床を見て思う [フランス・パリ]
人は足元を見る。
私も自分の足元を見ていた。
オペラ座、ガルニエ宮は、きらびやかで豪華な内装がキレイだったけれど、
私が一番興味をひかれたのは、床。
凝ったデザインの細やかな石のモザイク画。
模様部分も白い部分も、小さな小さな石のパーツの集まり。
似てるようで、似てないような。 場所によって異なる模様。
昔の職人さんが、ひとつひとつのパーツを並べていった過程を考えると、
とてつもなく時間がかかることは予想がつく。
私が作ったのは、紙でだったけれど、
タツノオトシゴのモザイク画で、計10時間だったもの。
足元をよく見て歩きなさい・・・
子供の頃、よく転んだり、つまづいたりしていた私は、母にたびたび注意された。
そして、足元を見られるから、靴はキレイにね、とも。
小さな頃から、運動靴や上履きも、自分で手洗い。
水遊びを兼ねて母が教えたように思う。
ままごとを兼ねて、幼稚園児の私に、いつのまにか料理の実践をさせたように。
サークル、正方形、八角星、植物柄・・・重なり合って1つになる。
足元には気をつけるようになった。 以前よりはね。
靴にも、自分なりのこだわり。 たくさん歩くから履きやすさ重視。
Birkenstock, clarks, Ecco, Merrell, wolky・・・あたり。
ヒールを履いて自転車にも乗ってた母とは、かなり靴の好みが違う。
お手入れは、週末。 まとめて靴磨き。 Kamoさんの分も。
面倒臭がり屋の私だから毎日は無理だけど、ブラシをかけたり、クリーム塗ったり。
部屋の隅にも。 花のツボミ部分は、グラデーションになってた。
振り返ってみると、かなり早い時期からいろんなことをさせてもらった気がする。
包丁やハサミ、、マッチやライター、アイロン、金槌やノコギリ、他いろいろ。
危ないからと取り上げられることはなく、
間違った使い方をしないように、使いやすいようにと、コツも伝授。
部屋の中央から周りに広がるように。 ラビリンスのような模様に囲まれて。
小学校に入学したら、自分で起きる時間を管理するようにと目覚まし時計を渡された。
それ以前でも、台所の音で目が覚めて布団から抜け出ていたけれど。
遅刻するもしないも自分次第。
誰よりも先に起きて、冬はマッチで石油ストーブの火をつける。
火の怖さ、取り扱いの注意は、十分教えられた。
ガスレンジで、やかんにお湯を沸かし、お味噌汁も作る。
他にも、床にあった通気口みたいなものとか。
小学校の制服はプリーツスカートだった。
遊び盛りだからよく汚す。
いちいちクリーニングなんて出してられない。
入学後間もなく、洗濯機で洗った後は、自分でアイロンがけするように教わった。
ひだを糸でしつけして・・・のところ、まち針で手抜きしたけれど。
たまに、壁紙にも目を奪われたりね。 ケルト文様のような編み模様。
お風呂でも何でも自分で作ってしまう大工上手な父のそばでは、
好きに遊んでいいよと、かまぼこの板を与えられ、釘を打ったり、切ったり、削ってみたり。
やがて、屋根の上にあがって瓦の配置を整えたり、増築部分の床張りも手伝うように。
いくつでも初めては初めて。
大人になってから困らないように、生きる術、暮らす術を・・・というのが主軸だったらしい。
ふと立ち止まって足元を見る。
パイナップルのような、大きめの石のパーツのモザイクも素敵。
バスルームの床、こんなのもいいな。
苦手なこともたくさんあるけど、
教わったことがベースになって、まったく無駄にはなっていない。
たとえるなら、踏み台のような感じ。
手の届かない場所だって、少しでも近くなれる。
今まで歩いてきた道も、
いろんなものが集まってできたモザイク画なのかもしれないな。
だとしたら、もっともっとキレイな模様に作っていきたい・・・と欲張り(笑)。
すぐに楽な方を選んじゃうけど、手をかけることの良さにも注目しようっと。
※ チェコでも足元を見てた・・・モザイク石畳で。
ガルニエ宮では、足元のアートもお見逃しなく。
我が家は「前をよ~く見て歩きなさい」って言ってますよ♪ 下ばかり見て、ぶつかりそうになるんですよ。
by 母ちゃん (2012-02-21 20:03)
私は娘を過保護にしすぎて、何も出来ない子にしてしまいました(苦笑)。
先走って手をかけすぎたんですね。
でも何とかなるかと…もはや開き直りの境地です。
Inatimyさんの爪の垢でも煎じて飲ませなきゃいけないなあ。
モザイクって改めて眺めると、つくづく気が遠くなる作業の賜物ですね。
美しいです。
by Roseblanche (2012-02-21 20:55)
確かに足下固めなきゃ。((ノε\)))
by ぷーちゃん (2012-02-21 22:07)
アラベスク風の植物模様はアールヌーヴォーにも通じる気がして、すんなり受け入れられる柄。床のモザイクはあんまり凝ったものより、ややすっきり目の2枚目の写真が好きだな。
ところで、散歩大好きいなちみ~さんはBirkenstockとかclarksなんかを履いてパリの街を闊歩しているわけね~(妙に納得・・・笑)。
by yk2 (2012-02-21 23:17)
床の模様が、また素敵ですね。
足もとに広がるモザイク画、
歩いていて新たな発見しそうです^^
ご両親から、大切なことをいっぱい学ばれてきたのですね。
生活していく上での自主性を重んじるしつけ
子供にとって、財産になりますね。
by アールグレイ (2012-02-22 01:57)
小学校も制服だったのですね。
私は中学校で制服を着るのが大嫌いだったので、制服のない高校へ行きました♪
by めぎ (2012-02-22 02:56)
モザイク壁画はあまりにも高価だったのでフレスコ画に置き換えられたという説も。でも床にフレスコは無理なのでモザイクの独壇場ですね。
拙ブログへのコメント嬉しいです。お店の案内記事は順次置き換えているので頂いたコメントもweb上では消えてしまいますけど、全部拝見しています。日本では死語になって久しい「カンツォーネ」の復活を願っています。
by plot (2012-02-23 08:14)
きっちりしつけをされていたのですね~。
素敵なお母様ですね。
私も足元をもっと見てみよう。
by 今造ROWINGTEAM (2012-02-23 09:57)
モザイクの矢印みたいなチューリップが好きです。
上も下も壁もといろいろ細かい所まで注意して見てると面白い発見がありますよね~
Inatimyさんのご両親は素敵ですね。
私は甘やかされて育ったので何もできない子になってしまいました^^;
メレルの靴は旅行の必需品です。
by miffy (2012-02-23 19:50)
優しさって勘違いされるけど、最後には1人で生きて行ける様に教育することが優しさですよね。
社会人になってからそれを教える立場で経験したことがあります。
私個人は何も出来ないですが、それでも独り立ちした時に、
やっぱり母のやってたこと基本にしてたりしますものね。
とはいえ、1/100にも充たないけど、、、苦笑。
ざっくりとしたタイルかわいいね。
きれいな曲線のデザインあこがれるけど、自分ではデザインできないんですよね〜、向き不向きといったら後者なんだろうっていつも思ってる。
今日はね、東京は春っぽい陽射しと風に包まれてますよ!
by カエル (2012-02-24 13:47)
私が足元で気になっちゃうのは、ご当地マンホールの蓋なんだけど(笑)
母の教えって、じんわり効いてくるよね。
いちばん守ってるのは「医療費かけるより食費かけなさい」ってことかな。
お薬代の分、いい食材にまわして健康でいなさいって。
そういえば、地震の前はピンヒールばかり履いていたけど、今はぺったんこ靴しか履いてない。
もうハイヒールでは体のバランスがとれないかも。
by てんとうむし (2012-02-24 23:21)
大工仕事が得意なお母さんのおかげで、
私も妹も、ノコギリづかいはなかなかです^^
手をかけることの良さ、私も大切にしたい♪
by hatsu (2012-02-25 08:25)
カワイイ。。。かわいすぎる。。。
by yuka (2012-02-25 17:10)
→皆さま
『床を見て思う』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 寒波が来ていた2月初めに比べると2週間で20℃近くアップし、最高気温が10℃ほどのパリ。 一度咲いて終わったムスカリが、再びにょきにょき・・・思わぬ2度咲き楽しめそう♪
→母ちゃんさま
ふふ、私と逆ですね~。 前にあれこれ興味をひかれ足元見なくって、今でもKamoさんに犬のう○ち踏みそうになるのを、危ない!ってよく助けてもらってます・・・。
→Roseblancheさま
いえいえ、欠陥も多かったですよ、私の両親の子育ては。 女の子は朝から新聞読んではダメとか(そんな時間があるなら家事しなさい、と)、女の子は大学へは行かなくていいとか、遠出はするなとか、その説得も大変でした(笑)。 お嬢さまは異国の地でもストにも負けず遠距離移動を乗り越えたり。 きっとこの先もちゃんと立派に何でもこなされますよ~。
→ぷーちゃんさま
足元見られて弱みに付け込まれるから、人の世って大変ですよねぇ。
→yk2さま
植物模様はいいですよね~。 直線や角の多い装飾より、なめらかな曲線のあるものが気持ちが楽になれそうで。 2枚目は私も好きな柄です♪ 土踏まずに見事にフィットするBirkenstockはドイツで出会ってからもう15年以上のお付き合い。 オランダのメーカーのwolkyもいいですよ。 あぁ、もうヒールのある靴は履けないかも・・・(笑)。
→アールグレイさま
床は踏まれて汚れるのに、それでも装飾に手をかけるところが見てて嬉しくなりますね。 モザイクやあと木だったら寄木とか♪ 両親が与えようとしてくれてたものを、私がどれだけ吸収できたか分かりませんが、今、確実に役に立ってます♪ ありがたいです。
→めぎさま
幼稚園も上着だけ決められた制服で、小学校も、中学も、高校も制服だったので、大学
では服選びが面倒だったり・・・(笑)。
→plotさま
常に誰かに踏まれ続ける床への装飾は、大理石などのモザイクが一番なんでしょうね~。 あと木の寄木とか。 フレスコ画はパリのミュージアムで、凄いところ見ましたよ。 全部本物じゃないんですけどね。 いずれまた記事になる予定(笑)。 ネット環境がよくなく接続スピードが遅いので、なかなか訪問出来ないんですがイタリアの音楽、とても楽しく拝見してます♪
→今造ROWINGTEAMさま
完璧じゃないけれど、ある程度家事はこんなものだよ~ってことを教わった気がします♪ お料理はそんなに上手じゃない母なんですけどねぇ・・・ふふ。
→miffyさま
見どころがたくさんあると、どこから見ようかきょろきょろしますね~。 見忘れたところもあるので、またいつかリベンジ。 家の中のことは教えてもらったけれど、ひとりで遠出はダメだったので、昔は公共交通機関に弱い子だったんですよ・・・。 メレルの靴、miffyさんもご愛用とは♪ 歩きやすいですよね~。
→カエルさま
編み物好きな母に、編み物苦手な私で、今、昔こんな風にしてたよなぁ・・・と母の手元を見てた時のことを思い出して、難しそうなホントにらめっこして地道に編み進めてます♪ 向き不向きって、家族の中でも分かれますよね~。 両親は泳ぎが得意だったのに、私は苦手・・・。 今日のパリはどんより曇り空~。
→てんとうむしさま
マンホールの蓋も面白いよね。 夏の暑い日は、あれでワッフルみたいなの焼けるんじゃないかっていつも思う(笑)。 うんうん、健康であるための食へのこだわりは大切だと思う。 何事も予防が一番だしね~。 仕事辞めて以来、ハイヒールはすっかりご無沙汰・・・。 仕事してた時も、オフィス内ではローファーだったもの。 ふふ。
→hatsuさま
ノコギリが使えるっていうのも、ふふ、何かと便利ですよね。 賃貸じゃなきゃ、自分であれこれ改装してみたいなぁ・・・って思います。 棚とか。 お料理もすぐ手抜きしちゃうけど、ちょっと頑張ってみようかなと思う、2012年なのでした♪
→yukaさま
可愛いものを見ると、いい気分になれますよね~。 目の保養。 いいものを見て、いいものを食べて、自分をいい状態にしていきたいですね~。
by Inatimy (2012-02-27 00:32)