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春の陽とセーヌ川辺り [フランス・パリ]

 「いい天気だね。」

 

 その一言は、“どこかにでかけようよ” のお誘い。

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 4月中旬。 少し遅めの朝8時に起きた土曜日。 この日、パリの同じ空の下には、めぎさんが。

 あれこれ、いつものように家事を済ませ、
 ふたりで食料買い出しにも出かけたし、ランチもずれて遅くなったから、
 後は、鉢植えの手入れでもして、家でのんびりしようと思ったのに。

 青い空に、うららかな陽射しに、こころうずうずした様子の約一名。

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 それなら・・・と、メトロに乗って、公園へ。

 やって来たのは、Jardin des Tuileries テュイルリー公園
 かつてルーブルの西にあったテュイルリー宮殿

 作ったのは、あの造園士、André Le Nôtre アンドレ・ル・ノートル(1613-1700)。
 少し前のお話に出てきたサン・ジェルマン・アン・レーテラスを作った人。

 ピンクの花の咲く木のそばで、ゆったりと、のどかな午後・・・

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 ・・・って感じでもなく、あたりには、ものすごい数の人。

 庭園というより、もう人混み。 
 皆が歩くと、細かい粉のような白い土埃が舞い上がる・・・。

 池の向こう側には、コンコルド広場オベリスクと、
 その遠くにエトワール凱旋門が見える。

 あぁダメだ・・・この先、真っ直ぐ歩いて行けない。
 せっかくサン・ジェルマン・アン・レーでリフレッシュしたのに・・・

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 ・・・と、庭園の中央から離れて、階段を上がり、セーヌ川方向へ。

 ごちゃっとしてるのが、さっきの噴水池のあたり。 
 ここから見下ろすと、まだ、人が少なく見える。

 天気が良いと、皆、同じ。 を満喫しようと、外に出て日光浴。
 庭園にたくさんある椅子も、足りないくらい。

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 階段を上がったところは、こんな場所。 緑の葉っぱが続く並木
 キレイにカクカクと揃ってる。

 これらの木々は、セイヨウボダイジュ(西洋菩提樹)。

 写真右側に庭園、左側の一段下がったところに車道があって、次にセーヌ川

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 セーヌ川の向こう岸に見えるのは、オルセー美術館の建物。

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 セイヨウボダイジュ並木の下を歩く。 ちらちらと揺れる陽の光。

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 カットされた枝に、くるくる年輪を見つけたりしてね。

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 葉っぱから、にょきにょき飛び出るピンク色のツノ。

 面白いけど、これは、虫こぶなんだそうな。
 植物内部に虫が卵をうみつけることによって、
 植物組織が異常な発達を起こしてできるコブ状の突起・・・とwikipediaに。

 眠ってた冬から急激に目覚めていく植物。 日に日に成長する姿。
 って、いい時期なんだな。

 今まで過ごしてきた、たくさんののことが心に浮かぶ。 

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 陽の光の下で、木に向かい問いかける。

 あのひとは元気でいるだろうか。

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 緑の葉っぱの下で、答えをさがす。

 きっと笑顔でいるだろう。

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 チュイルリー公園、端っこの並木、ここはとても心地よいところ。

 庭園側に咲く、ピンクや白のマロニエの花を見ながら、
 ふたりで歩き、たわいもない話にクスクス笑う。
 こんな時間が、とてもうれしい。

 階段を下りていくと・・・

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 ・・・橋がある。 歩行者専用の橋。

 Passerelle Léopold-Sédar-Senghor レオポール・セダール・サンゴール橋
 長い名前・・・覚えにくいなぁ・・・。

 2006年以前は、Passerelle Solférino ソルフェリーノ橋と呼ばれてた。

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 橋脚のない。 
 この橋も、中央を歩くと、橋の下の川岸へ、
 両端を歩いて行くと、橋の上の道へ。

 ベルシー公園と国立図書館の間に架かってる橋の、
 シモーヌ・ド・ボーヴォワール橋も橋脚がなかった。
 (その橋は、こちら「東へ、北へ、戻って東へ、さてどこだ?」

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 こののたもとから、オルセー美術館を見る。

 あれ・・・? どこかで見たようなカット・・・と思えば、
 昔々、上の道路脇の、この橋の入り口あたりからこの角度で撮ったことがあった。

 渡った覚えはないけれど、欄干へと続く橋門は確かに石造りだったので、
 橋の架け替え工事前か、工事中だったのかも。
 2000年に架け替え完成。

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 セーヌ川をゆく遊覧船にも人がいっぱい。

 ガラス屋根付き1階建てのこの船は、Bateaux Parisiens バトー・パリジャンの。
 クルーズ会社によって、船のタイプも違う。
 我が家が昨秋乗ったのは、2階もあるBateaux Mouches バトー・ムーシュの。
 (その時の記事は、こちら「橋から橋へ、島ふたつ」

 の上へと上がっていくと・・・

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 ・・・の欄干部分の柵には、がいっぱい。

 ここから上流へ2つ目にある橋、ポンデザールはよく知っていたけれど、
 このレオポール・セダール・サンゴール橋にもあったとは。

 でも、をつけることは禁止って話を聞いている。

 南京錠の組み合わせって、私としては、ちょっとイメージが好きじゃない。
 それに、たくさん増え続けるの重みに、
 が耐えられなくなってしまうのでは、と妙な心配してみたり。

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 よりも、『半分オレンジ』がいい。 これは、スペインで教えてもらった話。

 スペイン語media naranja メディア・ナランハ とは、生涯の伴侶
 自分は半分のオレンジで、 あとのもう半分が同じ世の中にいる。
 もともとは1個のオレンジ。 ぴったり合う片割れを見つけ出す。
 Kamoさんが私にとっての半分オレンジかというと、う~ん・・・・・・  私より、もっともっと上等のオレンジかも・・・(笑)。

 で、この写真のから視線を上げると・・・

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 ・・・セーヌ川上流の方。 東をみたところ。 

 向こうに見えてるのが、Pont Royal ロワイヤル橋

 大きな船がに向かってる。 ちゃんと通れるのかなぁ・・・とズームして見てたら・・・

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 ・・・まだまだ余裕。 でも、まれに橋脚にぶつかる事故もあるのだとか。
 今いる旧名ソルフェリーノ橋も、そんな衝突で脆くなっていって、架け替えに至ったよう。

 遠くにフランス学士院の丸屋根と、ノートル・ダム大聖堂の2つの塔が見えてる。

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 反対の下流、西のほうを見ると、Pont de la Concorde コンコルド橋

 その向こうに、Grand Palais グラン・パレの建物が。

 この日は、テュイルリー公園を歩きに来たけれど、人が多いので、
 公園には戻らず、別の散歩道へ。

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 レオポール・セダール・サンゴール橋の中央から右岸に戻って、
 セーヌ川沿いをぶらぶら。

 Port des Tuileries ポール・デ・テュイルリー から、
 Port de la Concorde ポール・ド・ラ・コンコルドあたりを歩く。

 停泊中の船を見ながら、エッフェル塔の先が、ちらっと見えるのもチェック。

 

 そろそろ1区から8区になるので、今回のお話はこのへんで。


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コメント 18

ami

西洋ボダイジュのヒラヒラした葉っぱが涼しさを感じます。
が・・・・虫の卵? モンシロチョウの卵を思い出しました。

そうそう マカロンですが こちらでもインスタントのような
ラピッドマカロンと言う品物がありました。
でもアーモンドプードルは用意しなくてはいけないみたいで・・・

http://www.cuoca.com/item/12868.html
by ami (2011-05-27 21:07) 

MOCOMOCO

バラの葉っぱの虫こぶは丸くてピンクの玉だったわ。
木の種類によって形が違うのかな?
「半分オレンジ」って良い言葉ですね♪
私も南京錠よりオレンジがいいな。
by MOCOMOCO (2011-05-27 22:21) 

てんとうむし

2枚目の写真の女性いいなぁ~。
そんな風にピンクの木の横で休んでみたい^^

私にも『半分オレンジ』さんいるのかな~♪

by てんとうむし (2011-05-27 23:18) 

めぎ

おお~ほんとだ、すっごいニアミスですね~~
あの白い砂埃は結構苦しかったです。
それに、ホント、人いっぱいでしたね・・・土曜日のここはいつもそうなのかしら。
by めぎ (2011-05-28 02:13) 

母ちゃん

めぎさんのお写真でも思いましたが、パリはすごい人手ですね~。でも少し離れると落ち着いた場所もあって、やっぱりその方が落ちついていいですね。
by 母ちゃん (2011-05-28 06:07) 

ネム

気持ちのいい陽気ですね~♪
観光地の週末はどうしても人混みになりますね。
半分オレンジ…ちょっといいですね☆
私も鍵とか赤い糸よりも好きかもしれないです。
by ネム (2011-05-28 09:37) 

HIROMI

ボダイジュは葉がハートの形をしていると聞いたことがありますが、写真を見てなるほどと思いました。
by HIROMI (2011-05-28 22:07) 

JF

土が白くて、建物も白くて、新緑の並木が映えますね・・・。
歩行者用の橋がお洒落♪
by JF (2011-05-28 23:37) 

yk2

テュイルリー公園って、目の前にはすぐルーヴルが見えていると云うのに、歩いても歩いてもなかなか近付けない!って嘆きたくなるくらい広かったって記憶しか残ってないなぁ(^^;。今回のお話の散歩コースは、(朝、オルセーが開館するまでの時間調整で)僕も一人でウロウロ橋渡ってたりしてた辺りだから、旅の記憶が蘇って来て懐かしいです。パリに行きたくなるねぇ・・・。
by yk2 (2011-05-29 08:53) 

taniyan

パリはすっかりベストシーズンですね。
街並みの雰囲気が明るくて好きです。

by taniyan (2011-05-29 16:53) 

miffy

天気の良いお散歩びよりだったんですね〜
それにしてもテュイルリー公園の人スゴイですね。
夏よりも春の方が人が多いのですね。
セーヌ川沿いをブラブラするの気持ちいいですよね。
従弟が中学生の頃、父母と妹と5人で散歩してた時、話し声が大きかったのかカップルに睨みつけられたことが^^;
by miffy (2011-05-29 19:02) 

hatsu

くるくる年輪、一脚置かれた椅子、
ステキな午後の風景ですねー♪
私の半分オレンジさんは、そろそろ起きるころ^^
by hatsu (2011-05-30 06:39) 

aranjues

オベリスクの手前、ベンチに座っていらっしゃるコバルトブルー
の衣装の女性の見事な太ももが目にしみます(笑)。
私はせいぜい1/5のオレンジでしょうね、存在感としては。
新緑鮮やかです。
by aranjues (2011-05-30 11:05) 

りゅう

セーヌ川からの眺め素敵ですね~
ちょうどTaekoさんのところでオルセー美術館の記事を読んだところでしたので、オルセー美術館に行きたいという思いが一層強くなりました!(^_^)
by りゅう (2011-05-30 22:18) 

ぷーちゃん

パリの春だぁ、
いい感じだぁ♪
by ぷーちゃん (2011-06-02 21:08) 

Inatimy

→皆さま 
『春の陽とセーヌ川辺り』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 かなりお返事が遅くなってしまいましたね・・・。 6月2日(木)がキリスト昇天祭でお休みだったので、金曜も仕事お休みにして5日(日)まで4連休のプチバカンスにする人が多かったようです。 

→ami さま 
あのピンクのツノ自体は蒸しの卵ではなく、植物の組織の異常発達なんですって。 無知な私は、マカロンにアーモンドプードルが使われていること自体知りませんでした・・・そういえば、そんな味がしてたなぁ~。 

→MOCOMOCOさま 
木によって、虫こぶの形って違うんですって。 最初は、このピンクのツノが何か分からなくって検索かけてビックリでした・・・虫が怖い私には。 半分オレンジ、英語では、ベターハーフっていうのもありましたね~。 でもスペイン語のオレンジがやっぱり可愛いかも。

→てんとうむしさま 
椅子2脚使って、足も乗っけて、美味しそうに何か食べてましたよ~。 でも、すっごい砂ぼこりなんです・・・。 「半分オレンジ」きっとあっち半分さんも探し続けているかもよ♪

→めぎさま
土曜日に限らず、天気が良い日は公園どこも混雑してると思います・・・。 人混み嫌だけど、ガラ空きの冬の曇り空の日っていうのも寂しげだし迷うところ。 パリの公園のあの白い砂は困りもの。 風が吹くと息苦しいですよねぇ。

→母ちゃんさま 
純粋なパリの居住者の数よりも、観光客のほうが多いのではないかしら、と思うほど人が多いかも。 人酔いすることもあったり。 落ち着いた場所を求めて歩き回る我が家ふたりです・・・。 

→ネムさま 
陽気に誘われるのは皆同じですね~。 おひさま、気持ちいいもの。 こっちの人は、日焼け気にせずガンガン焼けまくり。 いいんだろうか・・・。 半分オレンジ、イメージする色もオレンジで私の好きな色♪ 鍵や赤い糸より、重圧感がなくっていいですよね~。

→HIROMIさま 
菩提樹もハート形っぽいですよね。 ライラックもそうかなぁと春先に思ってたのでした。 

→JFさま 
白い土、すごく目が細かくて風が吹くたびに舞い上がるんですよ~。 なので公園歩いた後、顔がざらついてます・・・。

→yk2さま 
テュイルリー公園って、ほんと東西に長~い公園ですよね。オベリスクや凱旋門見えててもかなり遠いですもの。 でもオルセー美術館が橋渡ってすぐだから、開館時間までの調整で歩くにはぴったりかも。 これらの写真でパリに行きたいと思っていただけて、うれしいなぁ。 少しはパリに貢献できてるかしら。

→taniyanさま 
私としては、秋の紅葉や落ち葉のパリのほうがしっとりしてて好きかも・・・その頃はちょっと静かになるし。 春夏は、スゴイ人過ぎて・・・。

→miffyさま 
パリの夏って暑いですものねぇ。 春のほうが公園散歩には向いてるのかも。 あらら、話声の大きさに睨まれちゃっただなんて。 パリってなんでも音が大きな気がするけれど。 メトロに乗ったら、アコーディオン演奏や歌う人がいて、たまにはガンガン・ジャンジャンとデモのひとが騒がしいし。

→hatsuさま 
なるべく人がいない場所を探して、静かな雰囲気の一枚を撮るのが好きなんですよ。 Hatsuさんの半分オレンジさん、いい夢見てたかしら。

→aranjuesさま 
ふふ、なかなかの目の付けどころ(笑)。 階段上がったと頃から見下ろした公園の写真には、海パン一枚の男性も写ってますよ。 こんな風に、普通の公園で水着姿も多いので、ちょと目のやり場に困ることも・・・。 1/5のオレンジでも味が濃厚なんですね、きっと♪

→りゅうさま 
オルセー美術館へお越しの際には、ちょっと散歩がてらテュイルリー公園にもどうぞ♪ 確か公園内に簡単なカフェテラスもあったかな。 しっかし、オルセーの改装工事はいつまで続くんだろう・・・もう終わったかなぁ。 

→ぷーちゃんさま 
現在パリは春を過ぎて、初夏。 ・・・ブログのお話、かなり時間のずれができちゃってますねぇ・・・リアルタイムに程遠い。
by Inatimy (2011-06-06 16:27) 

カエル

チュイルリー公園がきれいですね♪いい季節です。
by カエル (2011-06-07 18:46) 

Inatimy

→カエルさま 
チュイルリー公園、あまりにも人が多くて端っこしか歩いてないんです・・・。 また秋のしっとりした頃にでもちゃんと中央を闊歩したいと思います♪
by Inatimy (2011-06-07 20:27) 

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