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ズヴォレのミュージアム [オランダ]

 お昼を食べたお店の向かいには、ちょうどミュージアム。 「胡椒入れ瓶」の上から見た時に、緑の中庭があったところ。  

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 古そうな建物の正面上部には、飾りがいっぱい。 ここは、Stedelijk Museum Zwolle 市立ミュージアム・ズヴォレ。 この町の歴史と文化の展示物がいっぱい。 

 旧館のこの建物は、Het Drostenhuis といい、16世紀のもの。 当時、ズヴォレにある4つの地区のうちのひとつ、Voorstraat で、一番大きな家だったそうです。 この隣にミュージアムの新館があります。 ミュージアムカード持っているので、ここも無料で入れました。 

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 のカトラリー。 スプーンが深い。 裏側を見ると、柄の部分が別に付けられているのが分かります。 スープは一気にたくさん飲めそうだけれど、クリーム系のものを食べると、スプーンの内側部分がキレイに取れないかも・・・フォークは先が尖り過ぎてて、唇に当たったら痛いかなぁ・・・しかも、どちらもサイズが大きい・・・・・・と、使い勝手を想像しながら。

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 これは、どこかで見たようなデザイン。 ドイツのミュージアムでだったかなぁ・・・と食器の裏部分をみると、マイセン。 手洗いするのも怖いけど、食器洗い機にも入れられないなぁ・・・。 金の部分があるから、電子レンジもダメだ・・・と、庶民的考え。

 受け皿が、今のものより深め。 昔、珈琲などは、カップから一度受け皿に移してから飲んでいた・・・と聞いたことがありますが、これが、そうなのかも。

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 Het Drostenhuis の、使われてない正面扉の錠前部分。 展示とは関係なく、こんな部分も、とても興味深いです。 これを開ける鍵は、きっと大きなものだったんでしょうね。  

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 その廊下にあった絵。 これ、点描画なんです。 これを描いたのは、オランダの画家 Jo Koster(1868-1944)。 オランダ語のサイトで探してみると、この方、どうやら、女性のようです。 

 ロッテルダムのアカデミーで絵を学んだ後、肖像画家として働いた時期もあり。 1894年には、パリ、ブリュッセルへ渡ります。 当時は、ポスト印象派の時代。 その後、オランダに再び戻ってきます。 1902年には、このZwolle ズヴォレにも引っ越して来たそう。 上の絵は、1912年のもの。 1920年、1930年には、イタリア、フランス、スペイン、ドイツにも住んで、活動をしたのだとか・・・・・・と、かなり大雑把情報でスミマセン。  

 恒例、お気に入りの部分撮りにすると・・・

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 ・・・これが、私のお気に入りの一枚。 木靴を履いたおじさま、ストーブの上で、何を焼いているのかな? パンケーキ? 湯気の部分がとてもいい感じ。

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 古いお屋敷を使った展示なので、昔の生活が見られます。 部屋の片隅には、当時の女性の衣装。  

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 部屋をいくつか見ていくと、やがて、見えた中庭。 ここが、から見えていたところ。 ミュージアムのカフェがあります。 中庭の見える扉の近くには、階段下のスペース利用で、大理石らしき、小さな洗面台が。

 下の階で、最後に見たのは・・・

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 ・・・素敵なキッチン♪ 思わず、わぁ~っと声を上げそうになりました。 天井が高い。 

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 調理台には、昔の器具がそのまま。 銅製や真鍮製のものがいろいろ。

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 そこから、入ってきた場所を見たところ。 18世紀の裕福な市民の台所を見せてくれてます。 右部分奥に、地下室への階段が。 地下には、欠片も含め、ズヴォレで発掘されたガラス製品土器などが展示されていました。

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 壁には、クグロフ型のような、銅製の焼き型。 キッチンの奥には、さらにまた小部屋で、こんなポンプがありました。 食器を洗ったり、洗濯に使ったりしたのでしょうね。  

 先ほどの洗面台そばの階段で、2階に上ります。 

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 Blokzijlkammar ブロクザイルの間。 ブロクザイルは、ズヴォレの北東にある、現在人口1300人ほどの小さな村。 そこの17世紀の家の内装だそうです。

 さらに、他の展示室へ。 

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 左は、「H.Michael in Bloemenklans」というタイトルの17世紀の絵。 花輪にいるミカエル。 解説板に作者名はなく、アントワープという地名だけ。 なんとなく、ピーテル・ブリューゲルの二男、「花のブリューゲル」と呼ばれるヤン・ブリューゲルルーベンスと合作した「花輪の聖母」を思い出しますね。 

 右は、ステンドグラス。 わりと新しいもののようですが、こんな窓が似合う家っていいなぁ。 

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 展示には、ステンドグラスデザイン画もありました。 こんな窓、カッコいい♪ 窓全体でなくても、窓の上部少し入ってるだけで、ぐっと雰囲気が変わりますよね。 現代のオランダの家でもよく見かけます。 アンティーク市で、そのステンドグラス部分だけが売られてることも・・・。 

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 昔のGrote Markt の広場の様子。 「胡椒入れ瓶」の塔が見えますね。 左側は、聖ミカエル教会。 写真右の道が、このミュージアムがある通り。 今とほとんど変わらぬ風景。 これも、絵を一部撮りしたもの。 もともとの絵、Derk Jan van Elten (1750 - 1807)が描いた1782年の「De Grote Markt te Zwolle」は、この3倍くらいあって、大きいです。 

 この日、ミュージアムで見たものは山ほど。 全部紹介しきれないのが残念。 地方のミュージアムも、たっぷり見ごたえがあるので、楽しいですよね。

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 聖ミカエル教会の角にあった、ポンプ。 古いものが、さほど古く見えず、現代の町に自然に溶け込んでいるのが、素敵です。 まだまだ使えるのかしら。 このあと、デリカ&ワイン屋さんの店先で売ってたAustralianアイスマンゴをご馳走になり(Kamoさんのおごり)・・・さてさて、そろそろ帰らないと。 

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 帰路もまた、流れる景色。 車の中から羊を見て・・・・・・歯医者さんで始まった長い一日が終わります。

 で、今回、手に入れたもの・・・

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 右の青いのは、ミュージアムのパンフ(無料)と、胡椒入れ瓶の塔のある聖母マリア教会ガイド<1ユーロ(約150円)のスペイン語を選択>。 ミュージアムで買った絵葉書水筒。 ミュージアムの新館で水に関連する展示をしていたからなのか、クロークルームの片隅の自販機で売ってました、2ユーロ(約300円)。 町のお店で買ったお茶珈琲(豆)。 お茶は、シナモン・林檎・甘草(リコリス)の入ったもので、秋の香り。 珈琲苦くて深いロースト。 

 秋のお茶でも飲みながら、読まずにたまってる本でも読もうかなぁ・・・。 


タグ:museum
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てんとうむし

先日ヨーロッパのアンティークの食器や調度品、ステンドグラス、レースを見てきたから「あれ、またつながってる・・・」。
銀器や植民地でつくられた貝殻製のカトラリーを友達とふたりで瞬きしないで眺めてたの(笑)
ビルの中のごちゃごちゃした雰囲気も宝探しのようで楽しかったけれど、こっちのほうが素敵だなぁ♡

点描画の手前の女性は何か手仕事をしているのかな。
パンケーキが焼けたらお茶を淹れてひとやすみね。

by てんとうむし (2008-10-03 23:02) 

pica

ここも楽しそうなところですね。
古いお屋敷ってところが、より一層素敵さを
増している感じです。

…羊が一見、豚さんに見えました(^_^;)
by pica (2008-10-03 23:52) 

Krause

絵に描かれたストーブ、いいデザインですね。
by Krause (2008-10-04 05:04) 

夢空

お気に入りの一枚☆ストーブの上でお料理♪いいですよね。
キッチンも素敵~思わず声を、私も出しそーになります。
by 夢空 (2008-10-04 08:53) 

いっぷく

ドール・ハウスの中に入ってしまったような感覚におそわれるような
すてきなキッチン。カップの受け皿はそこに入れて適当に冷まして飲む形ですね。マイセン素敵ですね、使い込むと金の部分がはげちゃうんですよね。
たのしい写真ありがとう!

by いっぷく (2008-10-04 09:47) 

blume

ほぉ~( →_→)ジロ!
マイセンのカップとソーサー、ステキ~♡
キッチン、めちゃめちゃ可愛いですね!
眺めているだけで満足~(^^)

by blume (2008-10-04 11:33) 

rino

当時の土地の生活の様子がわかるのって楽しいですね。
衣装もすごくかわいい♪こんなの着て、こんな可愛いキッチンで
パンを焼いたりしてみたい・・想像は膨らみますね~
by rino (2008-10-04 12:18) 

rino

またまた登場です(^^)
前回のコメントにお答えして・・・。
私はベルリン駐在時代は、西ベルリンの美容室に時々行ってました。
東ベルリンでも、試しに数回行ったことあるかな・・。
カット技術やパーマのかけ具合など、日本とは随分ちがいましたが、
美容室体験も経験としては楽しかったです♪
しかし、ベルリン後半は美容室へ行かなくなり、(子供が産まれて行けなくなった)日本へ帰国する時はすごいロングヘアーになってました(^^;)
イラン駐在時代は、イランでは普通の美容室には行った事がありませんでした。なぜだろう・・?やっぱり上手ではないと思っていたからでしょうね。
ヨーロッパに休暇で出た時にパリで行ったり、そのほかは
日本人の美容師経験の方がいらしたのでその方に何度かお願いして
家に来て貰いカットしていただきました。それと、会社のドライバーさんの奥さん(イラン人)に髪染めをしてもらったこともあったわ・・。
ヨーロッパの美容室では最後に担当の方のところへ行ってチップを渡すのが、タイミングとか難しいな~と感じました~(^^)
Inatimyさんもオランダで行かれていますか?
長くなりすみません(^^;)

by rino (2008-10-04 12:38) 

yk2

Inatimyさんは「庶民的考え」なんて云うけど、オランダは庶民=市民が作った文化・風俗の国だからよろしいではないですか(^^。このキッチン、女性的には素敵なんでしょうけど、壁一面ダイヤのタイルは目がチカチカしちゃう(@@)。
by yk2 (2008-10-04 13:10) 

Bonheur

何から何までごっそり目を惹かれるものばかり・・・
「庶民的な視点」、私はいつもコレです。昔の食器類、見るの大好きですが、使い心地や管理のしかたなどに思いを巡らせてしまいます。
点描画も、大好きです。じーっと見てしまう。。丁寧な仕事は自分ができない分、じっくり眺めてしまいますね。
Inatimyさんの記事は、いつも何かの特集記事のように盛りだくさんなので、何度も見返してしまいます。
by Bonheur (2008-10-04 15:57) 

chercher

わぁっ♡ 素敵ですねぇ(*^^*)
当時の生活に思いを馳せますね♪
by chercher (2008-10-04 16:07) 

Roseblanche

こういうミュージアム、いいですね。
当時の生活や、様々な道具、食器、カトラリー。
オランダ人と日本人との体格の違いもあるのでしょうね…自転車と同じく。
見事なステンドグラスにもうっとりです。
住まいの一部にあしらわれていたら、それだけでどんなに素敵でしょう。

今回もお土産もなかなかのセレクト。
by Roseblanche (2008-10-04 16:11) 

miffy

キッチンとっても素敵ですね~
あの大きなお鍋でコトコトと煮込んだお料理はきっと美味しいでしょうね~
ブログザイルの間の暖炉や窓がまた素敵です~
by miffy (2008-10-04 16:40) 

ぴーすけ君

こういう場所、どきどきしちゃいます♪
どんな生活してたのかな~って想像するのが
好きなので、ワクワクかな(笑)
by ぴーすけ君 (2008-10-04 21:31) 

taniyan

キッチン&ダイニングが可愛いですね!
あと、広場の絵がいいです。


by taniyan (2008-10-05 18:54) 

TaekoLovesParis

古いお屋敷を使った展示って、いいですね。暮らしている感覚がわかりますよね。タイルやステンドグラスは家を建てるときがあったら、取り入れたいです。
by TaekoLovesParis (2008-10-05 22:19) 

Jalana

点描画は趣があっていいですね。
ところでスペイン語もわかるんですか?
by Jalana (2008-10-06 02:58) 

MOCOMOCO

素敵なミュージアムですね♪
ちょっと裕福な昔の家庭を垣間見させてくれて・・・^^
なんといってもキッチンが素敵~♪
点描画のパンケーキを焼いているところも良い場面ですね!
by MOCOMOCO (2008-10-06 08:01) 

hatsu

古いものが自然に溶け込む町並み、
ステキですね^^
秋の香りの紅茶、私も探してこようっと♪
by hatsu (2008-10-07 06:04) 

Inatimy

→xml_xsl さま、satoe さま、yukitan さま、
toraneko-tora さま、michael さま 
nice! ありがとうございます。 

→てんとうむしさま 
私も、てんとうむしさんの記事を見て、あれ~つながってた~と♪
点描画の女性はね、私も手仕事してるのかと思ってたら、
よく見ると、目の前にある平皿の上に乗せられたパンケーキを、
じっと見つめてただけだった(笑)。

→pica さま 
>…羊が一見、豚さんに見えました(^_^;)
ん~いい点ついてます。 羊さん、丸々コロコロと太ってますからね♪ 

→Krause さま 
こんなストーブがあったら、今は、ご自身でさばかれたお魚を、この上で調理♪でしょうか。 いい香りが漂いそうです♪

→夢空さま 
ストーブやキッチン、火のあるところって、気持ちまで温かくなりますね♪ 私も薪ストーブがほしいなぁ。

→いっぷくさま 
本当に、そのお言葉通り、ドールハウスの中に入ったかのようでした♪ 他の展示室には、親指の先くらいの大きさの、ミニチュアのケトルまで展示されてましたよ。 
やっぱり、この深いお皿は、珈琲を入れて冷まして飲むためだったんですね。 珈琲を飲み終わった後に、こんなにキレイな絵が見えるのも、素敵かも。 

→blume さま 
マイセンのこの絵は、昔の日常の一部を描いたもののようですが、とっても雰囲気が良いものでした♪ 普段使いは怖いので、私には目の保養です。

→rino さま 
昔の布地の柄も、とってもかわいくて。 キッチンにも、別のデザインの女性の衣装が飾られてましたが、火の光が強すぎて、うまく撮れなかったんですよ・・・。 

→rino さま 
私は、オランダの美容院は、まだ行ったことがないんですよ。 一時帰国のたびに、日本で短く切ってます。 なので、約1年分伸び放題。 
スペインでは行きましたが、一度、パーマまでかけた時、強くかかりすぎて・・・それはもう、泣きたいくらい。 美容師さんは自信満々だったので、ダメとはいえず・・・冬だったので、コートのフードをすっぽりかぶって帰りました。 人生で一番ショックだったかも。   

→yk2 さま 
目がチカチカするけれど、この四角いタイルの塗られた四隅でできるダイヤ柄が、私には、とっても不思議。 タイル一枚だけの時と、集団で集まって並んだ時と、柄がかわるんですものねぇ・・・。

→Bonheur さま 
ありがとうございます。 見るものが、なんだか珍しいものばかりで、時間が許せば、もっとゆっくり見ていたかも。 閉館時間があっという間でした。 

→chercher さま 
昔の人の生活は、とっても興味津々。 今ほど便利なものがなくても、人は暮らしていけるんですものねぇ。 自分の生活を見直したりして・・・。 

→Roseblancheさま 
テーブルと椅子の高さ、キッチンの作業代やシンクの高さ、扉の大きさも、日本人のサイズと、少し違うなぁ、という感じでした。 

→miffy さま 
床のタイル、暖炉のタイルもまた、各部屋違っていて見ていて楽しいです。 あのお鍋で、何を煮たのかしら・・・たっぷりシチューかなぁ♪ 
  
→ぴーすけ君さま 
今でもゆったりと時間が流れる感じなので、昔の人々の生活は、仕事は大変でも、もっとのんびりしてたのでしょうね。 テレビもなく、食事の時は、皆でお話してたのかしら。 

→taniyan さま 
taniyan さんが住んでおられた茅葺屋根のお家も、素敵なキッチンだったのでは・・・と想像してたんですよ♪ 

→TaekoLovesParisさま 
私も、タイルとステンドグラスは・・・と思ってます♪ 他に、バスルームの床か、バスタブの底に、モザイク画♪ 

→Jalana さま 
実は、英語よりスペイン語のほうが日常生活大丈夫です。 英語・ドイツ語・オランダ語などのゲルマン系の言語は、向いてないかも・・・。 努力が実力に比例しなくって・・・。 スペイン語は、母音が日本語と同じ5つなので発音は楽です♪

→MOCOMOCO さま 
こんな風に、誰かに焼いてもらう、っていうのが特にいいですよね♪ キッチンの音を聞きながら、いい匂いで目覚めたり・・・でも、実際にそんなことがあったら、あ、起きなきゃ!とあせってしまいますが・・・。

→hatsu さま 
秋の香り、冬の味・・・紅茶で季節を楽しむのも贅沢なひと時ですよね♪
by Inatimy (2008-10-07 07:41) 

Inatimy

→newyork さま 
nice! ありがとうございます。 
by Inatimy (2008-10-09 17:41) 

Inatimy

→SpeedBird さま、nao さま  
nice! ありがとうございます。
by Inatimy (2008-10-13 06:07) 

Inatimy

→whitesox さま 
nice! ありがとうございます。
by Inatimy (2008-10-16 19:13) 

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