花図鑑 ～トライアンフ系 ２～

 トライアンフ系の続きです。　

 キューケンホフ公園のチューリップを、くまなく全部撮ったわけではなく、パッと見て気になったものだけ。　もちろん、ツボミもなく、まだまだネギ状態のものもありました。　・・・・・・なのに、どうしてこんなに多いのかしら、と思うほど、まだ紹介できずに手元に残ってる写真たち・・・。

 Inspiration（インスピレーション）。　ピンクと白の2色の花びら。　あれ？ 花びらの枚数が5枚・・・。　本来は、6枚です。　

 インスピレーションの名を持つこの花から、パッと思いついたのが、なぜか、生ハム。　生ハムはスペインのが好き。　豚肉加工品店で、天井からぶらさがる蹄のついた何本もの脚。　燻製はされておらず、カビが付着して長期間熟成された独特のにおい。　食べると、かすかに鼻の奥をかすめる、お味噌のような懐かしい香り・・・いいなぁ♪

 ピンクから繊細な滲みを経て、白へ。　花びらには、ほんの少し、中央に縦線。　生ハムとは違った、チューリップらしい華やかな香りが漂ってました。　

 この花に似ているようで違うのが・・・　

 Dirk Scheringa（ディルク・スヒェリンハ）。　人名のついたチューリップ。　

 調べてみると、この方は、実業家で、DSB Bank(Dirk Scheringa Beheer) という銀行の大株主で取締り役。 この銀行、よくTVのコマーシャルでも見かけます。　オランダのサッカーチームAZアルクマールの代表者でもあり、より良いチームにと、かなり力を注いでる様子。

 上のInspiration（インスピレーション）とかなり似てるのですが、花びらの形が、こちらのほうが長くて尖り気味。　中のおしべの色も、こちらは、淡い紫っぽい色。　

 また、色違いのパターンでは、こんなふう・・・

 花の色は、白と紫。　名前は、Chansonette（シャンソネット？）。　フランス語で「小歌曲」という意味らしいです。　でも、聴いたことがあるのか、ないのか・・・それが、どんな音楽なのかは、恥ずかしながら、よく分かりません・・・。　　 　

 また、よくにてるのが、Rajka（ライカ？）。　こちらの花は、白と、微妙に色が赤紫。　ハンガリーの北西部にある村の名前に、同じものがありますが、関係あるのかしら・・・？　ちなみに、この村の紋章には、青緑色を背景に伊勢海老のような大きな海老がありました。　海老♪　　

 そして・・・

 Hemisphere(ヘミスフィァー？)。　意味は、北半球や南半球と言った時の「半球」。　底は白で、他はエアブラシで絵の具を吹き付けたかのような柄。　

 中央に鎮座するめしべ、そしてそれを取り囲むおしべ。　じっと見つめていたら、虫になった気分。　

 この花は、赤紫っぽいピンクと白ですが、 その色合いが様々。　白が強いものもあれば、ピンクが強いものもあり。　とてもにぎやかな感じです。　　

 さてさて、混乱するのが、ここからの赤と白のまだらシリーズ・・・ 

 まずは、Grand Perfection（グランド・パーフェクション）。　底の色は黄色です。　

 よくオランダの昔の静物画で、こんな色合いのチューリップを見かけます。　でも、この花は、2006年と、結構新しい品種のよう。　

 こんなに背が低い、小さなものも。　背の高いオランダ人に囲まれた自分のようで、なんだか、親しみ感じます・・・。　

 で、これにかなり似てますが・・・　

 Flaming Perfection（フレミング・パーフェクション）。　花びらを見ると、こちらのほうが白の割合が多い気がします。　白といっても、クリームっぽい白。　

 こちらにも背が低いのが・・・。　

　あと10cm、いや5cmでも背が高かったら・・・見える世界は変わっていたかも、とよく思います。　 当然のごとく、すべてがオランダ人の身長に合わせて作られた家の中でも、常に高さとの戦い。　

 キッチン台＆ガスレンジの高さで、食材が切りにくかったり、深鍋の底が見えなかったり。　椅子に乗ることなく使えるのは吊り戸だなの下の段だけ。　

 自分の目の高さより上にある部屋の明かりのスイッチ。　椅子とテーブルの高さをあわせるため、クッションを座布団のように重ねて座る。　

 洗面台が高くて、洗顔の度にひじまで濡れる・・・。　そして、顔を上げると、目の前にある鏡は、かろうじて首から上が映り、鏡の３分の２は、壁と天井が映ってて使えない部分のほうが多い・・・などなど。

 でも・・・背が低い分、天井までの高さが高くって、圧迫感がなく、窓も大きくて開放的に見えます。（掃除は大変だけど・・・。）

 さて、さらに、同じパターンのチューリップで・・・

 Carnaval de Rio(カルナヴァル・ド・リオ）。　スペイン語読みだと、（カルナバル・デ・リオ）。　こちらのほうが区別がつきやすいですね。　花びらの先が、滑らかではなく、ほんの少しギザギザ。

 そして、パターンが変わって、黄色と赤で・・・・

 Holland Queen（ホランド・クウィーン）。　ちなみに、一重遅咲きにHolland King （ホランド・キング）という淡いピンクレッドのチューリップがあります。　

 この黄色は、Yellow Flight（イェロー・フライト）。　こんなふうに、他のと違って、ちょっと緑が入ってたりすると、気になって撮ってしまいます。

 ここまでのチューリップと違って、横から撮っても、ぎっしり詰まった感じがありますね。　　

 そう、この品種は、それほど背は高くなく、低いほうです。　なので、葉っぱが、おしくらまんじゅう状態。　　

 一方、ちょっと薄めの黄色のこちらは、Kikomachi(きこまち）。　日本の品種、黄小町です。　このときは、まだまだツボミのものが多かったのですが、咲くと大きな花を咲かせるそうです。　

 富山県が1965年に生んだチューリップで、富山での生産量も一番なのだとか。　オランダで、日本のチューリップに会えるなんて、うれしいですね。

 同じ黄色でも、つやつやで、この時期、華やかに開いていたのが、Milo（ミロ）。　ここまで、開ききると、もはやチューリップには思えない花の形です。　

 で、これも、本当にトライアンフ系なの・・・？って思うのが・・・

 Yellow Crown（イェロー・クラウン）。　花自体は、小ぶりですが、波打つような花びらを持ちます。　私は、結構好きなんです。　　

 なぜかというと、この形・・・シュウマイを思わせる愛らしい姿。　この写真なんか、中央のめしべの緑が、グリーンピースのようです。　花束でほしいくらい。（海老シュウマイを添えて。）

 でも、色が変わると、がらりと雰囲気も変わって・・・

 Witty Picture（ウィッティー・ピクチャー）。　ふわふわドレスのような甘い感じ。

 シューマイからふわふわドレス・・・これも、いろいろ楽しめるチューリップですね。　

タグ：tulpen トライアンフ系 Keukenhof

コメント 22

日本名のチューリップがあるなんて全く知りませんでした。
黄小町、和の雰囲気がある良い名前ですね＾＾
by いさ (2008-06-21 03:38) 

美しいですねえ。
by mustitem (2008-06-21 07:55) 

家具付きじゃない家を借りれば、台所など自分で取り付けますから、自分の背の高さに調節できるんですよね。うちは台所二つあるんですが、うちのドイツ人の方は彼にあわせてものすごく高くて私が料理しようと思ったら爪先立ちしないと行けないんですが、私の方は私のサイズで、彼は何をするにもかがまないとなりません。トイレも二つあって、私の方のは鏡も洗面台も私のサイズに取り付けてありますよ。
by めぎ (2008-06-21 08:11) 

背の高さ。確かに切実ですね。
私は日本に居ても不自由を感じることがございます。
デパートなどのトイレでバッグなどをかける取っ手が上の方についている場合、背の低い私は届かないでバッグをどこへ置こうか迷うことが度々。
ところで、Witty Picture（ウィッティー・ピクチャー）色も形もかわいい！！
by kojirou (2008-06-21 09:39) 

たくさんのチューリップたち、どれも本当に綺麗で
可愛くて、目移りしちゃいますね。。。
色の絵の具と白の絵の具をふでにつけて
描くトールペイントの描き方を思い出しました。
私は１６２センチ、かつて、それでもドイツ人の中に入ったら
一番小さい方だと思いました・・
by rino (2008-06-21 10:01) 

う～ん・・・ますます奥が深くなってきたチューりップの世界ですね。
トライアンフ系、種類がとても多いのですね！
エアブラシを吹き付けたかのようなヘミスフィアー、面白いです。あとエビシュウマイのようなイエロークラウンも変わってますね～。花束にシュウマイ添えてプレゼントって面白い発想だわ～（笑）
オランダ人はすごく背が高いから、そちらの生活様式に合わせると大変ですね。以前、オランダ人の知人宅に伺って、トイレをお借りしたときに、便座の高さにびっくりしました。踏み台を置いといてほしかったです＾＾；
by MOCOMOCO (2008-06-21 10:09) 

オランダではトイレもですがベッドも椅子も何もかも大きくて小人になったような気がしました。
南欧やアジアだと男の人でも自分と目線が同じなのでホッとします。
ヘミスフィアーもイエロークラウンも面白いですね～
同じシュウマイでもピンクにするとかわいく見えるのはなぜでしょうね＾＾
まだら系のチューリップって華やかな感じがして好きです～

by miffy (2008-06-21 10:40) 

Yellow Crown（イェロー・クラウン）に釘付け～になりました。
しゅうまいか～なるほどぉぉぉ。(^。^)

by 夢空 (2008-06-21 11:26) 

今回は可愛らしい花が続きますね。最後のYellow CrownとWitty Pictureは形も変わっていてしかも美しいです。これなら日本でも流行りそうです。


by luces (2008-06-21 14:13) 

Hemisphere面白い(* ´艸｀)
牛肉の霜降りのような
宇宙から見る地球の雲のような・・・
そんな柄だわｗｗ
by ぴーすけ君 (2008-06-21 14:15) 

チューリップの種類の名前までよく勉強（記録？）されてますね。
関心です！チューリップがかなりお好きなんでしょうね。
by Jalana (2008-06-21 15:35) 

一部でこれだけのボリュームですか･･･さすが、キューケンホフ。
写真を撮るのも骨が折れたでしょうね～お疲れ様でした。
by nao (2008-06-21 15:50) 

最後の写真は「かにシウマイ」って思いました（笑）
私もかなり"ちびっこ"なのですが、毎日ハイヒールを履いているのでみんなあまりそうは思っていないようで・・・でもたまにローヒールを履いていると、実際の小ささに驚かれます（爆）
by てんとうむし (2008-06-21 22:19) 

Chansonetteって、僕も詳しく知ってる分けじゃありませんけど、そんなに特別なものではないんじゃないでしょうか。

例えば、この可憐なチューリップに似合うのは、タイトルは知らなくても、誰でもメロディーは知ってるだろう、エリック・サティの“あなたがほしいの（ジュ・トゥ・ヴー）”みたいな曲かなぁ。

どんな曲？って思ったら、こちら↓で試聴可能です（#7と#25ね）
http://www.hmv.co.jp/product/detail/429773

大作のオペラなどに対して、数分で完結する短めの歌謡曲の走りの様なが小歌曲って呼ばれることが多いんじゃないかな？、と勝手に思っていますが。オペラ通のtaekoねーさん、この解釈間違ってる？（＾＾；。
by yk2 (2008-06-22 08:06) 

はい、オペラ通じゃないけど、yk2さんからバトンタッチされました。
シャンソン(Chanson）より小さい、つまり短くて軽いのが、シャンソネット(Chansonette）だと思います。
オペラで歌われる曲アリア(Aria)の小さいのが、アリエッタ（Ariette）だし、
語尾変化で、ちっちゃいっていう意味になるのでは。

yk2さんは、この花から、ジュ・トゥ・ヴー（この曲、よく広告に使われていますね）を思い出したんですね。ちょっとおしゃれで粋な配色がシャンソンを想起させるので、シャンソネットと命名されたのでしょうか。
by TaekoLovesParis (2008-06-22 08:48) 

キューケンホフ公園は本当に素晴らしいですね。Milo（ミロ）の黄色に私もみとれました。
by michael (2008-06-22 17:37) 

台所、嫁さんの身長（143）に合わせて、シンク下を切ってもらったのですが、嫁が死んでから、おじさんが料理。163のおじさん、腰に響きます。
今更、取り付けたのを高くできないので、短い時間の料理が中心。
高さって凄く大切な物です。
花にも、高さがあったのですね。
シュウマイチューリップ、気に入りました。
チューリップて、凄く種類があるのですね。
by laf (2008-06-23 07:23) 

赤と白のまだらシリーズは時々布製品のプリントで見かけました。
このチューリップ柄のプリントを見るとつい欲しくなったりして。。
by ミカチ (2008-06-23 13:05) 

チューリップって本当にいろいろとあるんですねえ。
by mustitem (2008-06-23 14:15) 

→appeldesu さま、Krause さま、xml_xsl さま、Nora さま、
nyan さま、satoe さま、ラナさま　
nice! ありがとうございます。　

→いささま　
富山は日本のチューリップの名産地のようで、他にも、オリジナルの和名のチューリップがたくさん。　他も、とても素敵な響きですよ♪　
　
→mustitem さま　
2回もコメントありがとうございます。　歌のように、赤・白・黄色だとシンプルに思っていた私には、初めてキューケンホフに行ったときは、とても驚きの連続でした。　以来、やみつきに。　

→めぎさま　
いいですね～、キッチンも、トイレも２つだなんて。　我が家は、前任者の後にそのまま入ることになったので、選択の余地なしでした・・・。
ふふ、でも、私のイメージでは、めぎさんも背が高そうな♪

→kojirou さま　
踏み台がほしいなぁ・・・と思ったこと、度々です。　スーパーに行っても、一番上の棚は届かないので、いつも、近くを通るおじさまがたにお願いしてます・・・。
　
→rino さま　
カリグラフィーでも、ペン先にインクを2色つけて花を描く方法があるので、煮てますね。　162cmですか・・・私には夢の160cm台です・・・。

→MOCOMOCOさま　
便座も高いですよね。　でもね、体のデカさの割には、トイレの個室面積が狭くって・・・私でも窮屈な時が。　シャワーの場所も狭いし・・・・不思議。

→miffy さま　
私も、スペインでは、それほど違和感感じなかったです。　服もあまり困らなかったし、髪のいろも茶系が多いし♪

→夢空さま　
夢空さんもシュウマイ好きですか？　海老シュウマイ、カニシュウマイ・・・あぁ、お腹が鳴ってくる・・・。

→luces さま　
この波打ちタイプ、オランダの花屋さんでも切花は置いているところは限られてますね。　近所では見かけたことがないかも。

→ぴーすけ君さま　
牛肉の霜降り・・・食べ物に例えるところに共感♪

→Jalana さま　
初めのうちは、チューリップだけ名前も分からず撮ってましたが、せっかくだから、と名前もチェックしだして・・・そしたら、とてつもない作業になってしまいました。　春は、チューリップで過ぎてゆきます。

→nao さま　
どうも、ご無沙汰してます。　何種類撮ったのか、自分でも数えてないくらいで・・・。　名前のチェックし忘れも、いくつかあるので、大変なことになってます・・・。

→てんとうむしさま　
あ、かにシュウマイ・・・そうかも♪　私もヒール履いてがんばろうかな・・・って、あ、ヒールのある靴、ないかも～。

→yk2 さま　
エリック・サティの「ジュ・トゥ・ヴー」がシャンソネットだったとは・・・。　昔、中学生の頃だったか、高橋悠冶のエリック・サティの作品集のレコードを買ったのです♪　それに入ってたはず。　それを買ったきっかけも、ラジオで、坂本龍一が弾いたサティのジムノペディを聴いたからで・・・。

→TaekoLovesParis さま　
ありがとうございます。　縮小辞ってやつですね。　
ジュ・トゥ・ヴー、曲は知ってても、曲名まで覚えてなかったので、これで、忘れないかも♪　　
yk2さんからTaekoさんへの見事な連係プレーに拍手です♪　
　
→michael さま　
期間限定でオープンされる時期は、かなり短いですけど、これだけのものを準備するとなれば、かかる手間もすごいでしょうし、納得できますね。　
来年も楽しみです。

→laf さま　
20cmの身長差では、かなり適正なキッチンの高さは変わってきますよね。　私は、肩にきますが、低すぎると腰に来るんですね。　高すぎると台でも置けば何とかなりますが、逆は、大変です。

→ミカチさま　
私もイラストで額に入ったものを持ってて、お気に入りなんですよ♪　
いいですよね♪　
by Inatimy (2008-06-24 06:59) 

すりばちのような形の遊具があります。ところどころに突起がついていて、つかまって昇ったり、滑ったりして遊びます。それを連想しました。
チューリップの形でそんな遊具があったら、私も遊んでみたいー。
ホワイトチョコだ♪と思ったらシューマイ。そうしたらもう、頭の中が
シューマイ、シューマイ、シューマイ…。
by はっちん (2008-06-25 11:01) 

→ami さま、blume さま　
nice! ありがとうございます。

→はっちんさま　
はっちんさんがデザインして、遊具の会社に提案してみるとか・・・採用されて、全国にそのチューリップ遊具が置かれて、いずれは、世界進出♪
オランダにも来るかしら、楽しみ♪　シューマイ型もね。
by Inatimy (2008-06-27 06:11)