バガテル公園のアイリス 2012 [花図鑑]
奥の方まで覗き込むかのように顔を近づけ、甘い香りに酔いしれる。
声は聞こえずとも、そっと語りかけてくるような何か。
花を知る。 自分を知る。 そんな対話のような花との時間。
BAL MASQUE ・・・ バル・マスケ 「仮面舞踏会」かな。
CAYEUX 1993
ヴェネツィアのカーニヴァルで見るような、
白塗りの顔のマスクに、帽子や羽根飾りの華やかな衣装って感じ。
LAND O'LAKES ・・・ ランド・オレイクス アメリカ合衆国にある地名のよう。
SCHREINER 1982
英語における O' って何だろう、と調べたら、of のことだった。
あと、アイルランド系の姓に付けられて、son of ~ 「~の息子」を表すみたい。
例えば、O'conner とか、O'Hara とか。
「風と共に去りぬ」の主人公 Scarlett O'Hara スカーレット・オハラも、
お父さんがアイルランド系の移民だ。
ALEXANDRINE ・・・ アレクサンドラン 「十二音綴り」?
COOK 1958
よく分かりにくいけど、十二音綴りとは、詩の一種みたい。
フランス文学でも使われてて、1行が12音節からなるそうな。
うっ・・・どの言語でも、音節って、苦手・・・。
STAIRWAY TO HEAVEN ・・・ステアウェイ・トゥ・ヘヴン 「天国への階段」
LAUER 1993
天国への階段・・・と言ったら、
もう 英国のロックバンド Led Zeppelin レッド・ツェッペリン の曲。
今でも好き。 静かに始まり、激しく盛り上がって、また静かに終わる。
HAUT LES VOILES ・・・ オ・レ・ヴォワル 「帆を高く」かな?
CAYEUX 1999
フランス語文 Hissez haut les voiles ! で「帆を上げよ!」となるらしい。
大海原を行く帆船のイメージなんだろうな。
CONJURATION ・・・ コンジュレイション ・・・ コンジュラスィヨン
BYERS 1989
英語で「まじない、呪文、魔法」
フランス語で「悪魔払い、陰謀、共謀」
どうして、こんな名前なんだろう?
言葉には、その言語の国にしかない観念もあるから、
イコールで他の外国語に訳すのは無理があるんだろうけれど・・・
その言語を話す人々にとっては、なるほど~って、納得できるものなのかしら?
FASHION STATEMENT ・・・ ファッション・ステイトメント 「ファッション哲学」
CAYEUX 2003
パリの街といえばオシャレなイメージがあるのかもしれないけれど、
日本の雑誌の特集に登場するような着こなしの人ばかりじゃない。
若い人は、いたってシンプル。 今の時期、日焼けだって気にしてない。
寒くなったり暑くなったり、極端だから、街の中のファッションもさまざま。
タンクトップだったり、軽めのコートだったり、それぞれ、着たいものを着るって感じ。
SERENE MOMENT ・・・ 「穏やかな瞬間」
SCHREINER 1998
青紫に縁取りがついて、山吹色も入ってる。 なかなか面白い組み合わせ。
私にとっての穏やかな瞬間って何だろ。
朝、窓の鎧戸を開けて、ベランダの植物を眺める時かも。
EVEN AFTER ・・・ イーヴン・アフター 「なおかつ、~したものの」?
KEPPEL 1985
例文を探してみた。
This garment retains its shape even after many washing.
この衣類は何度洗っても形が崩れない。
なるほど、even after って、そんな風に使うのね。
日本語の「~ても」って、短くても便利だなぁ。
ROUGE-GORGE ・・・ルージュ・ゴルジュ 直訳は赤い喉。 「ヨーロッパコマドリ」
CAYEUX 2001
先のEVEN AFTER とかなり似てる・・・。
ヨーロッパコマドリは、近所でたまに見かける。
ボディーは、この花のような紫色・・・ではなく、
灰色がかった淡い茶色のような感じなんだけれど、顔から胸にかけてオレンジ色。
DATE BAIT ・・・デイト・ベイト 意味は「男性にモテる可愛い女の子」らしい。
MEEK 1985
英語の bait って、
(釣針・わなに付ける)えさ、(人を)おびき寄せる物、おとり;誘惑
という意味をもつみたいなので、あまり良いイメージじゃないんだけれどなぁ・・・。
花はキレイな色なのに。
LA VIE EN ROSE ラ・ヴィ・アン・ローズ 「ばら色の人生」
CAYEUX 1999
本当に、このアイリス、バラの花の色みたい。
La vie en rose ・・・
フランスのシャンソン歌手 Édith Piaf エディット・ピアフの歌うのもいいけれど、
What a Wonderful World の曲で有名な
Louis Armstrong ルイ・アームストロング版もいい感じ。
KIND WORD ・・・ カインド・ワード 「優しい言葉」
KEPPEL 2000
平井堅の歌に「強くなりたい」というのがあるみたいで、
その歌い出しが ♪ 優しい言葉はかけないで・・・ ♪
PERFECT INTERLUDE ・・・ パーフェクト・インタールード 「完璧な間奏曲」?
SCHREINER 1983
間奏曲・・・私が知ってるのってあったかな・・・と探してみたら、
ビゼーのオペラ「カルメン」のなら聴き覚えがある。 ← 子供の頃、父がよく聴いていたから。
OVERJOYED オーバージョイド 「大喜びの」
GATTY 1994
花びらも、ちろふさも、白とレモンイエロー。
先のアイリスと似てるけど、こっちのほうがちょっとフリル度アップかも。
音楽へのつながりが多くなるけど、これは、やっぱり、
Stievie Wonder スティーヴィー・ワンダーの曲 Overjoyed 。
FALL FIESTA ・・・ フォール・フィエスタ 「秋の祭り」? 英語+スペイン語?
SCHREINER 1992
独特な色合い。 確かに秋の雰囲気がする。
スペインで住んでいた街にも秋に1週間のお祭りがあった。
マヨール広場での無料コンサートが楽しみで。
大聖堂の上に広がるシンプルな花火を屋根裏部屋から眺めたりもしたな。
HARVEST KING ・・・ ハーヴェスト・キング 「収穫王」?
SCHREINER 1990
HARVEST と聞いて思い出すのは、鈴木祥子のベストアルバム。
もう随分聴いてないので歌ってる人の名前も忘れていたけれど、← 検索して調べた・・・。
この人の「Swallow」って曲は好きだった。
TERRE DE FEU ・・・ テル・ドゥ・フ フランス語で「火の地」?
CAYEUX 1997
花びらの色が、まさに炎のよう。
炎の色って、酸素の量が関係していて、
赤い炎は酸素が少なく、酸素の量を増やすにつれ青くなっていくのだとか。
ふと、理科の実験で使ったガスバーナーを思い出した。
VITAFIRE ・・・ ヴィタファイアー?
SCHREINER 1968
ラテン語やイタリア語でVITAは、生命とか人生とか意味する。
+英語のFIRE で、「生命の炎」ってところなのかなぁ。
IMPRESSIONIST ・・・ インプレショニスト 「印象主義者、印象派の画家」
GHIO 1988
フリル度がさっきより高いかも。
このぐちゃっとした感じ、パーロット系のチューリップを思わせる。
それで思ったけれど、真っ赤なアイリスってないのかな? まだ見たことがない。
BRAGGADOCIO ・・・ 「おおぼら、ほら吹き」
KEPPEL 1996
なぜ? と、このアイリスの姿と名前を見くらべてしまう。
元はイタリア語のよう。 発音は、ブラッガドツィオ? 英語だと、ブラッガドシオ?
AFTERNOON DELIGHT ・・・ アフタヌーン・デライト 「昼下がりの情事」
ERNST 1985
Delightful afternoon だったら、「爽やかで気持ちの良い午後」なのにな。
微妙な違いが、大きな違い。
CORPS DE BALLET ・・・ コル・ドゥ・バレ 「ソリストを除いた舞踊団員」
HAGER 1998
日本語では、コール・ド・バレエっていうのかな。
wikipedia によると、群舞や大人数の情景担当するダンサーとあった。
淡いピーチピンクの花びらに、これまた淡いイエローと淡いパープルのちろふさ。
ほんのり淡いグリーンも見えて、なんともいえない色のハーモニー。
SHAYBISC ・・・ シャイビスク これは馬の名前かもしれない。
PLOUCH 1972
Biscay ビスケーという、1965年にオーストラリアで飼育された競走馬の子孫のよう。
一生懸命走り抜けた姿は、こんなに華やかだったのかもしれないね。
そうそう、馬と言えば・・・複数形になると紛らわしいフランス語の単語が。
馬 : 単数形 cheval シュヴァル → 複数形 chevaux シュヴォー
髪 : 単数形 cheveu シュヴー → 複数形 cheveux シュヴー
発音は違うけど、文章の中にパッと単語が出てくると、一瞬迷う。
だから、馬(uma)は、aで、髪の毛(kaminoke)はe と覚えることにした(笑)。
以上が、パリの西のブローニュの森にあるバガテル公園で撮ったアイリス。
1つ選ぶとしたら、どれがお好み?
☆ ☆ ☆
2012年のアイリス花図鑑は、これでお終い。
ネームプレートと照らし合わせて撮ったのは:
パリ植物園 : 42種類。
パリ花公園 : 12種類。
バガテル公園 : 24種類。 ・・・全部で78種類。 一部名前に自信ないけど。
ツボミや咲き終わりの分は、あまり撮ってないし、
名前をチェックせずに撮ってるのもあるから、実際に見たのは、これよりはるかに多い数。
来年は、どんなアイリスに会えるかな。
・・・って、まだ、この地に住んでいられるかしらねぇ。
いろんな色のアイリスがあって、感動しました。
生で見てみたいものです。
すてきな記事をありがとうございました。
by のん (2012-07-31 20:34)
沢山種類があって アイリスも素敵だなと思いました。
名前で『天国への階段』が 気になりました。
韓流ドラマを 思い出したのです。
by ami (2012-08-01 05:27)
素晴らしいアイリス図鑑の完成ですね~♪ こんなに種類があるんだと、ビックリです。
by 母ちゃん (2012-08-01 05:28)
美しいアイリスたち、どの色もいいですね^^
おでやかで上品な感じのアイリス。
お花たちは、見る私たちに話しかけていますね。
お花の名前も、それぞれに興味深く読ませてもらいました。
by アールグレイ (2012-08-01 13:04)
パーフェクト・インタールードの色が凄いです。黄色のグラデーション、初めてです。
私の好きな間奏曲は、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲です。しみじみいいです。
by HIROMI (2012-08-01 21:46)
とても華やかです。
種類もたくさんでコレクションし甲斐がありますね。
by luces (2012-08-01 23:05)
真っ赤なアイリス・・・まだ見たことないですね~☆
by 夢空 (2012-08-02 08:11)
ぽっくん、お出かけ用のコロンはアイリスなんですよ。ふふふ
by yuka (2012-08-02 16:49)
ひらひらのふりふりの種類がたくさん!
ずーっと眺めてたら、中間色が多い今回のアイリスの中でVITAFIREが際だって見えて気になりました。
濃いいろがちょっとチョコレートがかってるし^^
by noriko (2012-08-02 22:16)
ちょっと前のプラウド・トラディションのブルーが好き。
あと、デイト・ベイトはデートに誘う女の子って感じのピンクで可愛いなって思ったよ!私にはない色だけに羨ましい。
by カエル (2012-08-03 13:59)
→皆さま
『バガテル公園のアイリス 2012』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 こんなにもアイリスの写真載せちゃって、コメントに困っちゃうよねぇ・・・と思いつつも、コメント欄閉めることができず。 やっぱり、いろんな声が聞けてヨカッタです。
→のんさま
こんなにたくさんのアイリスがパリの公園に咲いてるなんて思わなかったので、意外な出会いでした。 日本にもジャーマンアイリスがたくさん入ってると思うので、いつか生で見てくださいね。
→amiさま
そうか、韓流ドラマで『天国への階段』ってあるんですね~。 『アイリス』っていうドラマも検索で知りました。 私が初めて見た韓流ドラマは『イヴのすべて』。 なので、チャン・ドンゴンだけは分かります♪
→母ちゃんさま
まだまだ図鑑と呼べるほど集めた種類は多くないんですが・・・全部は無理ですよね。
→アールグレイさま
花を見て思い出すこともあり、花の名前を調べて知ることもあり、いろんな影響を受けてます♪ 花のある暮らしは、やっぱりいいものですよね。
→HIROMIさま
「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲をyoutubeで探して何パターンか聴いてみました。 盛り上がりがいいですね~。 しみじみ、聴けます♪
→lucesさま
カレーライスを思わせるフォール・フィエスタも、なかなか面白いですよね~。 いろんなことを思い出させてくれる花です♪
→夢空さま
真っ赤なチューリップはたくさんあるのに、真っ赤なアイリスはないですものね。 逆に真っ青のチューリップはないかも~。
→yukaさま
ご無沙汰してます。 お出かけ用のコロンということは、お出かけしない時用もあるんですね~。 匂いにオシャレ♪
→norikoさま
私は「おおぼら」あたりもなかなかいい色の組み合わせで気になるところ。 カレーライス風のフォール・フィエスタもね~。
→カエルさま
プラウド・トラディションもいい色だったな~。 同系色の濃淡で目が覚めるようなブルーで。 デイト・ベイトは、私にもない色だ~。 さらにコル・ドゥ・バレの儚いような色も私にはないかも(笑)。
by Inatimy (2012-08-03 20:26)
アイリスもチューリップと一緒で多種多様ですね。
色は淡くて美味しそうな色合いが多いですね。
今回の中で好きだったのはデイト・ベイトとラ・ヴィアン・ローズ、カインド・ワードかな~
by miffy (2012-08-05 22:41)