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帰りの列車の時間まで [フランス・パリの外]

 何事も、ほどほどがいい。

 押す力と引く力。
 流れによって、状況に応じたバランスが保てれば、
 それが一番心地いい。

 その度合いも、人それぞれ。
 自分の中に“基本の”があるような気がする。

 珈琲も同じ。 
 酸っぱ過ぎてもいけないし、苦過ぎてもいけない。
 香りの良さ、そして他との調和も大切。

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 話は、9月下旬にアミアンノートルダム大聖堂を見に行った日の続きで、
 ようやく最終回

 大聖堂から下りた後、ようやくおやつの時間。
 近くのお土産屋さんの一角で、お手軽に。 

 Malongo は、フランス珈琲メーカー。 
 我が家のお気に入りで、ここのGoût Italien(イタリア味) を愛飲。

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 で、珈琲と一緒に食べたのは、Macaron d'Amiens マカロン・ダミアン
 アミアンのマカロン

 日本でよく知られている、あのマカロンとは、見た目も味も、まったく別物。
 材料は、アーモンドプードル、ハチミツ、砂糖、卵、小麦粉、バニラシュガーなどのよう。

 ほんのり、しっとり。

 うん・・・・・・ 私は、アミアンのマカロンの方が好きかも。

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 大聖堂前の広場に建っていた気になる建物。  

 広場の北西に建つ家は、木組みで、赤い扉。 La Maison du Pèlerin と看板が。
 上の階に行くほど、少しずつ床面積が広くなってる。

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 窓ガラスは、円や斜め格子の模様の古そうなもの。  木彫りの顔の装飾がいくつか。
 その表情は、ひとつひとつ異なる。 

 昔は何の建物だったのか分からないけれど、今は、開業医のプレートがついていた。

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 広場の南西に建つ家もオシャレなもの。 

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 窓の柱のように見える部分が、コリント式っぽい。 
 扉のアーチの上のニッチに、顔だけの像があったりね。

 の上から見えたバラ窓を探し求めて、さらに街の中を歩く。

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 大聖堂から、南西に伸びる道を歩いて来た。 広場には、装飾たっぷりの時計
 その女性像から、愛称は、Marie sans chemise 。 ・・・上半身裸のマリー?

 昔、この街の市長さんだった人が、市民が列車に乗り遅れないようにと、
 時計の建設費用として多額の寄付し、完成したのだそう。 

 で、第二次世界大戦の頃、像は解体され保管されたけど、
 時計本体は、廃墟と化した街の中に。

 現在のものは、2000年に建てられたレプリカに、像が戻されたものとか。

 ここからちょっと入った通りに・・・

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 ・・・手前に見えてたバラ窓の建物が。 
 青い扉の上に、Lycéee Privé とあったので、私立の高校みたい。

 元の道に戻って、さらに南下すると・・・

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 ・・・Galeries Lafayette ギャラリー・ラファイエットが。 パリにもある。 

 建物の一番上に、AUX NOUVELLES GALERIES とあるけれど、
 ヌーヴェル・ギャラリーは、1867年にできた百貨店チェーンで、
 1983年にギャラリー・ラファイエット・グループに買収されたのだそう。

 右に曲がって、西のほうへ歩いて行くと・・・

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 ・・・やがて、Hôtel de ville 市庁舎の前に出てくる。 U字の形。 

 ここで南東に向かう。 そろそろ駅にも近づいて行かないとね。 

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 通りに並んだ、お屋敷みたいな建物2つ。

 手前の屋根のあたりのプレートには、Caisse Lecuyer とか、
 Fondée en 1856 1856年設立、Capital 20 millions 資本金2000万 の文字が。

 その向こうの隣の建物の軒下には、Caisse d'Epargne と。
 ん?ケス・デパーニュ・・・これは、今でもある金融グループだ。
 赤に白抜きで、右を向いたリスのロゴ。 尻尾がユーロのマーク € に1本横棒が多いみたいな形の。

 これらの建物のそばに・・・・

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 ・・・から見えてた、遠い方のバラ窓の建物が。

 これは、Église Saint-Rémi サン・レミ教会。 残念ながら、中には入れなさそうな雰囲気。 

 扉の右の方に、石の壁が続いていたので、辿っていくと・・・

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 ・・・こんな入口があった。 

 ここは、Square Pierre-Marie Saguez スクワール・ピエール=マリー・サゲ

 スクワールとは、(柵で囲われた)小公園の意味らしい。
 ピエール=マリー・サゲ(1904-1923)は、考古学者・古銭学者だった人のよう。

 その人物とこの場所の関係は、分からなかったけど。

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 中は、塀に囲まれ、木々の生い茂ったひっそりした場所。 

 こうして見上げれば、明るそうだけれど、ベンチに座ると、本も読めない暗さだったりする。

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 そのスクワールの出入り口の門前にある建物では、男の人がバルコニーを支えてた。

 頭から、ライオンの皮をかぶって、後ろ足部分を腰で縛ってる。
 尻尾がたらり。

 う~ん・・・何とも言えないセンスだなぁ。

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 ギャラリー・ラファイエットのあった賑やかな通りを東へと歩く。
 途中、小さなを囲んで、子供用の乗り物が。 タツノオトシゴが珍しい。

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 ほら、ペレ塔が目の前に見えてきた。 

 なんとなく気になってたけれど、大聖堂からを南西に歩いたところの時計あたりから、
 Kamoさんが一枚も写真を撮らず。

 どうやら、疲れて、燃え尽きたよう。
 私は、普段運動不足だけれど、たくさん歩くのは平気。
 駅まで、もう少しだからね。
 

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 信号を渡ると、すぐ駅。 5時15分くらいだったかの帰りの列車にも、余裕で間にあった。

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 シートに座って発車を待つ。 アミアン、いい街だったな。

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 帰りの列車は、結構、人が多かった。 おや、あの顔は♪ 

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 帰りも行きと同様、窓からの景色に食い入るように見つめる。 

 隣ではKamoさんが、うつらうつらと、うたた寝。

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 また、しばらくこんな風景が見られない。 だんだん目の前から遠ざかっていく。
 さびしいな。

 やがて・・・

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 ・・・緑の配分が少なくなって、落書きだらけの壁が。 

 私は、あまり好きじゃない。
 列車などにペイントされたこの落書きを落とすために、相当額のお金が投入される。
 その清掃の必要が無ければ、その分を従業員の給与に充てたりできるだろうし、
 頻繁に起こるストも少なくなるんじゃないかしら・・・などと考えたり。

 そして、パリの駅に列車が入る。 カラフルな車両は、どこ行きなんだろう。

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 北駅に到着。 慌ただしく下りて行くたくさんの乗客。

 明日から、いや、もうこの瞬間から、またいつもの暮らしなんだなぁ。

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 買ったものは、ポストカード、ステッカー、メダル、ピン。

 中央上にあるポストカードにあるのは、
 ピカルディー地方の特産のお菓子 Gâteau Battu ガトー・バテュー

 帰りに買って帰ろうかと思ったけれど、思ったより大きく、
 我が家ふたりには、多すぎるので、またいつかのお楽しみ。

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 L'Ange pleureur 泣き天使。 

 アミアンノートルダム大聖堂の主祭壇の裏にある墓碑にある像。
 この天使のように、泣きたい時は我慢せず、気が済むまで泣くのがいいよね。
 あとがスッキリ。

 パリの中で、泣いたり、笑ったり、怒ったり。
 でも、感情があることも、生きてる喜びのひとつかな。
 街と自分との調和をうまく見つけて、パリもたっぷり楽しんでいこう。

 

 長く長く続いたアミアンの日帰り旅、7話目でやっと終わり。
いつか、パリへ旅されることがあったら、アミアンへもどうぞ。


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コメント 15

HIROMI

女の人が支えているような時計は、ほんとに装飾多いですね。
これでもか、これでもかと飾られています。
勢いで作ったのか、それとも計算の上か…
by HIROMI (2011-11-29 23:47) 

母ちゃん

駅の灯りがなんとも素敵です♪ 近代的な駅も使いやすいけど、ヨーロッパはこんな雰囲気を残してくれるといいですね~(^^)
by 母ちゃん (2011-11-30 06:20) 

めぎ

近くだけど遠いところ・・・
また近々のどかな景色のところに行けるといいですね。
by めぎ (2011-11-30 06:33) 

coo

おしゃれな中に遊び心!
タツノオトシゴの乗り物、
おとな可愛いいから勇気をだして乗ってみたくなりました。
コーヒー&マカロン越しの空、
素敵です♪
by coo (2011-11-30 07:14) 

luces

教会だけでなく、民家の装飾も凝っていますね。
少し足を伸ばしただけで別世界が広がっている感じ
何度でも訪れたくなる町だと思います。
by luces (2011-11-30 13:35) 

miffy

マカロンダミアン美味しそう~
たっぷり歩いた後のおやつは美味しいでしょうね^^
木組みのお家素敵ですね。
こんな病院だったら病院に行くのも嫌じゃなくなるかも・・・
残念ながら気になったバラ窓はどちらも見ることが叶わなかったのですね。
列車の中にjulliezさんを見つけたのですね♪
by miffy (2011-12-02 14:24) 

MOCOMOCO

タツノオトシゴの乗り物がなんとも面白かわゆい♪
たくさんたくさん歩いて、kamoさん燃え尽きちゃいましたか^^;
お疲れ様でした^^
アミアン、素敵な街の紹介ありがとうございました♪
by MOCOMOCO (2011-12-02 18:33) 

てんとうむし

私もMalongoのGoût Italien飲みながら読んでます♡
うん、バランスって大切ね。
たまには泣き天使になってみるのもいいかもね。
そうしたら、次は晴れやかな笑顔がやってくるもの^^
by てんとうむし (2011-12-02 22:28) 

Inatimy

→皆さま 
『帰りの列車の時間まで』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。  12月は大忙し。 とりあえず、飾りは出したけど、クリスマスの料理も考えなきゃいけないし、片付けもしたいし、友達ふたりの誕生日に、我が家の猫の誕生日も。 気分的にも慌ただしいな。 日帰り旅したのが、だんだん遠く過ぎ去っていく~。

→HIROMIさま 
きっと、その時代は、たっぷり装飾が流行りだったのかも~。 時計が主役と言うより、装飾や像が目立っちゃってますね~。

→母ちゃんさま 
こんな大きな屋根のある駅っていいですよね。 パリは始発駅だからというのもあるかな。 日本の駅も面白いですよね。 地下街が発達してて、賑やか♪

→めぎさま 
なかなかパリの外に出られないのは、我が家には車がないっていうのもあるかも。 出かけるのは公共交通機関で列車になるし・・・。 さらにフランス、ストが多いから。

→cooさま 
のるなら、せっかくだし、普通の車よりも、このタツノオトシゴですよね♪ たくさん撮った写真で、たま~に懐かしく思い出してます。

→lucesさま 
アミアンでこれだから、いろんな街がきっと他にもあるんだろうな~って、わくわくしますね♪ また行きたいな~アミアンへも。 今度は、ジュール・ヴェルヌの関連に注目して歩きたいし♪

→miffyさま 
マカロンダミアン、どことなくスペインで食べたクリスマスのお菓子に似てて親しみ感じました。 懐かしい味。 木組みのお家は、内装も気になりますよね~。 どんな医院なんだろ。 レトロっぽくっていい感じかな~。

→MOCOMOCOさま 
私は夢中になると、ついついあれこれ欲張って見て歩いちゃって。 気がつくとKamoさんが先に完全燃焼・・・。 帰宅後、私はさらにお料理して夕食を作ったのでした♪ 楽しい日帰り旅でエネルギー充電できました。

→てんとうむしさま 
ふふ、珈琲、お口にあったかな? 今のところ、この珈琲がフランスで一番好み。 他にもエスプレッソ用の豆があったけど、イタリアンのほうがバランスよかったよ。 泣くのも前に進むためには大事だよね。 後、すっきりするし♪
by Inatimy (2011-12-03 08:27) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、たくさん歩けるのね。kamoさんの様子を思い浮かべ、
何だかほほえましく読みました。
アミアンは聖堂だけでなく、町も見所満載ですね。この連続記事、
行く時には参考にさせてもらいます。
by TaekoLovesParis (2011-12-04 21:23) 

カエル

アミアンのマカロン美味しそうだね。
サクサクって感じなのかな?それともしっとりなのかな?
バターの香りがしそうです。
ライオンの皮をかぶった男の人、目が釘付けになってしまいました。
前足がどれで?後ろ足は?頭はって凝視したら見えてきたよ。
こわいね。
もののけ姫の猪の皮をかぶっていたのを思い出しちゃった。
Inatimyさんがどんどんさびしくなってきたの、写真を見てたら伝わって来ちゃった。又行けるといいね。みどりの多い街へ。
by カエル (2011-12-05 11:52) 

ネム

アミアンのマカロン、とても美味しそう♪
「マカロンです」って出されたら「えええ?」ってなりそうですけど。
建物の至るところに顔(ガーゴイル?)がある町でしたね。(偏ってますか?…汗)
泣き天使のバッジ、素敵です。
by ネム (2011-12-05 11:56) 

Inatimy

→TaekoLovesParis さま 
子供の頃から父に連れられ、山歩きやスキーに行っていたので、いつのまにか頑強な足に(笑)。 アミアンから帰った日も、夕飯作って家で食べてたり。 ふふ、私は、Taekoさんの記事で知って、ブールジュの大聖堂へいつか行こうって狙ってます♪

→カエルさま 
アミアンのマカロンは、しっとり系で、素朴な味♪ カラフルじゃないし地味だけど懐かしい味のお菓子でした~。 ライオンの皮をかぶった男の人、その人自身の脚がないの。 ライオンの尻尾はたらりと下がってるのに。 一瞬、日本の幽霊を思い出しました(笑)。 パリも楽しい街だけど、牛や羊や馬のいる風景が好きな私は、やっぱり緑が恋し~。

→ネムさま 
マカロン買ってきたよ~♪って、このアミアン版差し出したら、かなりブーイングきそうですよね(笑)。 日本で有名なカラフルなマカロンじゃないものね。 でも美味しい♪ 他の地方に行くと、表面にひび割れがたくさん入ったマカロンもあるみたい。 決して失敗作じゃなく(笑)。 顔がいっぱいある建物のアミアン、うん、そうかも~。
by Inatimy (2011-12-08 04:40) 

Jalana

おいしくないわけじゃないですが、私はマカロンには惹かれないんです。色が人工的に見えるせいかな。これだったらいいですね。
by Jalana (2011-12-09 18:21) 

Inatimy

→Jalana さま 
遅くなってごめんなさい。 アミアンのマカロンは、あの一般的なマカロンとはまったく別ものですね~。 色も焼き菓子として普通の色だし地味だけど、また違った美味しさがありますよ。
by Inatimy (2012-01-02 19:07) 

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