パリで見る東洋の国々のアートは新鮮だった [フランス・ミュージアム]
これで、何食べようかな。
器やお皿を見ると、そこにどんなお料理が似合うか、考えてしまう。
この青いピッチャーには、白ワインかな、
はたまた、爽やかなヨーグルト・ドレッシングか。
白のテーブルクロスに、いいアクセントになりそうだ。
あ、ギリシャ料理なんかがいいかな・・・と、しばし立ち止まって空想にふける。
あぁ、海老が食べたいっ。
5月初めにパリのMusée Guimet ギメ美術館に行った日の続き。
↑ フランス国立ギメ東洋美術館
この小さな青い水差しは、
アフガニスタン東部のカーピーサー州で発掘されたそう。
1世紀のもの。 べグラムの遺宝。 鋳型ガラス。 ← 型に流し込んで作ったもの。
このお魚も、アフガニスタンの同じ場所で見つかったべグラムの遺宝。 吹きガラス。
アフガニスタンというと内陸の国のイメージがあったから、ガラスの魚は意外だった。
川の魚なのかな。
青い目のぷっくらしたのが、お気に入り。
鴨の形の香炉。
中国、後漢の時代、2~3世紀のもの。
後漢といえば・・・後漢書東夷伝とか、
日本の志賀島で見つかった金印 漢委奴國王 とか、
歴史の授業で習ったことが、おぼろげに頭に浮かぶ・・・。
青銅に彫られた装飾が細やか。
お尻の羽根のカールまであって、リアル。
私なら、小さな金印より、鴨の形の香炉がいいな。
インド、ムガール帝国の頃、18世紀のもの。
左は、葡萄酒の杯で、翡翠、ルビー、エメラルド、金。
中央の小箱は、クリスタルに金とルビー。
右のは、プレートがなかった。 なんだろう、小皿?
ルーブル美術館では、木製だったけど、こんなスプーンみたいなのがあったな。
花のモチーフの飾りプレート。 象牙でできている。 落雁のお菓子みたい。
インドのムガール帝国、17世紀の中ごろのもの。
これは、韓国あたりの展示エリアだったかな。 この屏風の図柄が面白くって。
よく見ると、棚。
それぞれのスペースに本とか花瓶とか、いろんなものは収納されてる様子が。
こちらは、本物の書棚。 ギメ美術館のライブラリー。 図書室。
Wikipedia によると、第一次世界大戦中に、ここでマタ・ハリが踊ったとか。
パリで活動し、スパイ容疑をかけられた踊り子マタ・ハリはオランダ人。 レーワルデン生まれ。
昔、その街のフリース博物館にあるマタ・ハリの資料室を見たことがあったなぁ・・・。
ライブラリーの壁に掛けられた1枚の絵。
この男性が、Émile Guimet エミール・ギメ(1836-1918)。
フランスの実業家で美術品収集家だったそう。
描いたのは、
Ferdinand Jean Luigini フェルディナン・ジャン・ルイジニ(1870-1943)。
1898年の作品。
ギメがリヨンにオープンさせた美術館が、パリに移転し、
後にルーブル美術館の東洋美術コレクションも移されて、今のギメ美術館があるそうな。
館内にある収集品・・・ほんと、半端なく凄い数。
かなり流し気味にさっと見たけれど、それでも2時間半はかかった。
綿の生地の断片 《 鬼更紗 》 44cm X 21cm 日本に入って来たインドのもの。
私は、これに非常によく似た布を持っている。
オランダのヒンデローペンで買った、民族衣装にも使われる生地だったけど。
オランダと言えば東インド会社。 何らかの影響があるんだろうなぁ。
これもインドだったかな。
植物や花をモチーフにした布は魅力的。
曲線が滑らかなものは、気持ちもやわらかくなる。
インドのものだけど、タイあたりに輸出。 18世紀のものらしい。
Tissu de hanche Phanung ・・・とあったんだけれど・・・直訳すると腰布?
よく分からないけれど、民族衣装で体にまとうものなのかも。
あごのあたりに、そっと添えた手。 なんとも穏やかな。
観音菩薩像。 中国北部。 宋の時代(960-1279)。 石灰岩。
「今日はありがとう、また、来てね。」
・・・と、出口に向かう階段近くに、とっても気さくな笑顔で話しかけてきそうな像があった。
パキスタンの古代王朝ガンダーラ、1~3世紀頃のもの。 結晶片岩でできてる。
お釈迦さま(ブッダ)か、観音菩薩か、定かではないそうな。
他にも、仏像や石壁の遺跡の一部みたいなものとか展示品は様々。
土偶や埴輪など日本のものまで見られて面白かった。
ギメ美術館は、Place d'Iéna イエナ広場に面してる。
右の円い塔みたいなのがある建物。
広場中央にあるのは、Statue équestre de Washington ワシントンの騎馬像。
1900年の作品。
あの、アメリカ合衆国の初代大統領であるジョージ・ワシントン。
作者は、アメリカの彫刻家の
Daniel Chester French ダニエル・チェスター・フレンチ(1850-1931)。
ワシントンD.Cのリンカーン記念館にあるエイブラハム・リンカーン像を
デザインした人でもあるそうな。 ↑ 白い大理石の、椅子に座った像。
帰り道、騎馬像の右後ろ足のほうに伸びる道を歩く。
ゴージャス感漂う シャングリ・ラ ホテル パリ を眺め・・・
↑ 2010年にオープンしたそうな。
・・・緑の額縁におさまるエッフェル塔を撮り・・・
・・・いつものシャイヨ宮あたりからもエッフェル塔の足元を1枚。
日増しに観光客が増えつつあるパリ。
5月の初めでこれだもの、夏、想像を絶する賑わいだろうな・・・。
日本には確か、西洋美術館ってあったよね。
東洋美術館のコレクションの流れから見ると、聖母マリア像やキリスト像、
フレスコ画、民族衣装や織物、装飾品、陶磁器、家具などがありそうだけど、
メインはやっぱり、絵画や彫刻なのかな・・・?
機会があれば、ギメ東洋美術館へも、ぜひどうぞ。
どれも綺麗ですね~。
ガラスで作ったお魚はまるで童話の世界だわ。
by ぴーすけ君 (2012-06-15 20:15)
どれもこれも、素敵で・・何時間あっても足りませんね(*^。^*)
*木目いいですよね~香りもまたいいんですよ♪
by 夢空 (2012-06-15 20:46)
こうしてみると、どの時代のどの国の人々も、生活の中に美しいものを取り入れようとしていたんだな、と感じて、じーんと感動します。もちろん、貧しい人たちはそうもいかなかったのでしょうけど…。棚をモチーフにした屏風の絵柄、面白いですね。すごくモダンな意匠ですが、いつ頃のものなんでしょうね。
by stellaria (2012-06-15 22:42)
落雁のお菓子みたいなの(笑)
これ、キレイですね~。
by angie17 (2012-06-16 00:05)
鴨さん、北京ダックになるだけじゃなくて、こんな立派な香炉になっていたのですね~
後漢のお香もどんな香りだったか嗅いでみたいなあ♪
by めぎ (2012-06-16 06:16)
青いピッチャー美しいですね~
アレクサンドロス大王に支配された頃のものかな~
お魚は1世紀の頃のものならギリシア文化からインド文化へ変わる頃のものですね。
ギリシアから移り住んだ人達が海を懐かしんで作ったものかしら・・・
インドの模様は魅力的ですね。
本場に見に行きたいな~
by miffy (2012-06-16 15:28)
ガンダーラの仏像は中東っぽい面立ちね。
そのへんの仏像って、仏教っていまじゃ東洋のものだけど、ブッダはもともとインドの人だったんだって思い出させてくれるよね。
海老たべたい?
桜海老ミッションは完了です^^
by noriko (2012-06-16 22:25)
時期的にガラスの魚ちゃん達が気になります♪
出窓のところに並べてみたい・・・なーんて☆
上野の西洋美術館はほとんどが絵画で、工芸的なものはほとんどなかったかと・・・立体はロダンの彫刻が数点あるくらいの印象です。
もともと収集された松方さんの趣味なんでしょうね。
by ネム (2012-06-17 06:04)
最後の「また来てね」の像は、お釈迦様とか菩薩と言うよりは、インドの金持ちといった感じに見えました。こう…アクセサリー多めなので。
by HIROMI (2012-06-17 08:35)
>私なら、小さな金印より、鴨の形の香炉がいいな
ふふふ、“鴨さん”大好きだもんね~~~(笑)。
by yk2 (2012-06-17 09:26)
ガラスのお魚たち、素敵~♪
吊るしてお部屋に飾ったら涼しげな夏のインテリアにぴったりかも^^
エッフェル塔周り、混雑してきてますね。いよいよ観光シーズンに突入かしら。
日本は今鬱陶しい梅雨だけど、ヨーロッパは爽やかなんでしょうね~。
by MOCOMOCO (2012-06-17 09:45)
魚の吹きガラス、欲しくなりますね。
Inatimyさん、もうジベルニーには行かれましたか?
私は20日にパリINで天気次第ですが次の日には行こうと思ってます。
それと、もしお時間が合えば・・・。良かったらメッセージください。
http://aoi-sketchbook.ciao.jp/
by ミカチ (2012-06-17 15:39)
鴨の香炉がいいですねー。
そんなに大きなモノではないでしょうに、
なかなかの存在感です。
パリに行きたい♪
by pica (2012-06-17 17:16)
観光客の皆さんは、こういう芸術作品をお目当てにやってくるんでしょうね~。
それにしてもすごい人たち!
by 母ちゃん (2012-06-18 06:16)
→皆さま
『パリで見る東洋の国々のアートは新鮮だった』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 日本でもこれだけ様々な東洋の国の作品を一気に見ることはなかったので、濃厚なアジアとっても楽しめました♪ 5月6月は肌寒くとも毎週のように出かけてたので、写真がかなりたまってます・・・早く追いつかないとなぁ。
→ぴーすけ君さま
ガラスのお魚は、夢ある作品ですよね~。 いろもブルーが入っただけの爽やか系で。 思わず激写でした♪ 自分でも作ってみたいなぁ。
→夢空さま
疲れ気味だったけれど、入場料無料の日だからというのでKamoさんについて行ってみたんですが、かなり面白くって。 出てきた時には得した気分になりました♪ 我が家のテーブル、木の節が面白い模様のテーブルですがIKEAの安いものです(笑)。
→stellariaさま
大昔はミュージアムなんてなかったから、作品じゃなく、実生活の中での道具ですものね。 本当に日々の暮らしを楽しくしようと工夫されてるのが伝わってきますよね♪ 韓国の屏風はいつの時代のものかはチェックしてなかったけれど、比較的新しい時代のものかもしれませんね。 韓国、中国の展示エリアも充実しててヨカッタです。
→angie17さま
こんな落雁あったら、迷わず購入しますよね~。 あっさりとしていながらも、植物の美しさが表現されてて、すごく好みです♪
→めぎさま
芸術的にも食文化的にも、鴨って中国の暮らしに密接な関係なんでしょうね~。 北京ダック、好き♪ 後漢のお香・・・ホント、どんな匂いだろう。 我が家にもお香好きのKamoさんがいます。
→miffyさま
あちこち旅されてるだけに詳しい~。 なるほど、時代によってその国を支配する民族も変わってましたものね。 写真OKのミュージアムだと、解説プレートも撮れるので、フランス語が分からない私は、帰宅してネット検索しまくりです。 でも間違って隣の作品の解説だったりで涙・・・。
→norikoさま
仏教が経由した国々の文化を吸収して日本まで伝わって来たんだなぁ・・・と実感。 仏像も顔立ちが異なってたりしてね。 日本の展示エリアでは、印籠に根付もあって、キレイだったよ。 カメの印籠はそのままの形でビックリもの♪
→ネムさま
これらのガラスのお魚さん、窓辺に飾ったら涼しげでいいだろうな~。 ガラス玉のブイとか一緒にね。 西洋美術館は絵画メインなんですね~。 松方さんの趣味・・・そうか、私が見た多くは、ギメの趣味だったんだなぁ・・・。 そういえば、パリにロダン美術館もあるけど、まだ行ってなかった・・・。
→HIROMIさま
ほんとだ、装飾品たくさん身につけてますね~。 ふふ。 そうそう、この日本の展示エリアで見た土偶、青森県の遺跡から出土されたものでした♪
→yk2さま
ふふふのふ~、“鴨さん”なしの人生なんてありえません♪(笑)。
→MOCOMOCOさま
海のない国で生まれた作品とは思えないほど、魚の形も様々で、可愛いですよね。 作った人、センスいい♪ レプリカ、売ってたらいいのになぁ。 爽やかなはずのヨーロッパ・・・今、パリはずーっと天気があまりよくなく、曇り空や雨で湿度も高め。 なかなか洗濯物が乾かない~。 乾燥せず、肌にはいいんですけどねぇ。
→ミカチさま
こんなにすてきなガラスのお魚をみたら、自分でも作りたくなりますね~。 吹きガラス教室なんて、帰り道にあったら、そのまま申し込んじゃいそうな。 ジヴェルニーにも行かないとな~♪ またメールしますね♪
→picaさま
他にも香炉はいろいろ。 蓋に小さく動物がついたものとか、それも夢のある素敵なものでしたよ♪ 私はそろそろパリから出たい~。 モズクやメカブが恋しい~。
→母ちゃんさま
どうなんでしょうねぇ・・・観光客のお目当ては、まずはエッフェル塔とか、エトワール凱旋門とか、ルーブル美術館とかあたりかなぁ。 街を歩いてると、いろんな言語が耳に入ってきますよ~。
by Inatimy (2012-06-19 18:16)
ギメ美術館、楽しいですよね。
とっても勉強になります。
日本の西洋美術館は、戦前にフランスで絵画のコレクションをした松方氏の所蔵品が、敗戦でフランス政府に没収されたけれど、それが返還される条件が、ふさわしい美術館を作ってほしいとのことで建てられたと
きいています。だから、絵画と彫刻だけです。
by TaekoLovesParis (2012-06-19 22:29)
落雁のお皿は、版画かと思っちゃった。
アフガニスタンのお魚、遠い国と物々交換していたのかな?それとも地形が違っていたのかな?
そんなこと考えても楽しいね!
シルクロード沿いには興味深いものなんだか懐かしいと感じるものが沢山ありますね。
by カエル (2012-06-23 08:57)
→Taekolovesparisさま
日本でもこれだけまとめて東洋美術に触れたことがなかったので、ギメ美術館はとっても学べる場所でした。 そうか、日本の西洋美術館は絵画と彫刻だけなんですねぇ・・・まだ行ったことがないので、いつか行ってみますね。 松方氏の好みの品・・・どんな感じだろうなぁ。
→カエルさま
落雁のような花の装飾プレートは、素敵でしょ。 部屋にこんなのあったら、ちょっと嬉しいかも。 シルクロードって、奈良まで続いてたんだっけ。 いろんなものが伝わってきて、飛行機もない時代によくここまで、って驚き。
by Inatimy (2012-06-26 18:48)