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身近に感じる動物学 [フランス・ミュージアム]

 このはどこから来るんだろう。

 昔、国語の授業で読んだ話に、桜色の着物が出てきた。
 志村ふくみさんという染織家の作品だったこともおぼえてる。
 花びらでなく、花の咲く前の樹皮で染めたとか。

 このも、薔薇の葉っぱや幹にも、そっと潜んでいるのかな。 

 きっと、そうかもしれないね。

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 5月は頻繁に植物園に通っていたけれど、目当てはだけじゃなかった。

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 ・・・って、韓国料理を狙ってたわけでもないんだけれど。 

 お昼に植物園近くで、ビビンバを食べた。(左下) Kamoさんは豚、私はダックの。
 量が少なそうに見えるけど、混ぜやすいように丼がとても大きいから。

 お味噌汁おかず3品もついてて、
 前菜には、餃子みたいなマンドゥやお好み焼きのようなチヂミの一種のビンデトック

 私が頼んだ飲み物は、アロエジュース。 粒々入り。
 おまけに付けてくれたキムチが美味しかったな。

 で、その後・・・

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 ・・・シロクマを見に行った。 

 フランスの彫刻家 François Pompon フランソワ・ポンポン(1855-1933)の
 "L'ours Blanc" 1922。

 と言っても、オリジナルの像を元に、Michel Lorenzi によって作られた複製だそう。
                         ↑ 複製の匠 のような人らしい。

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 正面からシロクマの顔を見ると、こんなの。 鼻がマッシュルームのスライスだ。

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 やっぱり横顔がいいね。 

 このシロクマがいるのは、
 植物園の敷地内にある Grande Galerie de l'Evolution 進化大陳列館

 Muséum national d'histoire naturelle 国立自然史博物館の中の1つのミュージアム。
 まず、一番上の階まで上がって、見ながら順に下りてくるのがお勧め。

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 向かいのフロアに、キリンがいる。 

 ブルーの天井は、時間が経つにつれ、色が変わる仕組み。 

 下の階を見下ろすと・・・

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 ・・・建物中央部分は吹き抜けになってる。 

 1階(日本で言う2階)には、動物の行列。

 それを囲むように各フロアに展示が。 
 昆虫、クジラの骨格標本、剥製など、貴重な資料が山ほど。

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 ゾウ、サイ、キリン、シマウマ・・・などなど、アフリカのサバンナの生き物。 

 展示を見ながら移動するたびに、気になって撮ってしまう。

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 元々は古い建物だから、レトロな雰囲気が残る部分もある。 

 見ているだけで、学者気分に浸れたり。
 皮の椅子が置いてあったりもしてね。

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 ゾウの剥製に、トラの剥製も。 なんともリアル。 このゾウは耳が小さいから、アジアゾウだね。

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 ブドウの葉っぱの比較が面白かった。 葉っぱは本物、実は作りもの。

 左から:

 Lambrusque(Vitis vinifera subsp. sylvestris)
 野生の葡萄。

 Variété Savagnin サヴァニャン種
 フランス西部のジュラで栽培されて、ヴァン・ジョーヌやヴァン・ド・パイユに使われる。

 Variété Cabernet-Sauvignon カベルネ・ソーヴィニヨン種 
 
赤ワイン用ブドウ品種の1つ。

 Variété Sultanine スルタニーヌ種(スルターナ種)
 たいてい、果物としてそのまま食べる用。 レーズンにもなるもの。

 Variété Muscat d'Alexandrie マスカット・オブ・アレキサンドリア種
 日本で言うマスカットは、このことなんだそう。

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 ドードーに関する資料の間があった。 このドードーは作り物。

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 で、こちらが本物・・・かと思いきや、そうではなく。

 エミューの足、ダチョウとレア(南米の大型走鳥類)の羽根、
 顔のあたりはダチョウの肘の皮膚、牛の角で出来たくちばしの先。

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 ドードーの間の隣には、絶滅種絶滅危惧種の展示室。

 サルのアイアイ、パッと見はネズミのような有袋類のミミナガバンディクート
 ヨーロッパオオヤマネコアホウドリ
 サバンナシマウマの亜種のクアッガ(体の後ろ半分に縞がなく茶色で脚は白)など、
 見応え充分。

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 時折、時計の鐘が鳴ったりね。

 この時計は、マリー・アントワネットが所有していて、フランス革命時に没収されたもの。
 1785 の年代と Robin のサインが入ってるそうな。

 Robert Robin ロベール・ロバン(1742-1799) は、ルイ16世の時計職人だったよう。

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 生き物だけの展示かと思ったら、石もほんの少し。 
 鉱物学・地質学陳列館が閉鎖中だからかな。 

 片隅に置かれた鉱物の青さがキレイだった。

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 いよいよ動物の行列のある会にフロアに。 列の先頭にいるのはアフリカゾウ。 

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 気になったのは縞々の渦。 乱れ気味なところ。 でも、見るだけね、触っちゃだめよ。

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 それは、シマウマの額。 

 我が家のトラチの額も縞々柄で、
 見てるとついつい渦渦と、「の」の字巻きにしたくなる。

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 目と目が合って、威嚇された気になるのは、カラカル。 ネコ科カラカル属。

 むっちりとした大きな手。

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 あと私の注目は、キリンのお尻・・・ではなく、キリンの模様。 

 人が多かったので近くまで行ってプレートはなかったけれど、
 もしかして、動物園によくいるアミメキリンマサイキリンでも、柄が違うとか・・・。

 今度、動物園行った時には、模様チェックしないとね。

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 角の反り具合も不思議だね。 前にそったり、後ろになびくように生えたり。

 これは、コーブ

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 地上階の展示は海の生き物。 ホウボウみたいなのは、Grondin rouge

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 自然史博物館進化大陳列館は、
 いつもアイスランドポピーを撮る時にバックに写っていたこの建物。 

 ZOOLOGIE ゾーロジィ と刻まれた文字。 ライオンもいるね。

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 植物園で花を撮るたびに、いつか行かないとな、と思ってた古い建物。
 その中は、とっても近代的な動物学ミュージアムだった。 

 今回ショップで買ったものは、このひとつだけ。 左右に引っ張ると・・・

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 ・・・じゃじゃ~ん。 中から動物が現れるのでした。

 骨格標本がずらりと並ぶ比較解剖学・古生物学陳列館も、
 この進化大陳列館も、どちらもお勧め。 

 ふと思い出したのが、オランダ国立自然史博物館 naturalis
 ライデンにあるあそこも面白かったな。

 そういえば、昔、オーストリアザルツブルクでも Haus der Natur って、
 自然史博物館に行ったんだったっけ・・・。

 

 ・・・と、どこの国でも、目で見て楽しめる自然史博物館だったのでした。

 選択科目で化学をとっていたけれど、意外と生物にも向いていたのかも・・・。


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コメント 15

luces

迫力のある行進ですね。列に加わりたくなります。
ドードー鳥は不思議の国のアリスで知りました。
by luces (2012-06-26 21:05) 

noriko

やっぱり迫力があるねぇ♡
そうなんだ、この行列を観たかったんだけど・・・・。
いつかいく旅リストの順番がちょっと変わってしまったけどら、まだオンリストしておこう^^
ブドウの葉と実は、そのうちInatimyさんのベランダでも見られるようになるかな♪
by noriko (2012-06-26 21:57) 

めぎ

動物さんのお目々が怖いです!
by めぎ (2012-06-27 02:20) 

母ちゃん

面白い展示方法ですね~。でも皆さんのおっしゃる通り、迫力の行列で、ちょっと怖いかも(^^)
by 母ちゃん (2012-06-27 06:10) 

匁

なかなか面白いですね。
実物と彫刻の対比って有りなんですね。
by (2012-06-27 07:35) 

夢空

飛び出す絵本みたい~~♪
これ、いいですね、私も買っちゃいますね(*^。^*)
by 夢空 (2012-06-27 08:17) 

ぷーちゃん

シロクマのアップが
かわいいです。
by ぷーちゃん (2012-06-27 08:47) 

のん

わたしも、桜の花が咲く前の樹皮で染めた着物の話を授業で読みました!
とても印象深くて、よくおぼえています。
by のん (2012-06-27 20:32) 

miffy

私がボツワナで見たキリンはケープキリンでした。
キリンって9種にも分かれてるんですよね。
それぞれ模様が違うって言われても見分けるの大変そうです。
ドードーの完全な剥製は残ってないんですよね。
生きてる姿を見てみたかったな~
ショップで買った物良いですね。
私も欲しいです~
by miffy (2012-06-27 21:49) 

ぴーすけ君

ショップのお土産がとっても素敵♪
by ぴーすけ君 (2012-06-28 21:50) 

バニラ

白クマ、好きだなぁ~♪  博物館は盛り沢山でじっくり観るには時間がかかりそうですね。
by バニラ (2012-06-29 10:49) 

Inatimy

→皆さま 
『身近に感じる動物学』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 我が家にいる動物と言えば猫。 トラチの「桶」に敷いてあった毛布をのけて夏仕様のバスタオルに。 お古なのでゴワゴワなんだけど、それがまた心地いいみたいでよく眠ってます♪ 

→lucesさま 
列に加わるなら、アフリカゾウの前かな~。 一緒に記念撮影してる人もたくさんいましたよ♪ ドードー鳥はオランダのミュージアムでもたくさん見ましたよ。 いつか『不思議の国のアリス』読んでみようっと。

→norikoさま 
前に私が記事にした自然史博物館の動物が行列してるところ、って言ってたから、てっきり比較解剖学・古生物学陳列館だと思ったら、進化大陳列館のほうだったのね・・・。 骨格標本の動物の行列じゃなかったんだ。 いつか頑張って見に行ってね♪

→めぎさま 
迫力ある目ですよね~。 海外のお料理本で魚料理の時に、目に葉っぱが置いてあるのがあったけど、それと同じ怖さなのかも・・・。

→母ちゃんさま 
もともとは全部生きてた動物の姿ですからねぇ・・・迫力あるのもなるほどです。 動物園とはまた違った接し方ですよね。

→匁さま 
動物園にもゾウやライオンの像があったりもしますよね~。 同じ植物園の敷地内に小さな動物園もあるので、それと合わせて見学するのもいいかも♪

→夢空さま 
そうそう、飛び出す絵本、なつかし~。 このカードは一目見て、買うぞ!と即決。

→ぷーちゃんさま 
シロクマ、ものすごく近くで像が見れたので満足。 他にも剥製っぽいものも陳列されてました。 それは手の届かない遠いところに配置されてましたが。

→のんさま 
同じ教科書だったのかもしれませんね。 調べてみたら、桜の花が咲く前の樹皮で染めた着物の話が登場するのは、大岡信の「言葉の力」という作品だったようです。 

→miffyさま 
すっごい、キリンもいろんなのをご覧になってるんですね~。 9種類のキリン・・・見比べてみたいなぁ。 オランダでもドードーの骨とか複製はありましたが、完全な剥製ってないんですねぇ・・・。 

→ぴーすけ君さま 
ショップで買ったこのおみやげ、テーブルの上にいつも置いてあります♪ たまに、ピッと引っ張って、ニンマリ。

→バニラさま 
じっくり見てたら、一日楽しめそうな場所でしたよ♪ でも中のカフェが今一つで、それが残念かな。 
by Inatimy (2012-06-29 21:27) 

アールグレイ

美しい赤いバラ
小分けしてきれいに盛られた美味しそうなビビンバ
とても上品な感じです。
彫刻や剥製の動物たち
青い光の展示で、幻想的ですね。
by アールグレイ (2012-06-30 00:44) 

カエル

シマウマの額ずっと見ていると、渦巻きがぐるぐる動き出した!わお!
目が疲れているのかな?笑
動物の行進見ごたえありそうだね~。上から見るのと同じ地面から見るのとじゃ全く違う印象受けそうだ。
キリンの模様、濃くなればなるほど歳を召したということになるらしい。
お土産、かわいいね~。
by カエル (2012-07-02 13:52) 

Inatimy

→アールグレイさま 
植物園のバラ園は、このあともバラが咲き続け、キレイなバラのアーチが並んでました。 気温が低かったので、見頃も長かった気がします。 進化大陳列館はきっと夏は子供たちに大人気なんだろうな~。 

→カエルさま 
さすがキリンにお詳しい♪ そうか、模様が濃いほどね・・・人間とは逆?ってことねぇ。 ふふ。 動物の柄も面白いなぁ。 シマウマ渦巻きラブリー♪
by Inatimy (2012-07-06 22:28) 

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