あの頃、あの場所で、写真家が見たものは [フランス・パリ]
荷車を引いた人に、ついて行った。
もうその人は、いなくなっちゃったけどね。
メトロの駅でパネルを見かけて、ずっと気になってた写真展へ滑り込むように駆けこんだ。
"Doisneau, Paris les Halles" 《 ドワノー、パリ レ・アール》
パリ市庁舎にて、2012年2月8日~4月28日開催で、すでに終了。
入場無料だった。
冷たい雨の中、1時間半待ちの札が立つ場所から並んだけれど、
思いのほか早く進んで、45分後には会場の中へ。
写真家 Robert Doisneau ロベール・ドワノー(1912-1994)。
今年2012年は、生誕100年にあたる。
名前を聞いても誰だか知らない人でも、パリの市庁舎前のキスの男女の写真なら、
なんとなくポスターやポストカードで観たことがあるのでは。
この写真展は、ロベール・ドワノーが撮った市場レ・アールの様子。
その市場で働く人の数、5000人以上だったそうな。
一番下の花屋さんの笑顔が好き。
メトロの駅名にも見られるLes Halles レ・アールは、パリ1区。
丸屋根のBourse de Commerce 商品取引所、
飛梁の美しいÉglise Saint-Eustache サントゥスタッシュ教会、
ショッピングセンター Forum des Halles フォーロム・デ・アールのあたりには、
1969年まで中央市場(卸売市場)があった。
建築家 Victor Baltard ヴィクトール・バタール(1805-1874)により、
1851~1870年にかけて建てられた鉄骨とガラスの棟。 その数、12。
肉、チーズ、魚・・・と棟によって分かれていたらしい。
パリの南7kmあたりに新しい中央市場 Rungis ランジス が完成した後、
レ・アールの市場は解体されていった。
でも12棟のうちのひとつ、卵と家禽肉(鶏肉など)の市場だった第8棟は、
パリ郊外のNogent-sur-Marneノジャン=シュル=マルヌに移され、
劇場として使われてるらしい。
市場の建物が壊された後、再開発されていく様子。 1971年。 クレーンが数本並ぶ。
左の丸屋根が商品取引所。 右がサントゥスタッシュ教会。
セーヌ川の水を引き込んでか、教会や商品取引所の前には、船が行き交う港町風の模型。
オランダの運河が好きな私としては、こんな案が採用されてもよかったなぁ。
2010年7月のレ・アールあたり。 イノサンの泉のある広場から見たところ。
最近そのあたりへは行ってないけれど、
さらなる再開発プロジェクトで、一部工事中らしい。
地下のショッピングセンターも、地上の公園も生まれ変わるそうな。
予定では、工事は2016年まで続くらしい。
2010年7月、フォーロム・デ・アールの端から西側を見たところ。 Kamoさん撮影。
レ・アールの中央市場が閉鎖されてから10年後の
1979年にオープンしたショッピングセンターだから、もう築30年以上経つんだね。
斬新なデザインに見えても、老朽化してるんだなぁ。
2010年7月、Rue Rambuteau ランビュトー通りから見たサントゥスタッシュ教会。
ロベール・ドワノーの写真では、角に木箱が山積みだったり。
も少し行った教会の横には、荷下ろしのためか、ズラリとトラックが並んでいたり。
シトロエンのトラックが多いね、って写真見ながらKamoさんと話してた。
市場に来る人の写真では、ハイヒールにハンドバッグ姿の女性もいて、
そういうところにもパリを感じてみたり。
かと思えば、市場の後、道端に廃棄された野菜の中に、
まだ食べられそうなものを探して拾う人たちの姿も。
これもまたパリ。
昨年の12月に買った我が家の2012年のカレンダーは、
偶然にもロベール・ドワノーの撮った子供たちの写真のもの。
"JEUX D'ENFANTS" 《子供の遊び》。
買った時は、誰のか全く意識してなかった。
ほんの数日前に本屋さんでロベール・ドワノーの撮った子供の写真集を手にし、
あ・・・もしかして・・・と家に帰ってからチェックして判明。 4か月も知らずに使ってた・・・。
最初から、この写真展を見に行くことが決められていたかのよう。
パリで先にご覧になって、お勧めしてくれたカエルさんにも感謝。
日本でも今、ロベール・ドワノーの生誕100年記念写真展が開催されてるとか。
東京都写真美術館で、5月13日(日)までらしい。 機会があればぜひ。
東京都写真美術館のある恵比寿といえば、私にはトンカツの思い出♪
Doisneauでドワノーと発音するんですか。ドワシュノーとか読むのかなと思いました。フランス語は発音しない文字が多いですよね。大学時代はそれで苦労しました。
by HIROMI (2012-05-01 23:29)
えっ!ドアノーの写真展やってたの?
私も行きたかった~・・・と思ったら、最後に東京写真美術館のお知らせが♡
ありがとー、大好きなんだ。
私も観に行こう♪
by noriko (2012-05-01 23:32)
シトロエンのトラックですか~今はどこのが多いのかな。
素敵なカレンダー♪
私のはマウスのカレンダーです。
by めぎ (2012-05-02 04:10)
モノクロでも活気あるちょっと懐かしい感じの市場の雰囲気がよく伝わってきますね♪
恵比寿に美味しいトンカツ屋さんありましたっけ^^
by MOCOMOCO (2012-05-02 08:59)
パネルの写真がとても魅力的です。
ピカソの写真はこの人の作品でしたか。
by luces (2012-05-02 11:39)
横浜に住み始めてわずか5年ですが、それでも刻々と町の風景が変わって行きます。
大きな町は移り変わりが早いですね。
というより、子どもの頃より時間の流れが早いような。。。
by ネム (2012-05-02 19:47)
日本では「ドアノー」って表記してます。モノクロ写真が人々を活き活きと見せてくれますね。数年前「日本橋三越」で、10年くらい前、新宿小田急百貨店で、展覧会があり、行きました。人々の生活のストーリーが感じられて、見ながら、いろいろ想像しちゃいますよね。
写真展、好きなんですけど、見てるわりには、自分の写真に反映してない、って言われてます。
by TaekoLovesParis (2012-05-03 20:27)
ドワノーの写真展見たかったな~
包丁持ってるおじ様の左手にあるのは豚の頭?
熊みたいに見えるけど・・・
モノクロの写真は人の表情が良くわかっていいですね~
by miffy (2012-05-03 20:42)
→皆さま
『あの頃、あの場所で、写真家が見たものは』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 今日も曇り空に雨・・・雷もゴロっとなったり。 明日日曜はフランス大統領選挙・・・天気もっと悪そうだし、投票率、どうなるかなぁ。
→HIROMIさま
短い発音の割りに書くと綴りが多くって。 長い単語なのに、読むと一瞬だったり。 フランス語はホント手ごわい・・・苦労の真っ只中で頭抱えてます。
→norikoさま
メトロの駅で気になってた割には、終了期間寸前に駆け込み(笑)。 東京写真美術館に観に行ったらまたブログで様子教えてね~。
→めぎさま
今はシトロエンも多いけどルノーも多いんじゃないかしら。 カレンダー買っちゃうと、あとで雑誌についてたり、日本から送られてきたりで、なぜか今年はカレンダーだらけ。 もらえるからいいや、と思うと、ひとつも手に入らなかったりして慌てて買うはめに(笑)。
→MOCOMOCOさま
カラーの写真もあったけど、展示はほんの少し。 モノクロだから余計にそこに映ってるものが何なのかしらとじっくり見てみたり。 恵比寿にトンカツ屋さん、いろいろありますね♪ 家でトンカツ作ると、とき卵やパン粉つけたあと、余るのが困ったり(笑)。 なので外で食べるのが好き~。
→lucesさま
へ~、ピカソの写真、撮った人だったんだ・・・って、ホントよく知らずに観に行ったんですよ。 へへ。 ボーダーシャツのピカソ、なかなかいいですね~。
→ネムさま
日本に一時帰国するのがだいたい2年ごとなんですけど、帰るたびに街が変わって、店が出来てたり、なくなってたり。 駅が新しくなってた時は、構内で迷いました・・・。
→TaekoLovesParisさま
日本での表記は「ドアノー」でしたか。 フランス語を日本語にするのって難しいですよねぇ。 そんなに有名な人だったとは・・・よく知らずに観に行った写真展でしたが、本当に面白かったです。 特に市場って私好きだし♪ Taekoさんの写真も、私好きですよ♪
→miffyさま
包丁持ってるおじさまは、お肉屋さんで、豚の頭です♪ ほかに鹿を背中に担いで持って帰るおにいさんとか、なかなか日本じゃ見られない光景がいろいろ。 カラーじゃなくてヨカッタ~と思うようなお肉の塊がぶら下がった場所とかも(笑)。
by Inatimy (2012-05-06 06:51)