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星とお菓子と贈り物 [フランス・日々の暮らし]

 迷わず、寄り道もせず、渋滞にも巻き込まれず、まっすぐたどり着いたかな。

 空に輝く星に導かれて。

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 そろそろお休みも終わって、通常モードに戻りつつある頃かしら。
 日本では、とっくに昨年の話で、お正月も終わってしまったけれど、
 こちらでは、クリスマスが、まだ続いていた。

 この3人が登場しないとね。
 クリスマスツリー飾りを片付けるのは、その後。

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 イタリアの画家 Bernardino Luini ベルナルディーノ・ルイーニ(1485頃-1532) の
 
"La Nativité et l'Annonce aux bergers" 『キリストの降誕と羊飼いへの告知』
 ルーヴル美術館

 キリストの降誕の後・・・

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 同じく Bernardino Luini ベルナルディーノ・ルイーニ
 
"L'Adration des Mages" 『聖マギの崇拝』
 ルーヴル美術館

 ・・・東方の三博士がやってくる。 

 贈り物として、乳香、没薬、黄金の3つを携えて。
  乳香は木の樹脂で、焚くお香。 教会などで見かける振り香炉にも入ってる。
  没薬も木の樹脂。 これも焚くお香だったり、鎮静や鎮痛の薬だったり。

 その日を祝うのが、1月6日公現祭。 

 フランス語では、Épiphanie エピファニ
 どこの国でも固定された日だと思っていたら、
 フランスでは移動するようで、今年は1月8日なんだとか。

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 ルーヴル美術館の工芸品エリアに展示されてたステンドグラス

 東方の三博士(三賢者)は、占星術学者・天文学者のよう。
 名前は、それぞれ英語では、メルキオール カスパール バルタザールなんだけど、
 どれがどの人の名前なんだか・・・解釈が異なる様子。

 スペインでは、一番年上の老人がメルキオール(メルチョール)
 次がカスパール(ガスパール)、黒人の姿がバルタザール(バルタサール)だった。

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 公現祭の前夜、つまり1月5日の夜に、スペインでは三賢者パレードがある。

 マドリッドのものは、今年もTVで見た。 
 2時間半の特別番組・・・なんだけど、最後の美味しいところだけ。

 沿道にあふれんばかりのアリのような人だかりの中を、
 イルミネーションに飾られた派手な山車に乗って、皆に手を振る三賢者とお付きの人。
 市庁舎前の特設ステージで、代表してメルチョールがスピーチ。

 ここまで大規模じゃないけれど、たいていのスペインの街では、
 三賢者のパレードがあって、
 キャンディーなどのお菓子をまいてくれたり、
 本物のラクダなどをつれたものもある。

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 我が家が一番最初に買ったクリスマスオーナメント三賢者。 旅の途中でね。 
 すっかり色が変色してしまったけれど、元は金色だった。

 次が、右のもの。 スペインで手に入れた、ラクダに乗った三賢者ご一行さま。
 アドヴェントが始まる頃に、街の本&文具屋さんのショーウィンドーに並び始め、
  何度か前を通っては、いいなぁ・・・と、悩んだ末に。

 ちなみにスペインでは、クリスマスプレゼントをくれるのは、この三賢者
 1月6日の朝は、いい子か、悪い子か、その判断が下される日でもある。
 というのも、悪い子にはプレゼントの代わりに、(のお菓子)が・・・。

 Papá Noel パパ・ノエル(サンタクロース)が一般的になった今は、
 2度プレゼントをもらう子もいるだろうね。 

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 最初は三賢者ばかり集めるつもりだったけど、降誕シーンと合わせて揃えるように。
 これは、ドイツで買ったもの。 スペース的にツリーが置けないので、しばらく出してない・・・。

 よく見れば、どちらにもがあるでしょ。
 これがベツレヘムの星。 三賢者を導いたナビ役。

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 オランダにいた頃は、壁のタイルにも見つけたり。

 Leeuwarden レーワルデンFries Museum フリース博物館にある。
 アムステルダムからだと北の大堤防を渡り、車で2時間弱の街。

 オランダでプレゼントをくれるのは、三賢者という線は薄く、さらに、
 Kerstman ケルストマン(サンタクロース)より、
 Sinterklaas シンタクラースが人気だったりする。

  ※ シンタクラースについては、こちらの過去記事へ。 

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 で、フランスの話に戻って・・・

 この日に食べるのが、Galette des rois ガレット・デ・ロワ
 パイ生地に、アーモンドクリームとカスタードクリームを混ぜたものが。

 中にフェーヴ(陶製の小さなフィギュア)が入ってて、
 切り分けてもらった分に、入っていたら当たり。 
 付属の紙の王冠をかぶって、皆から祝福され、1年間、幸運が続くというもの。

 1月1日か2日ぐらいから売りに出されるので、我が家も何度か食べる。 今年は現在2個目。
 2人分というのは、あまりなく、サイズが小さいとフェーヴが入ってないものだったり・・・。
 なので4人分くらいのサイズ。 ・・・クリスマス、お正月で食べ過ぎた身なので、摂取カロリーを気にしながらも。

 買うと紙袋に台紙にのったガレット・デ・ロワと紙の王冠を入れてくれるので、 
 ぶら下げて持って帰るの。 縦になっても気にしない。   ← 日本でもそう?

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 今のところ、Kamoさんが2勝・・・くやしいぃ。 
 1個目は、ワッフルに乗ったクマさん。 2個目はシマウマだった。

 お店によって、バターの香りの強さや、アーモンドクリームとカスタードクリームの混ぜる割合、
 パイ生地のサクサク感、パイ生地の味(甘い系、ほんのり塩味系)、
 表面の模様など異なるので、
 食べ比べしてお気に入りの店を見つけるのがいいかも。
 私の場合、ドミニク・サブロンより、近所のパン屋さんのものが好き♪

 ・・・と、書いたら、Kamoさんが、味よりフェーヴのデザインでしょ、って(笑)。
 私には、美味しさも大事よ。 
 だって、先にフェーヴが出ちゃったら、後に残るのは、パイ菓子だけだもの・・・。

 

 さて・・・と、クリスマスカードや飾りも片付けなくっちゃ。

 

 ブログも通常モードへ。
 残ってるのお話に戻っていい?


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angie17

日本(東京)で売っているガレット・デ・ロワも、
ホールは4人前って感じですね。
表面の細工が細かいかなぁ~。
(そこが日本的?)

by angie17 (2012-01-06 23:30) 

Roseblanche

Inatimyさん、こんばんは♪
おいしそうなガレット・デ・ロワ、夜中に拝見すると目に毒です(笑)。
フェーヴもかわいい~~~♪で、Kamoさんの2勝ですか?

クリスマスが続くの、いいですね。
日本じゃ、お正月さえももう過去になりつつ…あります。
by Roseblanche (2012-01-07 00:33) 

りゅう

ルーヴルのステンドグラス綺麗ですね♪
とっても見応えがあります。
スペインはマリアさま信仰が深い土地柄だそうですね。
三賢者のパレード、なるほど~凄い人出だ~って思いながら、
現地の熱気を感じさせていただきました。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
by りゅう (2012-01-07 02:50) 

pistacci

店頭ではみかけるけれどまだガレット・デ・ロワ食べたことありません。
何度食べてもいいのね。今度買ってみようかな♪
by pistacci (2012-01-07 14:27) 

luces

東方の三博士はクリスマスの日に来たのかと思っていたら、1月過ぎだったんですね。
ゆっくり来てもらって、長ーくクリスマス気分に浸っていたいです。
かわいらしいフェーヴですね。

by luces (2012-01-07 15:14) 

母ちゃん

最近ガレット・デ・ロワをよく見かけるようになりました♪ 一度食べてみたいとは思いますが、我が家はフェーブが2個要りそうです(^^)
by 母ちゃん (2012-01-07 21:10) 

てんとうむし

日本で以前はエピファニー当日の限定販売のようだったガレット・デロワもだんだん販売期間が長くなってきて、今年は2日から見かけたよ。
買わなきゃ・・・って思ってるうちに仕事がはじまって、おっともう7日なのね。
でも、フランスにあわせて明日8日に運試ししてみようっと^^
by てんとうむし (2012-01-07 23:00) 

TaekoLovesParis

スペインで買った三賢者の金色オーナメントと、御一行様のお人形、
かわいいですねー。こういうの、ほしいなぁ。
ガレット・デ・ロワ、ちょうどその時にパリにいて食べたことが何回か
あります。あっさりしてるようだけど、ちゃんと味があるんですよね。
最近は、東京でも売ってるのを見かけます。でも私はパイっぽいのより、
チーズケーキやショートケーキの方が好きなので、買ってません。
by TaekoLovesParis (2012-01-07 23:39) 

HIROMI

公現祭が移動するだなんて、こちらの成人の日のようですね。
それにしても、スペインでは悪い子には炭のお菓子だなんて、しつけにも役立ってるんですね。炭のお菓子をもらったこは、1年間いやーな気持ちですごすのかしら。
by HIROMI (2012-01-08 08:45) 

匁

公現祭ですか?なるほど
そして、三賢者ですか?。
こちらはお正月休みが終わった思ったら
また、成人の日で3連休です。
そして、大阪では明日から
戎さんです。
《商売繁盛笹もってこい》
by (2012-01-08 09:01) 

夢空

Galette des rois ガレット・デ・ロワ♪
食べてみたいです。
当記事のお正月のお飾りは、白い芍薬と葉っぱは粘土で作り、
薔薇と黄色のふわふわは、プリザーブドフラワーです。
で、干支は取り外し可能で^_^;来年のお正月も大丈夫。
水引きは、祝儀袋についてるモノなんですよ。


by 夢空 (2012-01-08 22:33) 

miffy

三賢者は国によって形や雰囲気が変わっていて面白いですね。
真面目なのもいいけどドイツのツリーの飾りのようにちょっと可愛らしいお顔の方が馴染みやすいかな~
ガレット・デ・ロワはシンプルなだけに味がわかりやすいですよね~
食べなれないものよりも馴染みのお店の方が美味しく感じますよね。
by miffy (2012-01-09 23:12) 

hatsu

ガレット・デ・ロワ、食べてみたーい^^
と、去年もInatimyさんのお話聞いて思っていたような。
来年は新年会のときに、用意しておこうかなあ。
おいしくて幸せな時間ですね♡
by hatsu (2012-01-10 06:34) 

めぎ

今年はクリスマスを祝わないうちに終わっちゃって、なんだかタイムマシーンに乗ってきたような気分です。
炭のお菓子を置いていくのはドイツでは12月6日の聖ニコラウスですねえ。三賢者の日には何ももらわないな。
同じヨーロッパでもちょっとずつ違いがあって面白いですね。
by めぎ (2012-01-10 07:11) 

ネム

こういうのを知ると、いかに日本のクリスマスが真にクリスマスではないかがよくわかりますね~(^^;
完全に、外国風のロマンチックなお祭りを楽しんでいるだけ…クリスマス風のお祭りですものね。(私はそんな日本も好きですが。)
by ネム (2012-01-10 17:52) 

MOCOMOCO

ガレット・デ・ロワ、一度食べてみたいです♪
近所のフランス人のおじさんがこじんまりと営んでるパン屋さんで今日見かけたんですが、二人で食べるにはちょっと大きすぎるサイズだったので買ってきませんでした。
フェーヴ、当たると嬉しいでしょうね~^^
by MOCOMOCO (2012-01-14 15:42) 

カエル

プレゼントをくれる人がサンタクロース以外だったなんて。自分の常識は狭いなぁと思いました。恋人って話もあるけどね?^^ クリスマスのお飾りは年越してから片付けるのね。
楽しい。知らないことを知れるってすごく楽しいです!
by カエル (2012-01-15 04:24) 

Inatimy

→皆さま 
『星とお菓子と贈り物』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 お返事が遅くなりました・・・。 月曜は珍しく最低気温が0℃、最高気温が5℃くらいと、ほんの少しパリは冬らしい寒さに。 昨春に種をまいたアフリカンデイジーが、なぜかまだ咲いていて・・・元気だなぁ。

→angie17さま 
ガレット・デ・ロワの表面の細工は、お店によって異なってて、かなり細かいものもちゃ~んとありますよ~♪ ふふ、フランス人も頑張る。

→Roseblancheさま 
ガレット・デ・ロワ、そのあともう一つ買って食べました。 3個目は、ようやく私に当たりが♪ 七草がゆも終わって、鏡開きも終わって、あとお正月の名残といえば、お年玉つき年賀はがきの抽選かな~。

→りゅうさま 
秋にルーヴル行ったんですが、まだ記事に書けてなくって・・・もうすぐ登場するのでお楽しみに~。 スペインはカトリックが多いので、教会にはかならずマリア様の像が。 三賢者のパレード、現地に住んでた頃に観に行った時は、おこちゃまに交じってお菓子をもらってました(笑)。 

→pistacciさま 
1月中旬になってもまだお店で売ってるのを見かけます。 どうしようかな、もうひとつ買っちゃおうかしら・・・なんて思ったり。 今年は、すでに3個。 すでに結構なカロリー摂取だしなぁ。

→lucesさま 
お正月がない分、長いクリスマス期間が楽しみですね~。 ガレット・デ・ロワで、1月が終わるって感じです。 現在、4個目♪ フェーヴは、ハチミツポットとパン屋のくまさんでした。

→母ちゃんさま 
こちらのパン屋さんでも、中のフェーヴだけを別売りしてるところもあります♪ でも、幸運は、1個のほうがありがたみがありますね~。 

→てんとうむしさま 
ガレット・デ・ロワ食べることができたかな。 我が家は4個目。 4つ目は、Kamoさんが最初に切り分けるときに、切り目に発見・・・。 こちらは1月いっぱいは販売してそうなので、しばらくおやつは、こればかりになりそう・・・。

→TaekoLovesParisさま 
私もフランスに来てからパイ生地が食べられるようになったほど。 日本ではクロワッサンも苦手で食べられなかったんですよ。 Taekoさん、ブリオッシュは、お好きですか? ガレット・デ・ロワの他に、ブリオッシュ・デ・ロワも売ってますよ~♪ 

→HIROMIさま 
宗教関係の祝祭日って(イースターなど特に春のものは。)結構毎年移動するものが多くって、いまだによく覚えられないです・・・。 三賢者から炭もらった子は、ショックでしょうね~。 それを機に、いい子に改心するかな。

→匁さま 
日本は季節の行事があれこれあって、楽しいですね~。 ネットでニュース読むたび、あぁ、そうだった~って、思い出して懐かしんでます。 節分もそろそろ。 恵方巻きとか宣伝されてるかな。

→夢空さま 
あの芍薬、やっぱり手作りだったんだ~♪♪ すっごいなぁ。 取り外し可能な干支だと、ず~っと使えますね。 いつも驚くべき創作力。 PC画面の前で顔近づけてみてますよ。

→miffyさま 
昨年は、あれこれどんなフェーヴが入ってるか、ショーウィンドーにディスプレイしてるところも多かったんですが、今年は不況の影響か、昨年のシリーズを続けてたりして・・・。 そろそろ、ガレット・デ・ロワ、食べ飽きてきました・・・4個目。

→hatsuさま 
ガレット・デ・ロワ、自作と言う手もあるわけですが、私はもっぱら買って食べる専門です♪ 自分で作るなら、ズルしてこっそりフェーヴ入ってる位置に目印付けちゃおうかな・・・って、ダメよね。

→めぎさま 
>炭のお菓子を置いていくのはドイツでは12月6日の聖ニコラウス・・・
あら、オランダでは、聖ニコラウスの時の悪い子は炭をもらうんじゃなく、麻袋に入れられてシンタクラースやズワルトピートたちにスペインに連れて行かれちゃうんですよ。 ふふ、行ってみたいかも。 ホント、近隣諸国同士でも微妙に違いがありますね~。

→ネムさま 
我が家も異国の地に住んでいるとはいえ、やっぱり根っからの日本人ですから、お祭りの雰囲気を楽しんでるだけですよ~。 さらに、日本の四季の行事も十分に分かってないから、どっち付かずで・・・。 ネムさんところで、いつも、ほぉ~へぇ~と、新しいことを知るかのように学んでます♪

→MOCOMOCOさま
4人前のガレット・デ・ロワですからねぇ・・・我が家も。 ふたりで2回分です・・・。 フェーヴ、今年はまだ、私は1回しか当たってなくて。 4個目を日曜日に買ったんですが、Kamoさんが切り分けるときに、発見しちゃいました・・・。

→カエルさま 
♪恋人がサンタクロース、背の高いサンタクロース♪ってユーミンが歌ってますものね~。 その曲聴くと、『私をスキーに連れてって』を思い出すなぁ。 クリスマス飾り、ゆっくり片づけてもOKなので気分的に楽です。 日本の雛飾りのように早くしないとダメだったら焦るけど。 のんびり片付けたら来年プレゼントもらえない・・・とか、ないしね(笑)。
by Inatimy (2012-01-16 16:50) 

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