チラッと見える、パッと目をひく、よく見ないと分からない魅力 [フランス・パリ]
家政婦は見た・・・状態。
鏡のようなガラスのビルの隙間から、こちらをうかがってるものがいる。
こっそり見てるつもりだろうけど、バレてるからね。
5月の植物園の帰りに、ガーデニングセンターに寄るため、
セーヌ川沿いを東に向かって歩く。
すぐに見えてきたのは、Gare d'Austerlitz オステルリッツ駅。
パリとフランス南西部方面とをつなぐ列車の駅。
駅舎をメトロ5号線の高架が突き抜けてる。
そのメトロ5号線がセーヌ川を越える橋は、人や車が通らない鉄道橋の
Viaduc d'Austerlitz オステルリッツ高架橋。
橋柱には、牛の顔。
ちょうどメトロが通るところを後で撮れた。
オステルリッツ駅から列車に乗ってスペインへ行ったことがある。
遠い遠い昔のこと。
国境の町スペイン側のイルンで、さらに寝台の夜行列車に乗り換え、マドリッドまでね。
パリからイルンまで7時間、
イルンからマドリッドまで9時間。 ・・・ 今考えると、気が遠くなりそうなほど長い時間。
あ、あそこに、いた。
Pont Charles-de-Gaulle シャルル・ド・ゴール橋の向こうに、
あの“家政婦”の建物。
あれは、Gare de Lyon リヨン駅。
その名の通り、フランス南東部のリヨンとを結ぶ列車の発着駅。
その駅構内には、 シャンデリアが下がる内装がゴージャスなレストランがある。
・・・映画でしか観たことがないけれど。
Les Docks, Cité de la Mode et du Design から見たベルシーの方。
↑ レ・ドック、モードとデザインの街・・・という感じの名前の商業スペース。
淡い緑のチューブが張り付いたように見える外観。
で、ミュージアム、ギャラリー、ブティックやレストランがあるようなんだけれど、
ちょっと寂しげなところだった。。
中央の建物は、経済・財政・産業省。
その右にあるのが・・・
・・・Pont de Bercy ベルシー橋。
橋の中央の高架をメトロが走る。 そのアーチの並びがキレイだな。
ガーデニングセンターがあるのは、あの橋のそば。
また、別の日、行ったところは、パリの西・・・
・・・La Défense ラ・デファンスにあるショッピングモール。
パッと目を引くカラフルなオブジェは、
スペインの画家 Joan Miró ジョアン・ミロ(1893-1983)の作品。
"Personnages" 1976。 高さ12m。
広場には、メリー・ゴー・ラウンド があった。
Carrousel Jules Verne ・・・ ジュール・ヴェルヌのメリーゴーラウンド。
で、奥に見える朱色のは、アメリカ合衆国の芸術家の
Alexander Calder アレクサンダー・カルダー(1898-1976)の作品。
"L’Araignée Rouge" ・・・赤い蜘蛛?
高さ15m、重さ75トン。
カルダーが亡くなった1976年に設置されたそう。
"Flamingo" と似てるけど、微妙に違う。
フランスの作家 ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)がテーマのメリー・ゴー・ラウンドには、
お魚の形の潜水艦もある。
Nautilus・・・『海底2万里』のノーチラス号。
Parc Monceau モンソー公園で見たメリー・ゴー・ラウンドにもあったね。
私のこの日のお気に入りは、淡い緑のゾウ。2階建のメリー・ゴー・ラウンドはゴージャス感たっぷり。
ちょっとカメラのダイヤルがいつもの位置と違ってたら、こんな面白いカラフルな色で撮れた。
また、また、別の日に行ったのは・・・
・・・行ったというより、たまたま通った裏道。
そこで、深緑色のペイントの建物が気になった。
撮っておいた壁のサインを後で調べたら、作ったのは、
フランスの建築家 Jacques Hermant ジャック・エルマン(1855-1930)。
鉄筋コンクリートを建物の建造に使う先駆者だったそうな。
何撮ってるんだろう?って何人かの人が通り過ぎる。
ありふれた建物のように見えても、このチラッと見える曲線や装飾が私には魅力的。
外観の装飾をよ~く見ると、細部が凝ってない?
と思ったら、他にもパリに作品があり、
ジャック・エルマンが建てたソシエテ・ジェネラル本店というのは、
有名なアール・ヌーヴォ―建築なんだそうな。
いつか、どこにあるのか調べてみようっと。
その通りの先には、Place Gaillon ガイヨン広場。
目に飛び込んでくるのが、Fontaine Gaillon ガイヨンの泉。
1707年に作られたものだけれど、再建されたり、復元されたりして今の形に。
魚をやっつけようとしてる子供の背後には、ガマの穂などの植物のモチーフ。
さらに、怪しげな生き物たちが。
この泉の作者は、
フランスの建築家 Jean Beausire ジャン・ボジール(1651-1743) 。
舞踏好きな太陽王ルイ14世、そしてルイ15世に仕え、
ポンピドゥー文化芸術センターの近くにある、
帆船のレリーフのついた Fontaine Maubuée モビュエの泉を作った人。
・・・Théâtre national de l'Opéra-Comique オペラ=コミック座。
正式には、国立オペラ=コミック劇場。
Salle Favart サル・ファヴァール とも言われたらしい。
現在のこの建物は1898年にできたそう。
で、北上して出てきたイタリアン大通りを西へ歩いて・・・
・・・オペラ大通り。 オペラ=コミック座から、ほんの400mくらい。
相変わらず、オペラ座の前の交通量は多い。 歩道を歩く人の数もね。
オペラ座ガルニエ宮の屋根の一番高いところには、竪琴を手にしたアポロン像。
あ、飛行機だ。
"Apollon, la Poésie et Musique" ・・・『アポロン、詩と音楽』
作ったのは、Aimé Millet エメ・ミレ(1819-1891)。
オルセー美術館の前にある『五大陸』のうちのひとつ、
"L'Amérique du Sud" 南アメリカ の像の作者でもある人。
それにしても、怪しげな顔が並ぶなぁ・・・。 オペラ座の怪人ね。
・・・と、短い散歩でも、なんだかんだと撮ってしまうのでした。
ちらっと家政婦はリヨン駅。時計が顔のイメージですね。
メリーゴーラウンドづくりにかける情熱がすごいですね。
なぜ、ただ回るだけなのにそこまでゴージャスにするのか。
わたしにはわからないこだわりがあるんですね、きっと。
by HIROMI (2012-06-05 21:34)
駅舎には必ず?大きな時計があるの? それがいい雰囲気を醸し出していますよね。
ジャック・エルマンの建物、中華街も似た感じの建物があるのなぁと思ってしまいました。 こんなに細部に凝ったものではないけれど。
メリーゴーランドって言葉の響きだけでもわくわくします♪ いい感じ~
by バニラ (2012-06-06 06:15)
家政婦は見た。状態のリヨン駅、なんか可愛い^^
カラフルなメリーゴーラウンドの写真も、いいですね~。
お魚のかたちの潜水艦、乗ってみたいです♪
by hatsu (2012-06-06 06:29)
短いお散歩道の間にも、目を引くものがいろいろあって楽しいですね♪
メリーゴーラウンドもいつもそれぞれデザインが違っていて面白い^^
パリからマドリッドまで、電車でいくとやっぱりその位の時間がかかるのですね。でも飛行機と違って車窓からいろんな風景が見えて楽しそうです♪
by MOCOMOCO (2012-06-06 17:16)
家政婦が見た状態のリヨン駅、ジュネーブからのTGVで何度か利用しました。
初めてのパリ入りもこの駅だったのでなんとなく思い入れがあります^^
ジュール・ベルヌのノーチラス号乗ってみたいな~
でも、いったいどこに乗るのかな?
アポロンのもつ竪琴に飛行機の矢が刺さったみたいで面白いですね~
by miffy (2012-06-06 21:31)
ジュール・ヴェルヌのメリーゴーランド、素敵♪
こういうのなら大人になっても乗りたくなりそうですね。
ケルンからパリへ、パリからケルンへ、と何度か利用したことがあるのに、なんという駅だったか全然覚えてないです。
by めぎ (2012-06-07 02:11)
パリのメリーゴーランドは面白いな~。日本は馬と馬車だけだから、こんな潜水艦は見た事無いです。
これは大人もどれに乗ろうか、迷って楽しそう(^^)
by 母ちゃん (2012-06-07 05:59)
ジュール・ヴェルヌのメリーゴーラウンド!
ステキー!いつか乗ってみたいな♪
by ふゆん (2012-06-07 08:54)
Gare de Lyonの駅で発せられるこの駅名、日本に帰ってきてからも真似してます。結構力強く発音するよね〜。笑
Madelenine駅。Cadet駅も耳に楽しかった。
by カエル (2012-06-09 09:18)
オペラ座の屋根の上の彫像は、しっかり、見ていませんでした。
by テリー (2012-06-09 15:06)
ガイヨンの泉の子どもが可愛いなぁ♡
オペラ座のアポロンの竪琴の後ろを通る飛行機もグッドタイミング!!
パリって建物のいろいろなところに顔があって面白いねぇ!
フランス人はきっと"人間"が大好きなんだね。
日本じゃこんなに人の形の細工見ないもの。
by noriko (2012-06-09 22:41)
→皆さま
『チラッと見える、パッと目をひく、よく見ないと分からない魅力』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 今日のパリは寒~い、最高気温で17℃。 冬ならセントラルヒーティングが入るけれど6月じゃねぇ・・・。 ある意味、こんな時期が一番室内にいると寒いかもしれない・・・。
→HIROMIさま
メリーゴーラウンドは夢のある乗りものですものね~。 大人になってからやっと乗った私でもワクワクしたくらいですから♪ ジェットコースターに求めるさらなる激しさに似たこだわりなのかなぁ。
→バニラさま
たいていの駅舎には外壁に時計がついてるかな。 リヨン駅のような時計塔みたいなのまではないかもしれないけれど。 街歩きは建築見学兼ねてて楽しいですね~。 そこでばったりとメリーゴーラウンドに出会ったら、また感激♪ 気がつくと、遠くまで来ちゃってるし・・・。
→hatsuさま
高層ビルのある街の面白さは、隙間からちらっと見える風景かも。 エッフェル塔も、意外な場所からチラッと見えたりしてね。 メリーゴーラウンドの潜水艦人気でしたよ~。 たくさん子供たちが乗ってました。
→MOCOMOCOさま
ちょっと出かけたつもりが、なんども立ち止まって写真撮ってるうちに、あっという間に夕飯の用意の時間に・・・ついつい時間忘れちゃいますね、特に夏時間は。 パリからマドリッド間、国際夜行列車だともっと早くて、今の時代だと13時間20分ですって。
→miffyさま
リヨン駅には私はまだ行ったことがなく。 私が初めてパリに到着したのは東駅だったかな・・・ドイツから、ストラスブールを抜けてきたし。 メリーゴーラウンドのジュール・ベルヌのノーチラス号は中に入れるんですよ~。 子供たち3人ほど乗ってました♪
→めぎさま
ジュール・ヴェルヌのメリーゴーランド、いいでしょ♪ もし自分が乗りたいものが他の子供とかぶった時、果たして、ゆずれるだろうか・・・なんて思うほど魅力的。 ケルン‐パリ間だとベルギー経由になるから、到着駅はパリ北駅かな。 方面によって駅を使い分けるって複雑・・・。
→母ちゃんさま
もし日本的なメリーゴーラウンドを作るとしたら、昔話版もいいかも。 浦島太郎とカメとか、一寸法師のお椀の舟とか、桃太郎の桃、金太郎のクマ・・・ちょっと地味?
→ふゆんさま
ジュール・ヴェルヌのメリーゴーラウンド、まずは2階部分から攻めて、全部制覇するのもいいかも♪
→カエルさま
メジャーな線だと駅名アナウンスがあるけど、古い車両だとない線もあるのよ~。 あまりにも書かれた文字と発音が違うと、「なんでやねん!」とツッコミたくなります(笑)。
→テリーさま
私も、いつも近づいて撮っちゃうので、屋根の上が見えなくなって。 今回離れてみてようやく気付きました(笑)。 あまり遠くからだと今度は逆に小さくて観えないし・・・。
→norikoさま
さりげなくあちこちに美術作品があって、気になって撮って後で調べるたびに発見が。 キレイなところもそうでないところも、人間味あふれるパリの街。 私はやっぱり牛・馬・山羊・羊にあふれる緑の野がいいな~♪
by Inatimy (2012-06-12 19:04)
なんだかソレが家政婦にしか見えなくなっちゃって・・・笑!
私のなかで今こんな風な存在なのは、スカイツリーです。
アイツも、都内に行くとあちこちからチラチラ顔を出すんですよ。
メリーゴーラウンド、面白いです。お魚の潜水艦、乗ってみたいかも☆
by ネム (2012-06-17 05:18)
→ネムさま
ふふ、スカイツリーが家政婦的存在・・・かなり大きそうなのにね~。 いつか実物見られるかしら。 東京タワーも見たのって、大昔だもの(笑)。 メリーゴーラウンド、パリの中にはたくさんあるけれど、ここのジュール・ヴェルヌのは格別カッコよかったです♪
by Inatimy (2012-06-19 17:26)