立ち止まって飛んだ先は・・・

 ♪ Happy Halloween ♪

 もちろん、Trick よりも Treat がいいけれど・・・。

 カボチャ顔のジャックランタンに、雰囲気たっぷりな記念撮影スポットがあったのは、
 エッフェル塔のあるパリではなく・・・ 

 ・・・こんなキャンドルっぽいタワーがある街の地下街。　おや？　建物に日本語が。

 そう、パリから飛行機に乗って日本へ。　

 この旅客機はどこに向かうんだろうなぁ・・・なんて、ゆったりと・・・

 ・・・快適な長椅子に身を委ね、飛行機を眺めていたシャルル・ド・ゴール国際空港。

 時間があったからゲートに向かう途中にお茶でも、と思ってたのに、
 免税店から漂う香水類の匂いがキツ過ぎで、とても飲んだり食べたりできる空気じゃなく・・・。

 あっという間に、雲の上。　１１～１２時間のフライト。

 オランダからパリに引っ越して以来、見ていない海。　
 久々に見た海が、瀬戸内海になろうとは。　キラキラと朝の陽の光を受けた水面が眩しかった。

 黄色いイチョウ並木の葉がキレイだな～、黄金色の稲穂も。　わぁ、電柱だ。
 すっごい、高層マンションの上階でもベランダに布団干してる・・・、
 速度落とせ、横断歩道、止まれ・・・道路上に文字がたくさん。

 ・・・と、プレーヤーでフランスの音楽を聴きながら車窓の景色に目が釘付け。

 他にも、新鮮さと同時に驚きを感じたのは、利用者の立場から見たサービス精神。
 大変ご迷惑をおかけしております・・・と、
 １～２分の列車の遅れでも、きちんとアナウンスが入って謝罪もされる丁寧さ。
 欧州では遅延も間引き運転もよくあること。　いちいち説明も謝罪もなく。

 いつも時差ボケ知らずの私は、快調に進む。

 欧州を昼頃発ち、翌朝に日本に着く便では、食べる以外はほぼ眠ってる。
 普段の睡眠不足解消も兼ねて。
 たまに席を立ち、体を伸ばす程度。　音楽を聴いてても、うつらうつら・・・。
 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑　今回はHenri Salvador のアルバム"Tant de temps"

 一方、日本を昼頃に発ち、同日の夕方に欧州に着く機内では、
 最初の食事が出た後、前半６時間は眠り、後半は起きて映画観賞。
 でないと、寝過ぎで、その夜眠れなくなるからねぇ。

 でも元々、現地モードへのスイッチの切り替わりが、早いほうなのかも。
 周りの雰囲気に酔いやすいというのか。　

 日本では、すっかり和食派。　パンよりお米、肉より魚。　
 ペットボトルの焙じ茶の美味しさにも感激。　
 昼食にと駅弁も買ってみたり。　お目当てだった蛸壺弁当はすでに売り切れで残念。

 ひとまず、実家に顔出し。　長年預けておいた荷物のチェック。
 梱包のガムテープがすっかり弱くなってる。　いらなくなったものは譲ったり、処分したり。

 そして新たに親から譲り受けたものもあったり。　

 頼まれた物を探し歩いて街の中をうろうろ、買い物もあれこれ。

 勝手に足が進むほど覚えている道なのに、両側に並ぶのは知らない店ばかり。
 昔よく行ったあの店はどこだったっけ・・・と、まじまじと案内地図板を見ることも。

 もう街全体が別の顔。　
 なんだろう、この違和感。　どこだろう、ここは。　どうして私はここにいるんだろう？　

 ふふ、前記事の皆さんのコメントの中に、「引越し？」という鋭い推測が。　

 でも、時が満ちていないのか、私の住処は、まだまだ日本ではないみたい。　

 日本へ本帰国ではなく、今回もまたバタバタの一時帰国。　ほんの１週間ほど。
 Kamoさんと猫を長い間留守番させてしまうのは申し訳ない。

 ２年ぶりくらいの日本。　いつも免許証の更新など、よほどの用がないと帰らない。
 でも今回は珍しく父からの要請で。　いつ帰って来るんや？と聞かれることが多くなったから。　

 友達には誰ひとり連絡せずに滞在したのは、実家での時間を多く取るため。
 日本不在の間に、顔ぶれにも変化が。

 実家では今回何もすることがなかった。　いつもは料理・洗濯・掃除と日常の延長なのに。　　
 食事の用意も後片付けもなく、新聞でも読んでて・・・と上げ膳据え膳状態。　
 慣れないものだから戸惑うね。　女が朝から悠長に新聞読むもんじゃない、で育ったから。
 至れり尽くせりのもてなしに恐縮する。　

 ・・・どうにも手持無沙汰。　携帯電話もパソコンからも遠のいた日々。
 おかげで日本でしかできない手続きや用事がはかどった。

 親とは夜遅くまで遊んだり。 あまり飲まない私は隣に座って話に相槌。　
 仲間に囲まれ飲んで歌って楽しそうにする姿を見て、安心した。

 

 でも、時の流れは明らかに違いをもたらす。　何もかもが変わる。

 

 実家を離れ、ホテルにチェックイン。　やっとひとりになれて、ホッと一息。
 椅子に座ってTVをつけるも、見ているようで実は見ていなかったり。　　
 自然と涙がこみ上げてきていた。

 私の居場所は、ここじゃない。　

 実は、日本に行く前から、早くパリに戻って来たくて仕方がなかった。
 何度も、すぐだよね、あっという間だよね、とKamoさんに言ってみたり。 

 また、欧州に住んでいても同じところに定住するわけでなく、短期間での引越が多いから、
 生まれ育ったところはそのままでいてほしいと願う気持ちが、心のどこかにあったのかも。

 様々な思いが複雑に絡み合って渦巻いて・・・。
 でも、これで吹っ切れたかな。

 どこにいても私は私。

 もちもちしたご飯、豆腐・ワカメ・油揚げなどのお味噌汁、漬物、蓮根や里芋の煮物、
 天ぷら、お刺身、お寿司、炙り鰻、カニみそ、鯨ベーコン、海藻サラダ、モズク、メカブ、
 日本酒、鮎、秋刀魚、うどん、納豆、しんじょう、みょうが、シラス大根、塩昆布、鯖寿司・・・

 思い出すもの、どれも美味しかった。

 ビュッフェで和風な朝食をとった後、また飛行機に乗った。

 私はパリにいる。　Kamoさんと猫のトラチと一緒に。　やっぱりそれが一番いい。
 目の前の用事がまた１つ完了。

 

 そうそう、我が家では、飛行機に乗る前、必ず何か壊れる。
 眼鏡だったり、髭剃りシェーバーだったり。　または電球が切れたり。　

 今回の旅人は私だからか、壊れたのは湯沸かしポットだった。

 

 たまに滞るかもしれないけれど、ブログ、ゆっくり更新しますね。

コメント 21

ああ、私も今回、本当に短くてたったの4泊だったんですけど、日本へ行ってきて、とっても美味しかったし楽しかったけど、私の居場所はここじゃない、とはっきり悟って帰ってきたのですよ。
それは辛いことですよねえ。でも、本当に、そうなんですよねえ。
連れ合いが一緒だったら、また違った楽しさがあったのではないかと感じます。
by めぎ (2012-10-31 02:01) 

一時帰国なさっていたのですね。居場所はここじゃない、と思われたのですか…読んだ後、いろいろと考えさせられて、私も涙が出そうになりました。
ご実家でご家族と過ごせてよかったですね。お父様、喜ばれたでしょう。
by stellaria (2012-10-31 09:12) 

Boo! To You♪ Happy Halloween!
by ぴーすけ君 (2012-10-31 09:43) 

海外に住んでいての一時帰国、本当は、うれしいのでしょう。夫婦二人で、海外に行っている時の一時帰国と、単身で、海外に行っている時の一時帰国は、違うでしょうね。
by テリー (2012-10-31 13:13) 

inatimyさん
おかえりなさい。おつかれさまでした＾＾
色々感じるところがあったのですね.。
住む場所は違っても、ずっと同じ空の下
お父様やご家族皆さんとも繋がっていると思います。
中々、帰国するのも難しいかもしれませんが
今回もお父様もInatimyさんの元気なお顔に会えて
よろこばれたでしょうね。何よりの親孝行ですね＾＾♪
by baby_pink (2012-10-31 15:56) 

Inatimyさんのお言葉のはしはしから、なんとなく状況が垣間見られ、いろんな思いがあったのでしょうとお察ししました。お父様がお元気で楽しそうで良かったですね。
住めば都と言いますが、どこにいてもその通りだと感じます。私にとっては主人と居る場所が結局は一番の都かな。
これからもパリでお元気で楽しく生活できるといいですね（＾＾）

by rino (2012-10-31 21:06) 

おかえりなさい。今の家が家族が居心地いいなって思うようになったのは、実家を離れてから。住めば都ってこの事なんだなってわかった。kamoさんとトラチ君(？)といるのが居心地いいんじゃないかしらね。
日本の景色が記事に載ってると何だか不思議だったよ！笑っ
おかえりなさい！
by カエル (2012-10-31 22:06) 

お疲れさまでした
慌ただしいながら、日本を堪能されたようでなによりです。
つい日常に流されてしまいますが、自分の居場所を確認することも
大事ですね。


by luces (2012-10-31 23:25) 

人生は旅ですね。

by angie17 (2012-11-01 00:23) 

お帰りなさい♪　私も最初「お引っ越し？」って思ってました。

お帰りになってすぐコメントもいただきありがとうございました。

ブログも再開されてすごくうれしい。これからもよろしくお願いします(^^)

by 母ちゃん (2012-11-01 05:38) 

日本にお出でになっていたのですね。
さまざまな思いが交差した旅行だったようですね。
ご自身で納得のいく結果が得られて、なによりと思います。
by ナツパパ (2012-11-01 15:13) 

2年ぶりに日本だったのですね。
ご両親は､久しぶりの再会に喜ばれたことでしょうね。
街並みは変わりますよね。
パリでの生活が馴染んでいらして
生まれ育った日本よりも､安心感というか
落ちつく感じなんでしょうね。
kamoさんとトラチちゃんも、しばしの離れての生活が
寂しかったでしょうね。

by アールグレイ (2012-11-01 17:43) 

免許証の更新は日本でないとダメなのですか。
そのために帰国なら　久々の日本ですから
実家によってゆっくりしてほしいと思いましたが
違う感じがしたのでしょうか?
涙を流す程のコメントに私自身の帰省を思い出しました。

20000ナイスおめでとうございます。
by ami (2012-11-01 17:56) 

日本もイイ季節になってて、
きっとキモチのいい深呼吸されたことでしょう。
お疲れ様でしたー♪
by nicolas (2012-11-01 19:44) 

日本におかえりなさい、そしてフランスにおかえりなさい。
待ってたよ^^
by noriko (2012-11-01 21:26) 

→皆さま　
『立ち止まって飛んだ先は・・・』のお話に、たくさんのnice! ＆ コメントありがとうございます。　帰るたびに街が変わるのはいつものことだけれど、変わるのは街だけじゃなく、上手く言えないけれどいろいろ感じることが。　変わらないのは、サービスの良さ♪　紙袋に雨カバーをかけていただいたのには感動ものでした。

→めぎさま　
同じ国や街に定住だと、そこがだんだんと自分の場所にもなって来るんでしょうけれど、我が家は転々だから何だか根なし草のようで。　次がどこだかも分からないし。　でもどこに行ってもKamoさんのそばが私の居場所かも。　でも、めぎさんのように、はっきりと日本を離れて異国に定住することもかなりの決断を伴うんだろうなぁ。

→stellariaさま　
一時帰国なのに、すっかり旅に出る感じになっちゃって。　外国に嫁に出した訳じゃないから父としては、もっともっと頻繁に帰ってきてほしいと思ってるんでしょうねぇ。　で、帰ってきてる間は楽させてやりたい、と。　きっとまた、次はいつかな、と楽しみにしてるかも。　そう考えると、自分の気持ちとの兼ね合いが微妙で。　上げ膳据え膳はどうも落ち着かず。

→ぴーすけ君さま　
♪Happy Halloween♪　楽しい日だったかな。　ハロウィン翌日１１月１日はこちら祝日でした～。

→テリーさま　
一時帰国とはいえ、すっかり海外旅行のような気構えで、道中ドキドキ。　日常生活とは違う行動だから、Kamoさんのいる家に戻ってきた時が一番ほっとする瞬間。　

→baby_pinkさま　
久々に会えたから嬉しいのは分かるけど、そんなにもてなしてくれなくていいよ、というくらい大事にしてもらいました。　それが結構申し訳なく。　でも親が子を思うのと同じくらい、子も親のことを心配してたりするのよねぇ・・・親が楽しそうに暮らしててひと安心♪　

→rinoさま　
街が変わるのは仕方がないにしても、実家ではあまりもてなされることなく、普段通りでいたかったんですよねぇ。　でも久々に帰ってきたんだから、と。　その気持ちはありがたいけれど、どうにも恐縮してしまって。　rinoさんのお話を読んで、そうそうと納得。　私にとっては、どこの国に住んでもKamoさんのそばが一番の都。

→カエルさま　
結婚した今、Kamoさんと作り上げてきた暮らしの「流儀」みたいなものがあるから、育った実家とはいえ、何かと異なる部分が感じられて、でも滞在の間はそれに従わなきゃ、みたいな気遣いもあり・・・と複雑で。　Kamoさんとトラチ（女の子なのよ～）のそばが私には一番♪　ふふ、突然の日本の写真、妙な感じだった～？　

→lucesさま　
慌ただしいながら、いろいろ懐かしい和食を食べさせてもらい、あぁ、日本人でヨカッタ♪と堪能。　ご飯一粒一粒、旨みが感じられました～。　スーパーの品揃えの良さ、品質の良さには驚きです。

→angie17さま　
奥深いお言葉、ありがとうございます♪　ずーっと旅が続くならもっと楽しまないと♪

→母ちゃんさま　
あっというまに２週間が過ぎて再開です。　早いわぁ。　こんなブログですが、こちらこそどうぞよろしくお願いしますね～。　

→ナツパパさま　
帰る度にいろんな変化を感じます。　街もそうだけど、知らない日本語が多くって(笑)。　どこに行っても自分らしく暮らしていくのが大事かな。　整理整頓、片付け、掃除も♪　

→アールグレイさま　
パリでの生活は、いまだに違和感なんですよ。　大都会向きじゃないので(笑)。　パリでの生活に馴染んで、というより、どこに住んでもKamoさんやトラチがいるところが一番ホッとできる場所♪　パリは観光するところであって住むところじゃないなぁ・・・と(笑)。

→amiさま　
パスポートは海外で更新できても、免許証の更新は日本じゃないと出来ないんですよ・・・。　親も久々に帰ってきたんだから楽させたい、とあれこれもてなしてくれるんですが、それが申し訳なくて、逆に落ち着かず。　親も高齢なので、私としては、たまに帰ってきた時くらい普段しづらいであろう高いところの掃除や家の中の困ってる部分を改良したりしてあげたいのになぁ・・・。　気がつけば、20000ナイス。　Amiさん、ありがとうございます♪

→nicolasさま　
日本の空気はしっとりしてて、滞在の間お肌ぷりぷり♪　おぉっ！って思ったのも束の間、パリに戻ったらまた乾燥気味・・・。　違うな～大陸と海に囲まれた国の空気は。

→norikoさま　
日本って、本当に何でも売ってるんだなぁ・・・と買い物してても、珍しいものがいっぱい並んでてなかなか前に進めず。　可愛い雑貨はフランスより、日本だなぁ。
by Inatimy (2012-11-02 20:10) 

お久しぶりの帰国だったのですね＾＾
お疲れ様でした。
自分の居場所、私もたまに実家に帰ると「もうここは自分の居場所じゃなくなったなあ」なんてしみじみ思います。
by MOCOMOCO (2012-11-02 20:19) 

日本に帰ってたんだねー！
日本語写してるところがロスに住む友人と同じ(･∀･｀)

日本で生まれても今住んでるところがやはしなじむ。
海外住んでる友人たちがよくゆってる。
外国だけでなく関東に生まれて沖縄行った人とかも。
場所だけでなくまわりとのかかわりとかもあるからなのかなー
Kamoさんとトラチの側がInatimyさんが居たいトコロなんだね(･∀･｀)
by ふゆん (2012-11-03 18:19) 

おかえりなさーい。
でも、もうフランスの空の下なのね。
日本に来て違和感。そうなのね。自分の居場所って変わっていくんですよね。
by ＨＩＲＯＭＩ (2012-11-03 23:47) 

ご無沙汰しました。
一週間経ってやっと風邪もほぼ治りました。
最近は風邪を引くこともなかったのですが、
ちょっと油断したらダメですね^^;
お引越しではなく一時帰国だったのですね。
日本にいても一年経つと街の様子が変わって戸惑うことがあります。
パリに帰ってホッと一息いつもの日常の始まりですね(^ ^)
by miffy (2012-11-07 15:42) 

→MOCOMOCOさま　
とにかく１２時間の飛行機とその後の列車の移動を考えると私にとっては大移動で、父からの要請がなければ帰らなかったんですが、帰ったら帰ったで美味しいものづくしの和食に舌鼓。　でもやっぱり、もう、旅気分なんですよねぇ・・・複雑。

→ふゆんさま　
あちこちに看板が多くって日本語がいっぱい。　全部分かる文字だ～と珍しくって撮影（笑）。　住めば都、ホントそうなんだけれど、あちこち欧州内引っ越してもKamoさんとトラチのいる場所が、私の居場所で帰る場所♪　でもパリには海や湖がないから、たまに恋しくなるな。

→ＨＩＲＯＭＩさま　
あっというまの滞在１週間でした～。　実家が一番気楽～っていう友達もいて、人によって感じ方もそれぞれだなぁ・・・と考えたのでした。　一方でKamoさんに日本のお土産いっぱい買えたのが嬉しかった♪

→miffyさま　
体調が回復されてヨカッタです。　これから冬本番なので、暖かくしてくださいね～。　そうなんです、日本へ一時帰国で。　普段からパリから外へほとんど出ないので、日本へとなると私には一大イベント（笑）。　しかも、日本の駅で何気なく耳にした人々の会話も分からない言葉があったり・・・２年の歳月といえども恐ろしいものですね～。
by Inatimy (2012-11-07 19:03)