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裏道から宝探しに [雑貨]

 パリを知るには、何がいいだろう。 

 美術館博物館も楽しいけれど、もっと暮らしの見えるものは・・・と考えて、
 パラパラとガイドブックや雑誌をめくる。

 でも、紙の上だけではねぇ・・・と、何かを見つけに外へ。
 行動から始めるのが一番いいのかも。

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 ある日、出かけた先で、なんとなく引力を感じて横道へ。

 あらら・・・。 よく見ると、薄い板みたいなので作られてる。
 屋根に使われるスレート(薄い粘板岩)っぽいものかも。 
 最近は計量化した化粧スレートと呼ばれるものもあるらしいから。 

 多種類の緑色使いで素敵。

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 フランスの建物って、どこか凝ってる。 カクカクまっすぐではなく、曲線入り。
 カーブ、ジグザグ、凸凹、装飾・・・

 これだけ街にデコレーションが多いのに、なぜか服装はシンプル&シック。
 黒や茶色など暗い色が多い。 

 パリには太った人はいないんでしょ?   ・・・というのは、友達の言葉。

 当然、そんなことはなく。
 日本のファッション雑誌が見せる世界といのは、かなり部分的。
 パリの特集だと、どの記事を見てもオシャレなスリムな女性ばかり。
 キリっとしてて、化粧バッチリ。
 でも、それが本当のパリのすべてじゃないんだけれど。

 服装は、オランダのほうが、かなり色使いが多いかな。 色を楽しんでる感じ。
 ・・・その色の合わせ方が、すごく強烈だとしても。

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 バルコニーがない分、窓の手すりにプランターを。 

 ドイツの家の窓辺には、ペチュニアの赤い花がたくさんあったけど、
 パリでは、花より何か緑の植物が多い気がする。

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 ほら、ここも。 窓の上の青と緑のタイルもキレイよね。
 さて、ふらふら歩いて、この先は・・・

 クリニャンクールは危ないからね。

 そうフランス人にも忠告され、怖がりの私はまだ、パリ最大規模蚤の市にも近づけてない。
 ま、何も最大規模でなくても雰囲気を楽しめればいいか、と
 それより小さめの蚤の市に行ってみた。

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 それが、Vanves ヴァンヴ蚤の市。 パリの南の端。 

 耳を澄ますと、ドイツ語も英語も聞こえてくる。 観光客も多いのかも。

 アンティークなものから、ちょと使い古した生活用品。
 古着、古靴、古布、家具、絨毯、本、レコード、コレクションもの・・・といろいろ。
 見てるだけでも楽しめる。

 この写真から、ちょっと視線を上げると・・・

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 ・・・向こうにもこんな感じで店が続く。 

 中には日本の雑誌にも取り上げられたことがあるのか、記事の切り抜きも飾ってあった。
 古い手芸用品を扱うところだったかな。

 何も買わずにパシャパシャと撮るのは申し訳なくって、写真はこの2枚だけ。

 端から見始めて、もう一方の端まで見るのに、だいたい2時間くらい。
 我が家ふたりが見終わる頃には、皆、店じまいの用意をしかけてた。

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 掘り出し物を見つけるには、もっと早朝から行かないといけないのかも。
 調べてみると、土・日の朝7時ごろから開催してるみたい。 終わるのは13時頃。

 この頃は、まだ、落ち葉も少しだけだった。

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 で、私は手ぶらで蚤の市を離れた訳ではなく。 手には、これ。 
 DMCクロスステッチの古いテキスト

 最初、いくらか尋ねたら、店のおばさま、
 「25ユーロ(約2,825円)のところ、20ユーロ(約2,260円)にするわよ。」って。
 唖然。 日本人だからって、甘く見ちゃいけないよ~、と心の中で私。

 中身は違えど、この手のものは、すでに持ってる。 オランダのマルクトで入手。
 ドイツ語版8ユーロ(約904円)フランス語版5ユーロ(565円)で買ってた。
 (その時の記事はこちら「やっと出会えた・・・」

 なので、そこまでして買う必要はない、と無言でさっさと元に戻しかけると、すかさず、
 「15ユーロ(約1,695円)にするから。 ね。 ね。」って、もうひとりの店のおばさま。

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 ま、蚤の市と言えど、パリという大都会のお店。 
 その地理的条件をも含め、そのくらいなら出してもいいかな・・・と購入。
 (厳密には、横からKamoさんがお支払いしてくれた♪)

 さらに12ユーロ(約1,356円)に値切ってもよかったんだけど、
 おばさまたちも寒い中頑張ってるし。
 中身が写真で、これだけカラフル。 資料としても十分役に立つからね。 

 こんなふうに、言い値より価格は下がるので、蚤の市は、その点も要注意。

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 ちなみに、その一週間後には、街の中、こんなに落ち葉
 この後、さらに強風で、今ではすっかり吹き飛ばされて、葉っぱ、なくなってるかも。 

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 さてさて、街歩きの続き。 赤茶色の煉瓦に、淡いブルーの窓扉。
 この色合わせも、いいな。 
 しかも、手すりのがかなり凝ったデザインのもの。 オシャレだ~。 

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 一方、色鮮やかなブルーの窓扉が目立つ小さなホテル。 
 パリには、こんなプチホテルがいっぱい。 

 このホテル、価格は、シャワー付きで一泊70ユーロ(約7,910円)前後の部屋中心みたい。
 朝食は別料金。 やっぱり都会価格ね。

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 この建物にもが。 どこかの町並みかな。 

 そうそう、街を歩いていて気になるのがゴミの多さ。 
 道に落ちてるゴミもそうだけれど、犬の“落し物”も気をつけないといけない。
 撮りたいものに、うっかり気をとられてると、かなり危険。 

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 この付近にも、雑誌の特集にでも出てきそうな雰囲気。 
 パリの中なのに、静か。

 雑誌や映画、テレビ番組が伝えるパリの姿は、とても美しいものだけれど、
 日本から夢を抱いてやって来て、言葉生活習慣人との関わり・・など、
 現実のパリにもまれて、こんなはずじゃなかったと、
 その理想とのギャップにガッカリする人たちも多いそう。

 一方、引越ばかり。 英語も苦手。 
 言葉が分からない状況が普通になってて、分からないTV番組でも十分楽しめる。
 オランダ人のサービス対応に比べれば、パリの人はとても親切&笑顔。
 今まであまり目を向けていなかったパリなので、大きな期待どころか予備知識もなかった。
 ・・・こんな私は、ある意味、逆に恵まれてるのかもしれない。

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 何気ない窓も、が絡むだけで、雰囲気が良い。  こういう窓柵にも、ほれぼれする。 
 で、欲しくなるんだけれど、買っても我が家には付ける場所がないのよね・・・。 賃貸だし。

 街の中にも、お宝ごろごろ。

 でも、私が撮った写真も、かなり部分的。 
 キレイだけじゃないパリ、いろんな意味で怖いこともいろいろ。 

 郵便局で列に並んでたら、この紙に記入してね、と横から局員お姉さんに用紙を渡され、
 書き終えて、列に戻って並んだ挙句、もうすぐ番だと思ったら窓口閉鎖
 別の窓口へ並ぶように言われ、気長に待ち、ようやく番が来たと思ったら、
 この用紙じゃないよ、と窓口のおじさんにさらりと言われ、また書き直して、列に並ぶ・・・。
 あのお姉さんが、これだって、渡したんじゃん!・・・なんてフランス語で文句も言えず。

 物を送るのに1時間もかかった、こんな困った対応もいろいろ。
 とんとん拍子で物事が運ぶなんて、
 年に一度あるかないかの神さまからの贈りものなのかも・・・そんなパリ。 

 イライラしても、笑っても、同じ速さで時間は進む。 楽しく生きよ~っと。


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コメント 16

luces

建物の装飾が美しいです。
白い壁に緑が映えますね。
by luces (2010-11-16 20:16) 

ぴーすけ君

怒るときは、日本語でかなり大げさな表情をして
言いましょう~。その後、片言英語やフランス語で言えばOK。
丁寧に手助けしてくれたり、
わかったよって代わりにやってくれたりするよんw
by ぴーすけ君 (2010-11-16 21:30) 

母ちゃん

価格交渉が苦手なんですよね・・・、私。きっとたくましいおばさまたちには勝ち目はなさそうです。


by 母ちゃん (2010-11-16 23:37) 

やよい

建物や壁の絵、手すりの柵などが素敵ですね、
クロスステッチのテキスト、きれいな図柄がいっぱいで
作品が出来たら見せてくださいね。
by やよい (2010-11-17 01:16) 

めぎ

違う用紙を渡されたこと、何度もあります!
こちらはもうそれを知っているから「これじゃない」と言うと、その紙は今無いからそれに書け、などと言われたことも。
窓口やレジなども、私の直前で閉まっちゃったこと、ありますあります~
いっぱい並んでるのに後ろで私用電話していて窓口やレジを開けてくれないことも。
そっかードイツだけじゃないんですね~フランスもそうなのね~~
by めぎ (2010-11-17 06:24) 

ami

落ち葉の雰囲気、北海道と 同じですね、
やはり親近感~~。
蚤の市の値切り交渉は下準備も必要だと分かりました。
絵だけ見ていても楽しいですね。

by ami (2010-11-17 08:19) 

Roseblanche

こんにちは♪
クリニャンクール、やっぱり危ないんですね。
蚤の市、憧れるけど、価格交渉が出来なきゃいけないから…。
でもいつか訪れて、ボビンレースなんか探してみたいです。
辛らつなところもあるパリだけど、それも含めての魅力かな?と思います。
人種のるつぼだし(人種差別もあるし)、綺麗なことばかりじゃないけど…。
by Roseblanche (2010-11-17 11:06) 

miffy

建物の装飾がオシャレですね。
ベランダの模様(?)もいろいろとあって面白そう。
蚤の市も楽しそうですね~
値切り交渉は母が得意ですので任せてます。

この前「世界不思議発見」で「シスト」という宝探しを放映してました。
番組の詳細はhttp://www.tbs.co.jp/f-hakken/mystery1164_2.htmlで見ることができます
http://www.cistes.net/index.phpはシストのホームページです
面白そうだったんですけど日本ではやってないみたいなんですよね。
フランス発祥の遊びだそうです。
by miffy (2010-11-17 20:53) 

まぐろ

>イライラしても、笑っても、同じ速さで時間は進む。 楽しく生きよ~っと
って素敵な言葉です。私もそうこころがけよ~っと。
最初の家の壁のクロスステッチ風の絵が目を引きますね。
あれ~と思いました。
さすがパリです。
by まぐろ (2010-11-18 07:52) 

ぷーちゃん

コミュニケーションもままならない
状況の中でも、楽しく生きよ~って。
そうそう人生、生きてるだけでまるもうけ。
本当感謝して楽しもう♬

by ぷーちゃん (2010-11-18 20:17) 

てんとうむし

パリの窓辺のグリーンが素敵♡
蚤の市の写真ではガラスの置物が欲しくなって、あっ、また重いもの!って自分で可笑しくなっちゃった。

生活の中には思い通りにならないことってたくさんあるよね。
まだまだ振り回されちゃいがちな私ですが、アクシデントがあっても、さらりと受け入れたり、面白がって切り抜けられるような人になりたいな^^

by てんとうむし (2010-11-18 21:25) 

yuka

郵便局とかそういうのはどこの国も大変なのね~。
日本はだんだん昔風の可愛いおうちが少なくなって寂しい気がする・・・。
by yuka (2010-11-19 14:49) 

aranjues

>>パリを知るには、何がいいだろう
異国小路の読者になることがベストかと(笑)。

いらいらしてても同じ速度、、、どころかたぶんいや~~な
ペースダウンしそう。楽しく生きよっと、、思うたびに、
不愉快にしてくれる相棒がいますからね~~。ここも、
笑って乗り切るにはまだまだ修行が足りません。
by aranjues (2010-11-19 14:56) 

JF

いつも、もりだくさんなので、もたもた拝見してます(笑)
私Inatimyさんの写真がとても好きです。特に建物、窓。
壁に絵が描いてあって楽しいですね~。雨戸とか窓の花など、
暮らすほうもでしょうけど、通りから見ている方も
楽しいですね(^^)
by JF (2010-11-20 19:20) 

hatsu

最後の写真、とっても素敵♪
Inatimyさんが切り取るパリの風景、大好きです^^

by hatsu (2010-11-22 06:56) 

Inatimy

→皆さま 
『裏道から宝探しに』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 月曜のパリは、最高気温が5℃の予想・・・すっかり寒くなって、曇り空が続いて、雪ももうすぐなのかも。 寒さに負けて裏道探索もだんだん億劫になってくるなあ・・・。

→lucesさま 
実用にはあまり関係がないけれど、あるか、ないかでは、かなり印象が違ってきますよね。 装飾のこだわり、私の目を楽しませてくれてます♪ 足元にも気をつけなくっちゃ。

→ぴーすけ君さま 
今度どうしようもなく腹が立つことがあったら、その方法試してみようかしら♪ 怒る時は関西弁がいいよ、って言われたこともあるし。 ふふ。

→母ちゃんさま 
あ、私もこの時、交渉する気はさらさらなかったんですよ。 高いから買わない、とそれだけで。 なのに、お店のおばさまが、勝手に下げてくれて(笑)。 助かりました♪

→やよいさま 
クロスステッチまで手がなかなか回らないですね~。 一日24時間は短すぎるくらい。 いつ、できるかなぁ・・・。 出来たらお見せしますね♪ ボビンレースも、また取りかからなくっちゃ。 

→めぎさま 
そうか~ドイツもそうなんですね~。 運が良かったのか、ドイツに住んでる時はあまり困難はなかったかな。 銀行の係りの人の説明では使えるはずのカードが、実際使えなかった・・・くらい。 あ、マルクトで、ウソつかれて、からかわれたこともあったな。 ふふ。 暮らしてると、いろいろありますよねぇ。

→ami さま 
蚤の市では、自分がだしてもいい金額を超えたら、いさぎよく買わないことにするのが一番なのかもしれませんね~。 古いクグロフの型もスゴイ値段してましたよ・・・。

→Roseblanche さま 
価格交渉というか、高いから買わない、と元の場所に戻しただけで、下げてくれたんですけどね(笑)。 スゴイ価値があるものなのに、むやみに安い価格を提示するのも失礼かしら、とも思うので、物を見て、自分が納得する価格を見極めるのが大事でしょうね。 クリニャンクールは怖くて私には無理かも・・・。 危ないところには、近寄らないのが一番かな。

→miffy さま 
「シスト」か、へぇ~初めて聞く単語でした。 遊ぶのが上手なフランス人らしい発想♪ふと思い出したのは、JR西日本が開催してる名探偵コナンのミステリーツアー。 お宝じゃなけど、推理しながら観光地巡りして、答えを応募。 正解者はプレゼントがもらえる、っていうもの。 さっき検索かけたら、今年の分は10月31日で終わっちゃってたけれど。

→まぐろさま 
壁のアートは、面白いですね~。 チェコのプラハでもメビウスの輪みたいなのがあったけれど♪ でも地下鉄の車両とか、その壁には、スプレーで描いた文字みたいなんもあったりして、キレイじゃないものもあるので・・・。 車両ははるかにオランダのほうがキレイかも。

→ぷーちゃんさま 
生きてるだけでまるもうけ・・・って、さんまさんもいってますものね♪ いまるちゃん、芸能活動しててビックリでした。 すっかり浦島太郎気分・・・。

→てんとうむしさま 
いろんなことがあるけれど、言葉の問題がそれをさらに深刻化させてることもありそうなので、フランス語にちゃんと取り組まないといけないかしらねぇ・・・と考えてるところ。 学校探さなきゃなぁ。 ドラえもんの「翻訳こんにゃく」がほしいわ。 「暗記パン」とか(笑)。

→yuka さま 
郵便局に銀行は、どこの国でもやっぱり大変・・・。 たらいまわしみたいな感じもあったり。 でも、乗り越えないと前に進めないから仕方ないか~って思ってます♪ 縁側や障子のあるお家、好きなので、消えないでほしいなぁ。

→aranjues さま 
私のブログでパリを知る・・・あらま、どうしましょ、下手なこと書けないわ~(笑)。 自分自身が頑張ってても、周りの環境や状況がそれを許さないってことも多々ありますね~。 歯車が合わない、って感じる時も。 一呼吸ずらして再チャレンジで。 でも、くじ運悪いのに、私は、すぐにトランプの「ババ抜き」でジョーカーひいちゃうくらいなんで、なかなか難しいですけどね。 

→JF さま 
いえいえ、お気になさらず。 気が向いたときに、ふらりとのぞきに来てくださいね(笑)。 詳しくはないけど、建物を見るのが好きなので、撮っちゃうんですよね~。 窓や壁の植物や飾り、暮らしに心の余裕がある、っていいなぁ、って思います。 真似したいわ♪

→hatsuさま 
いろんな家を見てて、自分の家でも玄関につるバラを這わせたいとか、窓にも緑とか思うんですが、引越し多くてなかなかなので、今は見るだけで楽しむ状態・・・写真に撮って記憶にとどめてます♪
by Inatimy (2010-11-22 19:01) 

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