかのもんだなぁ。

 

 しばらく、アミアンのお話、続きます。
どうか、おつきあいを。


nice!(45)  コメント(19) 
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コメント 19

ぷーちゃん

雰囲気出てるニャー、
ニャンコちゃん。
by ぷーちゃん (2011-11-01 20:52) 

HIROMI

ガーゴイル=雨樋というイメージが定着してしまいました。
最後の写真はもう、「美的」を捨ててるなあ。
by HIROMI (2011-11-01 22:51) 

母ちゃん

のどかな田園風景ですね~。旅をするにはパリは素敵ですが、住むには大変な事もあるんでしょうね~。
このあたりは先月のチーズの産地なんだ~、ととっても興味津々です(^^)
by 母ちゃん (2011-11-02 05:58) 

pace

ジュール・ヴェルヌの街ですね!
by pace (2011-11-02 09:32) 

laf

最後の写真、配水管は初めから付いているのですか。
by laf (2011-11-02 16:22) 

luces

すごい数のガーゴイルですね。
それぞれの表情が面白いです。
by luces (2011-11-02 19:39) 

TaekoLovesParis

アミアン大聖堂ですね!
行ってみたい場所です。
いろいろな聖堂にいらして、聖堂にくわしいInatimyさんだから、
記事楽しみにしています。
by TaekoLovesParis (2011-11-02 22:15) 

ami

車窓の風景、北海道の田舎と同じね(^_-)

最後のガーゴイルの配水管は後付けでしょうね・・・
それにしても雨水が 口から出るようになっているのが不思議です。
道歩く人にかかってしまうのでは?と思うのですが。
by ami (2011-11-03 14:52) 

Bonheur

一枚目のお写真の猫に目が釘付け!
昔実家で飼っていた猫「たみ」にそっくりです!色つきの部分と白い部分の位置も同じ。
私も田園風景を拝見してほっとしました。パリもちょっと出ると広々とした風景が見られていいなあ。

by Bonheur (2011-11-03 15:30) 

miffy

都会は何でもあって便利だけど、のんびりするには田舎が良いですよね。
どこまでも続く畑を見てるとやっぱりフランスは農業国だな〜って思いました。
アミアン大聖堂のガーゴイルもいろいろな顔していて面白いですね。
最後のガーゴイルは悪戯しすぎて罰を受けてるみたい(笑)
アミアンは行ったことがないので大聖堂の中も楽しみです。
by miffy (2011-11-03 15:32) 

MOCOMOCO

そうですね~^^オランダは車掌からの風景、まっ平らですもんね♪
大聖堂のガーゴイル、いろんな種類があるんですね。
ガーゴイル探しするのだけでも楽しめそう♪
一番最後の写真のは、かなりのインパクトです^^;
by MOCOMOCO (2011-11-04 20:27) 

てんとうむし

一番最初の猫ちゃん、可愛いなぁ。。。
2.3日前に投稿ビデオ番組のペット部門の映像で、家の中でじゃれて遊ぶ猫をたくさん見て、猫が恋しくなっていたところでした。>どこに何があるか、前の夜に地図を見たので、だいたい頭に入ってる。
っていうのが、いつもすごいな♡って思うの。
「アミアン」という町の名は、ときどきフランスの小説で見かける地名なので、実際にはどんな街並みなのか興味いっぱいで写真を眺めてます^^
by てんとうむし (2011-11-04 21:54) 

カエル

沢山の種類のガーゴイルがあるんですね。
口から出るの私も見てみたいな。
横長の大地は魂が喜んでたのかもね。涙出ちゃうくらいにね。
たまに郊外散策もいいかもね。
by カエル (2011-11-07 00:48) 

Inatimy

→皆さま 
『列車に乗って知らない街へ』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 今日11月8日のフランス、また列車のストライキで一部運行本数減ってます・・・。 行楽の秋なのになぁ・・・。

→ぷーちゃんさま 
街の猫、驚かさないように、こっそり撮影です♪

→HIROMIさま 
雨樋じゃない怪しげな生き物はキマイラっていうんですって。 最後の写真の顔、スゴイですよね~。 たくさんあるなかで、誰か見つけてくれるかな、って作った人、思ってたかも。

→母ちゃんさま 
都会慣れしてない私には、大きすぎますねぇ・・・パリ。 基本、住めば都で、いいところもたくさんあるんですよ♪ そうか、チーズ屋さん、のぞいておけばよかったなぁ~。 

→paceさま 
そうなんです、ジュール・ヴェルヌ♪ でもそこまで時間がなくって、関連する建物までたどり着けませんでした・・・。 

→lafさま 
どうなんでしょうね~、最初からついてて、排水管をその都度交換してきたのか、それとも途中からなのか・・・。 でも、あの顔は見事です♪

→lucesさま 
同じ顔や表情はなく、ひとつひとつ違うんでしょうね~。 もっとじっくり見て行ったら、さらにスゴイ作品があるのかも♪ 

→TaekoLovesParisさま 
いえいえ、私はまだまだちっとも詳しくなくって、記事を書くたびに検索かけて調べてるんですよ・・・苦手な言語を複数駆使して悪戦苦闘・・・。 しばらくアミアンのネタ続きます~。

→amiさま 
ふふ、北海道、そうそう、なだらかな丘が見えたり♪ ガーゴイルは突き出るように取りつけられてるので、雨の日は下通るとかかりますよ♪ チェコのプラハにあるヴィート大聖堂に入るのに雨の中並んでたんですが、傘の上にチョロチョロ・・・でした(笑)。

→Bonheurさま 
可愛いですよね、この猫♪ もっと近寄りたかったけれど、門の向こうの敷地内で、頑張ってズームしました♪ パリから1時間ほど出ると、やっぱり違いますね~風景。

→miffyさま 
都会は何でもあるけれど、本当に私がほしいものがないんですよねぇ・・・。 暮らすなら大きな街の近くにある小さな村がいいなぁ(笑)。 フランスは農業国だけど、農産物の中には高額なものもあって仰天。 オランダで2ユーロもしなかった白菜がパリでは5ユーロ近いです・・・。 中華街まで出向くともっと安く手に入るんですけどねぇ。

→MOCOMOCOさま 
そうなんですよね、オランダはまっ平らで、たまに色つきの花畑♪ ガーゴイルをたくさん見て、だんだん目が慣れてくると、もっともっとと珍しものを求めちゃって(笑)。 

→てんとうむしさま 
猫、もう飼うことはないの? あ、金魚ちゃんがいるから危ないか・・・。 地図見て自分で動けるようにしておかないと不安で(笑)。 ふたり揃って、どこだろうね~・・・はマズイし。 アミアン、なかなか可愛い街よ。 ブルージュっぽいエリアも一部だけあるし(笑)。 あとで、まだまだ写真出てくるからお楽しみに♪ 

→カエルさま 
口からジョロジョロ~って水を吐く姿もなかなか可愛いもんですよ~。 横長の風景とは逆に、パリの街で高いところに上ってぐるりと見た時は、ちょいとショックでした・・・。
by Inatimy (2011-11-08 21:41) 

yuka

ガーゴイルも大変ねぇ。
by yuka (2011-11-11 17:06) 

りゅう

そういえば、ガーゴイルってどういう怪物?(悪魔?)なんだろうって、
ふと、思い、ネットで調べてみました。
でも、やっぱり、わかったようなわからないような。。。(^_^;)
by りゅう (2011-11-13 22:14) 

Inatimy

→yuka さま 
ガーゴイルもプロですからねぇ・・・。

→りゅうさま 
水を吐く口がある像がガーゴイルで、ほんと、いろんな怪しい姿があるんですよね~。 羽のある怪物だったり、普通の人の姿だったり、動物だったり。
by Inatimy (2011-11-14 20:57) 

ネム

雨どいを加えたガーゴイル、なんともスゴイ状態ですねぇ。
もし、家を建てることがあったら(ないけど…)
間違いなく夫がこういうのを付けたがりそうです(笑)。
by ネム (2011-11-22 01:22) 

Inatimy

→ネムさま 
雨樋くわえたガーゴイルのある家・・・面白そうだわ~。 でも気持ち分かるかも。 私も家を建てることがあったら(ないけど・・・)、お風呂の床や壁はモザイクで、窓にはステンドグラスをちょこっと入れて、ライオンの口からお湯が出るのがいいなぁ・・・なんて思ってしまうから(笑)。
by Inatimy (2011-11-23 21:16) 

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