そわそわと落ち着かない５月の始まり [花・植物]
出会い、って不思議。
たとえ同じ時代に生まれても、
同じ街に住んでいても、
生涯まったく接点を持つこともない人もいれば、
遠く遠く離れていても、
直接会って顔を見たことがなくても、
話が合ったり、身近に感じたり、同じことで笑ったり。
交差するタイミングって、なんだろうね。
５月に入った晴れの日、行った場所には、Clematis クレマチスの花が咲いていた。
ギリシア神話に登場する王妃の名前でもあるそうな。
ゼウスの孫にあたるこの女性は、
女神レトに子だくさん自慢（男児７人、女児７人）をして怒りをかい、
レトの子供アポロンとアルテミスに子供を全員殺され、悲しみのあまり石に・・・。 ドロドロのドラマのよう・・・。
４月はずっと天気が悪かったから、こんな日に家にいるのはもったいない。
そろそろかな、と会いに来たお目当ては・・・
・・・Iris アイリス。 でも、まだまだツボミが多かった。
'Spreckles'という品種。 なんて意味だろうなぁ・・・人名からなのかな？
アイリスは、アヤメ科 アヤメ属。
日本だと、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブなどと同じ分類。
アイリス 'Avalon Bay' ・・・アヴァロン湾？
爽やかそうなブルー。 脱皮しかけみたいな姿。
こっちは・・・ちょっと息苦しそう。
撮ったのは、葉っぱが珍しいから。 緑に白が入ってる。
Iris pallida アイリス・パリダ で
'Argentea Variegata' ‘アルゲンテア・バリエガタ’という品種。
アイリス・パリダは匂いアヤメとも言われてるらしく、
香水も作られたりするよう。
アイリスはマツタケの香り ・・・以前、yk2さんがそうおっしゃっていたのを思い出した。
この日は、咲いてるアイリスの花自体がほとんどなかったので嗅いで試さなかったけど、
まさか、マツタケの香りの香水？
・・・いや、きっと匂いアイリスは別で、もっともっと香しいんだろうな。
アイリス 'Sapphire Gem' 。 本当にサファイアのような青さ。
gem という英単語は、「（特にカットして磨いた）宝石」という意味だけど、
原義は「つぼみ」というのも面白いところ。
このアイリスは、とっても背が低く、20cm~30cmくらいだったと思う。
上から見たところ。 アイリスの花は、外側にたれる花びらが３つ、上に向く花びらが３つ。
チューリップと違ってて、また興味深い。
花びらに、チロッと出てる舌のようなふさふさがあるのも好きなポイント。
黄色の花は、Iris pumila イリス・プミラというアイリス。
これも背が低く、10~20cm ほど。
クリミア半島やコーカサスあたりが原産だとか。
黄色というと、どうも水仙のイメージの方が強いなぁ。
ちなみに我が家のアイリスは、まだまだ葉っぱばかり。 背は高いのに。
どんなふうに茎から成長してツボミが出てくるものなのか、
この日、ここでそれが見られただけでもヨカッタ。
アイリスに限らず、春は植物から目が離せない。
花の時期を逃したくないからね・・・って、なんて欲張り。
Geranium renardii ゲラニウム・レナルディ。
コーカサス原産。 原種のゲラニウムらしい。
大きく見えるけど、花のサイズは直径約3cmほど。
地面の低いところに生えていた。
フウロソウ科 フウロソウ属。
Euphorbe characias ユーフォルビア・カラキアス。
トウダイグサ科 トウダイグサ属。
高さ1m あまりほど生い茂っていた。
中央の色が渋め、ワインレッド。 ラッピングした花のように見えるのが可愛い。
それとも、エリザベスカラー？
多種類の植物がわんさかと生えている場所なので、
チェックしたネームプレートが別のものだった、ということもしばしば。
なので地道に検索。
たぶん、Brunnera macrophylla ブルンネラ・マクロフィラ・・・かな？
ムラサキ科 で、これもコーカサス原産のよう。
とっても小さなブルーの花。
Salvia greggii サルビア・グレッギーの'Alba' ‘アルバ’という品種。
シソ科 アキギリ属。
ホワイト・チェリー・セージとも言われてるそうな。
白い花も清々しそう。
こちらの白いふわふわに包まれたものは、
Achillea filipendulina アキレア・フィリペンドゥリナ。
キバナノコギリソウ。 そのツボミ。
名前の通り、黄色い花が咲くんだそう。 葉っぱもギザギザ、鋸だ。
キク科 ノコギリソウ属。
むにぃ～っと絞り出したかのような黄色は、
Phlomis fruticosa フロミス・フルティコサ。
別名 エルサレムセージ。
葉っぱがセージに似てるけど、セージとは属が違うんだとか。
シソ科 フロミス属。
この姿は、花の咲き始めで、やがて・・・
・・・にょろ、にょろ～、と、ところてんみたいに。 エイリアンぽくも見えるかな。
花の形って、面白い。
青い空に、ピンクの花。
Crataegus rhipidophylla = Crataegus oxyacantha 。
セイヨウサンザシ。
バラ科 サンザシ属。
桜の花が終わった今、こんなピンク色の花もあるんだなぁ。
セイヨウサンザシ、まったく気がつかなかった。
小さい花だし、私の頭上高く咲いてるから無理もないか。
見上げてると首がだるい・・・。
そのそばの白い花は、バラ科 リンゴ属。
Malus hupehensis マルス・フペヘンシス。
コホクカイドウ（湖北海棠）、ツクシカイドウ（筑紫海棠）と呼ばれてるもののよう。
やがて、赤い実がなるみたい。
４月に気温が上がらず肌寒い日々が続いていたせいか、
木々の葉っぱは、ゆっくりのんびり成長中。
まだまだ影絵を楽しめる。
この先には・・・
・・・アイスランド・ポピーの咲く場所。 アイリスを見ていたのは、パリの植物園の片隅。
陽射しがあまりきつくなくて助かったかも。
上を見上げると、スカスカ。 日陰を作るほど、生い茂ってない。
大進化陳列館の前に広がるアイスランド・ポピーの列。
ツボミも、花も、咲き終わりも、みんな勢ぞろい。
白、黄色、オレンジ色が多いけど、その中にあるピンク色や・・・
・・・淡いオレンジクリーム色も素敵。 春は、ふんわりしたイメージだから。
さて、いつものコースも周って行こうかな、と、
Le jardin de l’Ecole de Botanique 植物学学校の庭へ。
Polemonium foliosissimum ・・・ポレモニウム・フォリオシシムム？
ハナシノブ科 ハナシノブ属。
ここの庭も、あまり咲いてないかも。 まだまだこれから、って感じ。
花がなくても、カエルがいたり。
スズメのつがいが水浴びしたり。
正確に言うと、この灰色の頭のスズメは、イエスズメ。
池の一角には、透明プラスティックの筒に囲まれた Hippuris vulgaris スギナモ。
スギナモ科 スギナモ属。
それなりに気になるものがあったりするんだけれどね。
花に、白・ピンク・黄色。
垂れ下がった長い葉っぱは、Lonicera maackii ハナヒョウタンボク（花瓢箪木）。
スイカズラ科 スイカズラ属。
あっという間に、植物学学校の庭の西から東の端へ。
目の前にある葡萄園ものぞく。 つやつや若葉が美味しそう。
ふと見上げた先には、淡い黄色のギザギザの葉っぱ。
Tilia henryana ・・・ ティリア・ヘンリアナ？
英語では、Henry's Lime とも言うそう。 シナノキ属の中の一種。
光が透ける感じも好き。 いいもの、見たな。
今使ってるコンデジも、買ってもらって１年になる。 １年で撮った枚数8,260枚ほど。
↑ CASIO EXILIM EX-H30 。
バッテリーの充電なしで、１０００枚ほど撮れることが決め手だったように、
本当に気にせずパシャパシャ撮れる。
でも、いろんな機能があるんだろうけど、使ってないかも・・・。
撮りたいものがあったら押すだけ。 私には、これが一番楽。
植物園の後も、散歩は続いたけれど、それはまたいずれ。
ちなみに、この日、バラ園もツボミ状態だった。
花を見に、どこに行こうかと迷う週末。
天気はどうかなぁ・・・。
お散歩が気持ち良い季節ですね～。
東京は大丈夫だったのですが、横浜は雹が降ってびっくりな天気でした。
おとといは、群馬だったし。
顔はあわせたことがないのに、ブログから知り合ってツイッターうをする
お友達たちと、「今、雨が降ってきた～」とかたわいないつぶやきをし
距離は遠いけど、時間を共有している感覚、面白いです。
by ぴーすけ君 (2012-05-11 18:01)
この季節は、青い花が晴天に映えてきれいです。
クレマチス、アイリス...すてき。
by のん (2012-05-11 22:32)
パリと浜松。ほぼ同じ時期に同じ花が咲くんですね。
そろそろバラの開花が気になっているので私も来週は
また様子を見に浜松のモネの庭に行く予定です＾＾
やっぱり本家のモネの庭にも５月の終わりに行くのが正解だったかも。
紫陽花を期待しましょう。
by ミカチ (2012-05-11 22:40)
お陰様で、こちらはいなちゃんちより一足早く咲きました。
ジャーマン・アイリスはホント、手を掛けなくても、水さえ大してやらなくたってしっかり咲いてくれるので不精者なワタクシにはぴったりです。その割に、花は思いっきりゴージャスだし（笑）。
冬の間にすっかり枯れ果ててたアヤメ（ウチのは三寸アヤメって背丈30cm程度の小振りな種ね）の鉢に新芽が出た３月末から今日まで毎日、ずっとアンゼルムな日々だったよ～（＾＾。
明日、最後の蕾２輪が開いたら、今年の僕のアヤメはおしまい。１年ですご～く増えていっぱい咲いてくれたので、随分楽しめました。
いなちゃんちのアイリスも早く咲くといいね（＾＾。
by yk2 (2012-05-12 00:39)
この週末はお客様が来るので、まさに、天気はどうかなぁ・・・です。
クレマチス、いいなあ、こんなに綺麗に咲いて。
カエルさん、気持ちよさそうですね～
by めぎ (2012-05-12 00:57)
カエルは苦手だけど、このカエルは可愛いなぁ～♪
by 母ちゃん (2012-05-13 06:17)
いい季節になりましたね～♪
いろんなお花が咲き乱れていて楽しいです！
サンザシはうちにも濃いピンクのがあるのですが、まだ木が小さいので上から覗き込むことができます。そんなに大きくなる木だったんだ・・＾＾；
ポレモニゥム、確かうちでも植えてたけど・・いつの間にか消えちゃったかも。宿根草は翌年葉っぱがでてくるのを確認するまで、いつもドキドキします。
by MOCOMOCO (2012-05-13 12:54)
花いっぱい。いいお天気。
幸せな気分に浸れました。
by ＨＩＲＯＭＩ (2012-05-13 15:19)
パリはこの季節見どころ沢山だね！
お花をやり出してから道ばたの草花がすごく気になるようになったよ〜。かわいいよ〜。
名前がわからないけど、クローバーの近くに群生している紫のお花が好きなんだ〜。いつか調べようっと！
by カエル (2012-05-13 17:05)
人だけでなく、こーした花やカエルやスズメとの出会いも
タイミングがありますね♪
私もコンデジの機能を使いこなしてない…(^_^;)
by pica (2012-05-13 17:18)
それは、やはり「縁があるか、ないか」でしょうね～。
by angie17 (2012-05-13 18:57)
ホント出会いって不思議ですよね。
タイミングがほんのちょっとずれだだけで違うストーリーが生まれるんですものね～
今年みたいに季節が少しづつずれてるとタイミングも難しいですよね。
アイリスの蕾ってこんなにジックリと見たことなかったけど面白いですね。
子供の頃ならどうなってるんだろう？って一枚一枚お洋服を脱がせちゃってたかも(笑)
by miffy (2012-05-14 23:05)
自然界の脅威について書かれた小説を読み終えたばかりなので、この鋭いぎざぎざの葉っぱが気になって仕方ない～
by バニラ (2012-05-15 05:44)
マルス・フペヘンシス、きれいですねー。
見ていたら、心がほわんとしてきました＾＾
by hatsu (2012-05-15 06:47)
夏らしい花が増えてきましたね。
うちの近所では今ミカンの花が咲いています。
by luces (2012-05-15 12:31)
いろんな蕾がたくさん!!
うす緑色の葉っぱも蕾もみんな柔らかそうで、春の雰囲気たっぷりだね。
植物園にもブドウ園があるのは、さすがフランスだね!!
by noriko (2012-05-15 23:34)
綺麗・・・！
この季節は光もキラキラしてて、本当に美しいですね。
植物がすごく前向きでイキイキしてて、まぶしいです。
カエルさんの写真も良いですねぇ☆
by ネム (2012-05-16 00:26)
撮りたいときにパチリ☆
それが一番ですよね(^.^)
by 夢空 (2012-05-17 14:17)
→皆さま
『そわそわと落ち着かない5月の始まり』のお話に、たくさんのnice! ＆ コメントありがとうございます。 先日は29℃あったかと思えば、火曜には最高気温で13℃・・・あられも降った。 セントラルヒーティングゆえ、自分の好きなように暖房をつけられないので、フリースで寒さをしのぐ・・・今日、金曜は19℃まで上がる予想。 昨年の5月と大違い。
→ぴーすけ君さま
日本も雹や竜巻と荒れ模様だったみたいですね。 この春はどこか妙な天気。 と、ブログに遊びに来てくださる方々とこんな風にやり取りできるのも面白くって、不思議で、楽しいんですよね～♪ ふふ。
→のんさま
晴れた空、こちらでは、なかなかお目にかかれず。 曇天のほうが多いかも。 太陽の光が恋しいのは、植物も人間も同じですね～。
→ミカチさま
同じ時期に同じ花が咲く・・・かもしれないんですが、見てると、こちらの花って気温が低くても咲いちゃうところがあって。 この春、平均するとずっと最高気温が15℃くらい。 昨年の今頃は20℃以上あったのに。 6月に行っても、きっとモネの庭、花盛りですよ～。
→yk2さま
日本のアヤメやカキツバタ、花菖蒲など見てると、どうも水の近くってイメージなんですが、こっちのアイリスって乾いた地にはえてる種なんですってね。 アヤメのお話、ベランダの花が咲いたら読もうと思ってたけど、待ち切れず読んじゃいました（笑）。 花の構造が分かる今だから文章が何を指してるのか想像できますね～。 アンゼルムな日々、まだまだ続くかも。 時期が来たら、もっと大きな鉢に植え替えよっと。
→めぎさま
お客様の滞在の間、お天気まずまずだったかな。 クレマチスは私もいつかほしい植物なんですけど、難しそうですねぇ・・・。いつか庭がある家になったら、地植え挑戦しようかな。 カエル、たくさんいましたよ～。
→母ちゃんさま
さわったりはできないけど、見てるだけなら私もOK♪ あ、でもカエルは食べたことあるかも～。
→MOCOMOCOさま
サンザシ、桜の木かと思うほど大きかったですよ～。 頭の上の小さな花、撮るのに苦労しました（笑）。 春に植え替えや種まきのために袋入りの土を買ったんですが、なんだかわからない植物まで生えてきて、面白いので育ててます♪ 強いですよね、こういう植物は。
→ＨＩＲＯＭＩさま
我が家のはベランダにある鉢植えの植物や花ばかりだから、たまに大地に根を下ろした植物に会いに行きたくなります。 勢いが違いますね～。
→カエルさま
クローバーの近くに群生してる紫の花・・・たぶん、アカツメクサかな。 レッドクローバーとかいうみたい。 私も好き♪
→picaさま
スズメもカエルも出会いのタイミング、ありますよね～。 キレイな夕日もタイミングだし。 コンデジの機能って、私には多すぎ（笑）。 覚えきれない～。
→angie17さま
「縁があるか、ないか」・・・その縁っていうのも、なんだろう～？って気になりますよね（笑）。
→miffyさま
タイミングや選択の違いでコロッと別の道に進んじゃうけど、またあとでつながってたり。 不思議。 この春は、なかなか気温が上がらず、花の時期もズレ気味で。 アイリスの花、大きくて、花の奥へと吸いこまれそうな感じ～。 ふふ、一枚一枚お洋服を脱がせちゃ、ダメですよ～。 私も子供の頃だとそうしてたかも・・・。
→バニラさま
自然界の脅威とギザギザ葉っぱ、ふふ、どんなお話だったんだろう～。 丸い葉っぱもあれば、とがった葉っぱもあり、植物の形は美しいなぁ。 いろんなお話が生まれそう。
→hatsuさま
マルス・フペヘンシス、先日行ったらもう咲き終わっちゃってて。 これもタイミングなんだなぁ～って。 赤い実がなる頃、また観に行こうかな。
→lucesさま
夏らしい花が増えても、気温が低くって。 このまま涼しい夏になるのかしら・・・と。 ミカンの花も、いい香りがしそう♪
→norikoさま
何の動きも見られなかった長い冬の間に力を蓄えてたんだな～って、今思う。 凄い勢いで成長するんだね～。 でも、肌寒いよ～。 春なのに。
→ネムさま
晴れると青い空がどこまでも遠くまで、陽の光が心地よい、いい季節なんですが、今日も曇り空・・・。 晴れるって言ったじゃん！っと天気予報のハズレの多さに嘆いてます。 カエルさん、オタマジャクシももうすぐ孵る頃かしら。
→夢空さま
そうそう、今目の前にあるシーンを残したいんですよね～。 記憶よりも鮮明に♪
by Inatimy (2012-05-18 17:56)