印象派への遊歩道で [フランス・パリの外]
ラベンダー
自転車
この夏、さよならをしたもの。
オランダからずっと一緒だったのに。
でも、思い出は枯れない、誰にも盗られたりしない。
いい匂い~。 ラベンダーの花が、そのまま乾燥?
ドライハーブと化した房が風に揺れるたびに、あたり一面に香りが漂い広がる。
話は7月中旬。 フルネーズ博物館、メゾン・フルネーズ、セーヌ川散歩の続き。
川沿いを南下しシャトゥーのノートルダム教会まで戻ってきた。
ラベンダーを見たのは、その近くのSquare Maurice Realier-Dumas という公園で。
モーリス・レアリエ=デュマ(1860-1928)は、印象派や東洋趣味の影響を受けた画家。
風景画、アンティミスト、宗教画などの他、ポスター画家としても活動してたらしい。
メゾン・フルネーズの正面、窓や入口の間にあった絵は、この画家が描いたもので、
"Les quatre ages de la vie" というタイトルだそう。 ・・・『人生の4つの時代』?
来る時に渡って来たシャトゥー橋を、また戻る。
緑が濃い部分を見ながら、ギュスターヴ・カイユボットのカヌーの絵の話をしたりして。
やがて、橋の真ん中、アンプレッショニスト島のあたりを越えて・・・
・・・島の東側の流れを見ていたら、船が。 ちなみに、向こうの橋は、RER線の鉄道橋。
やって来たのは砂利運搬船だった。 砂の重みでかなり水に沈んだ感じ。
パリ・プラージュが始まる前の頃、砂を積んでいない空の船が行くのを見て、
元から平たい船ではないんだと初めて気がついた。
川岸に係留された船の向こうを人が歩いてる姿が見えたので、
セーヌ川の東側の岸へ降りる。
Rueil-Malmaison リュエイユ=マルメゾン 側のセーヌ川岸を南下。
地理的に言うと、この街は、シャトゥーよりパリ寄りにある。
隙間から、見る船。 たまに小型のヨットや、モーターボートも。
プロムナード(遊歩道)沿いの建物に動物の顔。 何だろう、ビーバー?
この建物は、Maison Giquel メゾン・ジケルというらしい。
緑の生い茂る川と船に挟まれた場所を目を凝らしてじーっと観察。
私が見ていたのは、カモ。 先の写真のどの場所か分かるかな?
どんどん南へ歩いて・・・
・・・さっきシャトゥー橋から見てたRER線の鉄道橋の下まで来た。
カンカン帽をかぶった人が乗ったボートクルーズ。
このまま歩き続けると、どこまで行ってしまうんだろう。
地図も持ってないから、帰り道が分からなくなるかな?
と、引き返して北上。 遊歩道を観光トラムが走って来た。 楽しげ。
ボートクルーズにも観光トラムにも乗れなくても、緑に囲まれるだけで十分。
シャトー橋の下をくぐって、さらに北上すると・・・
・・・ほら、メゾン・フルネーズの向かいまで来た。
階下にボート格納庫のある山小屋風のレストランも右にチラッと見える。
こちら側の岸にもカフェがたくさん並んでたけれど、ビルの一角で、もっと都会的な感じ。
けれども、どうも我が家ふたりはゆっくり座ってお茶することがなく。
この先、どうなってるんだろう・・・と先へ。
木漏れ日がちらちらする川沿いのプロムナードを歩いていたら、
ふとオランダのアムステル川沿いを自転車で走った日のことを思い出した。
↑ この記事の上から4枚目や6枚目の写真とかね。
脇に見えてる板の囲いは、犬のトイレ。
それを通りすぎてやって来たところは・・・
・・・印象派の絵の情景のような場所。 ただ普通に人が休憩してるだけなのに。
池には睡蓮も。 今いる場所を向こう側から見ると・・・
・・・モネの庭風な場所だったりする。 藤棚のある日本の橋っぽい。
ここは、Parc des Impressionnistes アンプレッショニスト公園。 印象派の公園。
バラの咲く頃に来てもキレイかもしれないな。
葡萄棚もあった。 7月の中頃は、まだまだ若い実。
公園を軽く一回りして、そろそろ帰路へ。
いい散歩だったな・・・と、穏やかな幸せをかみしめる。
カラッとした天気の良い日。
家に着いたら、ベランダ小庭の植木たちに、たっぷり水を遣らないとね。
ラベンダーも自転車も、我が家から無くなってしまったけれど、
きっと私達ふたりの身の上に降りかかる災難を代わりに引き受けてくれたんだ、と。
そんなふうに感じる。
あ、人形劇だ。 マリオネット劇場のお知らせが道路脇に。
と、ふと思い出したのが英国のロックグループ Coldplay のPV。
"Life In Technicolor II"という曲の。 メンバーが人形で登場し演奏。 結構好きだったりする。
セーヌ川に架かるシャトゥー橋を中心に、北へ南へとうろうろ散歩したから、
この日歩いた距離は軽く6kmは超えてるみたい。 ひょっとしたら7kmに近いかも。
ベンチでお昼を食べた以外、5時間ほとんど写真撮りながら歩きっぱなし。
こんな、のんびりハードな長い散歩をした夏休み第2弾だったのでした。
歩くの好き?
お散歩って言うよりも、歩くピクニックって感じですね~。
by ぴーすけ君 (2012-09-14 19:47)
今回もたくさん歩かれたんですね~♪ こんな美しい風景の中をお散歩する幸せって貴重ですね。
by 母ちゃん (2012-09-14 20:13)
日差しの加減も印象派っぽいですね。
by luces (2012-09-15 00:57)
五時間も歩く散歩…ハードですよ。(^_^)
でも、有酸素運動がたくさんできましたね。
プロムナード(遊歩道)沿いの建物に動物の顔は、私には半魚人に見えました。(*^_^*)
by HIROMI (2012-09-15 09:26)
素適なお散歩♪私までご幸せな気持ちになれました~。
Inatimyさん、ありがとうございます^^
モネの庭風の場所・・穏やかで素適ですね.。✿
by baby_pink (2012-09-15 11:01)
素敵な散歩ですね。そくに、印象派の庭園はすばらしいですね。
by テリー (2012-09-15 15:40)
睡蓮のところ、私もちょっと休憩したいな・・・。
by yuka (2012-09-15 16:54)
ラベンダーと自転車。
そういえば私は今年の冬に自動車とさよならしたんでした。
でも、何かと「さよなら」したら別の何かと「こんにちは」することってあるよね。
Inatimyさんとkamoさんが新しく出会う何かはもうすぐそこまで来ているかもね^^
by noriko (2012-09-15 20:46)
砂利運搬船、重そうですね~
こういうお仕事船が行き交う川をぼんやり眺めるのが大好きです。
by めぎ (2012-09-15 22:26)
ほんと、モネのジベルニーの庭園ふうですね。
ちょうど睡蓮が咲いている時期だったんですね。
カイユボットのカヌーの絵は、印象に残るから、こういう川を見ていると、
思い出すの、わかります。
え~っ、6kmも。しかも5時間。ただただ敬服。私は歩くの好きじゃないから。。。
by TaekoLovesParis (2012-09-15 23:57)
おや、車を積んだ船が。
岸に泊まれば、陸上の移動は車が便利ですものねえ。
by ナツパパ (2012-09-16 18:12)
アンプレッショニスト公園、ほんとモネのお庭みたいですね。
印象派のそれぞれの画家の作品を取り入れたお庭なのかな~
美しい景色を見ながら楽しくお散歩してると長い距離も苦にならないですよね。
by miffy (2012-09-16 18:36)
これは素敵で、楽しめる散歩路ですね^^。
by krause (2012-09-17 08:09)
どの写真も ポストカードになるくらい素敵です。
by ami (2012-09-17 20:27)
→皆さま
『印象派への遊歩道で』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 ここのところ予告なしの停電、断水、お湯が出ない、TVの映像が乱れる、ネット接続がブチブチ途切れる・・・と、思わず「もぉ~!」と文句が出ちゃうようなことばかり。 集中暖房がない今の時期が一番寒いかも・・・猫のトラチが膝に乗せろと離れない。 印象派の遊歩道を歩いた頃が凄く遠く感じるなぁ。
→ぴーすけ君さま
もう遠足の域ですよねぇ、これだけ歩くと(笑)。
→母ちゃんさま
天気がいいし、日差しは強いけど乾燥してるから快適だし、お散歩は楽しいし、どこまでも歩ける感じがして。 でも家に帰るとクタクタ。 歳のせいか身にこたえますねぇ・・・(笑)。
→lucesさま
普通にシャッター押しただけなのに、印象派ぽい日差しに写ったのは不思議で、カメラに感謝♪
→HIROMIさま
普段の運動不足を週末の散歩でカバーしてる感じかも。 スイッチが入っちゃうと、どんどん歩いても平気で。 走るのは苦手だけど長距離歩くのは好き♪ 半魚人・・・なるほど~映画『ヘルボーイ』でこんなキャラが出てたな・・・。
→baby_pinkさま
印象派に詳しい人が見たら、モネの庭以外にも、あ、これはあの絵の・・・って分かるのかも。 川のそばのとっても雰囲気の良い公園でした♪ 緑に囲まれると優しい気持になれますね~。
→テリーさま
印象派の島に印象派の公園、パリからすぐなのに緑の多いいいところでした。 都会が苦手な私には気分転換に最高の散歩に。
→yukaさま
睡蓮のところ、結構人気で。 バラも終わってて、ちょうど睡蓮の花が見頃だったからかしら。 あちこち芝生の上で皆ゴロゴロしてました♪
→norikoさま
自転車のことを思うと、とても悔しくて寂しくて。 思い出いっぱいの自転車だから。 でもきっと身に降りかかろうとしていた大きな災難と一緒に我が家を離れて行ったんだと思うように。 今の幸せはそのおかげなんだなと。 ラベンダーは私のベランダ小庭の第1号でもあったしねぇ。
→めぎさま
砂利運搬船とかのお仕事船、私も見るのが好きです♪ オランダだと帆船までも見られるからそれも楽しいけど。 ドイツの海が近い大きなところだと貨物船とかも見られるのかなぁ。
→TaekoLovesParisさま
今年はまだジヴェルニーに行けてなくて。 でも思わぬところで睡蓮が見られました♪ タイミングが良かったな。 カイユボットのカヌー遊びの絵は緑がキレイでいいですよね、あの雰囲気。 ちょっとリッチそうな感じもあって。 ふふ、Taekoさん、700mでタクシーはマドリッドでのお話でしたっけね(笑)。 そうそう、今年の旅のヴェネツィアで思い出しましたが、カナレットの展覧会がパリで♪
→ナツパパさま
すごい、ホントだ~。 よく見ておられますね。 車が載るほど大きな船じゃない場合は、自転車かな~。 パリでは余り乗ってなかったけれど(あまり専用道がないので危ないから)、盗られたのは悔しい・・・。
→miffyさま
モネの他に、きっと印象派の画家の絵にちなんだものがいろいろあるのかも・・・って、気づいてないし、私って。 サン・ジェルマン・アン・レイより近くだし、またフラッと散歩に行けそうです。 写真撮りながらの散歩はあっという間に一日が過ぎて行きますね♪
→krauseさま
シャトゥーの街は川沿いに緑が多くて遠くを見てたら目もよくなりそう♪ パリの街だと近くばかり見て、しかも文字が多いし・・・。
→amiさま
どこを撮っても素敵な景色になるほど、いい場所でした♪ あ、そういえば街のポストカード買うの忘れてた・・・。 今度行ったら探してみよ。
by Inatimy (2012-09-22 05:44)
結構歩いてますよね〜。
こうして見ると緑が沢山あるって、気持ちいいなって思ったよ。
排気ガスまみれの毎日はやっぱり深呼吸するには不向きよね。
たまにはこんなところで体中をキレイにしないと、しおしおになってしまうね。タイから帰って来て、一番に思ったのは私の街はきれいだなってことだった。
by カエル (2012-09-23 18:59)
→カエルさま
元々、日本でも公共交通機関に弱かったのもあり、なんでも歩く癖が(笑)。 馬・羊・山羊・牛・・・ののどかな風景を味わっちゃうと、都会暮らしってますます自分とは合わないかも・・・と緑のある場所へ脱出。 久々に一時帰国したKamoさんが、日本ってどこ歩いてもキレイなんだよ~、って言ってた(笑)。
by Inatimy (2012-09-25 19:08)