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ライオンから続く散歩道 [フランス・パリ]

 目指すは、北。 ライオンがお尻を向けた方向へ。 

 道路が交差する広場を超えると、真っ直ぐに続く道でも、名前が変わる。
 パン屋 ドミニク・サブロンのあるアレジアから歩いていた道の、
 Avenue Du Général Leclerc ジェネラル・ルクレール大通りは、
 Avenue Denfert-Rochereau ダンフェール・ロシュロー大通りとなる。

 どんどん歩き続けると、途中、天文台から突き出る短い道を経て、次の広場へ到着。

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 この像は、Michel Ney ミシェル・ネイ(1769-1815)。

 ウィキペディアによると、ナポレオン時代に活躍した軍人・元帥で、
 戦いにおける功績により、Duc d'Elchingen エルヒンゲン公爵
 Prince de la Moskowa モスクワ公 という位を授けられたとか。
 でも、最後は、この場所で銃殺されたのだそう。

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 広場から、さらに北に向かう大きな道は、Boulevard Saint Michel サン・ミシェル大通り
 この像が目を向ける南の方向には、天文台の白い丸屋根がある。

 この通りの東側にあるのが・・・

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 ・・・・Jardin Marco-Polo マルコポーロの庭

 その南の先っぽにあるのが、
 1867~1874年にできた Fontaine des Quatre-Parties-du-Monde 四大陸の泉。 
 別名、Fontaine de l’Observatoire 天文の泉とか、
 Fontaine Carpeaux カルポーの泉と呼ばれているそう。

 設計は、Gabriel Davioud ガブリエル・ダヴィウ(1824-1881)。
 パリ1区にあるThéâtre du Châtelet シャトレ座や、
 パリ6区にあるFontaine Saint-Michel サン・ミシェルの泉を作ったフランスの建築家。

 で、写真の四大陸の泉は、彼と4人の彫刻家との合作。
    Louis Villeminot ルイ・ヴィユミノ
   Pierre Legrain ピエール・ルグレン
   Emmanuel Frémiet エマニュエル・フレミエ
   Jean-Baptiste Carpeaux ジャン・バティスト・カルポー。   ・・・いったい誰だろうねぇ。

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 中央の像を囲むように池に配置された海ガメさん。 

 冬だからか、噴水の水は止められてたけれど、海ガメさんも口から水を吐くみたい。

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 の前髪の三つ編み、うねるようなたてがみ。 
 よく見ると、半馬半魚。 後脚はなく、イルカのような尾ひれになってる。
 体には、うっすらとウロコもあったり。

 のそばには、あんこうのような顔の怖い。 このからも口から水が出るよう。

 私の気になる海ガメを作ったのは、上記の4人のうちの
 エマニュエル・フレミエ(1824-1910)という彫刻家。
 知らないようで、実は知ってたり。 皆さんの中にも、この人の作品を見たことがある人いるかも。

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 だって、オルセー美術館前にドンッ!と配置されてるゾウさんの像を作った人。
 この作品は、"Jeune éléphant pris au piège" 1878。
 『罠にはまった若い象』・・・という意味かな。

 オルセー美術館内にも彼の作品がいろいろあるみたい。
 そんな彫刻家さんの作品が、普通に街の中で見られるのもスゴイことかも。

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 この噴水、上を向く海ガメさんたちに対して、
 下を向いて餌を探すカモたちが、とても可愛いかった。

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 両側を並木で挟まれた緑の芝生のマルコ・ポーロの庭
 春本番になれば、やがてここの木々も緑いっぱいになるんだろうな。

 おやおや、歩いていると、左手に見えてきた面白そうな建物。

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 凸凹ツンツンの屋根あたり、斜め格子模様の壁、大きな窓のアーチ、
 そして、その下部分の壁には、レリーフが。

 レゴなどのおもちゃのブロックで作ったような外観。

     ふと思い出したのが、スペインのバルセロナにあるアントニオ・タピエス美術館の建物。
     モデルニスムに影響を与えたカタルーニャの建築家 Lluís Domènech i Montaner
     リュイス・ドメネク・イ・ムンタネー
(1850-1923)の作品で、
     1881~1885年に建てられたもの。
     どことなく雰囲気が似てる。

 さて、パリのこの建物を作ったのは誰かしら・・・とネットで検索。

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 写真は、正面入り口にまわってみたところ。 外壁、これ全部、煉瓦で模様が作ってある。

 この建物は、フランスの建築家 Paul Bigot ポール・ビゴ(1870-1942)の作品。

 彼は、École nationale supérieure des beaux-arts エコール・デ・ボザールで、
 国立自然史博物館大陳列館を作った Louis-Jules André ルイ・ジュール・アンドレや、
 現在は美術館になってるオルセー駅を作ったVictor Laloux ヴィクトール・ラルーのもとで
 学んだそうな。

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 入口の上にあった名称。
 パリ大学Institut d'art et d'archéologie 芸術・考古学研究所・・・かな。

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 外壁のレリーフも、考古学・・・って感じ。
 パリの建物も面白いものがたくさんあるなぁ。

 いつも歩いているときは、適当に気になるものを撮っておいて、後でネットで検索。
 他の散歩で見つけたものとの意外なつながりが見つかったりして面白い。

 難しそうな名前がブログにたくさん登場するのは、
 調べたことの私のメモ代わりになっるから(笑)。

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 そのお隣には、Université Paris Faculté de pharmacie パリ大学 薬学部
 壁に文字のある建物。 

 パリ大学って、あちこちに学舎があるのね。 

 さらにそのお隣には・・・

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 ・・・アラビア風な雰囲気の建物。
 これは、École nationale d'administration フランス国立行政学院

 超エリート官僚養成学校らしい。

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 正面玄関の上の半円形の窓、幾何学模様や植物模様が素敵。

 さらに歩き進んで、目の前に見えてきた背の高い柵。 その入口から入る。

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 ちょっとリッチな感じの柵の内側から、外の世界を見る。
 左端に写った人の背丈から、この囲いの高さが分かるかな。

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 ここは、リュクサンブール公園。 Jardin だから庭園かな。 
 ライオンの像のあるダンフェール・ロシュローの広場からずっと北上すると、ここに突き当たる。

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 北端部分に、Palais du Luxembourg リュクサンブール宮殿。 
 この宮殿の庭園だったもよう。

 前回、リュクサンブール公園に来たのは夏。 
 その時は、公園の西の端の入り口から入って、ここまでは来なかった。
 (お話はこちら「像と自分の居場所」

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 これは、アルテミス像。 アルテミスは狩猟の女神さま。
 グレイハウンド犬を連れて、背中に矢筒を背負ってる姿が多い。
 あ、頭にカモメがとまってる・・・。

 背景にもちらちら写ってるように、リュクサンブール公園には、像が多い。
 その数、100以上もあるみたい。

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 本来なら、ここには水が張られて、池になってる場所。 冬のパリは、どこか寂しげ。
 天気のせいもあるかな。 

 エサ欲しさに上空を舞うカモメやハト。 頭上すれすれを飛んでくるスリルはあまりうれしくない・・・。

 宮殿前や庭をのんびりと歩く人たちばかりでもなく、思ったよりランニングしてる人がいっぱい。
 ぶつからないように気をつけて歩かないとね。

 大きな街の公園や庭園は、やっぱり都会風な慌ただしさも持ち合わせてる。

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 宮殿の左端に目をやると・・・
 木立の向こうに見える2つの塔は、Église Saint-Sulpice サン=シュルピス教会
 (お話はこちら「教会と子牛と海の幸」

 手前では、椅子たちが、気ままに雑談中。

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 これは、犬のウ〇チの後始末袋。 
 ↓ TIREZ ↓ の下部分から袋を引き出せるようになっている。
 使い方も図式で説明。

 犬の絵の上にあるTOUTOUNET
 toutou トゥトゥ とは、をさす幼児語で、わんわん、わんちゃん、という意味。
 net は、キレイな、清潔な

 公園だけじゃなく、のあちこちにも設置してほしい感じ。
パリの街を歩くときは、足元に十分ご注意を。


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yk2

blog記事用に調べた難しい名前とかってさ、記録しておいて後から何度か読み返したりしていく内に、意外と覚えられちゃうもんなんだよね~。学校のお勉強もこんなふうだったら良かったのに~って、今更ながらに思います(^^;。
by yk2 (2011-03-08 22:48) 

ぷーちゃん

いつも同じコメントしか
できないのですじゃ。
あーまた、旅行したいよぉー。
by ぷーちゃん (2011-03-08 22:56) 

julliez

このあたりはいとこが住んでいるので、いつもは車で駆け抜ける大通りの景色を立ち止まって見ているようです。
犬の散歩の置き土産はパリだけじゃなくてフランス中、足下にご注意くださいって感じですね。
ホント、油断も隙もないから(笑)
by julliez (2011-03-08 23:04) 

てんとうむし

イメージの中のパリの街並みって、まさにこんなふう。
四大陸の泉は映画か何かで目にしたことがあるような気がするんだけど、こんなにじっくり見たことはなかったの。
Inatimyさんの写真の半馬半魚の像にくぎ付けになっちゃった。
私も見てみたい!!
by てんとうむし (2011-03-09 00:00) 

HIROMI

窓の幾何学模様がすごく素敵!可愛くて清楚です。
by HIROMI (2011-03-09 00:41) 

まぐろ

パリは散歩でもただの散歩ではない興味深い場所が
いっぱいね。
これなら楽しんで散歩ダイエット出来るのに~。
スイスも山はいいけどうちから遠いし。
by まぐろ (2011-03-09 06:35) 

めぎ

私がパリに行ったのは1月だったので、枯れた風景しか覚えがないんです。
ここのところのInatimyさんの写真は、私の思い出と重なって懐かしいです。
いつか、緑いっぱいのパリも見てみたいなあ。
すぐ近くなのに、いつでも行けると思うとなかなか足が向かなくて。
by めぎ (2011-03-09 08:10) 

JF

冬空のヨーロッパはとても懐かしくて好きです。
また、Inatimyさんの写真で都会の良さを再発見してます(^^)
by JF (2011-03-09 12:30) 

miffy

四大陸の泉の海がめさんから水が出てる所見てみたいな~
半馬半魚の像はヒッポカムポスですね。
ポセイドンの戦車をひいてる絵や像を何度か見たことがあるような・・・
考古学研究所はアラブっぽいな~
リュクサンブール公園も冬だと寂しげですね。
早く春になってお花がいっぱいの街を散歩したいですね~
by miffy (2011-03-09 17:49) 

luces

町を歩くだけでも美術館めぐりをしている気分になりそうですね。
建物も個性的。
犬の後始末袋のイラストもかわいらしいです。
by luces (2011-03-09 20:52) 

aranjues

パリは町全体が美術館ですね。こういう町に住めば
芸術や絵画にも自然に造詣が深くなるのでしょう。
名古屋じゃさっぱりです(苦笑)。
フランス国立行政学院、、名前だけはよく聞きますが、
こんな感じなんですか。犬のうんちの始末、、ペットを飼う者の
心得そのイチ、、パリにも弱点は有るんですね。
by aranjues (2011-03-10 00:42) 

母ちゃん

カメが可愛いですね~。一瞬本物かと思いました♪
by 母ちゃん (2011-03-10 06:06) 

ami

煉瓦造りの美術館、細かな作業ですが
さすが芸術のパリ、見ていてゾクゾクしました。

最後のTOUTOUNET!! こんな親切な物が設置してあるなんて
予期せぬ時の処置に嬉しいわ。
by ami (2011-03-10 19:35) 

MOCOMOCO

前髪に三つ編みなんてお洒落なお馬さん・・と思ったら半馬半魚とは!面白いですね^^
亀さんの口から水が出ている時期の画像も見てみたいです^^
TOUTOUNET、お洒落だし良いですね~^^
たしかにパリは足元に注意、とよく聞きます^^;
by MOCOMOCO (2011-03-10 21:25) 

hatsu

フランス国立行政学院の玄関、とても素敵ですねー^^
超エリートかぁ、
入学はできないけど、玄関を見にいってみたいな(笑)。

by hatsu (2011-03-11 06:36) 

hatsu

たびたびです^^
明日から大阪、イカ焼き食べてきまーす♪
by hatsu (2011-03-11 07:27) 

とみっち

すごく躍動感があって今にも彫刻が動き出しそうな感じがしますね^^
どの建物もすごく立派で見てて飽きない感じですよね。
by とみっち (2011-03-11 22:04) 

夢空

次女、フランスから帰国しました。。
日本は、地震で大変なことになってます・・。
by 夢空 (2011-03-12 08:58) 

Inatimy

→皆さま 
『ライオンから続く散歩道』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 なかなかPCに向かう時間がなくって、お返事が遅くなって申し訳ないです。 パリの空、青い日が増えて、おひさまを感じる時間も多くなったかも。 春かな。

→yk2さま 
ふふ、そうなんですよねぇ、不思議なことに。 何度か登場させてるうちに、いつのまにか頭にインプットされて。 他のブロガーさんのところで見た難しそうな単語も、話の流れに引き込まれて、ある日、ふと、すんなり再生できたり。 ほんと、学校のお勉強も、こうだったらねぇ(笑)。

→ぷーちゃんさま 
このブログで出てくる場所って、観光の目玉じゃないのが多いんですが、旅行気分をうずうず刺激できてるとは、嬉しいです♪

→julliezさま 
おやおや、おなじみの場所だったとは♪ 犬の散歩の置き土産、ほんと、あちこちありますねぇ。 いつもあちこち気を取られて写真撮ってるうちに、危ないすれすれ歩いちゃってます・・・。 あとオランダに比べて多いなぁと思ったのがタバコのポイ捨て。 美しいパリのイメージに合わないですよね。 

→てんとうむしさま 
人混みを避けて歩いているから、パリの観光の中心じゃない所ばかりなんだけれど・・・・。 このあと、まだまだ散歩が続くんだけど、そこはちょっと有名どころかな(笑)。

→HIROMIさま 
アールヌーボー建築も素敵だけれど、こんなエキゾチックな雰囲気もいいですよね~。 こんな窓、欲しいわぁ。

→まぐろさま 
スイスの山歩きのほうが、散歩ダイエットには良さそうだなぁ・・・私もちょっとボディーを引きしめたいな。 

→めぎさま 
欧州というと、どうも短い夏より長い冬のほうが印象に残りやすくって、私のなかでもこの葉っぱのない木々の風景が多いかな。 今、芽吹き始めた木々も、きっとあっという間に青葉に変わり、緑いっぱいになるかな。 いつか、パリへ、フランスへ♪

→JFさま 
私自身もこんなに大都会に住むのは初めてなので、あれこれ面白いところ探し続いてます♪ 冬が長い分、イメージとして頭に残りますよね。

→miffyさま 
夏になったら噴水から水が出るかしら。 半馬半魚の像はヒッポカムポスって言うんですね。 さすが何でもよくご存知♪ リュクサンブール公園、植えられた植物もまだまだ花が咲く前で、ちょっと寂しげ。 カフェもまだ閉まってたんじゃないかしら。 おひさまがさんさんと輝く頃に、テラス席が満席になって、にぎやかになるかな。 待ち遠しい。

→lucesさま 
思わず目にとまった街角の像が有名な彫刻家さんのものだったり、著名な人が住んだ家があったり、かと思えば無名の人が描いた壁の絵が素敵だったり。 あれこれ楽しめるものが多いです♪

→aranjuesさま 
芸術の都、ファッションの都パリなんですが、住んでる人の服を見ると、結構地味めなんですよ。 黒や茶色、グレイが多いかな。 インテリアも静かめなトーンだし。 犬のう○ちの後始末と煙草の吸殻のポイ捨ては、なんとかしてもらいたいですよ、ほんと。 弱点ですね~。

→母ちゃんさま 
カメ、いいでしょ、これ♪ 口から水を噴出してるところも、きっとおちゃめかも。 

→amiさま 
TOUTOUNETの犬の落し物処理袋、街中に設置してほしいです。 オランダでは、ほんとにあちこちに専用の袋とともに専用のゴミ箱があって、リードなし散歩OKエリア、リード必須散歩エリアとか、いろいろ心地よい共存の区別があったんですよ~。

→MOCOMOCOさま 
前髪に三つ編の馬、おしゃれですよね~。 たてがみや尻尾の三つ編み、本物の馬でオランダでみたことあります♪ 農耕馬フェアがあったので。 太い脚がとってもチャーミングなんですよ。

→hatsuさま 
フランス国立行政学院の建物、鍵穴のような窓が並ぶ壁も、とっても素敵です♪ 大阪でイカ焼き、食べられたかな? うらやましいわぁ。

→とみっちさま 
なにげなく街にある噴水も、調べてみると、あら、スゴイ彫刻家さんのだ・・・って感じで。 さすがパリは違うなぁ・・・と、散歩のたびに、ちょっとこれも撮って後で調べてみよう、って、撮影枚数がどんどん増えて行きます・・・。

→夢空さま 
次女さまのフランス旅、楽しい思い出いっぱい出来たかしら。 日本の地震もまだまだ余震が続いて予断を許さない状況ですね。 毎日、こちらでも報道されてます。
by Inatimy (2011-03-21 06:50) 

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