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秋はそこにいた。 [フランス・日々の暮らし]

 声を聞いて安心した。

 幸せなんだね。

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 の写真は早いうちのほうがいいかな、と、
 アミアンの話の途中だけれど、週末の写真でも。

 欧州では、秋の葉の色といえば、赤<黄色<茶色・・・な感じ。
 しかも緑から黄色に変わりかけの途中でも落葉する木々もある。
 でも、よく見ると、ツタ以外にも、赤い葉っぱをつけた植物もちらほら。

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 陽の光でキラキラの緑と赤の葉っぱだったり。 の光はソフトな感じ。

 紅葉する葉を見て季節を楽しむ日本人ふたりを、
 何してるだろうなぁ的な視線で何人もの人が横を通り過ぎて行く・・・。

 いつものように、あっちこっちフラフラしながら小路を散策し・・・

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 ・・・プラタナスの並木道の脇にある小高い丘から、坂道を下りて行く。

 でも、この先で交差する道で、ふとその足が止まる。 
 路上に散った鮮やかな黄色い葉っぱ。

 おや・・・扇型・・・あ、イチョウだ。 

 横に走る道路には、イチョウの並木。 イチョウは中国原産なので、こちらでは珍しい。

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 しかも、ぷらぷらとが枝にたっぷり。 イチョウには、雌雄があって、がなるのは雌株
 この隣の木は、葉っぱだけだったので、雄株なのかも。

 このの中にあるが、よく目にするあののあるギンナン
 昔、封筒に入れてレンジでチンしてお食べ、って父がくれたことがあったっけ。

 誰もとったりしないのかな。 これから落ちるのを待ってる人もいるのかしら。

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 そんなイチョウ並木のあるそばには、起伏のあるParc Montsouris モンスーリ公園。 
 久々に来た。 前回ここに来たのは、1月の終わり頃。 時が流れるのは早いなぁ。

 最高気温で14℃と肌寒いし、春まで芝生育成中でもあるからか、
 その辺に座りこむ人の姿が遥かに少なめ。  

 空の飛行機雲のラインが、またいい感じ。 

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 すぐ近くに目についたのが、これ。 たわわに実った。 
 たくさんの人が立ち止まって見上げてた。 
 何だろう、と幹にかかったネームプレートで確認して行く人も。 

 形は、丸いの。 
 日本で見かける四角く平たい柿でもなく、我が家がよく買うスペイン産の縦長の柿でもなく。

 甘いのかな・・・渋いのかな・・・。

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 落ち葉色に塗りかえられた芝生。 

 私の読書の秋は、のらりくらり、ゆっくりと。
 無謀にも買った小説 "Le cœur régulier"(規則正しい心臓の鼓動?)は、
 ようやく2ページ目が終わるところ。

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 黄色から、さらに赤へと色を変える木も。

 土日は読まない。 平日の1時間ほどで、1~2文章。 1文が4~5行だったりする。
 出てくる単語をことごとく辞書で引きまくり、調べた単語もゆうに150語を超えた・・・。
 読むというより、暗号解読・・・かも。

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 芝生の上に、木々の影が長く長く伸びる。 斜めから差す低い太陽。

 話すのも聞くのも音読もままならない言語の話を読んで面白いの?と聞かれると、
 答えは、Oui.(Yes.) 

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 公園を南北に走るRERのB線を越えて池側へ。 なだらかな坂が続く。 
 水辺をぐるりと囲む遊歩道に並ぶベンチに、人がポツポツ。

 とにかく、いろんな発見がある。 ほんの些細なことでも新鮮。 単語だって。

  gamin ガマン は、話し言葉で、子供、少年。 ふふ、我慢だねぇ。

  moite モワット は、形容詞。 意味は、湿っぽい、じめじめした
  音からして、もわ~っとしてる感じだしね。

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 この池のそばにもイチョウの木があった。 かなり大きい。 

  chauve-souris ショヴスリ は コウモリ。  直訳が「禿げたハツカネズミ」だなんて・・・。

  ちなみに、オランダ語では、vleermuis フレーァマウス 「飛ぶネズミ」

  スペイン語では、murciélago ムルシエラゴ 。
  語源は、ラテン語だったか古いカスティーリャ語で「目の見えないネズミ」
  母音a,e,i,o,u が全部含まれた単語だと教わった。

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 水面に映る紅葉と、佇むアオサギ・・・かな。

 でも、他の言語に似たような綴りがあって、たまに頭が混乱することも。

  dos ド は、背中。 でも、スペイン語だと、ドス で、数字の2。
  中性代名詞 y は、スペイン語では接続詞(英語のand にあたる)。
  前置詞の en は、オランダ語では接続詞(英語のand にあたる)。
  前置詞の de は、オランダ語では定冠詞のひとつだし。

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 緑と黄色の間で。 抱えてる思いは、人それぞれ。

 単語だけでなく、作家がフランス人だと表現や視点も、どこか違うなぁと感じる。
 話に出てくるのは、日本の様子なのに。

  床すれすれの家具・・・確かに。 床に座る目線の低い生活だもの。 
               食卓も脚の短い卓袱台(ちゃぶだい)だったりするし。

  紙の仕切り・・・これは、襖(ふすま)のことかしら。

  生成りブロンド・・・畳の色の表現。 なるほどね。

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 見上げると、黄色の向こうに広がる青い空。

  (夜)9時じゃないのに、もう食事の用意がしてある・・・・

   日本だと夕食開始は、6時~7時頃かな。 
   フランスの夕食時間が遅いことがうかがえる。

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 はらり、はらりと、舞い散るイチョウの葉っぱ。 

 実は、この本を最初に手にしたのはKamoさん。

 本屋さんで、出だしの文章を見て、これなら分からるよね~って。
 C'est une nuit sans lune ・・・ 月のない、とある夜。

 うん、分かる。 

 スペイン語だと、Es una noche sin luna.  なんとなく似てるもの。
 ちょうど何か読みたい気分だったので、カゴに入れてレジへ。
 その後は、ずーっと辞書引いてばかりだけれどね。

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 波紋の広がる水面に、風に吹かれたユリカモメ。

 ベンチに並んで座って、池を見る。 
 何気なく握った隣の手が冷たかった。 じっとしてると冷えてくるね。 歩こうか。

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 マガモの中に、オシドリ発見。 

 逃げないうちにと慌てて撮ったら、ベンチに座ってたおじさんの足まで写ってしまったけど・・・。

 池のまわりを1周して、RERのB線の高架下をくぐる。

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 名前は知らないけれど、白からブルーへのグラデーションのキレイなブラシみたいな花。

 入ってきた公園の入り口を通り過ぎ、坂道を上がる。
 帰りは、違う別の道から、ね。

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 が変わらないと、気がつかないこともあるんだな。

 この公園に、こんなに大きなイチョウの木が数本、生えてたなんて。

 

 夏が過ぎ、秋が来て・・・

 日本からは、子供ができた嬉しいお知らせや、再婚したと仰天なお話も。

 

 月のない秋の夜。 日本の海沿いの町。 

 本の中では、これから何が起こるんだろうな。

 

皆さんの秋は、どんな秋?


タグ:14区 公園
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HIROMI

紅葉の仕方まで、なんだかお洒落ですね。
特に2枚目の写真の紅葉は、珍しいですね。
by HIROMI (2011-11-16 00:03) 

pica

1枚目、2枚目の写真、赤が映えてキレイですね~。
あと、「水面に映る紅葉」の写真は一枚の絵画を見ているよう♪
秋が美しいということを教えてくれる街ですね。
by pica (2011-11-16 00:49) 

アールグレイ

紅葉を、お写真から楽しませてもらいました。
色づく景色、ゆっくりと過ごす時間、
素敵な雰囲気を味わっています。
こちらは、まだイチョウも色づかないままです。
黄色いイチョウも存在感があって、青い空に映えますね^^
by アールグレイ (2011-11-16 10:15) 

pistacci

文化が違うと、日本の家の様子がそのように表現されているのかと
新鮮です。生成りブロンド・・おもしろい表現ですね。
イチョウが黄色く色づくのは当然のように思っていたけれど、
これは日本の秋の風景なのですね。柿はたしかウィーンの八百屋?の店先で「kaki」と表示されていたような気がします。
by pistacci (2011-11-16 11:08) 

stellaria

この記事を拝読しながら、短い小説を読んでいるような気持ちになりました。仲の良いお二人の様子が素敵です。Inatimyさんのように、多くの言語をご存知の方は、言葉をいろいろな面から見ることができて面白いでしょうね。
by stellaria (2011-11-16 11:43) 

ぴーすけ君

イチョウきれいですね~。東京のはまだ緑色なの~。
by ぴーすけ君 (2011-11-16 20:10) 

母ちゃん

どの写真も素敵なのですが、公園の青空にうっとりです(^^)
by 母ちゃん (2011-11-16 20:49) 

miffy

緑の芝生に散りばめられた黄色の落ち葉美しいですね〜
丸い柿、我が家のは渋柿と甘い柿と両方あります。
渋くても焼酎に漬けてたら甘くなるっていうけど・・・
生成りブロンドに床スレスレの家具、面白い表現ですね。
人が見たことのないものを説明するのって難しいですよね。
今なら写真を見せれば済むけど文章で著すのは大変ですよね。
こちらはようやく少しずつ色づいてきました。
まだ日中は20度超えてポカポカです。
by miffy (2011-11-16 21:00) 

TaekoLovesParis

パリでも今の季節、いちょうが見れるんですね。
私は、11月に行ったことがないから、黄色のいちょうを見たことが
ないけど、パリの景色に似合ってますね。
一日1時間読書、がんばってね。
by TaekoLovesParis (2011-11-16 22:40) 

めぎ

そちらの方がこちらより少し暖かそうな印象ですね。
やっぱり綺麗に写っている写真を見るといい気分。
影もくっきりと写ってて、斜めに差し込んでいるのがよく分かりますね。
by めぎ (2011-11-17 05:58) 

MOCOMOCO

そちらの木々の色づきも綺麗ですね♪
芝生の上に積もっている黄色い銀杏の葉っぱの絨毯、とても綺麗。
昨日神奈川の方に出かけていたのですが、銀杏並木がちょうど色づき始めた頃でした。まっ黄色に染まるのはもうちょっと後かな。
今年の秋は寒暖差が激しくて、ジェットコースターのように気温が上がったり下がったり。着るものの調節が大変です。
by MOCOMOCO (2011-11-17 09:10) 

テリー

素敵な紅葉ですね。
by テリー (2011-11-17 13:06) 

夢空

飛行機雲がすごいですね~。
黄色がきれい☆
いつもと変わらぬ秋ですぅ(^_^)/
by 夢空 (2011-11-18 00:18) 

カエル

いろんな国の言葉で比べると頭にひっかかりができて覚えやすいですね。丸暗記だと丸忘れしちゃうから。
ところで、毎日1時間の読書は、一日のどの時間でやっているの?
私の近所の秋は、紅葉がまだ見れず茶色くなっちゃっている葉っぱが多いな。ずーっと温かかったから。。。
空の雲をみて秋を感じている毎日です。
でもね、昨日から私冬を感じ出したよ。


by カエル (2011-11-18 08:43) 

alo-had

美しい。
季節がある国で愛でるものはやっぱ同じですよね。
綺麗なものが写ってる。
いいな。
憧れますね。
by alo-had (2011-11-18 12:01) 

luces

柿や銀杏がなっているんですね。なんだか急に親近感が沸きました。
パリの人も銀杏食べるのかな。
by luces (2011-11-18 19:18) 

てんとうむし

パリの紅葉も美しいけど、葉の色のうつろいを愛でたりする人は少ないんだね。

床すれすれの家具、紙の仕切り・・・うん、そうだよね、日本の生活って、3びきのこぶた』で最初にオオカミに吹き飛ばされちゃう藁の家と、2番めに壊れちゃう木の家の中間だ。
欧州の人にとっては危なっかしい印象だろうね(笑)



by てんとうむし (2011-11-18 22:07) 

hatsu

秋の日差しは優しいですね^^
畳の色が生成りブロンド、確かにそうですね。
フランス語や読書のお話、楽しぃー。
また聞かせてくださいね。
by hatsu (2011-11-20 06:31) 

ネム

綺麗な紅葉ですねぇ!
うちのあたりは、今年は秋口の大風にやられてしまって
紅葉する前に枯れて散ってしまった感じです。。。
銀杏のしたに寝転んでるひと、羨ましいなあ☆
by ネム (2011-11-22 01:45) 

Inatimy

→皆さま 
『秋はそこにいた。』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 あっというまに11月も半ばを過ぎて、街の中はそろそろクリスマス・マーケット開始。 慌ただしい気分に拍車がかかる~。 

→HIROMIさま 
日当たりのいいところとそうでないところで、紅葉の進み具合が変わるのかしら。 建物ばかりで山も見えないパリなので、山肌一面の紅葉は拝めませんが、小さな秋色で楽しんでます♪ 

→picaさま 
パリは秋が一番似合うかな。 観光客も少しは減って、ちょっぴり静けさもあって。 でもまたクリスマスが近づくと観光客で大賑わいです。

→アールグレイさま 
昔は10月終わりには紅葉してた気がするけれど、だんだんとずれてるのかしら。 紅葉したかと思うとすぐに年末で、慌ただしいですね~。 秋と冬がバタバタと。

→pistacciさま 
スペインでも、フランスでも、オランダでも柿はそのまま「KAKI」で売ってますね~。 毎週のようにキロ買いして食べてます♪ 干し柿もあったらなぁ・・・と、アプリコットやプルーンの並ぶドライフルーツの棚を眺めたり。

→stellariaさま 
いろんな言語を“かじった”程度なので、中途半端で余計に頭の中が混乱してます・・・。 日本語も漢字や表現がだんだんと頭から消えて語彙も乏しくなってるので、こうして日本語で書いて少しは防げているかしら・・・。

→ぴーすけ君さま 
東京のイチョウが色づき始めるのは12月入ってからなのかしら。 なんか不思議~。

→母ちゃんさま 
冬はどんより曇り空が多いので、秋のこんな青空は思いっきり目に焼き付けておかないと、って感じです♪ 

→miffyさま 
お店で見てると、柿のゴマ、こっちの人は痛んでるって思ってるのか、なかなか買う人いないみたいで。 私がせっせとキロ買いです♪ 甘くて甘くて美味。 フランス人が表現する日本の世界は、日本の世界を知ってる私でも、何だろう?と推測することが多くって。 意外な見え方が面白いかも。 こちら、昼間は10℃~12℃くらいかな~。

→TaekoLovesParisさま 
オランダでもイチョウがあったんですが、雄株で実がならないのしか見たことなくって。 こんなにたくさんついてるのは嬉しくなりますね。 パリのイチョウもいい雰囲気です。 一日1時間読書は、のろくてなかなか進みませんが、文法書を読んでるより、言語が使われてる様を見るほうが言葉を身近に感じられますね。 気になるものだけ文法書をめくって、う~ん、文法用語が難しい・・・なんてね(笑)。

→めぎさま 
やっぱり緯度の低さかな。 強風が吹かない分、オランダよりも暖かく感じて、1カ月氷点下というのもあったのに、昨年はダウンコートも出さなかったくらいです♪ 

→MOCOMOCOさま 
こちらは20℃かと思ったてたら突然30℃超えたりと夏のほうが寒暖差が激しかったので、30℃の日がフェードアウトした秋は、過ごしやすかったかも。 オランダ仕様な体なので寒さをあまり感じなくなったし(笑)。 日本の紅葉も、キレイだろうなぁ。

→テリーさま 
ふふ、素敵な紅葉でした♪

→夢空さま 
飛行機雲を見て、どこの空港に行くんだろうなぁ~なんて旅心うずうず。 山の見える秋は、また一味も二味も違うだろうな~。 味覚の秋♪ 

→カエルさま 
毎日1時間読書は、午前中。 ちょうど洗濯機をセットすると1時間ほどで完了なので、干すまでの待ち時間で読書♪ でも気が向かなくなったり、忙しかったりすると、1文章だけで終わっちゃう日もあってねぇ。 でも地味~に進んでます(笑)。 

→alo-hadさま 
キレイなもの、美しいものを見ると、撮りたくなりますね~。 そのシーンを持って帰れないから、せめて写真でも、って(笑)。  落ち込んだ時でも元気が出そうなビタミン剤的な励ましの写真♪

→lucesさま 
銀杏の美味しさを教えてあげたいですね~。 こちらでもナッツやドライフルーツがたくさん並び始めた秋、きっと気に入るかも。 

→てんとうむしさま 
皆、忙しいからかな。 葉の色よりも、貴重な太陽の光のほうが主役みたいよ。 紅葉は二の次・・・。 昔の日本の家は天井が低かったけれど、座る暮らしだからちょうどよかったのかな~って。 現代版なら4匹のこぶたで、4番目は鉄筋コンクリートの家?(笑)。

→hatsuさま 
ブログの中でお話しできるように、読書、頑張って続けてますね~。 とにかく3日坊主にならなくってヨカッタ・・・。(読みかけで中断してるのが数冊あるんですよねぇ・・・。)

→ネムさま 
風にやられても、きっと春にはまたたくさん芽が出て枝を伸ばしていくんでしょうね~。 植物は力強いな。 イチョウの下に寝転んだら、葉っぱが舞い散る様子がキレイだろうな~♪ 
by Inatimy (2011-11-23 20:55) 

yuka

言葉やイメージの違いってほんとうに面白いですね。
秋から冬にかけてはそういうマタリした気分も好き。
by yuka (2011-11-24 17:09) 

Inatimy

→yukaさま 
言語や民族が異なる国が大陸続きっていうのも、かなり影響あるんでしょうね~。 面白いけど、覚えるの大変・・・。 混乱する~。
by Inatimy (2011-11-30 07:17) 

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