SSブログ

森の花を見に城を抜ける [フランス・パリ]

 弱い面もある、強い面もある。

 自信の無さに億劫になったり、疑ったり、
 大丈夫と過信して抜け落ちていたり。

 どちらの自分にも、あぁこれじゃダメだ、と微妙な軌道修正。

 何度踏まれても咲く雑草のように、
 何度失敗しても少しでも改善できるよう、笑顔でタフになっていこう。
 ゴメンね、と言える真っ直ぐな気持ちとともに。

pfpc12mai1.JPG

 5月中旬、に花が咲くのは植物園だけではなく、
 咲き具合が気になる別の場所へも緑見&花見。

 バックにぼんやり浮かぶのは、教会
 Sainte-Chapelle de Vincennes ヴァンセンヌのサント・シャペル。 

pfpc12mai2.JPG

 そう、ここは、パリの東に位置する Château de Vincennes ヴァンセンヌ城。 

 お散歩がてら、メトロの駅からお城の敷地を突き抜けて行く。
 お目当ての場所は、ヴァンセンヌの森にあるParc Floral de Paris パリ花公園。  

pfpc12mai3.JPG

 公園に入って左手に早速気になるものが。 
 秋でもないのに暖色の、淡いピーチピンクの葉っぱ。 

 Toona sinensis チャンチン(香椿)という木。 
 その中の'Flamingo' フラミンゴ という種類みたい。
 センダン科。 中国中部・北部原産の落葉樹。

pfpc12mai4.JPG

 木立のそばを歩いて公園奥に向かう。 太陽が大地に落とす影。 

 風が吹くたび、サワサワと葉の擦れる音。 緑の中は気持ちいいな。 

pfpc12mai5.JPG

 中央の池の周りには、青い花を咲かせる植物ばかりが勢ぞろい。 

pfpc12mai6.JPG

 小さな小さな青い花。 中央が黄色。 Trigonotis peduncularis キュウリグサ かな?

pfpc12mai7.JPG

 パンジービオラの青い花に、シルバー系の葉っぱもの。 
 なんて素敵なグラデーション。

pfpc12mai8.JPG

 池では、子供たちにおねだり中のカナダガン

pfpc12mai9.JPG

 我関せずのバン。 島のように孤立した、池の中央の岩に作った巣で。 

 そんな風景を眺めながら、やって来たのは・・・

pfpc12mai10.JPG

 ・・・Jardin aquatique 水の庭のエリアにある蓮の池。 あれ? まだ何もない。 

 以前来た時は、ここには生い茂るほどの葉っぱがあったのに。
 あれは、昨年の7月下旬だったっけ。 5月と言えば時期的にまだ早いかな・・・。

pfpc12mai11.JPG

 水の底から芽を出し、ゆっくりと葉を広げる蓮。 撥水加工のような表面に、キラキラの水滴。 

 最初のうち、葉っぱは、ピンク色の入った微妙な色合いなんだね。

pfpc12mai12.JPG

 黄色いアイリスは、キショウブかしら・・・。 

pfpc12mai13.JPG

 蓮の池が見下ろせる小高い場所から。  
 まだまだサッパリし過ぎかな? 睡蓮もこれからのようだったしね。

 6月も終わり頃にさしかかった今なら、きっと、もっとも成長してるかも。 

pfpc12mai14.JPG

 ということで、ベンチに座って、遅めのお昼。 

 Kamoさんが私にと用意してくれたのは、レーズンパン
 しかも丸ごと1個だもの・・・ま、いいかと豪快にかじりついた。 

 Kamoさん、自分用には、Croissants aux amandes クロワッサン・オザマンド
 アーモンドクリームたっぷりの甘い系・・・。

 で、右のは、エスプレッソ・・・だけど、冷たいアイス。 奥に薄ら写ってるパラソルのお店で購入。
 ゆっくり解かしながら、ストローで。 
 日向で、お陽さまからの暖かさをもらいながらだと、心地よい。 

pfpc12mai15.JPG

 青い空に、青もみじ。 重なりあう葉の影も好き。 

 どこからか、アォ~ン、アォ~ンと猫のような鳴き声。

pfpc12mai16.JPG

 声の主は、イチョウの木に止まっていたクジャク。 

 公園内を自由に飛び回る。 放し飼いだからね。  

pfpc12mai17.JPG

 ふと見つけたのが、淡いブルーの絨毯。 

 ぁあっ!似てる、似てる、オランダキューケンホフ公園ムスカリの川

pfpc12mai18.JPG

 でも、ここのは、ムスカリじゃなく、パンジー。 オジサン顔のね。 

pfpc12mai19.JPG

 長く垂れ下がるの花に、ネギ科のアリウム。 

 は、太陽の光のありがたさがしみじみ。

pfpc12mai20.JPG

 大きなボタン(牡丹)の花も満開だった。 何気なくネームプレートをチェック。  

 Paeonia x Lutea
 Delavay & Franchet
 'High Noon'       ・・・ ‘正午’

 検索してたら目についた。 映画『真昼の決闘』の原題ってHigh Noon だったとは。 

pfpc12mai21.JPG

 木の下のベンチ。 木陰で心地よさそう。 

 ・・・に見えるけれど、この日は最低7℃最高16℃と、日陰だとちょっぴり肌寒い日。

pfpc12mai22.JPG

 これは、シャクヤク(芍薬)のツボミ。 まんまるで、飴玉みたい。 濃厚なラズベリー味って感じ。 

pfpc12mai23.JPG

 ハーブのThyme タイム。 

 その頃、我が家のタイムは、花をつける前。
 まだまだひょろひょろで葉っぱだけだったから、
 こんな花が咲くんだなぁ・・・って、凝視してた。

pfpc12mai24.JPG

 茶色い玉ネギみたいなツボミ。 チャイブかな。

pfpc12mai25.JPG

 匂う・・・なんか匂うよ・・・とよく見ると、La Plante Curry。  カレーの植物?

 Helichrysum italicum ヘリクリサム・イタリクム。 カレープラント
 キク科 ムギワラギク属。

 顔を近づけると、強烈にカレーの香りがした。 いい~匂い。
 カレー好きな我が家、ふたりで盛り上がり。
 匂いが無くなりそうなほど、すーっと思い切り香りを吸い込んだ。

pfpc12mai26.JPG

 気になるプレート発見。 CROSNE du JAPON・・・日本の黒すね・・・?

 で、調べると、あぁ~チョロギだ。 
 梅酢につけた根茎が美味しいんだよね。
 見た目は、虫のような巻貝のような、妙な形だけど。

 Kamoさんは知らないそう・・・あまりメジャーじゃないのかな?

 シソ科 カッコウソウ属。

pfpc12mai27.JPG

 日陰にひっそりと咲く花も。 

 Crambe maritima
 Chou marin ・・・海キャベツ?  Sea Kale シー・ケール ともいうみたい。
 塩生の多年生植物で、海岸に生えるんだそうな。 でも保護種だから採っちゃダメみたい。

 国によって、新芽を食べるとか、食用じゃないとかいろいろ。
 アブラナ科 クランベ属(ハマナ属)。

 まだまだ公園散策は続く・・・・・・長くなるので、また次回へ。

 

 皆さんは、チョロギって知ってる? 
食べたことある?


タグ:植物 公園
nice!(37)  コメント(16) 

nice! 37

コメント 16

のん

母が持っていた園芸の通販冊子を子供のころ愛読しておりまして、そこにチョロギの写真が載っているのを見て、よく覚えています。
でも、まだ食べたことはないんです。
売っているのもみたことがないです。
by のん (2012-06-19 19:39) 

TaekoLovesParis

ヴァンセンヌの森、前も記事になりましたね。
そのときの「ひまわり」の写真、いただいて、今も壁紙にしていますよ。
5月は日本の5月と同じく、キショウブ、牡丹、パンジーが咲くんですね。
「ハイヌーン」、私も牡丹園で、その名前を見たとき、決闘は赤じゃなくて、
黄色なんだ、と思いましたよ。牡丹もバラと同じく、面白い名前が多いですね。
チョロギ、知りませんでした。関西のもの?
by TaekoLovesParis (2012-06-19 22:19) 

夢空

抜け落ちていること・・・多くなりました(^_^;)
チョロギ食べたことないです~~。
by 夢空 (2012-06-19 23:20) 

めぎ

私もチョロギって知らないです。
孔雀さん、かっこいい~~♪
by めぎ (2012-06-20 07:03) 

stellaria

チョロギって、お節の黒豆の彩りに入ってる赤く色付けされたあれですよね。私は多分、食べたことがないんですけど、澁澤龍彦のエッセイに「チョロギが好き」という話が出てきて印象に残ってました。その後、どこかで、黒豆に入ってるチョロギの写真を見て、形を覚えたように記憶しています。
素敵な写真の数々。見ていたらリラックスして、深呼吸してしまいました。広々した風景の美しさと、お散歩の楽しい気分が伝わってきます。ありがとうございました。
by stellaria (2012-06-20 09:40) 

luces

すっかり夏景色ですね。
水辺と青い花がさわやかで気持ちよいです。
クロワッサン・オザマンドは僕も好きです。
by luces (2012-06-20 14:06) 

母ちゃん

暖かな日に、水辺のお散歩は気持ち良さそうですね~。空気がおいしいそうな写真で、見ているこちらも清々しい気持ちになれました♪

by 母ちゃん (2012-06-20 19:29) 

MOCOMOCO

池の周りの青い花、シルバーリーフと青のグラデーション、おじさん顔の青いパンジーの川、クジャクの綺麗なブルー、そして澄み渡った綺麗な青空。
今日はとっても綺麗なブルーの色に惹かれました♪
この公園もとってもいい感じですね~^^
チョロギはおせち料理とかの飾り用にほんの少し使う程度の登場回数ですよね。自分で料理したことはないけど、外食で食べたことあるかも。
by MOCOMOCO (2012-06-20 20:00) 

miffy

青い空と新緑が美しいですね~
いろんな青いお花も涼しげで良いですね。
レーズンたっぷりのパン美味しそうですね。
kamoさんは甘いパンが好きなんですね(笑)
チョロギのお漬物は子供の頃からよく食べてました。
全国共通のものだと思ってましたが違うんですね。
by miffy (2012-06-21 20:08) 

hatsu

キュウリグサ?
小さな小さな青いお花が可愛い~^^
キラキラの水滴の蓮も、美しいですね。
チョロギ、お節料理に入っているものかしら?
箸やすめに良いですょね。
by hatsu (2012-06-22 06:48) 

カエル

おはよう!
日本は雨だからとってもキレイな景色で、気持ちがすーっと楽になれました。フラミンゴの名前にグッと来ちゃった。センスがいいなぁ。このフラミンゴが沢山生えていたらと思うとキレイだなぁ…。チェロギは知らなかったけど、みんなの見てみるとお節に入ってるね。食べたことないなぁ!
小さい青いお花の群生、とても好きです。少し蛍光色がかった感じが大好きです。蓮、またリベンジしてね。
by カエル (2012-06-22 10:13) 

HIROMI

チョロギ…チョロギ…と考えても思い浮かばないので画像を検索して見てみました。
なあんだ、これかあ。食べたこと、あります。
赤く染まった酢漬けのものがよく付け合わせについてきますね。
中国原産。江戸時代に日本に。中国名の「朝露葱」がチョロギの名前の由来とか?チョロギという響きから、韓国のものかと思ってしまいました。
フランスでは日本風の料理にはこれが付け合わせとしてついてくるとか?本当ですか?
by HIROMI (2012-06-24 07:09) 

noriko

チョロギ知ってるよ^^
ねじねじのだよね。
たくさんの青い花が美しい!!
ヴァンセンヌの森も「いつかいく旅」リストに加えておいたほうがいいかな♪

by noriko (2012-06-24 22:32) 

Inatimy

→皆さま 
『森の花を見に城を抜ける』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 気がつけば大量にたまった花の写真・・・。 夏の花が咲き始めているのにまだ春の分が紹介しきれてなくって。 我が家のベランダ小庭の朝顔はまだまだ咲きそうにないけれどね。

→のんさま 
私の住んでいたあたりでも普段、買い物に行くところには売ってなかったかも。 ちょっと緑多いのどかなところへ遊びに行った時に両親が買ってた記憶が。 カリカリと歯ごたえがよかったなぁ。

→TaekoLovesParisさま 
ヴァンセンヌの森の「ひまわり」可愛がっていただけて嬉しいです♪ 緯度や気温が多少違っても、同じような花が咲いてるんですね~。 同じ関西でもKamoさんはチョロギを知らないんです。 パリでも売ってるの見かけたことがあるんですが、フランス人は、どうやって食べるんでしょうね。

→夢空さま 
チョロギ、地域によるのかしら・・・。 確かにそんなに一般的にスーパーに売られてるものでもなかったんですが。 

→めぎさま 
チョロギを知らないって意見が多いのに、名前に「日本の」って入るところが面白いですよね。 猫みたいなクジャクの鳴き声を聞けるのも、珍しいですよね。 他の公園でもクジャク放し飼いしてるところ多いです♪

→stellariaさま 
あれこれ調べてたら、確かにお節の黒豆に入った赤いチョロギの写真がありました♪ 珍しいと言えば、福神漬に入ってるニョロニョロみたいな形のものも。 ナタマメって言うんですってね。 スライスされてて元の形が豆だったなんて最近知りました。 街の散歩も緑の多いところの散歩も、どちらも面白さが違っていいですよね。

→lucesさま 
晴れた日は青い空が広がってカラっとした気持ちの良い日なんですが、今年はあいにく曇り空が多くって。 クロワッサン・オザマンドもしっとり派、カリカリ派と、お店によっても異なりますね~。 私はカリカリ派♪

→母ちゃんさま 
晴れた日にしか花を見に行かないから、その時は目いっぱい撮ってしまいます。 で、曇り空が続くとPC画面で懐かしんだり(笑)。

→MOCOMOCOさま 
ずっとオレンジ色ばかり見てた私ですが、今年はブルー系でとベランダ小庭に種まきしたら、花公園もブルーの花ばかり集まってたので、嬉しくなりました♪ とっても参考になりますね~。 私もチョロギは、梅酢や紫蘇漬にしてあるのを買って食べてました。 パリで売ってるのを以前見たことがあるんですが、どう料理してるんだろう・・・。

→miffyさま 
私よりKamoさんのほうが甘いもの好きなんですよ~。 ケーキもアイスも、2人の好みがハッキリ分かれてて面白いくらい。 チョロギ、そちらには売られてるんですね~。 私も全国共通化と思ってたら。 もっと普及しないかしら。 「日本の」って名前についてるくらいだから。

→hatsuさま 
私も何の花か知らずに撮ってたんですが、あとで検索してたらどうやらキュウリグサという花のようで。 可愛いですよね~。 お節の黒豆に入ってる赤いものもチョロギですってね。 あの形がまた奇妙で、自然の造形美って不思議♪

→カエルさま 
フラミンゴの木、本当にあの羽の色のようでキレイで♪ 子供の頃、動物園でフラミンゴの脚が人間とは逆に曲がることに気付いて、じーっと長い間見てたのを思い出しました。 皆の話を聞いて、チョロギの知名度がアップするといいなぁ~・・・なんてね。 夏、また蓮の花が咲く頃に花公園行ってみよ~っと。 

→HIROMIさま 
チョロギね、パリで以前スーパーで売られてるのを見たことがあって。 その時はフランス人はどうやって料理してるんだろう~なんて思いました。 でもあまり一般的なものでもないようで、買ってる人いなかったような。 フランスで日本風の料理を食べたことがないから、付け合わせについてくるかどうかは分からないなぁ・・・。 機会があったら見てみたいな。

→norikoさま 
ヴァンセンヌの森の花公園なら、メトロ1号線の東の終点で下車して、お城の敷地を抜けて左手にあるからすぐに分かると思うよ♪ いつか行ってみてね。 たまに野外コンサートもしてるから、音楽聴きながら花を見るのもよかったよ~。
by Inatimy (2012-06-26 18:40) 

stellaria

チョロギの件ですが、前述の澁澤龍彦のエッセイを久しぶりに見てみたら、こんなことが書いてあったのでお伝えしますね。ご参考までに。
「私はこの中国原産のチョロギが、いつの時代にかヨーロッパに渡ってはいないだろうかと考えた。そして、ちょっとしらべてみたところ、驚いたことに、フランスではチョロギを Crosne du Japon すなわち「日本のクローヌ」と呼んでいることを知ったのである。
 クローヌというのは、そもそもはパリに近いセーヌ=エ=オワズ県の村の名である。一八八二年(明治十五年)、この村にヨーロッパで初めて、日本から入ったチョロギの種子が蒔かれた。パイユーおよびボワという二人のフランス人植物学者の手で蒔かれたらしい。それ以来、村の名であったクローヌは普通名詞になって、チョロギを意味するようになったというのだから驚きである。」(澁澤龍彦「チョロギについて」『狐のだんぶくろ わたしの少年時代』河出文庫, 1997 p.16)
by stellaria (2012-09-05 09:50) 

Inatimy

→stellaria さま
Auguste Paillieux オーギュスト・パイユー と Désiré Bois デジレ・ボワのふたりですね~。 wikipedia のフランス語によると、パイユーは元は実業家で、引退後、好きだった園芸に専念するためにパリとクローヌを行き来してて、未知の食用植物に関心を持ち研究。 自然保護協会みたいな国の組織に報告してたよう。 そこで植物学者のデジレ・ボワに出会い、一緒に研究を続けたとか。 本も出版していて、タイトルが "Le potager d'un curieux : Histoire, culture et usage de 250 plantes comestibles, peu connues ou inconnues"( 『好奇心の強い人の菜園:ほとんど知られてない、または未知の250種の食用植物の歴史、栽培、使用』かな?)。 今でも売ってるみたいです♪ あれこれ調べると面白いですね~。
by Inatimy (2012-09-05 16:50) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。