SSブログ

花図鑑2010 ~早生種と中生種~ [花図鑑]

 全部は、揃わなかった。

 オランダ王立球根生産者協会の定めた15の分類のうち、
 今回登場するのは、2.八重早咲系、3.トライアンフ系、4.ダーウィン・ハイブリッド系。 
 (1.一重早咲系は残念ながら撮れず。)

 ネギ状態の中、咲いてるチューリップに出会えた場所のひとつがここ、温室

 まずは、早生種2.八重早咲系から。 早生種は、背丈は、さほど高くならない。

dvt1flshpt1.JPG

 このチューリップは、Flash Point フラッシュ・ポイント。 ・・・引火点?
 なんだか危なそうな名前。

 花びらに混じるように入ってるをみると、ちょっとビリディフローラ系っぽい面も。 
 ツボミがふくらむにつれて、だんだん赤みが濃くなってくるみたい。

 こんなにキレイな色合いなのに、なぜ、危険臭漂う名前が?

dvt1flshpt2.JPG

 ご覧のように、ひとつの茎に、いくつもの花をつける房咲き
 ころんとした丸い形も愛らしい。

 ツボミから少しふくらんだ頃が好き。
 咲くと、どんな感じになるのかな、と探してみると・・・ 

dvt1flshpt3.JPG

 ・・・あ゛・・・開いてくると、ちょっと複雑。 

 真っ赤な花がバチッ!って火花を散らして破裂したかのような咲き姿・・・・・・名前納得。

dvt2dvdtnrs2.JPG

 こちらは、David Teniers ・・・あ、画家の名前。
 日本では、デヴィッド・テニールスとか、ダヴィッド・テニエとか。

 David Teniers II(1610-1690)は、アントワープ生まれの画家。
 ブリュッセルのベルギー王立美術館にも、作品がある。
 バロック画家だったそうだけど、フランドル絵画で成功した人。

 ちなみに、ピーテル・ブリューゲルの息子であるヤン・ブリューゲル、その娘が、彼の奥さま。  

dvt2dvdtnrs3.JPG

 淡い緑のツボミが、やがて、葡萄色に変身。
 背丈が低い分、花のそばまで葉が来る。

dvt2dvdtnrs1.JPG

 上から見たところ。 スポッっと中に落ちたら、なかなか出てこられなさそう・・・。

☆ ☆ ☆

 ここから、中生種3.トライアンフ系
 一重早咲系と一重遅咲系の交配で生まれた。

trmf1pssnl2.JPG

 Passionale パショナーレ。 イタリア語で「情熱的な」って意味。

 イタリア、情熱的・・・とくると、『冷静と情熱のあいだ』という、
 辻仁成江國香織による小説とその映画。 

 もう今から10年前の作品になるのかな。
 世間ですごく取り上げられて、気になりつつも、読む機会も、観る機会もなく、今に至る。

 ・・・どんな感じ? 

trmf1pssnl1.JPG

 パショナーレの濃いピンクの花のには、黄色も。 

 こんな風に、に思わぬ色があるので、
 外側の色だけじゃなく、花の中まで楽しむのが好き。

trmf2lptp2.JPG

 Laptop ラップトップ。 膝の上に乗りそうな、背が低めの小型。 

 花びらの先も尖り気味。
 手前のツボミのは、まだまだ水芭蕉状態。

trmf2lptp1.JPG

 このラップトップも、赤紫の花の底は黄色。

 我が家の猫トラチラップトップがお好き。 私のね。 
 体重が6kg近いので、2時間も膝に乗られたら、足がしびれて動けない・・・。
 追いかけると逃げるくせに、離れると寄って来る。
 ソファに横になる私と猫団子しようとする。   

trmf3lll2.JPG

 Lille リール。 ピンク色した可愛い感じ。 内の花びらには縦筋が見える。

 リールと言えば、都市の名前。
 フランス北部、ベルギーとの国境近くにある。

 オランダに住んでた頃に行こうとしてたんだけど、忙しくって行けなかったところ。
 何があるのかと言うと、リール市立美術館
 それは、ルーヴルに次ぐ、フランス第2の美術館と言われてる。
 いつか、行けるかな。

trmf3lll1.JPG

 花の底は白。 おしべにあわせたように、青いような墨のような色が入る。

 植物の作りだす模様は、不思議。

trmf4armn.JPG

 Armani アルマーニ。 赤いチューリップ。 まだまだ咲き始め。

 アルマーニと言えば・・・
 やっぱり、イタリアのファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニの作るブランドかな。

 昔、ACQUA DI GIOのフレグランスが家にあった。
 いただきものだったけど、残念ながら、身につけるには好みの匂いじゃなかったので、
 玄関やバスルームなどに使った・・・。
 すりガラスのような瓶に淡いブルーの液体は、爽やかそうで素敵なんだけどね。

trmf5ildfrnc.JPG

 Il de France イル・ド・フランス
 まだまだ若いツボミ。 これから、どんどん赤くなるのかも。 

 イル・ド・フランスは、パリを中心とした地域で、8つの県がある。
 面積12,012k㎡・・・というと、意外なことに、長野県より小さいくらいかな。

 そこには、ディズニーランド・パリヴェルサイユ宮殿フォンテーヌブロー宮殿
 画家ゴッホが晩年を過ごした地オーヴェル=シュル=オワーズなど、
 見どころもいっぱい。

☆ ☆ ☆

 ここから、4.ダーウィン・ハイブリッド系
 一重遅咲系と原種系との交配で生まれたもの。

dwhyb1aprctdlght2.JPG

 Apricot Delight アプリコット・デライト。 デライトは、「歓喜」って意味かな。

 花の色では、アプリコットピーチと名のつくものに私は弱い。
 子供の頃の私なら絶対NOの色だったはず。
 色の好みも、食の好みも、大きくなるにつれ変わって行くんだなぁ。

dwhyb1aprctdlght3.JPG

 外側はピンク色だけど、内側はアプリコットっぽい色も。
 内の花びらの中心には縦筋。

 中も見る?

dwhyb1aprctdlght1.JPG

 底は、中心が黄色で、その周りに白。 円い模様。 キレイでしょ。 

 他に、名前にデライトとつくものが・・・

dwhyb2capldlght2.JPG

 Candy Apple Delight キャンディ・アップル・デライト。 
 甘酸っぱいような感じ。

 花びらは、外側の3枚は、縁の白い部分へ赤がにじんだふう。
 内にある3枚は、さらに縦筋が入って、また違ってる。

dwhyb2capldlght1.JPG

 中は白が多め。 底は黄色。 ちらりと見える赤っぽい部分がアクセント。

dwhyb3csmpltn2.JPG

 Cosmopolitan コスモポリタン。 ・・・世界主義者? 

 調べたら、カクテルコスモポリタンというのがあった。
 ウォッカ : ホワイト・キュラソー : クランベリー・ジュース : ライム・ジュースが
 3 : 1 : 1 : 1 の割合で、色は赤。 

 これ飲んで、酔って頬を染めた女性かな。

dwhyb3csmpltn1.JPG

 中は、黄色と黄緑の底。 
 完全には酔ってなくって、恋の駆け引きを満喫・・・なのかも。

 底といえば・・・

dwhyb4sprnggdn.JPG

 ・・・外側から見ても、底の色が分かるチューリップもあった。
 これは、Spring Garden スプリング・ガーデン。  春庭。

 遠くにあったので、中をのぞきこめなかったけど、
 これ、絶対、底は緑に違いない。

 なのに、不思議、茎を見て。
 花に近い部分は、赤が入ってる。

dwhyb5wrldpc2.JPG

 World Peace ワールド・ピース。 世界平和。

 黄色い花びらだけど・・・

dwhyb5wrldpc1.JPG

 ・・・花の底には、青のような墨のような中心からの、とんがり系滲み。
 花の底も、いろんな模様の違い。 

☆ ☆ ☆

 温室だから、さぞかし、花がいっぱい・・・と思われるかもしれないけれど・・・

onsts3.JPG

 ・・・実は、ここでも多くがネギ状態

 この中で咲いてるチューリップは、すごく限られていた。
 早生種中生種原種系は、ちらほら撮れたけど、
 晩生種はその名の通り、遅咲きなのでダメだった・・・かろうじて1種類だったかな。

onsts2.JPG

 あちらの淡いピンクやブルーは、ヒヤシンス。 

onsts1.JPG

 さらに、向こうのにぎやかな場所は、アジサイ水仙など他の花。 

 なので、2010年度版は、かなりさびしげな花図鑑になる予定・・・。

 

 でも、また、のぞきに来てくださいね。


nice!(36)  コメント(13) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 36

コメント 13

ぷーちゃん

チューリップってほんとに沢山の
種類があるんですね。
これだけの写真があっても15分類の中の
ほんの一部なんですね。
World Peaceって名前のものも
あるんですね。( ・∀・)!
by ぷーちゃん (2011-01-18 23:23) 

母ちゃん

寒い寒いヨーロッパも、春にはこんなに素敵にお花が咲きますね♪ まもなく・・・、ですね~(^^)
by 母ちゃん (2011-01-19 05:45) 

Roseblanche

春らしいチューリップの饗宴、しっかり楽しませていただきました。
やっぱり、アプリコット・デライトが好きかも。
柔らかくて甘くて、ふわふわ~~~という感じで。
花びらと花芯あたりの色のコンビネーションも、「神様、凄い!」ですね。
花の中を覗き込まずにいられなくなるの、よく分かります。
by Roseblanche (2011-01-19 06:59) 

luces

満開に咲きそろったチューリップは美しいですが、咲きかけの花もかわいらしいですね。花の名前からいわれを想像する作業は楽しそうです。
トラチさんもかわいい。
by luces (2011-01-19 09:38) 

MOCOMOCO

最近、こういうお花たちの交配・生産をしている人たちの事に思いを馳せています。
これとこれを掛け合わせたらどんな花が咲くだろう・・とか考えながら新しい品種を生み出すのって、時間がかかるけど楽しいだろうな、なんて♪

チューリップって、上から見るのも楽しいですよね。
表面とは違う色が覗いてたりする意外性が結構好きです^^
by MOCOMOCO (2011-01-19 12:24) 

miffy

ころんとした丸い蕾かわいいですね~
蕾の色は好みだけど咲いた後の濃い色はちょっと苦手かも・・・
紫やピンクの花の底が黄色いのが好みです。
今回の中で一番好きなのはアプリコット・デライトかな~
トラチちゃんもお膝の上が好きなんですね。
寒い時期は傍に温かいトラチちゃんがいるとうれしいですよね^^
by miffy (2011-01-19 21:49) 

テリー

さすが、オランダ、こんな時期に、沢山の種類のチューリップが咲いていますね。
by テリー (2011-01-19 22:14) 

夢空

お花の写真、花弁が参考になります~。
クレイクラフトの・・・(*^_^*)
by 夢空 (2011-01-19 22:16) 

てんとうむし

我が家のチューリップは、早咲き系がまだネギにもなってないフキノトウ状態。
スキポール空港で買った球根は遅咲きみたいなので、まだ芽も出ていないの。
今年もちゃんと咲いてくれるといいなぁ♡

by てんとうむし (2011-01-19 22:38) 

ami

はい、 春を訪ねてまた 遊びに来ます。
最初の変わり咲き・・・ 蕾の頃が可愛いですね。

綺麗な色合いのチューリップばかりで
心華やぎます。
by ami (2011-01-20 13:01) 

まぐろ

私は、キャンディ アップル デライトが好きだなー。
沢山咲いていると綺麗でしょうね。
ジュネーブの近くにあるモルジュという街では毎年チューリップ祭りがあります。
しかし、キューケンホフにはかないませーん。
by まぐろ (2011-01-21 01:53) 

hatsu

アプリコット・デライト、コスモポリタン、
優しい色合いがステキですね~。
恋の駆け引きは、ほろ酔いが良いですょね♡
でも私、いくら飲んでも赤くならないんです(笑)。
by hatsu (2011-01-23 06:45) 

Inatimy

→皆さま 
『花図鑑2010 ~早生種と中生種』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 フランスにいながら、まだチューリップのネタを引きずって、季節外れの花の紹介になってますが、これから迎える春の参考に。 チューリップの種類や、オランダに興味を持っていただけるといいな。

→ぷーちゃんさま 
毎年キューケンホフに行っても、会えない品種もあるんですよ。 キレイに咲いてるもので、なるべく今までのと重ならないように撮ってますが、引越しのために早い時期に行ったので撮れたの、少なかったですねぇ。

→母ちゃんさま 
春にはこんなに華やかになるんだ~と、自分への励ましの写真ですねぇ。 あぁ待ち遠しい~。

→Roseblancheさま 
チューリップのひとことでまとめてしまうには、もったいない品種の多さですね~。 私、薔薇でもアプリコットやピーチ、ブラウン系が好きなんですが、最近、ミニバラ、咲かなくってさみしい。 春になったらつぼみがつくかしら。 

→lucesさま 
今も、これ書きながら、トラチが膝の上・・・。 重いです。 チューリップ、咲きかけの花の姿もいいですよね。 切り花で室内に置くと、暖かさであっという間に開き切ってしまうので、いつも夜は部屋の一番寒い場所に花瓶移動させてました・・・。 開きかけては、また引き締まり・・・の繰り返し。

→MOCOMOCOさま 
チューリップや他の球根植物の園芸品種って、本当に、裏にスゴイ努力が隠れてるんだなぁ・・・・と思います。 安定した品種として売りに出すまで、かなりの年月を要するんですよねぇ。 まだまだ撮りためてあるので、引き続きお楽しみに♪

→miffyさま 
濃い色より淡い色がお好きなんですね。 これから、まだどんどん出てきますよ~。 今、トラチを膝にのせたまま書いてます・・・。 子供の頃から、ずっと私に膝の上で育ったもので・・・抱き癖ならぬ、膝のせ癖? 室温23℃あるので、トラチもぐんにゃりです。

→テリーさま 
昨年3月下旬のオランダのお話ですが、多くは、温室育ちのものを撮ってるんですよ。 ここ数年、欧州の冬は、恐ろしく寒くって、春の訪れが遅いみたいですね~。

→夢空さま 
チューリップ以外にも、あとで、いろいろ花が出てきますよ~。 ちらっと漏らすと、洋蘭も。 どうか、作ってみてくださいね~。

→てんとうむしさま 
フキノトウ状態でも、ちらっとピンク色がみえるのが可愛いね。 早咲き系と遅咲き系を揃えたのは素晴らしい♪ ガーデニング計画バッチリね。 我が家は、茎だけになった木苺も心配で。

→amiさま 
>はい、 春を訪ねてまた 遊びに来ます。
そのお言葉、とっても嬉しいです♪ 花ばかり続きいて、皆、うんざりしてやしないか、心配で。 少しでも春気分を味わっていただけるといいな。

→まぐろさま 
毎年チューリップ祭りがあるモルジュ、覚えておかなきゃ。 パリで、住んでる近所でチューリップが見られるのって、どこだろ。 公園にほんの少しあるだけかなぁ。 さびしい・・・。

→hatsuさま 
ふふ、私も飲んでも顔に出ないタイプです♪ おかげで、大学時代は、酔った友達をタクシーに乗せたり、忘れ物がないかチェックしたり、と、恋話から縁遠くてねぇ・・・。
by Inatimy (2011-01-24 23:04) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。