ほほ笑み天使みつけた [フランス・ミュージアム]
ミュージアムは、ひとつの扉。
そこから、また別の扉が開いてゆく。
見えているものの向こうに、まだ見えていない何か。
同じ扉が開いても、目に映るものは、ひとそれぞれ。
塔の上に牛の像がある大聖堂の模型を見たのは、11月初旬。
この模型は、Cathédrale Notre-Dame de Laon ランのノートルダム大聖堂。
ランは、フランス北部のピカルディ地域圏にある街だそう。
ここは、Cité de l'architecture et du patrimoine 建築・文化財博物館。
セーヌ川を挟んでエッフェル塔の向かいに建つシャイヨ宮の中にある。
第1日曜日なので入場無料だった。
ちょうど、パリのノートルダム大聖堂の正面の装飾についてブログ記事にした後で、
最後の審判の天国と地獄の様子の描かれたティンパヌムに興味をそそられていた頃。
※ その時のパリのノートルダム大聖堂の話は、こちら。
上の写真は、フランス南部のミディ=ピレネー地域圏にある街 Conques コンクの、
Église abbatiale Sainte-Foy サント=フォワ修道院教会のもの。
右が地獄で、大きな口を開けた怪獣みたいなのもいる・・・。
次に進んでいくと、鳥のような、
そして小さな犬のようなキツネのような、何だか分からない生き物も。
これも同じくフランス南部のミディ=ピレネー地域圏にある街 Moissac モワサックの
Église abbatiale Saint-Pierre サン=ピエール修道院教会の
ポルタイユ(門)の装飾の一部。
大きな天使と悪魔の天秤に思わず注目してたのが
フランス中央東寄りのブルゴーニュ地域圏にある街 Autun オータンの
Cathédrale Saint-Lazare サン=ラザール大聖堂。
西のポルタイユ(門)のティンパヌム。
海の底で水流に揺られる昆布のような模様や、タコの足の吸盤のような模様も。
あまりに目を奪われて、どこの教会のだったかチェックし忘れた・・・。
これもブルゴーニュ地域圏にある街 Avallon アヴァヨンの
Église Saint-Lazare サン=ラザール教会のポルタイユの装飾。
ねじれた柱、しかも絡まる鎖で出来たような柱の他に、植物の模様、
想像上の生き物・・・と、すごく凝ってる。
アダムとイヴ。 木に絡まりつくヘビのような生き物と禁断の実。 原罪。
フランスの中央高地のオーヴェルニュ地域圏にある街
Clermont-Ferrand クレルモン=フェランの
Basilique Notre-Dame-du-Port ノートル=ダム=デュ=ポール大教会堂。
その内陣の柱頭のよう。
それがあるのは、陽の差し込むこんなところ。 早めに来たから、まだ人が少ない。
大きな口に手を入れて、あちゃー・・・って感じの顔。
右端には犬みたいな生き物も同じことしてる。
それは、こんな窓の上。
フランス西部、大西洋に面したポワトゥー=シャラント地域圏にある街、
Aulnay-de-Saintonge オルネ・ドゥ・サントンジュの
Église Saint-Pierre サン=ピエール教会の後陣中央の窓。
その裏を見ると、あらま・・・。 こんな風になってるんだ・・・。
このミュージアムに展示されてるものは、すべて実物大の複製。 よくできてるなぁ。
ふふ、HIROMIさん、神の手を持つ究極至高贋作者・ゼロには及ばないって ?
↑ 漫画 『ゼロ THE MAN OF THE CREATION』 主人公らしい。
おや・・・これは、見たことがある、実物を。
Cathédrale Notre-Dame d'Amiens アミアンのノートルダム大聖堂のだ。
右: 大聖堂正面向かって左にある北側のポルタイユのサン・フェルマンの像のある
窓間壁(扉の間にある柱のような部分)。
左: 大聖堂正面入り口中央の最後の審判のポルタイユの窓間壁部分。
そして、真ん中にあるのが・・・
・・・提げ香炉を持って、薄らと笑みを浮かべる、ほほえみ天使。
大聖堂正面北側のサン・フェルマンのいるポルタイユの左サイドに位置してる。
これもアミアンのノートルダム大聖堂の南側にある黄金の聖母のポルタイユの一部。
※ アミアンの大聖堂の実物は、こちらの記事で。 さて、写真の中で見つけられるかな。
シャイヨ宮の中(北翼)が、こんなミュージアムだったなんてね。 まだまだ先がありそう。
サラマンダーかな? その下には両側に向かって顔が伸びてる・・・?
角の生えた生き物は、羊のような、ライオンのような・・・?
フランス北部のピカルディ地域圏の街 Beauvais ボーヴェの
Cathédrale Saint-Pierre サン=ピエール大聖堂の翼廊の南のポルタイユ。
その扉の装飾。
みな哀しそうだけどキレイだな、と思ったのが、
フランス北東部のロレーヌ地域圏の街 Saint-Mihiel サン=ミエルにある
Église Saint-Étienne サン=テティエンヌ教会にある彫刻。
フランスの彫刻家 Ligier Richier リジェ・リシエ(1500頃-1567)による
"La Mise au tombeau du Christ" ・・・『キリストの埋葬』。
この展示のそばには、同じく『キリストの埋葬』をテーマにした彫刻が。
フランス西部のペイ・ド・ラ・ロワール地域圏にある街、Solesmes ソレスムの
Église abbatiale Saint-Pierre サン=ピエール修道院教会にある彫刻。
離れて見ると、かなり大きなもの。 その教会の翼廊の南部分にあるらしい。
このミュージアムで気に入ったものを、実際にその街へ見に行くっていうのも面白そう。
いつか、そんな日が来るかしら。
・・・しかし、サン=ピエールとつく教会や大聖堂って、多いんだね。
wikipediaによるとイエス・キリストに従った使徒たちのリーダーがピエールなんだそう。。
ちょっぴりお茶目な装飾部分もある昔の建物も面白いので、お勧め。
建築・文化財博物館のお話、まだ続きが。
柱などひとつひとつ見てると、本当に時間を忘れますね~。
by ぴーすけ君 (2012-03-06 20:05)
あいかわらず、彫りが細かいですね。
気が遠くなるほどの時間をかけて彫って居るんだろうなあ。
by HIROMI (2012-03-06 21:25)
サン・ラザールの細かな装飾見てたら、カンボジアのそれとにているような気がしたよ。接点があるのかないのかわからないけど、同じように創造することがあるのかもしれないなぁなんて。偶像もあるしなぁ。何だか面白い。先日パリの彫刻の写真展に行ってきたのだけど、サイのオブジェがあってInatimy さん思い出したよ♪
by カエル (2012-03-07 00:29)
サン=ピエールはペトロですものね。世界中にいったいいくつあるのかしら。
by めぎ (2012-03-07 03:27)
羊? ライオン?
扉の装飾いいですねー♪
どれも繊細で力強くて美しくて。
見ていると時間を忘れそうですね^^
by hatsu (2012-03-07 05:28)
なかなか訪問できませーーーん。
我が家が、バタバタしてます(^_^;)
また、ご報告できると思いますが・・・。
by 夢空 (2012-03-07 10:56)
ここに来て、また本物の教会にも行きたくなりますね。
by luces (2012-03-07 12:42)
こういう博物館があるとは、知りませんでした。ここで、見てから、実際の建物を見るのもいいですね。
by テリー (2012-03-07 17:03)
サンピエールって多いな~って自分も思ってましたが、
そういう意味があったんですね。
細かい彫刻の中に、結構面白みのあるものが!
そういうの探すのも楽しそう~
by にこちゃん (2012-03-07 17:30)
地域の名前は、チーズ教室で出てきた所もありました♪ こういう所からフランスを知る事も出来るんだと、一人で納得しております(^^)
by 母ちゃん (2012-03-07 20:13)
ペテロ=ピエール=ピエトロ=ピーター かな?
確か実はみんなおんなじ名前なんだよね。
屋外にある彫刻をこうやって室内でじっくり鑑賞すると、いろんな発見があって面白そう!!
続きを楽しみに待ってます♪
by noriko (2012-03-07 22:23)
ミュージアムは、それぞれにいろいろな思いを感じさせてくれる場所ですね。
天使と悪魔の両天秤、天国と地獄があるとしたら
その審判もかかっていそうで、今の生活を清らかに送らなくてはという思いにもさせられます(^_^;)
見事な彫刻を楽しませてもらいました^^
by アールグレイ (2012-03-08 09:57)
実物だと遠すぎてハッキリとはわからないものが
近くでじっくり見ることが出来るのが良いですね~
時間を忘れていつまでも見入ってしまいそうです。
続きも楽しみにしています。
by miffy (2012-03-08 22:57)
→皆さま
『ほほ笑み天使みつけた』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 今日のパリは、21℃まで上がる予想。 青い空が広がり、なんだか夏のよう。 でも、朝は7℃しかないので、重ね着必須なのでした・・・。
→ぴーすけ君さま
見て廻るのに、そんなに時間がかからないだろう、と思ったら、意外や意外、どっぷりと首までつかりそうな没頭ぶりで。 おっしゃる通り、時間忘れました♪
→HIROMIさま
今の世の中の建築物を見ると、のっぺり平面の組み立てなので、それを思うと果てしなく時間を費やしたんだなぁ・・・って思いますよねぇ。
→カエルさま
サン・ラザールのは、確かにアジアっぽい要素もありそうな。 唐草模様もギリシャから来たっていうから、大陸をぐぐっと渡って広まった模様が他にもあるのかもしれないなぁ。サイのオブジェ、今頃、カエルさんは本物と同じ地にいるのね~♪ 見る時間あったかな。
→めぎさま
ペトロの名を持つ教会や聖堂、国により名前を変え、ほんとたくさんありそうですね~。 私の中でフランス人男性の名前っていうとピエールだったんですが、スペイン語のペドロだったのか・・・。
→hatsuさま
扉一つにもちゃんと装飾があるのって、いいですよね~。 我が家の扉はのっぺりとしててシンプル・・・。 でも内側にはマグネットあれこれで装飾。
→夢空さま
どうかお気になさらず。 こちらから伺いますよ~♪ なんだかわからないけれど報告もお待ちしてます。
→lucesさま
ガイドブックに登場しきれない素敵な教会も山ほどありそうなので、ここでチェックして観に行く機会もあるといいなぁ・・・なんて思います。
→テリーさま
パリには、美術館のほかにも博物館が山ほどあるんだなぁ・・・ってあらためて思いました。 予備知識なく、見てから後で調べる私でも十分楽しめ、いつかその地を訪ねる日を夢見たり。
→にこちゃんさま
調べて記事書いてたらサン・ピエールばかりで(笑)。 教会や大聖堂の装飾にもお茶目なものが潜んでるので、それを見つけるのも面白い♪ いったん見つけたら、他にもあるんじゃないかと、目がきょろきょろ~。
→母ちゃんさま
フランスって大きいからなかなか地理的にも覚えられなくって、こういう機会がないと、頭に入らない私・・・。 日本の47都道府県ですら今、怪しい・・・。 実際に車で走ると記憶に残るんですけどねぇ。 ふふ、チーズで覚えるのもいいな♪
→norikoさま
国によって名前が変わるのって不思議の一つ。 日本じゃ考えられないもの。 あ、でもPierreがピエールになるのってフランス人にとっても不思議かな。 ふふ。
→アールグレイさま
私も今の生活態度をあらためないと・・・と感じたり(笑)。 ミュージアムは自分にとっての新しい何かを吹き込んでくれる場所ですね~。 それをきっかけに、どんどん見えるものが増えてくる気がします。
→miffyさま
本当なら高い場所にある柱頭が目の前に見られたり、模型によってその全貌を一目でとらえられたり、実物大でその場の雰囲気を感じ取れたり、面白いミュージアムでした♪ 美術館だけじゃなく、博物館もいいもの揃いのパリですね~。
by Inatimy (2012-03-15 18:26)