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透明な赤にほれる春 [食]

 食べることは、幸せ。

 食べられることも、幸せ。

 食べてもらえることも、幸せ。

 食べてくれる人がいることも、幸せ。

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 台所は、人を笑顔にするものを作りだす場所。 

 そうだといいな・・・我が家の 狭いキッチンでも。

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 というわけで、久々に、普段作らないものを作ってみた。 
 と言っても、難しいことはできない・・・。  話は、2月の終わり。

 用意したのは、リンゴ、レモン、赤ワイン、グラニュー糖だけ。

 レシピは、右の本。 訳すと『修道院のレシピと秘密』ってタイトルになる・・・はず。
 修道僧って何を食べてるんだろう、って気になる?

 敷地内の Potager(ポタジェ) 菜園で作った野菜を使い、
 も食べ、意外と美味しそうで健康にも良さそうなものが多かった。 
 この本は、写真がキレイ。

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 パラパラめくって目に飛び込んだのが、この色。 透明な赤

 オランダに住んでた頃、
 が近付くとロゼワインがショーウィンドーに並び始めた近所の酒屋さん。
 それがいつの間にか、私に染み込んでいたよう。
 3月頃になると、こんなが気になって来る。

 暮らしの中のこと、どれをとっても、まずは辞書から・・・の状態は、今でも変わらない。
 フランス語の辞書を、めくり、めくって、レシピを読む。 

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 作業は2日。 準備時間20分、休ませ時間一晩、調理時間20分。

 皮をむいて芯を取り、断片に切ったリンゴレモン汁(2個分)をかけて、
 ラップをかけて初日は終わり。 

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 次の日、それに赤ワイン12cl 12cl とグラニュー糖とを加えて、そっと煮込む。
 リンゴ1.2kgに対し、グラニュー糖が600g・・・かなり甘そう。

 いいんだろうか、これで・・・と常に不安な心で、鍋を見守る。

 レッド・カラント(フサスグリ)のまで取り除いてジャムを作ったこともあるし、
 砂糖を入れないリンゴのジャムも作った。 
 でも・・・もうすっかり忘れ去り、遥か過去のお話。 いつも突発的思いつきで作るからねぇ。

 ネットで調べればたくさんの情報が得られるけれど、うずうずする気持ちを抑える。
 というのも、どんな先入観もなしで、解読した修道院のレシピに沿って作ってみたかったので。

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 ま、その解読もあってるのかどうかも謎だし、怪しげなんだけどね。 

 定期的にかき混ぜながら小さな沸騰で15分。 灰汁取りもして、さらに5分煮続ける。

 レシピに une bassine à confiture とあったので、
 フランスにはコンフィチュールの専用鍋があるみたい。
 あとで検索してみたら、底よりも口が広くなった銅鍋が。 

 今回は家にあるステンレス鍋で作った・・・。 使用頻度を考えても、まだまだ買えない・・・。

 煮沸消毒しておいたに熱いうちに入れて、逆さに向けて脱気。 
 ふたの中心が凹んで、簡単には開かなくなった。

 あの本の写真のように透明な赤だけのものが欲しかったので、
 リンゴの断片入りと、断片なしのものに分けて。

 でも、赤の透明感が違う・・・ちょっと濁った感じ?
 使う赤ワインによって異なるのか、それとも私の手順が悪かったのか・・・。
 どうしたら、本の写真のような透明感が得られるんだろう。

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 なにはともあれ、赤ワインとリンゴのコンフィチュール完成。 

 とろっとしてない、さらさらタイプの液体だった。

 スーパーには、コンフィチュール用砂糖というのも売ってたので、
 ジャムのようなとろみが欲しい場合は、そっちを使うのもよさそうだ。

 でも、Kamoさんには好評だった。 もう2瓶空になり、残り3瓶。
 リンゴの断片なしの赤い液体・・・何に使おう。 ソーダで割って飲んでみようかな。

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 まだまだ、小さな、小さな、我が家の食の幸せ。

 次に作るお料理を決めるにも、どんどん辞書で単語を引いていかないと・・・。
 辞書にない単語もあったりするので、道程は長い。

 

 フランスに来てから、ずっと各地方の郷土料理の本を探してる。
 実際に食べたことがない料理を作るのだから、完成写真もキレイなものを。 
 でも、なかなかないんだな、これが。 

 ちなみに、Kamoさんに聞いてもらった、パリの料理って何?のフランス人の答えは、
 ステーキにポテトフライだったそうな・・・。 そうなのか?

 

 フランスの一般家庭では何食べてるんだろう・・・と
 レジ待ちの間に、前に並んだ人のカートの中身を
さりげなくチェック(笑)。


nice!(37)  コメント(18) 
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コメント 18

ぷーちゃん

最初の4行の幸せ、
確かにその通りですね♪( ・∀・)ノ
by ぷーちゃん (2012-03-20 19:05) 

どらっち

私も家庭料理の本を探してるところです。
ここら辺は本屋がないので、ネットで表紙をみてるだけ。
なかなか買えそうもないです。
by どらっち (2012-03-20 20:37) 

アールグレイ

食の幸せは、満足感がありますよね。
自分一人ではもちろんですが、共有して味わえることは
お互いに笑顔になれるときでもありますね^^
コンフィチュール、とても美味しそう♪
ヨーグルトなどにも合いそうです^^
by アールグレイ (2012-03-20 21:06) 

HIROMI

実は私も、透明な赤が大好きでして…昔の信号機の赤色なんて、大好きで大好きで。見とれちゃうほど。
それにしても、日本語の料理本を解読して料理するのも大変なのに、それがフランス語とは。辞書引きながら料理をするという意欲がすごいです。
by HIROMI (2012-03-20 22:11) 

angie17

今の私は、「食べられる幸せ」かな~。
胃の調子が悪いので・・(涙)
ストレスですって、先生に断言されたわ。
え~~ん。

リンゴジャム、食べたいよ~。

by angie17 (2012-03-21 00:23) 

めぎ

ストラスブール近郊のフランス人の友人の家に泊まったときは、夕飯はなんとピザでした。
付け合わせに出されたのは、缶詰からどんと出して盛りつけたコーン。
一般フランス人の夕食ってこんなものなのね、と思った一コマでした。
by めぎ (2012-03-21 07:53) 

laf

幸せを実感できるのは、食べていることと飲んでいることですね。
どちらも、ほどほどにしないと、医者から言われているメタボなおじさん。

by laf (2012-03-21 07:55) 

ami

美味しく食べられるときって幸せだから 笑顔になりますね。
キッチンでゆっくり作れるということも幸せの時間。
我が家にはもう少しゆとりが欲しいところです。

リンゴのコンフィチュール、作られましたね!!
ジャム専用鍋は高価なので持っていませんが
素材の味や色が綺麗に仕上がる銅鍋は憧れます。

透明ジャム、私はリンゴの皮と芯のみで作れました。
それと 一晩つけた後エキスだけ煮詰めるとそうなります。
とても贅沢な一品だと思います。
by ami (2012-03-21 08:54) 

にこちゃん

コンフィチュール美味しそう♡
透明感が春らしくていいですね~

フランス語の教科書とかでも、「ステーキ&フリット」って
よく書いてありますよねー。
地方料理っていうと、日本人なら大森由紀子さんが結構いいかも。
自分が20歳そこそこで買った本、ちょっと高いんですがこれもいいです。
マニアックすぎるかもしれませんが・・・(笑
http://shoku-bunka.com/sakai/info/book/03/genryu.php

by にこちゃん (2012-03-21 17:23) 

母ちゃん

がんばって作ったら、おいしく食べてもらいたいですよね~♪ 

いろいろなお料理に挑戦されたら、食卓が更に充実しそうですね(^^)
by 母ちゃん (2012-03-21 19:01) 

ぴーすけ君

つくってみた~~~い♪
うんうん、私も友人に聞いたら「ステーキとポテトフライ」って言ってた!
からかわれてるんだと思ったけど、やっぱりそうなのね。
by ぴーすけ君 (2012-03-21 19:56) 

noriko

りんごのコンフィチュール、ばら色だねぇ♡
私も果物煮るの大好き。
今週はご近所にいただいたお庭の夏みかんでマーマレードを煮ました。
オランダっぽいオレンジ色になったよ。
by noriko (2012-03-22 23:50) 

hatsu

小さな小さな食の幸せ、すてきですね^^
by hatsu (2012-03-23 23:27) 

バニラ

料理BOOK、写真が美しいと作らないけど(作れないけど)手元に置いておきたくなるわたし。 眺めてるだけでも楽しい。 美味しく作れればもっと楽しい♪
by バニラ (2012-03-24 06:58) 

Inatimy

→皆さま 
『透明な赤にほれる春』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 どうして?って思うほど、いきなり春が来て、連日晴天の20℃越え。 夏見たい。 でも水不足になりやしないかと心配。

→ぷーちゃんさま 
なんだかよく分からない料理が完成しても、食べてくれる人がいるのってありがたいです。 ふふ。

→どらっちさま 
一流シェフやビストロの料理雑誌は多いけど、なかなか家庭料理はないですよね。 あっても文字ばかりので、完成が想像もつかなくって。 料理雑誌を見てるとイタリアンの特集が多かったね(笑)。

→アールグレイさま 
自分ひとりより、誰かと一緒に食べるほうが、ますます美味しく感じますよね。 あ、ヨーグルトに入れてみるの、いい案ですね~。 プレーンのギリシャヨーグルトを買ってあるので、それにかけて食べてみようかしら。

→HIROMIさま 
ふふ、信号機の赤に惚れるっていうのも凄いな。 そういえばステンドグラスの赤もなかなか素敵だし。 繰り返される引越しで我が家にはいろんな国の料理雑誌がたまり、なのに辞書なしでは解読できない自分の能力に涙です・・・。 でも食文化って面白くってついつい買っちゃう♪

→angie17さま 
ストレスからくる胃の不調は、つらいですよね。 その後回復されたかしら。 自分では意識しない間にたまっちゃうから、ストレスは手ごわいですよねぇ。 お大事に。

→めぎさま 
フランスの料理雑誌特集もイタリアンが多いですよ(笑)。 ピザって夕食なんですよねぇ。 オランダでも(観光地の多いエリアは別として)朝も昼間もピザ屋さんは閉店。 開くのは夕方からでしたもの。 日本人感覚だとお昼にも食べちゃいそうなんですが。

→lafさま 
あともう少し欲しいな、って思うくらいが一番いいんですってね。 確かに、食べすぎちゃうと、もう2年は食べなくてもいいな、なんて思います。 その瞬間だけで次の日には忘れちゃうけど(笑)。

→amiさま 
とにかく作業するスペースが狭いキッチンで、写真の材料置いてる部分しかなくって(しかも台の下は洗濯機・・・)。 冬の間、果物は林檎と梨と柑橘類だけになっちゃうので、飽きないようにとコンフィチュールにも挑戦・・・。 慣れてないとどうも不安で(笑)。 林檎の皮と芯のみ、一晩つけた後エキスだけ、で透明ジャムができるんですねぇ♪ いつか試してみようかな。

→にこちゃんさま 
は林檎ばかりなので、林檎のタルトを作った後、コンフィチュールにも挑戦。 保存食が棚に並ぶ生活っていうのが私の憧れ(笑)。 あ、やっぱり「ステーキ&フリット」がパリの味なんだ・・・そうなんだ・・・家でも出来ちゃいそうだな・・・。 大森由紀子さんの本、廃版になってるんですねぇ(涙)。 

→母ちゃんさま 
毎日毎日、何作ろ~って夕方になると、冷蔵庫の中身とにらめっこ。 美味しい冷ややっこが食べたいだの、山芋とろろがいいなとか、餅巾着も入ったおでんが・・・なんて、食べたいものと現実の差が激しくって(笑)。 いろんな料理ができるように頑張ります・・・。

→ぴーすけ君さま 
やっぱり「ステーキとポテトフライ」は間違いなんかじゃないんだ~。 昨日見た料理番組のパリのお店レポートでも、焼いたお肉にポテトフライ添えてたし・・・。 

→norikoさま 
マーマレードの苦味は、大人の味だよね~。 修道院レシピ見てたら、薔薇の花びらの砂糖漬けみたいなのも、あったよ。 ゴージャス。 食べられるバラの花って、特別な品種なのかしら・・・。

→hatsuさま 
いつもhatsuさんが作られてるお弁当も、素敵だな~ってうっとりです♪

→バニラさま 
目の保養にとついつい買った料理雑誌、私たっぷり持ってます(笑)。 誰か作ってくれないかしら~って、夢みたいなことを思いつつ、冷蔵庫の中身を見て、平凡な夕食になっちゃうのでした・・・。 難しいお料理も作れるようになりたいなぁ。
by Inatimy (2012-03-26 19:26) 

miffy

手作りコンフィチュール美味しそうですね~
フランス料理って贅沢ってイメージがあるんですけどね~
毎日あんなに手の込んだものを食べてるわけはないんですよね。
ポテトフライって世界中の人が好きですよね。
by miffy (2012-03-29 17:47) 

カエル

コンフィチュール美味しそう。
ソーダ割いいかも♪
ステーキとポテトなんだ!
家庭料理もそれなのかな??
日本だと、肉じゃがと答えるのが正解なのかな?
家では肉じゃがつくったことがない。なぜなら相棒がジャガイモ嫌いだから。。。
私なんて答えよう。。。
by カエル (2012-03-31 10:41) 

Inatimy

→miffyさま 
フレンチっていうイメージのお料理はレストランやビストロくらいで、普段の家庭料理はそんなことないみたいですね~。 パリのお料理もステーキにポテトフライだし。 どこの国でもあまり手の込んだお料理はしてないのかも(笑)。 

→カエルさま 
肉じゃが、我が家も滅多に作らないかも~。 嫌いなわけじゃないけど。 我が家の家庭料理の代表って何だろうって考えると、お好み焼きかも(笑)。 相棒が嫌いなものって普段作れないですよねぇ。 出張で、私ひとりになった日の食卓でこっそり食べてます。 
by Inatimy (2012-04-02 17:35) 

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